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最終更新日:2008年12月1日
   
   
 2008年12月9日(火) 9:30−17:00
 東京電機大学神田キャンパス 7号館1F 丹羽ホール
  インターネットは音楽や映像といったコンテンツの流通経路として使われるようになった.特にユーザによるコンテンツの発信は,最近になって大きな盛り上がりを見せている.しかし,データ量の大きなコンテンツの流通は,ユーザへの安定した配信技術や視聴管理といった多くの技術的な課題がある.加えてコンテンツの著作権や放送権といった問題が残されている.今回は,様々な分野から講師をお招きし,インターネットを利用したコンテンツ流通の課題と未来を多面的に語っていただく.  
 
 若山 史郎 (株)東芝 研究開発センター プラットフォームラボラトリ
略歴 2003年慶應義塾大学政策・メディア研究科修了.同年株式会社東芝研究開発センター 通信プラットホームラボラトリーにて勤務.RFID応用技術,ユビキタスネットワーキング関連研究に従事.
 
 
9:30-9:35
 オープニング

セッション1

9:35

11:00
 教育コンテンツ

  大川 恵子(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授)
 

講演概要 インターネットゆえ,というコンテンツ流通の革命は大学や研究機関など教育・研究関連のきっかけではじまったともいえる.ここでは,インターネットの基盤技術とその発展が教育・研究とともにどのように発展しそのインパクトが社会展開する経緯に着目しインターネットの教育コンテンツの背景と実態を議論する.

略歴 1985年慶應義塾大学大学院工学研究科修士課程修了.日本DEC(1985-1986),日本サン・マイクロシステムズ(1986-1996),国連大学高等研究所(1996)などを経て,2001年同大学大学院政策・メディア研究科より博士号(政策・メディア)を取得.1997年よりWIDEプロジェクト School of Internet Working Group Chair としてインターネットと大学教育に関する研究に従事.SOIプロジェクトの成果の社会への浸透と社会基盤への発展を目的として,(株)スクールオンインターネット研究所を設立(2000).2001年よりSOI Asiaプロジェクトのディレクターとしてアジア全域の大学教育協力プロジェクトの運営と研究に従事. 2008年より現職.
11:00-11:10
 休憩


セッション2

11:10

12:00

 ネット時代におけるコンテンツフォーマットの課金可能性

  川上 量生((株)ドワンゴ 代表取締役会長) 

講演概要 ネットにおいて音楽,ビデオなどのコンテンツの違法コピーの流通が大きな問題となっていますが,現状,有効な解決策は見つかっていません.一方でネットでコンテンツで収益をあげる方法についてもコンテンツ業界,ネット業界ともに解答をもっていないにもかかわらず,ネット業界からコンテンツ業界への”開国要求”は強まるばかりとなっています.本講演ではドワンゴが考えるネットにおけるコンテンツフォーマットの進化と課金可能性について説明したいと思います.

略歴 1968年9月6日生まれ.1991年3月京都大学工学部卒業.1991年4月株式会社ソフトウェアジャパン入社.1997年8月株式会社ドワンゴ設立 代表取締役社長就任.2000年9月同社 代表取締役会長就任(現職).2002年12月株式会社コンポジット非常勤取締役就任.2006年7月エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社取締役就任(現職).2006年11月末株式会社ニワンゴ取締役就任(現職).
12:00-13:00
 お昼休み

セッション3

13:00

14:20
 本格普及の到来!IPTVの最新動向
  川添 雄彦(NTT研究企画部門 チーフプロデューサー) 
  
※岸上順一(NTTサーバーソリューション研究所 所長)の講演を予定しておりましたが
    都合により変更になりました

講演概要 日本のコンテンツ産業においては,無料(広告)モデルの地上波放送が中核を担っていますが,魅力的なコンテンツやサービスを求めて,今後,有料モデルの放送サービスの市場拡大が見込まれています.IPTVは,有料モデルの中でも特に成長が見込まれているサービスです.IP多チャンネル放送,VOD,IP再送信に加えて,いわゆる見逃し視聴サービス,将来的にはメタデータによる双方向性を活かしたサービスやモバイルとの連携サービスなどが順次提供されていくことによって, NGNの普及を牽引する役割が期待されています.本講演においては,IPTVに関して,標準化動向,構成技術,実証実験など,最新の動向を解説します.さらに,次世代IPTVサービスの今後の展開についてご紹介いたします.

