2018年度研究会・研究グループ活動報告

<コンピュータサイエンス領域>
DBS SE ARC OS SLDM HPC PRO AL MPS EMB

<情報環境領域>
DPS HCI IS IFAT AVM GN DC MBL CSEC ITS UBI IOT SPT CDS DCC ASD

<メディア知能情報領域>
NL ICS CVIM CG CE CH MUS SLP EIP GI EC BIO CLE AAC NEgr SSRgr LIPgr PBDgr
 

コンピュータサイエンス領域

◆データベースシステム(DBS)研究会

[主査:吉川正俊,幹事:天笠俊之,清田陽司,新谷隆彦,手塚太郎,
  富井尚志,波多野賢治,宮崎 純,山本岳洋,湯本高行]

1.定例の研究会活動報告

 第167回,第168回の定例の研究会を開催した.第167回は,東京工業大学において,9月開催のWebDB Forum 2018のセッションとして開催し,14件の発表があった.WebDBForumのセッションとしてDBS研究会を開催する試みは2016年,2017年に引き続き3回目である.プライバシ保護の研究や,ツイートなどのソーシャルメディアに基づく分析に関する研究などが報告された.第168回研究会は,国立情報学研究所において,電子情報通信学会データ工学(DE)研究会と合同で「データ工学・データベースシステムとエンターテインメントおよび一般」という議題で12月に開催した.招待講演2件,一般講演ではDBS研では2件,DEと合わせて合計12件の発表があった.

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 DBS研究会では,産学連携をコンセプトとした都市開催のWebDB Forumと地方開催のDEIM Forumという二つのシンポジウムを開催している.今年度も引き続きこれらを開催した.

  • 「Webとデータベースに関するフォーラム (WebDB Forum 2018)」(9月実施)は,2008年度から毎年開催しているシンポジウムであり,今回で11回目の開催となる.2018年度は,「多様化するサイバー攻撃に対するデータ分析」,「イジングマシン活用に向けた最新動向」という招待講演セッション・特別セッションと,iDB特別セッションとして「Spatial Trajectory Analytics: Past, Present and Future」という招待講演のほか,海外研究者と国内の若手研究者の交流の場としてiDB特別セッションを並列セッションの一つとして開催した.一般セッションでは,65件の口頭発表が行われた(内訳は特別セッション3,TODセッション11,DBS研14,IFAT研8,DE研究会10,テクノロジーショーケース19).これらの発表論文の中から,最優秀論文賞1件,優秀論文賞1件,学生奨励賞10件を表彰した.参加者は,学生114名を含む344名であった.WebDBフォーラムは,大学や研究所の研究者ばかりではなく,Webに関係する企業の協賛・参加が多く,産学連携のために重要な役割を果たしている.

  • データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM Forum 2019)」(3月実施)は,本分野最大の規模で実施されるシンポジウムである.発表件数は一般発表357件,インタラクティブ発表は294件(一般発表との同時発表220件を含む),参加者数は704名であった.
3.総括

 今年度は,2016年度に大幅な変更を行なった年間スケジュールに従って活動した3年目であった.シンポジウムについては,日本データベース学会,電子情報通信学会データ工学研究会と共催の形で実施し,論文誌の運営に関しては,IFAT研究会,電子情報通信学会のデータ工学研究会と共同で運営するなど,国内の関連コミュニティとの連携を継続して行なってきた.
 各イベントの参加者数の増加などを見るに,今年度も,本分野における研究活動の活性化に貢献できたと考えられる.

上に戻る

 

◆ソフトウェア(SE)工学研究会

[主査:丸山勝久,幹事:石尾 隆,位野木万里,丹野治門,吉田則裕,吉村健太郎,鷲崎弘宜]

1.定例の研究会活動報告
 第199~201回の研究発表会を計画し,合計61件の研究発表(招待講演・活動報告を含む)があった.
  • 第199回 7月18日~20日 北海道・帯広市 とかちプラザ(SIGSE/KBSE/SIGSS連立開催)発表31件(2017度29件)
  • 第200回 11月9日~10日 奈良県・奈良商工会議所 小ホール 発表11件(2017度11件)
  • 第201回 3月9日~10日 東京都・化学会館 5階 501会議室 発表21件(2017度39件)
 分野は,要求分析から設計・実装・テストに至るソフトウェアライフサイクル全般にわたっている.分野に関して大きな傾向の変化は見られなかった.12月のAPSEC 2018での投稿を促進したため,3月研究会の発表件数は昨年度の半数程度に減少した.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  1. ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2018(SES2018)
    2018年9月5日~9月7日の3日間にわたり,東洋大学白山キャンパス(東京都・文京区)にて開催した.研究論文,実践論文,研究アイディア論文,ポスター展示において,数多くの研究発表が行われた.他にも2件の基調講演を企画した.ポスター展示は2017年度に引き続き盛況であった.シンポジウム参加者は156名であった.参加者アンケートを見ても,いずれの企画も高い有益度と満足度であり,産学の研究者・技術者・実務者による活発な議論が展開されたと考えている.

  2. ウィンターワークショップ2019・イン・福島飯坂(WWS2019)
    2019年1月24日~25日の2日間にわたり,飯坂ホテル聚楽(福島県・福島市)にて開催した.7つのテーマに対して16件の発表があった.参加者は77名となり,密度の濃い議論が行われ,充実したワークショップとなった.

  3. 第25回 アジア太平洋ソフトウェア工学国際会議(APSEC 2018)
    2018年12月4日〜7日の4日間にわたり,奈良春日野国際フォーラム甍(奈良県・奈良市)にて開催した.アジア太平洋ソフトウェア工学国際会議(APSEC)は,アジア・オセアニア地域において毎年開催される,ソフトウェア工学分野を代表する国際会議であり,最新の研究成果と実践成果の発表の場となっている.日本での開催は4回目である.研究論文セッションの他に,ソフトウェア実践論文セッション,研究速報セッション,ポスターセッションを設置し,合計97件の発表が行われた.また,3件の基調講演,1件のチュートリアル,4件のワークショップを企画した.参加者は,世界28カ国から253 名であり,アジア・太平洋地域以外(ヨーロッパなど)からの参加者も少なくなかった.論文投稿数は近年ますます増加しており,ソフトウェア工学に関係するさまざまな研究トピックに関して,質の高い研究発表を提供できたと考えている.また,国際会議を身近で開催することで,若手研究者および若手実践者の意識を高めることもできた.
3.総括

 上記で報告した研究会,シンポジウム,ワークショップ,国際会議に対して,本年度も多くの方の参加を頂くことができ,充実した活動内容となった.他にも,ソフトウェア工学研究会ではワーキンググループ(WG)が設置されており,それぞれ活発に活動している.2019年度の4月には,産学連携促進WGが新設され,要求工学WG,パターンWG,国際的研究活動活性化WG,ソフトウェアの評価WGと合わせて5ワーキンググループ体制になった.また,コンピュータサイエンス領域功績賞の新設に合わせて,ソフトウェア工学研究会功績賞を新設した.

4.その他

 今後とも質と量の両面からソフトウェア工学分野の活性化につながるように,会員に対するサービスレベルの向上に努めていき,さらに充実した活動を行っていきたい.国際会議の誘致をはじめとし,国際的活動への積極的な関わりを強化することで,研究会のさらなる国際化を促進する.同時に,ソフトウェア工学は実社会に生じる複雑かつ予想困難な課題に真に向き合うべきであるという意識のもと,未来のソフトウェアのあるべき姿を議論する場を提供し,世界をリードできる研究者・技術者の育成の重要性を強く打ち出していきたい.

上に戻る

 

◆システム・アーキテクチャ(ARC)研究会

[主査:井上弘士,幹事:近藤正章,塩谷亮太,田中美帆,長谷川揚平]

1.定例の研究会活動報告

 第223~227回の研究発表会を開催した.原則,すべての会を IEICE CPSYと連催し,他の研究会と共催・連載する場合も,CPSY と合同でセッションを構成した.発表件数は,特に断りのない限り,ARC/CPSY 合同セッションのものであり,招待講演は除く.

  • 第223回 2018/06/14(木)~15(金) @蔵王温泉 たかみや瑠璃倶楽リゾート
    第3回 HotSPA.IEICE CPSY,DC と共催.発表 16件.ARC 若手奨励賞 2件.
  • 第224回 2018/07/30(月)~08/01(水) @熊本市国際交流会館
    SWoPP.IPSJ HPC,OS,PRO などと同時開催.発表 33件.若手奨励賞 3件.
  • 第225回 2018/12/05(水)~07(金) @サテライトキャンパスひろしま
    デザインガイア.IEICE CPM,CPSY,DC,ICD,IE,RECONF,VLD,IPSJ EMB,SLDM と連催.発表 8件.若手奨励賞 1件.
  • 第226回 2019/01/30(水)~31(木) @慶應大学 日吉キャンパス 来往舎
    IEICE CPSY,RECONF,VLD,IPSJ SLDM と連催.発表 6件.
  • 第227回 2019/03/17(日)~18(月) @西之表市民会館
    ETNET.IEICE CPSY,DC,IPSJ EMB SLDM と連催.発表 21件.若手奨励賞 1件.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 2018/11/27(火)~30(木)に高山市民文化会館・高山市公民館で開催された,CANDAR (Int'l Symp. on Computing and Networking)に協賛(technical
    cosponsor) した.
  • 2018/10/20(土)~10/24(水)にグランドハイアット福岡で開催された,MICRO(The 51st Annual IEEE/ACM International Symposium on Microarchitecture)に協賛した..
3.総括

 2017年度に引き続き,2018年度も,基本的にすべての研究会を CPSY と連催とした.また,定期的な研究会以外においても,2017年度からスタートしたxSIG(cross-disciplinary Workshop on Computing Systems, Infrastructures, and Programming)を PRO,HPC,OS 研究会と主催し,積極的に領域を跨いだ議論を展開する場を提供した.国際化に向けての活動としては,51回目にして日本初開催となった MICRO の運営を支援した.計算機アーキテクチャ分野における世界トップクラス国際会議の日本開催としては,1986年に東京にて開催された ISCA 以来の 32 年ぶりであり,国内外のアーキテクチャ研究者が集結する大きなイベントとなった.MICRO を通して国内企業においてもアーキテクチャを専門とする人材の需要が極めて高まっていることを実感した.このような状況に対応すべく,今後もアーキテクチャ研究の活性化ならびに人材育成を進める予定である.

