9:30-9:35 |
オープニング |
セッション1
*キーノート
9:35
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11:05 |
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インターネットとWIDEプロジェクト
村井 純 ((学)慶應義塾常任理事 兼 慶應義塾大学環境情報学部教授) |
講演概要 WIDEプロジェクトは1988年に設立され,ネットワーク環境の黎明期から,20年の間インターネットの発展のため
に様々な活動を続け,常にインターネットの発展とともにあった.今やインターネットは10Gbpsもの広帯域な環境となり,社会を支える重要な基盤となった.インターネット技術の一般社会への浸透も急激に進んでおり,インターネットを利用したサービスの広がりはとどまるところを知らない.本講演では,これまでのインターネットが社会に与えてきた影響,これからのインターネットの可能性,および今年20周年を迎えたWIDEプロジェクトがこれまでインターネットの発展のために担ってきた役割とこれから狙っていく役割について述べる.この講演を通じ,参加者がインターネットへの理解を深めるだけでなく,今後のインターネットの可能性を考える場を提供できればと願っている. |
略歴 1955年生まれ.1984年慶應義塾大学大学院工学研究科博士課程単位取得退学.1987年博士号取得.1984年東京工業大学総合情報処理センター助手,1987年東京大学大型計算機センター助手.1990年慶應義塾大学環境情報学部助教授を経て1997年より教授.1999-2005年慶應義塾大学SFC研究所所長.1984年JUNETを設立.1988年WIDEプロジェクトを設立し,今日までその代表として指導にあたる.
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11:05-11:15 |
休憩 |
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インターネットの歴史
加藤 朗 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授) |
講演概要 現在は情報基盤としての位置づけを獲得しているインターネットであるが,一朝一夕に発展を遂げてきたわけではない.我が国におけるインターネットは1988 年頃から大学を中心に発展を始め,1992 年に商用インターネットサービスが始まる頃には社会的な情報基盤へ発展する兆しがみられてきた.そこで,本講演では,インターネットの発展の歴史やそれに関連する技術や開発などについて概観し,いろいろな歴史的背景について紹介する.これらが将来のインターネットの姿を模索する一端になると幸いである. |
略歴 1986年東京工業大学大学院理工学研究科修士課程終了,1990 年同博士後期課程を単位取得退学し,1990 年に慶應義塾大学環境情報学部助手,1993 年東京大学大型計算機助手,2002 年同情報基盤センター助教授を経て 2008 年から慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授.大学院時代から JUNET の運営に関与し,WIDE Project の創設時からのメンバで現在同ボードメンバ.博士(政策・メディア).情報処理学会正会員.
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12:15-13:05 |
お昼休み |
セッション3
13:05
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14:05
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インターネットプロトコルの標準化
藤原 和典((株)日本レジストリサービス 技術戦略室) |
講演概要 インターネットで使用されるプロトコルの多くは、IETF(Internet Engeneering Task Force)で標準化され,RFC(Request For Comments)として発行される.本講演では,IETFでの標準化の考え方,標準化手続きについての解説を行い,ワーキンググループ,メーリングリスト,ミーティングなどを通した実際の標準化活動について紹介する.また,WIDE Projectによる標準化の紹介を行う. |
略歴 1991年 早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了.1996年 早稲田大学大学院理工学研究科博士後期課程退学.1992年-1996年 早稲田大学情報科学研究教育センター助手.1996年 情報技術開発(株)入社.1991年から2000年まで早稲田大学のネットワーク構築・運用に従事.2002年 (株)日本レジストリサービス入社,DNS及び関連する技術の調査・研究,IETFでの標準化活動に従事,現在はメールアドレスの国際化についての標準化を行っている.