略歴 NTT通信網第二研究所に入社以来,衛星通信システム,パーソナル通信システム,無線回線制御技術,誤り訂正技術の研究開発に携わる.2003年 サイバーソリューション研究所第一推進プロジェクトにおいて放送と連携したブロードバンドサービスの研究開発プロジェクトのディレクタ/主幹研究員.2008年7月 研究企画部門担当部長コンテンツ流通チーフプロデューサーに就任.ARIBサーバ型放送作業班副主任としてARIB−B38の策定にも従事.主な著書;「デジタル・コンテンツ流通教科書(インプレス社)」.2007年度高柳記念奨励賞受賞.
14:20-14:30
 休憩

セッション4

14:30

15:50
 peer-to-peerコンテンツ配信技術

  首藤 一幸 (東京工業大学 大学院情報理工学研究科 准教授)

講演概要 peer-to-peer技術は,高画質映像に代表される大容量コンテンツの配信において,配信側の設備・コスト負担を飛躍的に減らします.さらには,ISP・キャリアといったインフラ側の負担を減らす効果も見込まれており,その検証と効果促進が各国で盛んに進められています.また,使われ方としては,総発信社会,つまり,世界中への大規模な発信を万人に対して可能とする技術として期待されています.本講演では,事例,技術,効果,インフラへの影響をお話します.

略歴 エンジニアとして「人には作れないものを作る」をモットーに,Javaスレッド移送システム,Just-in-Timeコンパイラ,オーバレイ構築ツールキットなどのソフトウェアを開発してきた.1998年 早稲田大学助手.2001年 産業技術総合研究所入所. 2006年 ウタゴエ(株)取締役最高技術責任者.2008年12月より現職.博士(情報科学).主な著書に「Binary Hacks」「Javaによるアルゴリズム事典」.SACSIS2006最優秀論文賞.IPA未踏ソフト2006年度上期スーパークリエータ認定.情報処理学会平成18年度論文賞.情報処理学会平成19年度山下記念研究賞.
15:50-16:00
 休憩

セッション5

16:00

17:00
 コンテンツ配信をとりまく法律問題

  壇 俊光 (北尻総合法律事務所 弁護士) 

講演概要 Youtubeの人気を待つまでもなく,動画等のコンテンツ配信へのニーズの高さは非常に高い.日本は,他国から見れば驚異的ともいえるFTTHの普及率があるにも関わらず,フランスのようなIP―TVが普及した国と比較して,コンテンツ配信のビジネス化が進んでおらず,宝の持ち腐れという感がある.このような事態となっている原因の一つとして,日本の法律や裁判実務の存在があげられている.実際に,カラオケ歌唱に関して飲食店の責任を認めた最高裁判決は,非常に広範な範囲で機器の提供者に対する責任を認める法理として用いられている.今回は法律の初学者をメインのターゲットとして,今後の議論の手がかりとなるべく,基本的な法律や近時の裁判例を素材に法律的な考え方や裁判所の基準の動向などを解説する予定である.

略歴 2000年10月弁護士登録,北尻総合法律事務所所属.日本弁護士連合会でコンピュータ委員会や消費者問題対策委員会電子商取引部会に所属.情報処理資格は情報セキュリティアドミニストレータ等ITに関する法律問題を重点取り扱い分野としている.著名な取り扱い事件としては,「Winny事件」「Yahoo!BB個人情報漏洩被害者損害賠償事件」等,著書としては共著として「P2P教科書(インプレスR&D)」,「最新著作権関係判例と実務(商事法務)」等.