4.その他
 2017年度に引き続き,他研究会との連携を進め幅広い議論を展開した.また,幹事団ならびに運営委員からなる組織構成としては,産業界/学術界,専門分野,男女比,など様々な観点から多様性を高めることを意識した.半導体微細化に限界が見えつつある現状において,デバイスからプログラミング,応用までを見据えた分野横断的アプローチの重要性が増している.このような中,我が国においてもコンピューティング技術革新に向けた投資が進みつつあり,システムアーキテクチャ研究会の重要性は高まっていると考える.今後は,国際化をより一層進めるべく,海外大学や研究機関との連携,海外研究者による講演やディスカッションを増やしていきたい.

上に戻る

 

◆システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)研究会

[主査:光来健一,幹事:小沢健史,尾上浩一,広渕崇宏,山内利宏]

1.定例の研究会活動報告

 第143-145回の研究発表会を開催した.

  • 第143回 2018年5月21日(月)~22日(火)ホテルモントレ沖縄
    システムソフトウェア一般について発表を募集し,仮想化,I/O,検証,評価,最適化,高速化,並列処理,分散システム,耐障害性について計14件の発表があり,一泊二日の滞在型の研究会として活発な議論が行われた.
  • 第144回 2018年7月30日(月)~8月1日(水)熊本市国際交流会館
    並列/分散/協調処理に関するサマー・ワークショップ」として複数研究会の共催の形態で開催した.マルチコア,OS構成法,セキュリティ,クラウド,データベース,ストレージ,仮想化,GPUについて全16件の発表が行われた.
  • 第145回 2019年2月28日(木)~3月1日(金)函館コミュニティプラザ
    システムソフトウェア一般について発表を募集し,インタフェース,ファイル・ストレージ,ディープラーニング,高速化,セキュリティ,障害検知,コンテナ,仮想化について16件の発表が行われた.また,ドレスデン工科大学のDo Le Quoc氏による招待講演が行われた.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 第30回 コンピュータシステム・シンポジウム 2018年11月29日(木)~30日(金)
    場所:法政大学 市ヶ谷キャンパス
    コンピュータシステム・シンポジウムはOS研究会が長らく主催してきた会議である.年に一回,OSやシステムソフトウェアの研究者が集い,研究成果を発表して意見交換することでさらに研究を進展させる場として重要な役割を担ってきた.昨今の国際会議への投稿の活発化を背景として,国際会議の前段階としての議論の場として,投稿論文にコメント・フィードバックを行うようにした.投稿された11件の論文にはすべてに発表の場を提供した.特別企画として,2件の招待講演を企画した.また,3件のトップカンファレンス採択論文講演と,国際会議の出張報告も行われた.
3.総括

 システムソフトウェアとオペレーティング・システムの分野の研究発表活動は,実際の情報システムの技術の変化に沿って変遷してきた.最近では,仮想化情報基盤やクラウドなどの大規模情報システムが広く使われるものとなってきたが,それらの実利用から将来の利用形態までを含めた,新しい技術開発を目した研究発表が堅調に行われている.シンポジウムを年3回の研究会における萌芽的な研究発表から国際会議や論文誌への発展を支える場とすることを明確な方針として打ち出し,本研究会に関わる分野のさらなる発展を支援していく体制を強化している.これに加えて,2006年度より継続している学生表彰等により若手への支援も積極的に進めていく.

 

◆システムとLSIの設計技術(SLDM)研究会

[主査:田宮 豊,幹事:柴田誠也,細谷英一,密山幸男]
1.定例の研究会活動報告
 以下に示す第184~187回の研究発表会を開催した.
  • 第184回: 発表件数  6件, 5月16日,北九州国際会議場
    テーマ : システム設計および一般
    連催: 電子情報通信学会 VLD研究会
    連続開催: 第31回 回路とシステムワークショップ
  • 第185回: 発表件数 42件,12月5-7日,サテライトキャンパスひろしま
    テーマ : デザインガイア2018 -VLSI設計の新しい大地-
    連催: 電子情報通信学会 DC/VLD研究会
    併催: 情報処理学会 SIGARC/CPSY/CPM/ICD/IE/RECONF研究会
    合同: 情報処理学会 SIGEMB
    協賛:IEEE CEDA All Japan Joint Chapter
  • 第186回: 発表件数 23件, 1月30-31日,慶應義塾大学日吉キャンパス 来往舎
    テーマ : FPGA応用および一般
    連催: 電子情報通信学会 VLD/CPSY/RECONF研究会
    合同: 情報処理学会 SIGARC研究会
    協賛:IEEE CEDA All Japan Joint Chapter
  • 第187回: 発表件数 56件, 3月17-18日,西之表市民会館
    テーマ: 組込技術とネットワークに関するワークショップ ETNET2019
    合同:情報処理学会 SIGEMB/SIGARC研究会
    連載:電子情報通信学会 CPSY/DC研究会
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 以下のシンポジウムを開催した.

  • DAシンポジウム2018: 8月29日-8月31日,山代温泉 ゆのくに天祥(石川県加賀市),発表件数 47件

 以下の国際会議を協賛した.

  • ASP-DAC 2019: 1月21-24日,日本科学未来館,発表件数 134件

3.総括

  本研究会は,システムLSIを中心とする電子装置の設計技術,設計自動化技術の研究分野をスコープとして活動している.2014年度に「システムLSI設計技術研究会」から改称を実施し,それに伴うスコープの拡大により,活動の活性化が進んでいる.
  研究会単独主催の「DAシンポジウム2018」は,石川県にて開催(「DAシンポジウム2015」から4回目)され,参加者のアンケートからは 会場も含め好評を得ている.参加者数も,昨年(110名)から4%以上増の”115名”となった.昨年度から新たに追加した”企業デモ展示”と ”特別セッション”などの効果もあり,当研究会の活動が支持を得ていることが示されたと考えている.
  学生会員育成のための表彰SWGの活動(2006年度創設)は,研究活動の更なる発展に向けた活動として定着し,「DAシンポジウム2018」 にて学生賞16名が表彰された.
  2008年度に創刊された,研究会独自のオンライン・トランザクション(TSLDM:Transactions on System LSI Design Methodology)は,2018年8月に第21号(Vol.11 August Issue),2019年2月に第21号(Vol.12 February Issue)を発行した.

4.その他
 活動履歴や予定の詳細については,下記をご参照ください.
http://www.sig-sldm.org/

上に戻る

 

◆ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)研究会

[主査:岩下武史,幹事:板倉憲一,高橋大介,林亮子,藤井昭宏,星 宗王]

1.定例の研究会活動報告

 2018年度は,第164-168回の研究発表会を開催し,合計124件の発表が行われた.

  • 第164回研究発表会は,5月7日(月)に東京工業大学 大岡山キャンパスにて開催,9件の発表があった.また,TSUBAME3システムの見学会を行った.
  • 第165回研究発表会は,7月30日(月)-8月1日(水)の3日間,熊本市国際交流会館にてARC,PRO,及びOSなどの研究会と共同で2018年並列/分散/協調処理に関する『熊本』サマー・ワークショップ(SWoPP2018)を開催,41件の発表があった.
  • 第166回研究発表会は,9月27日(木),28日(金)の2日間,北海道立道民活動センターにて開催,15件の発表があった.
  • 第167回研究発表会は,12月18日(月),19日(火)の2日間,沖縄産業支援センターにて開催,32件の発表が行われた.
  • 第168回研究発表会は,3月5日(火)-7日(木)の3日間,石川県加賀市の山代温泉瑠璃光にて開催,27件の発表があった.

 これらの研究会では,GPUやFPGA等のアクセラレータを用いた高性能計算に関する研究,「ポスト京」のシステムに向けた研究発表に加え,深層学習やシステムの省電力など,社会的に注目が大きい課題に関する発表が目を引いた.
 また,2017年度の研究発表の中から,コンピュータサイエンス領域奨励賞2件,山下記念研究賞2件を推薦した.

2.シンポジウム・国際会議等の報告
 本研究会が主催,共催したシンポジウムはなかったが,2018年1月に本研究会が主催し,2020年1月にも本研究会の主催による実施が見込まれているInternational Conference on High Performance Computing in Asia-Pacific Region 2019(アジア・太平洋地域におけるハイパフォーマンスコンピューティング国際会議,HPC Asia 2019)が1月14日~16日の間,広州で開催された.前回を上回る350名の出席者があり,HPC技術のみならずデータサイエンスやAIなどの現在研究が活発な領域に関して,充実した議論が行われた.
3.総括

 HPC研究会は,2018年度に5回の研究発表会を行い,活発な活動を行うことができた.また,2017年度に開始した国際会議HPC Asiaを研究会のメインカンファレンスとして位置づけ,次回の自国開催であるHPC Asia2020の準備を進めてきた.同会議は福岡市での開催を目指している.
 HPC分野では,「京」コンピュータの運用停止が発表されると共に,ポスト「京」の全容が次第に明らかになりつつある.一方で,HPC関連の大型プロジェクトが終了し,過渡期といってよい状況にある.そうした中で,近年注目されるデータサイエンスや機械学習の応用において,高性能計算の必要性が認知されるようになってきており,HPC研究の成果が社会において大いに期待されていると感じられる.HPC研究会が研究成果と社会の橋渡しと機能するように取り組む必要がある.

4.その他

 HPC研究会では,主査が2018年度に交代した.新しい主査の下,従来の活動に加えて,①学生,若手研究者のEncourage,②HPC研究に関する成果の産業応用,計算科学を含む実アプリへの展開の促進 を図ることを打ち出している.研究会内での招待講演の実施や他研究会との連携に関して検討を行っており,引き続きHPC研究会の発展に尽力していく所存である.

上に戻る

 

◆プログラミング(PRO)研究会

[主査:西田直樹,
  幹事:石崎一明,Jacques Garrigue,田浦健次朗,千葉 滋,千代英一郎,
   寺内多智弘,中野圭介,松崎公紀,南出靖彦,森畑明昌]

1.定例の研究会活動報告
 第119-123回の研究発表会を開催し,合計54件の発表があった.このうち,第120回(8月,SWoPP 2018)が他研究会との連続開催であり,残りの4回が単独開催である.

 平成30年度も,トランザクションプログラミング(PRO)と密着した体制で研究発表会を開催した.トランザクション(PRO)に投稿された論文は,まず研究会で発表され,発表会の直後に開催されるトランザクション(PRO)編集委員会において議論し,査読者を定めて本査読を行なった.学生の発表を促進するなどして研究会を活性化させることを目的に,投稿をともなわない短い発表もあわせて募集している.短い発表は,発表20分,質疑・討論10分としている.それ以外の発表については,例年通り,投稿の有無に関わらず,1件あたり発表25分,質疑・討論20分の時間を確保し,参加者が研究の内容を十分に理解するとともに,発表者にとっても有益な示唆が得られるように務めた.