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セッション4
14:05
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15:05
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日本と世界におけるインターネット運用状況
関谷 勇司(東京大学情報基盤センター 助教) |
講演概要 現在のインターネットの動向を日本ならびに日本と世界との連携を中心として紹介する.主にネットワーク構成とトラフィックの傾向を中心に解説する.また,次世代インターネットの普及状況やその利用状況に関しても紹介し,日本と世界における進行状況について説明する.現在のインターネットは長年議論され,話題となってきた IPv6 の移行がようやく進行し始めた状況であり,日本のみならず世界,特に今まであまり話題に上らなかった北米地域においても急速に IPv6 の導入が進められている.このような状況をふまえ,現在のインターネット運用状況ならびに次世代インターネットへの移行状況に関してまとめる. |
略歴 1997年 京都大学総合人間学部卒.1999年 慶応義塾大学政策・メディア研究科修了.同年 10月から 2000年 3月まで USC/ISI 訪問研究員として DNS の研究に従事.2005年 慶応義塾大学政策・メディア研究科後期博士課程修了.博士(政策・メディア).2002年より東京大学情報基盤センター助手に就任.2007年同センター助教.次世代ネットワークプロトコルの研究開発と DNS の信頼性向上に関する研究に従事.
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15:05-15:15 |
休憩 |
セッション5
15:15
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16:15
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衛星インターネットが実現した世界とこれから
横山 輝明(サイバー大学 IT総合学部 助教) |
講演概要 AI3はアジア地域におけるインターネット技術の研究開発や人材育成を目的とする研究団体である.アジアには,無数の島嶼や山深い土地などの未だ開発の行き届かない地域が残り,狭い地域に宗教・文化・社会体制の異なる国々がひしめき合って存在している.このような環境で,広く存在するパートナー達と協同で研究を進めていくためには,意思疎通を図るためのコミュニケーション手段そのものから用意する必要があった.そこで,AI3は静止衛星を利用したアジア地域インターネットバックボーンの構築から活動を開始した.自前の通信基盤を有することとなったAI3では,衛星通信基盤そのものから,ユニキャストやマルチキャストといったIP通信技術,さらに遠隔教育や放送型通信などの衛星インターネットのアプリケーションまで幅広い研究が行われている.現在では31カ国に広がる29の学術組織と連携する研究グループとなるに至った.AI3がなぜ,どうやって成功してきたのか,またこれからの課題や目標について紹介する. |
略歴 2007年3月 奈良先端科学技術大学院大学にて博士号を取得する.ユビキタス環境におけるサービス提供モデルや,ソーシャルネットワーク技術の応用について研究を行う.また,アジア地域における研究教育を支援するAI3プロジェクトに関わり,プロジェクト運営と研究に携わる.2007年4月よりサイバー大学 助教に就任.奈良先端科学技術大学院大学にて研究員を兼任.WIDEプロジェクトメンバーに所属.
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セッション6
16:15
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17:15
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インターネットを利用した広域教育インフラ
大川 恵子(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授) |
講演概要 SOIプロジェクトは「世界中の学ぶ意欲を持つ人々に,デジタルコミュニケーションを基盤とした従来の制限や境界にとらわれない高度な教育と研究機会を提供する」ことを目的とし,さまざまなサービスを提供しており,インターネットを介したリアルタイムでの授業や,そのアーカイブを使った受講など,一般的な受講スタイルのほか,デジタルコミュニケーションを利用したからこそ可能な様々なサービスを実現している.高速な通信用ケーブルの敷設が困難な地域には,衛星インターネットを効率的に用いた授業配信を行っており,特にアジア地域にはSOIASIAプロジェクトで多くの大学と連携した活動をすすめている.本講演では,SOIプロジェクトおよびSOIASIAプロジェクトについてまとめ,デジタルコミュニケーションを利用した教育の今後について述べる.
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略歴 1985年慶應義塾大学大学院工学研究科修士課程修了.日本DEC(1985-1986),日本サン・マイクロシステムズ(1986-1996),国連大学高等研究所(1996)などを経て,2001年同大学大学院政策・メディア研究科より博士号(政策・メディア)を取得.1997年よりWIDEプロジェクト School of Internet Working Group Chair としてインターネットと大学教育に関する研究に従事.SOIプロジェクトの成果の社会への浸透と社会基盤への発展を目的として,(株)スクールオンインターネット研究所を設立(2000).2001年よりSOI Asiaプロジェクトのディレクターとしてアジア全域の大学教育協力プロジェクトの運営と研究に従事. 2008年より現職.
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17:15-17:20 |
クロージング |