 発表総数は54件で,そのうち,トランザクションへの投稿件数は18件であった.本稿執筆時点では一部の投稿論文の採否が確定していないため,採択率に関する報告は行わないが,今後とも,編集委員会において査読の観点を論文の欠点を見つけて評価する減点法ではなく,論文の長所を見つけて評価するようにこころがけていく方針である.

 若手を対象としたコンピュータサイエンス領域奨励賞の受賞者を2名選出し,第121回研究発表会の場で受賞者およびその研究を紹介した.また,コンピュータサイエンス領域功績賞の受賞者を1名選出し,第123回研究発表会の場で受賞者およびその功績を紹介した.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
 情報処理学会3研究会(ARC,HPC,OS,PRO)の共同主催により,xSIG 2018を,5月28~30日に一橋講堂で開催した.

 また,日本ソフトウェア科学会インタラクティブシステムとソフトウェア研究会が9月26日~28日に主催した第26回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS2017),情報処理学会ソフトウェア工学研究会が12月4日?7日に主催した国際会議APSEC 2018に協賛した.
3.総括

 プログラミング研究会の平成27-30年度の発表件数は順に48件,45件,41件,54件であった.研究発表の場が多様化などにより発表件数が減少傾向にある中で,平成30年度には発表件数が例年に比べて非常に増加した.短い発表の募集は発表を促すという点で一定の効果があったと考えられる.

4.その他

 平成31年度もこれまで同様に5回の研究発表会を予定している.今後も,開催時期や場所の検討,査読方針や編集・査読体制の確認と検討をおこなうとともに,会員にとってより便利で有益な研究会となることを目指したい.

上に戻る

 

◆アルゴリズム(AL)研究会

[主査:瀧本英二,幹事:泉 泰介,河村彰星,垣村尚徳]

1.定例の研究会活動報告

 研究発表会を五回(第168~173回)開催し,合せて45件の発表があった.

  • (168回)平成30年5月25・26日(金・土)名古屋工業大学(愛知県名古屋市)
  • (169回)平成30年9月3日(月)小樽商科大学(北海道小樽市京)
  • (170回)平成29年11月12・13日(月・火) ハートピア熱海(静岡県伊豆市)
  • (171回)平成31年1月29・30日(火・水) 大阪府立大学 I-siteなんば(大阪府 大阪市)
  • (172回)平成29年3月5日(火)山形大学工学部100周年記念会館(山形県米沢市)

 このうち,第168回は電子情報通信学会コンピュテーション研究会(COMP)との連催,第170回は電子情報通信学会の回路とシステム研究会(CAS)およびシステム数理と応用研究会(MSS)との連催,第171回は人工知能学会の人工知能基礎問題研究会(FPAI)との併催である.4研究会との併催は昨年度,一昨年と同様であり,隣接研究分野の研究会と共同での研究会開催が定着している.

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 アルゴリズム研究会では,韓国における同分野の研究コミュニティと連携して,Japan-Korea Joint Workshop on Algorithms and Computation(アルゴリズムと計算理論に関する日韓合同ワークショップ)を過去20年に渡り開催している.本年度においては,アルゴリズム研究会がオーガナイザーとなり,第21回目のワークショップを8月26・27日に福岡市にて開催した.日本や韓国を中心に,総勢46名が参加し,最適化・文字列処理・計算量分析・幾何アルゴリズムなど多岐にわたる分野で26件の発表があった.また,KAISTのMartin Ziegler教授による基調講演“Algorithmic Foundation of Numerics”が合わせて行われた.協賛という形ではあるが,バングラデシュやインドの研究グループが開催している国際会議International Conference and Workshops on Algorithms and Computationを例年支援しており,今年度も引き続きこれを実施した.会議は2月27~3月2日にインドのグワーハーティーで開催された.

3.総括

 本研究会が研究対象とするアルゴリズムの研究は長い歴史を持ち,また計算機科学における理論的基盤の大きな一翼を担っているが,実応用・社会への波及という観点からは隣接分野への展開もより一層重要となっている.来年度以降も引き続き,連催・併催での研究会や招待講演を通じて応用分野との連携を深めるとともに,国際連携活動も継続していきたいと考えている.

上に戻る 

 

◆数理モデル化と問題解決(MPS)研究会

[主査:庄野 逸,幹事:大久保好章,小谷野仁,佐藤寛之,高田雅美,松田 健,吉川大弘]

1.定例の研究会活動報告

 第118~122回の研究発表会を開催した.

  • 第118回 6月13日(水)~6月15日(金),沖縄科学技術大学院大学 16件(合同研究会全体では52件)
  • 第119回 7月29日(月),Luxor(MGM resorts)(ラスベガス)15件
  • 第120回 9月25日(水)~9月26日(木),小樽商科大学 24件
  • 第121回 12月17日(月)~12月18日(火),電気通信大学 19件
  • 第122回 2月28日(木)~ 3月1日(金),由布院公民館 18件
 扱うテーマとしては,伝統的な最適化問題以外にも,機械学習,人間工学的なテーマも増えてきている.解決手法に関しては進化計算から深層学習まで,かなりの範囲を取り扱っている.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 2018年度は,特になし.

3.総括

 本研究会では,さまざまな問題に潜む数理構造とそのモデル化を,多岐にわたるアプローチを用いて行い,問題解決手段を構築していく研究分野を対象としてきている.
 研究会開催は,例年通り5回執り行い,発表件数は年間で 92件に登った.各発表においては,問題に潜む数理構造のモデル化に関する表現手法に関する議論と問題をハンドリングするための最適化,構造分析,機械学習による解析といった数理的な研究,これらの数理的手法をアルゴリズムとして書き下し,現実の問題への応用としての議論が数多くなされている.応用分野は,広範囲の分野を取り扱っており,ソーシャルメディア分析,クラウドコンピューティング,ゲーム情報学,バイオ・医療情報処理などさまざまな研究成果について活発な議論がなされた.研究会に於ける発表件数は,昨年度の発表件数からは,増加し,例年通りのレベルに戻ってきている.このことは本研究会が研究発表及び討論の場として,重要な役割を果たしていることに起因していると考えられる.
 本研究会では研究会の裾野を広げるために,他研究会との合同開催を行っており,第118回研究会は,前年度に引き続きバイオ情報学研究会,電子情報通信学会ニューロコンピューティング(NC)研究会,情報論的学習理論と機械学習(IBISML)との連続開催で研究会をとり行い,異分野の研究者との討論を深めるとともに親睦を深めることができた.また第114回研究会は,国際会議(CSCE)とのコラボレーションを例年通り行い,国際的な交流も試みているこのような交流研究会は,研究に対するモチベーションを高め,人材交流とイノベーションを産んでいくと考えられるので,今後も定例の行事として執り行っていきたい.

上に戻る

 

◆組込みシステム(EMB)研究会

[主査:渡辺晴美,幹事:北村崇師,高瀬英希,田中清史,早川栄一,久住憲嗣]

1.定例の研究会活動報告

 第48回~50回の研究発表会を開催.組込みシステムは情報処理各分野の横断的分野であることから,本年度も各関連研究会との共催の研究発表会を実施した.

  • 第48回研究会(6月29日 東京): 単独開催,基調講演1件,口頭発表5件,ポスター7件
  • 第49回研究会(11月6〜8日 広島): 「デザインガイア2018」VLSI設計技術研究会,電子部品・材料研究会,集積回路研究会,画像工学研究会,コンピュータシステム研究会,ディペンダブルコンピューティング研究会,リコンフィギャラブルシステム研究会,システム・アーキテクチャ研究会,システムとLSIの設計技術研究会,組込みシステム研究会,IEEE SSCS Japan Chapter;IEEE SSCS Kansai Chapter共催,基調講演1件,口頭発表5件 
  • 第50回研究会 (3月17〜18日 種子島):「組込み技術とネットワークに関するワークショップ ETNET2019」システム・アーキテクチャ,システムとLSI設計技術研究会,および電子情報通信学会コンピュータシステム研究会,ディペンダブルコンピューティング研究会と共催,口頭発表14件
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 本研究会設立当時から開催している組込みシステムシンポジウムESS2018に加え,今年度は,国際会議APRIS2018を開催した.

  1. ESS2018 (8月24~25 下呂温泉)
    実践報告2件,研究論文4件,Work in Progress論文10件,ポスター展示5件だった.本年度はSWEST20との合同基調講演として,過去の基調講演の講師をパネラとして招き,参加者と組込みシステムのこれまでとこれからについて徹底的な議論を行った.また,鷲崎 弘宜(早稲田大学)氏を迎え「機械学習とデータ駆動システム&ソフトウェアエンジニアリング」と題した招待講演を行った.クロージングパネルは「本音で語ろう,大学と組込み産業のニーズのずれと,うまくやるコツ」と題し,産業界と大学からパネラを招き,それぞれの立場から課題・問題点を洗い出し,マッチング・解決策について議論を行った.さらに宿泊型での開催の利点を活かし,昨年と同様,夜間にライトニングトークのセッションを設け,幅広い研究者・技術者によるトークを基に議論を行った.更に新たな試みとしてSWEST/ESS合同セッションを企画し,産業技術総合研究所のGeoffrey Biggs氏に次世代ロボットフレームワークROS2について紹介していただき,ロボットのソフトウェア開発について学ぶ機会を提供した.

  2. APRIS2018
    研究論文発表としては3つのカテゴリを用意し,Regular Paper 9件,Short Paper 7件(ESSアブストラクト2件を含む),WIP(Work In Progress)Paper 12件があり,口頭発表の合計は28件であった.
    組込みシステム研究会の運営委員,およびPrince of Songkla University(PSU)関係者を中心としたメンバーとの共同運営で,英語講演による会議を開催した.会議は四日間の開催とし,前半二日間はキーノート講演・招待講演・研究報告等からなる本会議,後半二日間は学生や若手技術者がモデルベース設計・チーム開発手法を学びながらロボットコンテストを行う,という内容であった.前半二日間の本会議では,ロボット・IoT関連の技術に関する講演が行われた.基調講演はタイと日本から1名ずつ,招待講演はタイから1名,日本から2名であった.後半二日間のロボットコンテストは,知的なドローンのためのソフトウェア開発を題材とした,2日間のプロジェクト形式(PBL)として行った.具体的には,タイからの参加者(56名)と日本からの参加者(23名)が混合で5-6人のチームを作り,ドローンの知的制御のためのシステムモデル設計,それに基づくPythonによる制御プログラム作成を行い,その成果を競い発表した.
3.総括

 今年度は,タイ国の大学および企業の多大なる支援の元,組み込みシステム研究会として初の国際会議APRIS2018 (Asia Pacific Conference on Robot IoT System Development and Platform 2018)を開催した.また,研究会発足時より開催している国内シンポジウムESSで実施してきたロボットチャレンジをAPRIS2018でも実施し,論文発表と同様に好評であり,これらを今後も継続して実施できる基盤を作ることができた.研究会の発表件数は減少しているが,APRISの件数を加えると全体としては増加に転じた.以上のイベント開催などにより,主要なメンバー間のつながりは密接になり,研究の議論は盛んになったと言える.その成果が,「湯河原宣言2018」である.本宣言は,過去の主査を中心に有志が集い,研究会が今後目指す課題について議論した.今後,このような活動を継続,拡大していく予定である.

4.その他
 情報処理学会論文誌「組込みシステム工学」特集号を平成29年8月および平成30年2月に発刊した.合わせて21編投稿,9編採録.
 情報処理学会誌研究会推薦山下賞1名,CS領域賞1名を推薦.

上に戻る

情報環境領域

◆マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会

[主査:田上敦士,幹事:斉藤裕樹,鈴木理基,寺西裕一,野呂正明,廣森聡仁]

1.定例の研究会活動報告

 定例の研究会は,以下の通り4回実施した.

  1. 第175回DPS研究会/2018年5月24日−25日/イーフ情報プラザ(沖縄県島尻郡久米島町)
  2. 第176回DPS研究会/2018年9月13日−14日/岡山大学創立五十周年記念館(岡山県岡山市)
  3. 第177回DPS研究会/2019年1月31日−2月1日/つま恋リゾート彩の郷(静岡県掛川市)
  4. 第178回DPS研究会/2019年3月4日−5日/名古屋大学東山キャンパス(愛知県名古屋市)
  • 第175回は久米島で,MBL(合同),ITS(合同),信学会MoNA(連催)と連携して開催した.全体で41件の研究発表(うちDPSは10件)があり,シングルトラックで分野を越えた活発な議論が行われた.
  • 第176回は岡山大学で,EIP との合同で開催した.全体で21件(うちDPSは6件)の研究発表があった.シングルトラックで分野を越えた活発な議論が行われた.岸上 順一氏(室蘭工業大学)より「なぜブロックチェーン?」という題目で招待講演をいただくとともに,「プロックチェーンの可能性・未来・課題」というタイトルでパネルディスカッションを行なった.
  • 第177回は静岡県掛川市で開催し,7件の研究発表があった.ここでは合宿形式で開催し,参加者全員による研究討論が活発に行われた.
  • 第178回は名古屋大学でCSECとの合同で開催し,全体で 35件の研究発表(うちDPSは9件)が行われ,活発な議論が行われた.
  • 今年度の発表件数は,招待講演を除き32件であった..
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア,分散,協調とモーバイルシンポジウム(DICOMO2018)
    2018年7月4日(水)から 6日(金)に福井県あわら市・芦原温泉清風荘にて開催された.本シンポジウムは,DPS,GN,MBL,CSEC,ITS,UBI,IOT,SPT,CDS,DCCの合同よる大規模なシンポジウムである.統一テーマ「ICTが牽引する持続可能な社会」を掲げ,特別講演1件,招待講演8件,一般講演およびデモ271件の研究発表が8パラレルセッションにて行われ,各分野の研究者の間で活発な議論が行われた.DPS関連では,9セッション,25件(招待講演1件,デモ1件を含む)の発表があった.また,山口弘純氏(大阪大学)に「IoTによる地域交通理解と持続可能性」というタイトルで招待講演を頂いた.多くのDPS関連発表者がこのシンポジウムに参加し,交流を深めた.

  • マルチメディア通信と分散処理ワークショップ(DPSWS2018)
    今年度で26回目となった本ワークショップは,2018年11月7日(水)から9日(金)に佐賀県佐賀市・龍登園で開催された.論文発表19件,デモ発表6件,ポスター発表15件の研究発表を合宿形式で行い,参加者は60名であった.投稿されたすべての論文は,プログラム委員によって並列査読された.参加者全員による深い議論を目指し,今回もシングルセッション構成とした.昨年同様,若手研究者・学生をエンカレッジし,世界に羽ばたく研究者・ 技術者へと育成することを意図し,テーブルディスカッションを実施した.査読結果に基づく優れた論文に対して,最優秀論文賞1件,優秀論文賞2件,奨励賞3件,優秀ポスター賞5件,優秀デモンストレーション賞2件,最優秀プレゼンテーション賞1件,優秀プレゼンテーション賞5件,ベストカンバサント賞1件を授与した.セッション中はもちろんのこと,懇親会や宿泊している部屋などでも,大学や企業組織の枠を超えた議論が深夜まで続き,本研究領域の学術の進展のみならず,研究者・学生間の交流の促進にも貢献する有意義なワークショップになったものと考える.

  • 論文誌「ネットワークサービスと分散処理」特集号
    従来の分散処理とネットワークの研究分野にとどまらず,萌芽的な研究,アプリケーション分野での横断的な研究,新サービスのための技術研究,新たなアプリケーションの基盤となるセキュリティ技術など,当研究会の研究分野に関する優れた論文を一括掲載することを目的として特集号を企画し,2019年2月に発行された.ゲストエディタに山室雅司氏(NTTテクノクロス株式会社)を迎え,当研究会の主査,幹事,運営委員を中心に編集委員会を組織した.合計30編の論文が投稿され,4回の編集会議において慎重な審議を経た上で,19件の論文が採録された(採録率 63.3%).採録された論文のテーマは,ネットワークアーキテクチャ,ミドルウェア,セキュリティなど多岐に渡り.いずれの論文も将来のネットワークサービス実現に必要な研究課題に取り組んだものであり,特集号の狙いに合致した論文を採録することができた..全体として,幅広いテーマ・研究者層の論文を受け入れるという理念と,丁寧な査読により質の向上を図るという方針の特徴を出すことができたと考える.
3.総括

 本研究会では,4回の定例研究会,シンポジウム,ワークショップを通して,研究者相互の交流と研究に対する活発な意見交換の場を提供することができた.論文誌特集号については,多くの方にご協力頂き,遅延のない査読プロセスを進めることができた.改めて,ご協力頂いた皆様に感謝する.今後も,DPS関連研究者の更なる研究の活性化,また国際化への支援を進めていく予定である.皆様の積極的な参加とご協力をお願いしたい.

上に戻る

 

◆ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会

[主査:木村朝子,幹事:五十嵐悠紀,大槻麻衣,草野孔希,鈴木 優,玉城絵美,西田健志,松村耕平]

1.定例の研究会活動報告

2.シンポジウム・国際会議等の報告

3.総括

4.その他

上に戻る

 

◆情報システムと社会環境(IS)研究会

[主査:児玉公信,幹事:荻野紫穂,畑山満則,本田正美]

1.定例の研究会活動報告

 4回の研究発表会を開催し計26件の発表があった.情報システムの分析・設計・開発・運用などに関して多様な研究報告が行われた.

  • 第144回(6月2日,武蔵大学,発表3件)
  • 第145回(9月7~8日,関西大学,発表5件)
  • 第146回(12月8日,東京工科大学,発表9件)
  • 第147回(3月7日,専修大学,発表9件)
 また,研究発表会の中で有識者による時宜にかなったテーマの招待講演や特集セッションを開催することにし,以下を実施した.
  • 第144回 特集セッション「ISECONの展望」
  • 第145回 招待講演「ICT投資効果の測定」高口鉄平(静岡大学)
  • 第146回 招待講演「選挙情報のオープンデータ化とインターネット投票の未来」市ノ澤充(株式会社VOTE FOR)
  • 第147回 特集セッション「若手の会」
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 災害コミュニケーションシンポジウム(共同開催)
    セキュリティ心理学とトラスト研究会(SPT),インターネットと運用技術研究会(IOT)と共に主催,グループウェアとネットワークサービス研究会(GN)が協賛,津田塾大学女性研究者支援センターが共催して,12月26日に第8回を行った.年末の多忙な時期にもかかわらず積極的な参加者を得ることができ,活発な議論が行われた.
3.総括

 本年度も,情報システムにおける広い分野からの多くの種類の発表や議論が活発に行われた.当研究会が編集母体となる情報システム関連のジャーナル特集号の発刊も継続し,2013年度から始めた若手研究者を中心とする研究会(若手の会)での優れた発表に対する「若手の会奨励賞」も授与した.

上に戻る

 

◆情報基礎とアクセス技術(IFAT)研究会

[主査:藤井 敦,幹事:加藤恒昭,熊野 正,蔵川 圭,野本忠司]

1.定例の研究会活動報告

 第131~134回の研究発表会を開催した.

  • 第131回
    日時:2018年7月28日(土)14:50~17:30
    場所:東京大学駒場Iキャンパス KOMCEEWest レクチャーホール
    人工知能学会インタラクティブ情報アクセスと可視化マイニング(SIGAM)と連催する形で実施した.昨年度に初の試行を行ったところ予想以上に好評であったため,今後も継続していきたい.研究の動向としては,昨年度も今年度も放送コンテンツを対象とした情報検索技術の研究事例が目にとまった.
  • 第132回
    日時:2018年9月12日(水)~14日(金)
    場所:東京工業大学 大岡山キャンパス
    本学会データベースシステム研究会(DBS)および電子情報通信学会データ工学研究会(DE)が開催するWebDB Forum(Webとデータベースに関するフォーラム)に協賛し,その傘下でDBS/DE/IFATの合同研究発表会を行った.例年300~400名の参加者が来場する.
  • 第133回
    日時:2019年2月7日(木)~ 8日(金)
    場所:龍谷大学大宮キャンパス 東黌 301講義室
    電子情報通信学会の言語理解とコミュニケーション研究会(NLC)が開催しているテキストアナリティクスシンポジウムとの連催として実施した.アナリティクスとは,対象データの分析に使用可能な個別の分析手法(アナリシス)から系統的に手法を選択し,それらを戦略的に使い分ける「広い意味での分析」である.情報分析のプロを惹きつける講演やチュートリアル等を企画して研究のプロと現場のプロが本音で意見交換できる場を提供した結果,両日とも100名近い参加があった.
  • 第134回
    日時:2019年3月22日(金)
    場所:東京工業大学 大岡山キャンパス
    本学会のドキュメントコミュニケーション研究会(DC)と合同で開催した.1つ前の第133回が「テキストアナリティクス」をテーマとした発表会であったことからDCの得意分野を掛け合わせたドキュメントアナリティクスという造語をテーマとして募集した結果,文書コミュニケーションの支援技法,文書の構造化技法,専門文書の分析技法といった観点からの研究が発表されて,活発な質疑応答が行われた.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 今年度は実施なし.

3.総 括

 年に4回開催する定例の研究発表会については,パートナー団体との関係が打ち解けてきたこともあり,今後も良好な協力関係を保ちたいと考えている.次の段階として,ここ数年は活動を停止してきたシンポジウムの取り扱いについて少しずつ検討を始める下地ができているかもしれない.

上に戻る

 

◆オーディオビジュアル複合情報処理(AVM)研究会

[主査:木全英明,幹事:亀田裕介,野中敬介,越智大介]

1.定例の研究会活動報告

 第101回~104回の研究発表会を開催した.

  • 第101回研究発表会
    日時:2018年6月7日~8日
    会場:定山渓ビューホテル
    連催:電子情報通信学会 スマートインフォメディア研究会(IEICE-SIS)
    共催:映像情報メディア学会 立体映像技術研究会(ITE-3DIT)
    テーマ:知的マルチメディアシステム,組込み応用システム,立体映像技術,一般
    発表件数:18件
  • 第102回研究発表会
    日時:2018年7月17日
    会場:東京理科大学 神楽坂キャンパス
    連催:電子情報通信学会 画像工学研究会(IEICE-IE)
    共催:映像情報メディア学会 メディア工学研究会(ITE-ME)
    テーマ:マルチメディア情報処理・配信・検索・インタフェースとその応用,およびコンシューマエレクトロニクス,メディアエレクトロニクス,画像工学,一般
    発表件数:5件
    AVM賞(AVM最優秀賞1名,優秀賞1名)の受賞式を実施
  • 第103回研究発表会
    日時:2018年11月29日~30日
    会場:徳島大学 常三島キャンパス
    連催:電子情報通信学会 通信方式研究会(IEICE-CS),画像工学研究会(IEICE-IE)
    共催:映像情報メディア学会 放送技術研究会(ITE-BCT)
    テーマ:画像符号化,通信・ストリーム技術,一般
    発表件数:24件
  • 第104回研究発表会
    日時:2019年2月28日~3月1日
    会場:沖縄セルラー電話株式会社
    テーマ:企業やインフラ向けの画像音響データ利用事例と関連技術,3次元データ利用事例と関連技術
    発表件数:11件
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 画像符号化シンポジウム,映像メディア処理シンポジウム(PCSJ/IMPS)
    日時:2018年11月19日~21日
    会場:御殿場高原ホテル(静岡県御殿場市)
    主催:電子情報通信学会 画像工学研究専門委員会
    共催:映像情報メディア学会 メディア工学研究委員会,
        電子情報通信学会 信号処理研究専門委員会
    協賛:画像電子学会

  • 2018  International Workshop on Smart Info-Media Systems in Asia(SISA)
    日時:2018年12月13日~14日
    会場:神奈川工科大学
    連催:電子情報通信学会スマートインフォメディアシステム研究会(SIS)
    当研究会の特別セッションでは3件の発表があり,積極的に国際会議との連携を図ることで,昨年に引き続き研究会の国際化へ向けた活動を推進した.
3.総括

 本年度は,映像音声に関する符号化,変換,編集,伝送,検索,認識等について定例研究会4件とシンポジウムおよび国際会議が開催された.第104回目には企業やインフラ向けの画像音響データ利用事例と関連技術,3次元データ利用事例と関連技術をテーマに掲げ,企業での実例を含む応用研究の発表募集を実施した.また萌芽的研究内容を取り扱う学生セッションを設け若手研究者の参加を促す施策を行うと同時に,2017年度のAVM研究会発表の中から優秀な若手研究者に対しAVM最優秀賞,AVM優秀賞を授与した.今後も関連研究会と綿密に連携し,当該研究分野全体の活性化に取り組む予定である.

上に戻る

 

◆グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会

[主査:斉藤典明,幹事:由井薗隆也,江木啓訓,市野順子,岡嶋成司,本橋洋介]

1.定例の研究会活動報告

 平成30年度は以下の通り,第105-107回の研究発表会を開催しました.

  • 第105回(平成30年5月10-11日 津田塾大学):発表15件
         SPTと共催,電子情報通信学会LOIS研究会と連催.
  • 第106回(平成30年1月24-25日 石垣市健康福祉センター):発表58件
         CDS,DCCと共催.
  • 第107回(平成31年3月18-19日 駒澤大学):発表12件
         単独開催.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 平成30年度は以下の通り,シンポジウム2回,国際会議1回,ワークショップ1回を開催しました.

  • DICOMO2018シンポジウム(平成30年7月4-5日 福井県芦原温泉清風荘):
    発表261件,デモ12件,招待講演・特別講演9件
    平成9年より開催しているDICOMOシンポジウムは,DPS,MBL,CSEC,ITS,UBI,IOT,SPT,CDS,DCCと共催.
     
  • 第10回コラボレーション技術に関する国際会議(CollabTech2018)(平成30年9月05-07日 Costa de Caparica, Portugal)
    発表16件
    平成17年に第1回を開催し,今回で10回目となります.CRIWG2018と合同開催.
     
  • グループウェアとネットワークサービスワークショップ2018(平成29年11月15-16日 美ケ原温泉 ホテル翔峰):
    発表16件(一般論文13件,ポジション1件,国際会議報告2件)
    平成16年に第1回を開催して以来,GN研究会ならではの発表の場を提供するべく開催しています.質の高い研究成果の報告を得ると同時に,研究の芽や方向性に関する報告など,ワークショップにふさわしい多様な研究報告が行われました.今年度から,国際会議報告セッションを設け,学生など若手研究者の国際会議参加に向け,過去の会議の参加者から参加した際の感想や準備などのノウハウを共有しました.
     
  • インタラクション2019(平成31年3月6-8日 学術総合センター):
    招待講演1件,一般講演18件,インタラクティブ発表 250件)
    平成9年より開催しているインタラクションシンポジウム.HCI,UBI,EC,DCCと共催.
3.総括

 当研究会は,平成5年度の発足以来,グループウェア技術に関して,理論から応用,情報科学から社会科学,と幅広い学際的研究活動を活発に推進してきました.この間,Webなどのグループウェアの実用化が急速に進みました.この動向を踏まえて,平成13年度より,研究会名称をグループウェアとネットワークサービス研究会へと変更し,現在ではネットワークアプリケーション,インターネットサービス,ゲーミフィケーション,コラボレーション支援などの広い研究分野をカバーしています.
例年,定例研究会を開催する以外にも,泊まり込みのワークショップ(GNワークショップ),平成28年度から毎年開催となっている国際会議,2回の研究会合同シンポジウム(DICOMO,インタラクション)を主催しています.平成30年度はCollabTech2018をポルトガルにて開催しました.
 平成24年度からは,研究の萌芽段階を支援する目的で論文・発表を通常の研究発表よりも短くしたサポートセッションを設けています.また毎年論文誌ジャーナル特集号を発行しており,平成30年度特集号においても多くの原著論文を採録しました.

4.その他

 研究会関連メンバへのサービスとしては,平成13年4月から毎月メーリングリストによるニュースレターの発行を継続しており,現在約300名がメーリングリストに登録されています.

上に戻る

 

◆ドキュメントコミュニケーション(DC)研究会

[主査:守島 浩,幹事:秋元良仁,高橋慈子,野々山秀文,大場みち子,中挾知延子]

1.定例の研究会活動報告
  • 第109回研究会「ライフログ活用技術,オフィス情報システム・ドキュメントのデジタル化・行動認識/行動推定と情報通信システムおよび一般」
    日時:平成30年(2018年)7月3日(火)~4日(水)
    場所:公立はこだて未来大学(北海道函館市)
    発表件数:10件
    ※電子情報通信学会ライフインテリジェンスとオフィス情報システム研究会(LOIS)と連催
  • 第110回研究会「出版・文字関連とドキュメントベースのヒューマンコミュニケーション技術および一般」
    日時:平成30年(2018年)9月6日(木)~7日(金)
    場所:成蹊大学 6号館401教室(〒180-8633 東京都武蔵野市吉祥寺北町3-3-1)
    発表件数:23件
    招待講演「弁護士と言語処理技術 ~ LegalForceが目指す企業法務の未来と展望 ~」(舟木類佳)
    招待講演「人間の時間管理特性,認知バイアスと災害情報の通知」(一川誠)
    ※電子情報通信学会 言語理解とコミュニケーション研究会(NLC,第13回テキストアナリティクス・シンポジウム)と連催
  • 第111回研究会テーマ「AI技術とドキュメントコミュニケーションおよび一般」
    日時:平成30年(2018年)11月26日(月)
    場所:富士通株式会社 デジタル・トランスフォーメーション・センター東京(世界貿易センタービル30F)
    発表件数:5件
    招待講演「読み手意識に関する実験・調査・実践研究の紹介」(冨永 敦子)
    招待講演「様々なセンサを用いた読みと学びの計量とそれに基づく改善」(黃瀬 浩一)
    ※テクニカルコミュニケーター協会とのコラボレーション企画
  • 第112回研究会「ドキュメントアナリティクスおよび一般」
    日時:平成31年(2019年)3月22日(金)
    場所:東洋大学白山キャンパス8号館6F8601教室(〒112-8606 東京都文京区)
    発表件数:8件
    ※情報処理学会情報基礎とアクセス技術研究会(IFAT)との合同研究会
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 平成30年度は実施なし

3.総括 
 デジタル化されたドキュメントをコミュニケーションの媒体としてそれらを取り巻く多様な課題について研究活動を継続実施.研究会登録者・参加者の増加をめざして,電子情報通信学会 言語理解とコミュニケーション研究会(NLC)との連催など新たな取り組みも実施.他研究会・団体との情報交換も活発に実施する事ができ,例年にも増して有意義な研究活動をすることができた.
 今後はドキュメントに関わる幅広い分野の有識者と意見交換しつつも,ドキュメントコミュニケーションのコア技術であるデジタル化技術,コミュニケーション技術などを中心としてより深堀する形で研究活動を進めていく.

上に戻る

 

◆モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム(MBL)研究会

[主査:河口信夫,幹事:深澤佑介,水谷亮太,平井規郎,梶 克彦,内山 彰,幹事補佐:吉廣卓哉]

1.定例の研究会活動報告

 第87-90回の研究発表会を開催した.

  • 第87回研究発表会 5月24,25日 久米島 イーフ情報プラザ
    共催:情報処理学会マルチメディア通信と分散処理研究会(DPS),高度交通システム研究会(ITS)
    連催:モバイルネットワークとアプリケーション研究会(MoNA)研究会
  • 第88回研究発表会 8月30,31日 慶應義塾大学(三田キャンパス)
    共催:情報処理学会コンシューマ・デバイス&システム研究会(CDS)
    併催:第6回学生スマートフォンアプリコンテスト
    優秀論文,優秀発表,奨励発表の表彰式を実施
  • 第89回研究発表会 11月16,17日 興亜宮崎ビル 高千穂ホール
    共催: 高度交通システムとスマートコミュニティ研究会(ITS)
    研究会前日の11月15日には青島フィッシャーマンズビーチサイドホステル&スパでWork in Progress研究の発表と討議を泊まり込みで実施
  • 第90回研究発表会 3月4,5日 東京大学 駒場Ⅱキャンパス
    共催:ユビキタスコンピューティングシステム研究会(UBI),電子情報通信学会モバイルネットワークとアプリケーション研究専門委員会(MoNA),電子情報通信学会知的環境とセンサネットワーク研究専門委員会(ASN)
 本年度の定例研究会は計画通り4回実施した.MBL枠で申し込みされた発表件数(招待講演除く)は78件であり,活発な研究発表が行われている.例年に引き続き,Work in Progress テーマに関する発表と集中討議を行う泊り込みワークショップを開催し,好評であった.2018年度は優秀論文4件,優秀発表5件,奨励発表6件,WiP奨励賞3件を選出し,研究発表の奨励と会員拡大に努めている.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2018)シンポジウム
    7月4~6日,会場:福井県芦原温泉清風荘
    共催:情報処理学会 マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会,グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会,モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)研究会,コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会,高度交通システム(ITS)研究会,ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会,コンシューマ・デバイス&システム(CDS)研究会,情報セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会,デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会
  • The 11th International Conference on Mobile Computing and Ubiquitous Networking (ICMU)
    October 5-8,2018,Unitec Institute of Technology, Carrington Rd, Mt Albert, Auckland, New Zealand
    協賛:情報処理学会マルチメディア通信と分散処理研究会(DPS),高度交通システム研究会(ITS), コンシューマ・デバイス&システム(CDS)研究会, ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会
  • 論文誌特集号の発行・企画
    MBL/ITS特集号:平成31年1月号
    MBL/ITS両研究会の共同企画による論文誌特集号は平成13(2001)年7月号以来18回目の発行となる.
    今回は,16件の投稿があり最終的に12件を採録した.
    位置/行動推定,ITSアプリケーション,車車間通信など多岐に渡る論文が採録され,最新の研究成果をタイムリーに発表する場を提供できたと考えている.
3.総括
 平成30年度は,MBL運営委員会の活動の元,4回の定例研究会の他,シンポジウムと国際会議を開催し,論文誌特集号の企画を滞りなく進めた.これにより,モバイルコンピューティング技術の発展に寄与するとともに,国内外の研究者相互の交流ならびに大学と産業界の連携のための意見交換の場を積極的に提供することができた.今後とも,これらの交流で得た研究者間の関係をベースに本研究会をさらに発展・充実させたい.

上に戻る

 

◆コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会

[主査:寺田雅之,幹事:山内利宏,高橋健一,島岡政基,森 達哉,大木哲司]

1.定例の研究会活動報告

 第81回~第84回の研究発表会を開催した.

  • 第81回 2018年 5月17日~18日(富山市,発表26件)
    合同開催:IOT研究会
    連催:情報通信マネジメント研究専門委員会
  • 第82回 2018年 7月25日~26日(札幌市,発表62件)
    合同開催:SPT研究会
    連催:情報セキュリティ研究専門委員会
    連催:技術と社会・倫理研究専門委員会
    連催:情報通信システムセキュリティ研究専門委員会
    連催:マルチメディア情報ハイディング・エンリッチメント研究専門委員会
    連催:ハードウェアセキュリティ研究専門委員会
  • 第83回 2018年12月 13日~ 14日(大分市,発表16件)
  • 第84回 2019年 3月 4日~ 5日(名古屋市,発表35件)
    合同開催:DPS研究会

 各研究発表会ごとに数件のCSEC優秀研究賞を授与した.また,推薦論文制度の規程にもとづき対象論文の推薦を行った.

2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • コンピュータセキュリティシンポジウム2018(CSS2018):
    セキュリティ心理学とトラスト研究会(SPT)との共催で,マルウェア対策研究人材育成ワークショップ2017(MWS2018),プライバシーワークショップ2018(PWS2018),ユーザブルセキュリティワークショップ2018(UWS2018)と併催の形で,10月22日~25日にホテルメトロポリタン長野(長野市)にて開催した.CSS全体の参加者数は750名,投稿数は183件であり,参加者数は7回連続で前回比増となった.優秀な論文に対しては,CSS,MWS,PWS,UWSの各論文賞やCSEC奨励賞を授与した.また,セキュリティ分野の著名な研究者を招いた基調講演を設けた.特別セッションとしてOSSセキュリティ技術ワークショップ(OWS)を開催し,好評につき来年度からの正式な新設ワークショップとしての開催が決定した.
  • 13th International Workshop on Security(IWSEC2018):
    今回で13回目の開催となる国際会議であり,電子情報通信学会情報セキュリティ研究専門委員会(ISEC)との共催で,東北大学さくらホールにおいて2018年9月3日~5日の日程で開催した.2件の招待講演,2件のSCIS/CSSの優秀論文からの招待講演,24件のポスター発表に加え,62件の投稿論文から20件(採択率32%,うちショートペーパー2件)の非常にレベルの高い論文を精選し,充実した内容の論文集が作成された(Springer LNCSシリーズで出版).日本を含む各国から計94名の参加者が集まり,国際色豊かな会議となった.また,昨年に続き本会議から特に優れた論文を情報処理学会論文誌に推薦論文として推薦した.

  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2018)シンポジウム:
    10の研究会が集い幅広い分野をカバーしたシンポジウムとして,2018年7月4日~6日に福井県芦原温泉清風荘(福井県あわら市)で開催した.CSECのセッションとしては, IoT・制御機器,暗号応用,サイバー演習,サイバー・車載ネットワーク,サイバー攻撃対策,プライバシー・認証(1),プライバシー・認証(2),持続可能なセキュリティを設けた.また,CSECのセッションの3件の発表に対して,最優秀/優秀論文賞が授与された.

  • 論文誌「超スマート社会を支えるコンピュータセキュリティ技術」特集:
    超スマート社会を支えるコンピュータセキュリティ技術について,私たちの生活を守るだけではなく,新たな価値を創造する技術基盤として日々の技術革新に寄与することを目指して企画した.38件の投稿から19件(英語論文は3件)の論文を採録し,2018年9月に発行した.
    2019年9月発行の予定で次の特集号「デジタルトランスフォーメーションを加速するコンピュータセキュリティ技術」を企画し,編集作業を進めている.

3.総括

 CSEC研究会登録者数は昨年度末に達成した600名超を引き続き堅持し,昨年までやや低迷気味だった定例研究会の発表件数も回復してきた.国内シンポジウムCSS2018は年々参加者が増えており,今年度初めて開催期間を3日から4日へと延長した.国際会議IWSEC2018も100名規模の参加者は堅持している.来年度も本研究会の活動を更に活性化させるための施策を継続していく.また,本研究会の活動に留まらず,我が国のコンピュータセキュリティ分野全体の発展への貢献に努めていく.

上に戻る

 

◆高度交通システムとスマートコミュニティ(ITS)研究会

[主査:重野 寛,幹事:石原 進,川井 明,柴田直樹,湯 素華,山口修平]

1.定例の研究会活動報告

 定例研究会は,以下の通り,4回開催した.

  • 第73回ITS研究会:2018年5月24日~25日/イーフ情報プラザ(沖縄県島尻郡久米島町)
    DPS(合同),MBL(合同),信学会MoNA(連催)と連携して開催した.全体で41件の研究発表があり,シングルトラックで分野を越えた活発な議論が行われた.
  • 第74回ITS研究会:2018年8月30日~31日/神奈川工科大学(神奈川県厚木市)
    信学会ITS研究会(連催),電気学会ITS研究会(共催)と連携して開催した.全体で10件の研究発表が行われた.洞井裕介氏(JR東日本)に「新幹線列車無線システムの現状と展望」という題目で招待講演をいただくとともに,神奈川工科大学 ITS関連研究設備の見学を行った.
  • 第75回ITS研究会(WiP・一般講演):2018年11月15日~17日/青島フィッシャーマンズビーチサイドホステル&スパ・高千穂ホール(宮崎県宮崎市)
    MBL(合同)と連携して開催した.10件のWork-in-Progress (WiP)発表と10件の研究発表(一般講演)が行われた.
  • 第76回ITS研究会:2019年2月28日~3月1日/金沢工業大学扇が丘キャンパス(石川県野々市市)
    ITS研究会単独で開催し,全体で12件の研究発表が行われた

 定例研究会の各回で講演を評価して,優秀な論文や発表を選定している.2018年度全体を通じて,研究会優秀論文1件,研究会優秀発表3件,研究会奨励発表6件を選定した.
定例研究会では,車車間通信やVANETとその応用に関する研究に加え,自動車とセンシング,自動運転に関する研究報告が増えてきている.二輪車,自転車などを新しい対象に着目した研究や,自動車・交通分野への機械学習の適用や空間統計解析の応用に関する報告も出てきている.

2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • ITS研究フォーラム:2018年12月21日/慶應義塾大学日吉キャンパス 来徃舎シンポジウムスペース(神奈川県横浜市)
    「新モビリティへの課題と期待」をテーマとして,5件の招待講演と16件のポスター発表を行った.参加者は50名で,大学関係者のほか,金融,不動産,行政,損保業界などからも集まった.招待講演として,交通事故抑止活動,自動走行システムのCO2排出量評価,スマートパーキング,ドライビングシュミレータ,テレマティクス保険に関する講演を頂いた.時機を得たテーマでもあり,活発の質疑応答が行われ,全体として充実したシンポジウムとなった.

  • マルチメディア,分散,協調とモーバイルシンポジウム(DICOMO2018):2018年7月4日(水)~6日(金)/芦原温泉清風荘(福井県あわら市)
    本シンポジウムは,DPS,GN,MBL,CSEC,ITS,UBI,IOT,SPT,CDS,DCCの合同よる大規模なシンポジウムである.統一テーマ「ICTが牽引する持続可能な社会」を掲げ,特別講演1件,招待講演8件,一般講演259研およびデモ発表12件の研究発表が8パラレルセッションにて行われ,各分野の研究者の間で活発な議論が行われた.ITS研究会関連では,7セッション,30件(招待講演1件を含む)の発表があった.招待講演として,中村武宏氏 (NTTドコモ)に「LTE-5G コネクテッドカーコンセプト ~NTTドコモの取り組み~」の題目で講演を頂いた.多くのITSに関係する研究者がこのシンポジウムに参加し,交流を深めた.

  • 論文誌特集号「未来の暮らしを支えるパーベイシブシステムと高度交通システム」(平成31年1月発行)
    MBL研究会と ITS研究会に関わる分野の論文を一括掲載することにより,この分野の研究をさらに推進し,その発展に寄与することを目的として,MBL研究会との共同で論文誌特集号を企画した.ゲストエディタに河口信夫氏(名古屋大学)を迎え,当研究会の幹事や運営委員も編集委員会として参画した.21件の投稿があり,慎重な審議の結果,最終的に13件を採録した(採択率62%).採択された論文のテーマはモバイル/センサネットワーク,位置推定/行動認識,車両認識/車両状態推定,位置情報サービスなど多岐に渡る.本特集では,招待論文として高井峰生氏(Space- Time Engineering)らにネットワークシミュレータ Scenargie に関する論文の寄稿をいただいた.全体として,最新の研究成果をタイムリーに発表する場を提供できた.
3.総括

 ITS研究会では,4回の定例研究会,シンポジウム,研究フォーラム,論文誌特集号を通して,高度交通システムとスマートコミュニティに関わる研究者の交流と意見交換の場を提供することができた.本研究会が対象とする領域は広く,また社会的な注目も高いことから,さらに多くの研究者との交流の場となり,本分野の研究の活性化に貢献していきたい考える.皆様の積極的な参加とご協力をお願いしたい.

上に戻る

 

◆ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会

[主査:寺田 努,幹事:大村 廉,岸野泰恵,村尾和哉,米澤拓郎,井上創造]

1.定例の研究会活動報告
 第58-61回の研究発表会を開催した.
  • 第58回研究発表会 2018年5月18日(金)~5月19日(土),NICTイノベーションセンター
    ※平成29年度UBI研究会優秀論文賞・学生奨励賞表彰式を開催
    ※Passmarketを用いたオンライン支払いを試行
  • 第59回研究発表会 2018年8月31日(金)~9月1日(土),函館アリーナ
    ※共催:高齢社会デザイン(ASD)研究会
  • 第60回研究発表会 2018年12月4日(火)~5日(水),淡路島夢舞台
    ※共催:ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会
    ※国際発表奨励賞受賞者による国際会議発表・参加報告を実施
  • 第61回研究発表会 2019年3月4日(月)~3月5日(火),東京大学 駒場IIキャンパス
    ※共催:モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)研究会
    ※連催:電子情報通信学会 モバイルネットワークとアプリケーション(MoNA)研究会
    ※連催:電子情報通信学会 知的環境とセンサネットワーク(ASN)研究会
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2018)シンポジウム
    2018年7月4日(水)~6日(金) 福井県芦原温泉清風荘
    ※共催:マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会,グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会,モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)研究会,コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会,高度交通システムとスマートコミュニティ(ITS)研究会,インターネットと運用技術(IOT)研究会,セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会,コンシューマ・デバイス&システム(CDS)研究会,デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会

  • インタラクション2019
    2018年3月6日(水)~8日(金) 学術総合センター
    ※共催:ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会,グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会,エンタテインメントコンピューティング(EC)研究会,デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会
3.総括

 2018年度も4回の定例研究発表会を開催した.本年度は5月研究会において他分野との合同開催を行わず,UBI独自の取り組みを行った.これは,Passmarketとよぶウェブ上のイベント参加・決済システムを利用し,金曜日の夕方から土曜日にかけての開催とすることで一般社会人の参加及び参加後のトラッキングを目指したもので,一定の効果が得られたことを理事会等で報告した.残りの3回は他研究会と合同で開催することで,様々な視点からユビキタスコンピューティングシステムについて活発な議論を行った.議論のテーマは,行動認識やセンサネットワークに関するものから,コミュニケーション支援,ヘルスケア,ライフログなど非常に幅広く,本分野がより広い分野に適用され始めていることを示唆するものであった.また,国際発表奨励賞について,今年度は昨年度に引き続き4名の学生に対してユビキタスコンピューティングシステム関連国際会議への参加をサポートした.

4.その他

 ユビキタスコンピューティングの研究は黎明期を過ぎ,いよいよ産業実用化が問われる時期となってきた.昨年度問題としていた研究会発表者・参加者の硬直化に対して,今年度の取り組みは一定の効果を得られたと考えているが,さらに一般の技術者や若手研究者を取り込むための新たな方策を考えることが必要である.そのため,来年度は技術展示会との連携等を積極的に推進していく予定である.

上に戻る

 

◆インターネットと運用技術(IOT)研究会

[主査:宮下健輔,幹事:池部 実,石島 悌,今泉貴史,大谷 誠,北口善明,中村素典,西村浩二]

1.定例の研究会活動報告

 以下に示すように第41~44回の研究発表会を開催した.

  • 第41回 5月17日(木)~18日(金)
    場所:富山商工会議所
    発表件数:一般15件(全体:一般24件,招待講演2件)
    ※コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会と共催
    ※電子情報通信学会情報通信マネジメント(ICM)研究会と連催
  • 第42回 6月28日(木)~29日(金)
    場所:鹿屋体育大学
    発表件数:一般9件
    ※平成30年度国立大学法人情報系センター協議会総会と連続開催
  • 第43回 9月27日(木)~28日(金)
    場所:長崎県立大学シーボルト校
    発表件数:一般8件,招待講演1件(全体:一般15件)
    ※情報セキュリティ心理学とトラスト研究会(SPT)との合同研究会
  • 第44回 3月7日(木)~8日(金)
    場所:グランドエクシブ鳴門
    発表件数:一般32件(全体:一般51件,招待講演1件)
    ※電子情報通信学会インターネットアーキテクチャ(IA)および技術と社会・倫理(SITE)研究会と連催
 いずれの研究会においても,情報教育関連,インターネット運用技術,分散シ ステム運用技術,ネットワーク構築,セキュリティ,性能評価など,幅広いテーマで議論が行われた.第43回では当時話題になっていたサマータイム導入についての招待講演が行われ,好評であった.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 第11回インターネットと運用技術シンポジウム(IOTS2018)
    本シンポジウムは「IoTとIOT(IoTとインターネットと運用技術)」というメインテーマのもと,12月6日(木)~7日(金)に米子コンベンションセンター(鳥取県米子市)で開催された(後援:鳥取大学,公立鳥取環境大学,電子情報通信学会インターネットアーキテクチャ(IA)研究会,ACM SIGUCSS Tokyo Chapter).
    講演数は招待講演2件,一般講演(査読あり)14件,Work In Progress(WIP)6件(計22件)であった.一般講演は17件の論文の投稿があり,査読の結果14件を採択した.招待講演では京都産業大学教授秋山豊和氏に「IoT実証実験におけるメッセージ収集・分析基盤の構築」と題してIoTを活用したこれまでの各種実証実験を中心とした話題と今後の課題に関する講演をいただいた.また一般社団法人WebDINO Japanの瀧田佐登子氏と浅井智也氏に「5G 試験環境に於ける Web プロトコル・輻輳制御の比較評価」と題してソフトバンク社が提供する5Gトライアル環境におけるトランスポート・輻輳制御プロトコルの比較実験での経験と今後の課題について講演していただいた.
    本シンポジウムでは大学生と大学院生による会場内ネットワークの構築と運用を行っており,このような形でネットワークを構築・運用することはネットワーク運用に興味のある学生にとって貴重な経験の機会となっている.企業展示も35社(フライヤー展示4社を含む)からの協賛を頂き,盛況であった.なお,IOTS2016で始めた企業による「冠賞」を継続し,3社から発表者に授賞された.
    シンポジウム参加者数は75名,懇親会参加者は144名であった.

  • 第17回情報科学技術フォーラム(FIT2018)
    本フォーラムは9月19日(水)~21日(金)に福岡工業大学で開催された.FIT2018では一般セッションの座長をIOT研究会運営委員にお願いした.

  • The 6th IEEE International Workshop on Architecture, Design, Deployment and Management of Networks & Applications (ADMNET2018)
    本ワークショップはIEEE Computer Societyが主催し本会が後援する国際会議COMPSAC2018の一部として7月23日(月)に東京で開催された.

  • マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2018)
    本シンポジウムは7月4日(水)~6日(金)に福井県芦原温泉清風荘で本研究会を含む10研究会の共催により開催された.本研究会に関連したテーマで4つのセッションが開催された.

  • 第8回災害コミュニケーションシンポジウム
    本シンポジウムは,12月26日(水)に津田塾大学(東京都小平市)において,セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会および情報システムと社会環境(IS)研究会と共催し,災害時の情報共有や課題などについて情報交換を行った.講演はパネルディスカッション1件,一般9件であった.

  • 論文誌ジャーナルIOT特集号
    本特集号では前年末のインターネットと運用技術シンポジウム(IOTS)との連携を図っている.今回は「レジリエントな情報システム構築によるインターネットと運用技術」をテーマとした.13編の投稿があり,8編を採録した(採択率61%).本特集号に合わせて「投稿予定論文に対するアドバイス制度」を設け,論文として採録されるために必要な観点を投稿前に指摘することで投稿時の論文品質を向上させる取り組みを実施した.その結果採択率が向上し,システム運用技術や情報セキュリティ技術等について論じられた優れた論文を多く掲載できた.
3.総括
 IOT研究会では従来から優れた計算機・ネットワーク運用技術に関する研究を高く評価し,それらを論文化したり国際的に発表したりすることを推奨している.計算機やネットワーク運用上のベストプラクティスに関する研究発表に対する藤村記念ベストプラクティス賞(2015年度創設)を今年度も授賞し,ディジタルプラクティスへ推薦論文として投稿を促している.またIOT研究会元主査や幹事,運営委員が中心となって2014年度に設立したACM SIGUCCS東京支部も本研究会と連携して活動しており,このような研究活動をますます促進している.2019年度にもこれらの方針を継続しつつ,ジュニア会員を含む若年層やネットワーク運用現場のエンジニア等へのアピールも視野に入れて活動したい.

上に戻る

 

◆セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会

[主査:寺田真敏,幹事:金岡 晃,斯波万恵,角尾幸保,山口高康]

1.定例の研究会活動報告

 平成30年度は,第28回~第32回の研究発表会を開催した.

  • 第28回 2018(平成30)年05月10日(木)~11日(金) 津田塾大学(渋谷区千駄ヶ谷)
  • 第29回 2018(平成30)年07月25日(水)~26日(木) 札幌コンベンションセンター(札幌市)
  • 第30回 2018(平成30)年09月27日(木)~28日(金) 長崎県立大学(長崎県西彼杵郡長与町)
  • 第31回 2018(平成30)年11月02日(金) 名古屋市立大学病院(名古屋市)
  • 第32回 2019(平成31)年03月07日(木)~08日(金) NICT沖縄電磁波技術センター(沖縄県国頭郡恩納村)
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 平成30年度は,次のシンポジウム,論文誌ジャーナル特集号を企画ならびに開催した.

  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2018)シンポジウム(共催)
    2018(平成30)年07月04日(水)~06日(金) 福井県芦原温泉清風荘(福井県あわら市)
  • コンピュータセキュリティシンポジウム(CSS)2018(共催)
    2018(平成30)年10月22日(月)~25日(木) ホテルメトロポリタン長野(長野市)
  • ユーザブルセキュリティワークショップ(UWS)2018
    2018(平成30)年10月22日(月)~25日(木) ホテルメトロポリタン長野(長野市)
  • ユーザブルセキュリティ・プライバシ(USP)論文読破会(旧SOUPS論文読破会)
    2018(平成30)年11月27日(火) 理化学研究所 革新知能統合研究センター(中央区日本橋)
  • 第8回災害コミュニケーションシンポジウム(共催)
    2018(平成30)年12月26日(水) 津田塾大学小平キャンパス(小平市)
  • 論文誌「セキュリティ人財と技術で目指す信頼できる社会基盤の実現に向けて」特集号
    2018年12月発行
3.総括

 セキュリティ心理学とトラスト分野のさらなる活性化と新たな研究分野の立ち上げの試みとして,2011年から毎年実施しているSOUPS論文読破会(SOUPS(Symposium On Usable Privacy and Security)の発表論文を1日で読破する勉強会)を,ユーザブルセキュリティ・プライバシ分野を対象とした「ユーザブルセキュリティ・プライバシ(USP)論文読破会」へと発展させ活動を開始した.毎年7月に開催している情報処理学会2研究会,電子情報通信学会5研究専門委員会で開催している定例研究発表会については,愛称「セキュリティサマーサミット」を付けると共に,CSIRT(シーサート)を新しい研究分野として取り上げ開拓していくための企画セッションを実施し,10月のCSS2018において,企画セッション「研究分野としてのシーサート活動の可能性」の実施につなげた.また,東日本大震災発生を機に活動開始した災害コミュニケーションシンポジウム(災害発生直後から必要な当事者間の意思疎通を研究対象とするシンポジウム)については,研究会の活動基盤と位置付け継続推進した.

4.その他

 2019年度は,ユーザブルセキュリティワークショップ,UPS論文読破会,災害コミュニケーションシンポジウムの開催に加えて,トラスト基盤とその応用分野の立ち上げを進める.特に,CSIRT(シーサート)を新しい研究分野として開拓していくことで,セキュリティ心理学とトラストの普及発展に努めていく.引き続き,会員及び関係者の方々には積極的な論文投稿と参加をお願いしたい.

上に戻る

 

◆コンシューマ・デバイス&システム(CDS)研究会

[主査:寺島美昭,幹事:小林 透,杉村 博,森信一郎,齊藤義仰,神山 剛]

1.定例の研究会活動報告

 第22-24回の研究発表会を開催した.

  • 第22回研究発表会 2018年5月31日(木)~6月1日(金),島根大学・松江キャンパス 発表13件
    ※共催:島根大学
  • 第23回研究発表会 2018年8月30日(木)~8月31日(金),慶應義塾大学・三田キャンパス 発表14件(奨励講演3件)
    ※共催:モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)研究会
    第6回学生スマートフォンアプリコンテスト,優秀発表賞,学生奨励賞の表彰式を実施
  • 第24回研究発表会 2019年1月24日(木)~1月25日(金),石垣市健康福祉センター 発表58件(招待講演1件)
    ※共催:グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会,デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
    CDS活動功績賞(2018年度から実施)の表彰式を実施
 本年度は,計画に従い研究発表会を3回開催した.企業,大学からコンシューマ・デバイスとシステムに関する幅広い分野の発表があり,活発な議論が行われ盛況であった.また,第6回学生スマートフォンアプリコンテストを開催し,45チームの応募から書類審査を経て,19チームの学生(高専生,専門学校生,大学校生)がコンテストに参加し,コンテストは大盛況であった.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2018)シンポジウム,2018年7月4日(水)~6日(金),福井県芦原温泉清風荘
    ※共催:マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会,グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会,モバイルコンピュー ティングとユビキタス通信(MBL)研究会,コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会,高度交通システム(ITS)研究会,ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会,インターネットと運用技術(IOT)研究会,セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会,デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会

  • IEEE COMPSAC 2018: CDS 2018 (The 6th IEEE International COMPSAC Workshop on Consumer Devices and Systems held in conjunction with COMPSAC2018 (The 42nd Annual International Computers, Software & Applications Conference),2018年7月23日(月)-27日(金) Tokyo, JAPAN

  • 高度交通システム(ITS)研究フォーラム2018(協賛),2018年12月21日(金),慶應義塾大学・日吉キャンパス
    ※主催:高度交通システムとスマートコミュニティ(ITS)研究会
    ※協賛:モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム(MBL)研究会,マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会,グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会,ITS Japan

  • 情報処理学会論文誌:コンシューマ・デバイス&システムの発行状況
    Vol.8(2018), Vol.9(2019) 計24編
3.総括
 2018年度は,2017年度と同様に,様々な企業からの発表および参加があり,実際に運用が開始されたコンシューマシステム,実践的なコンシューマデバイスやサービスに関する発表と活発な議論が行われた.また,各研究発表会では,企業からの発表に加えて,学生による発表も年々増加している.
 加えて,本年度で第6回目となる学生スマートフォンアプリコンテストも盛況に終わり,ジュニア会員の対象である高専生,専門学校生などの参加,参加した高専生によるジュニア会員への入会,さらには,ジュニア会員による研究発表会の発表へと繋がった.
 2018年度において,情報処理学会論文誌 コンシューマ・デバイス&システム(CDSトランザクション)は,24編の論文を採択し掲載済みである.2019年度は,引き続き,研究発表会およびシンポジウム・国際会議等を積極的に開催し,さらに活動を広げていきたい.
4.その他
 2019年度は,引き続き従来の取り組みをさらに活性化させるとともに,企業および大学に加えて,学生会員・ジュニア会員をはじめとする若い世代の学生と学会をつなぐ架け橋としての役割を担うような新たな取り組みにもチャレンジしたい.
また,産学交流,技術者の相互情報交換の場の提供に加えて,研究発表会を通した地域活性化,さらなる学会会員数,研究会登録会員数,学生会員数,ジュニア会員数の増加につながるような取り組みを行い,本研究会の更なる活性化を目指す.

上に戻る

 

◆デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会

[主査:水野慎士,幹事:楠 房子,林 洋人,三上浩司,義久智樹]

1.定例の研究会活動報告

2.シンポジウム・国際会議等の報告
3.総括

上に戻る

 

◆高齢社会デザイン(ASD)研究会

[主査:松浦 博,幹事:栗田雄一,山田和範,石川翔吾,顧問(運営委員):竹林洋一]

1.定例の研究会活動報告

 第12,13,14回の高齢社会デザイン(ASD)研究発表会を開催した.

  • 第12回 2018年6月29日(金) / 会場:コクヨ 東京ショールーム
  • 第13回:2018年8月31日(金)~9月1日(土) / 会場:函館アリーナ  多目的会議室B 
    共催 第59回ユビキタスコンピューティングシステム研究会
  • 第14回:2018年12月21日(金) / 会場:株式会社LIFULL 本社2階「LIFULL HUB」イベントスペース
 第12回研究発表会では,「生活状況理解」で2件,「環境デザイン」で3件の一般発表があった.招待講演として樋口直美氏(執筆家・レビー小体病当事者)による「認知症当事者が持つ認知機能障害とITの親和性」の講演を行った.当事者の方から,認知症の実態の一面を理解できる貴重な機会となった.なお,講演内容は関係者のご協力で,次のページで公開されている.https://www.youtube.com/watch?v=awsZ8Pq6vJs

 第13回研究発表会では,ユビキタスコンピューティング(UBI)研究会からの発表を含めて,「映像関係」で2件,「ユーザ心理」で2件,「行動認識」で2件,「トラッキング」で2件,「エッジコンピューティング・IoT」で2件の一般発表があった.招待講演として「優しい介護インタラクションの計算的・脳科学的解明」のテーマで中澤篤志氏 (京都大学 教授)からJST[共生インタラクション]平成29年度採択課題を中心とする講演があった.その中で,認知症高齢者の介護における科学的・AIを活用した様々な取り組みが紹介された.また,有志によるBirds Of a Feather Session形式での発信を行った.10名程度の有志による研究内容の紹介や今後,取り組みたい研究の発信がなされた.

 第14 回研究発表会では「運動支援と負担推定」で2件,「脳・生体情報計測」で2件,「暗黙知の形式知化」で1件の一般発表があった.特別企画として「StA2BLE:高齢者の転倒事故予防のための立位機能支援・評価技術」のテーマで島圭介氏 (横浜国立大学准教授)にお話しいただいた.カーテンなど寄りかかれないものでも人は触っていると姿勢が安定する.そこで,仮想で触っているという感覚を与えて安定させることを目指した研究であり,その内容だけでなく,研究の進め方についても参考になる講演であった.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 未踏高齢社会デザインシンポジウム(共催)
    2019年2月7日(木) / 会場:東京ビッグサイト 東1~3ホール セミナー会場H
    講演セッションとして,桐山伸也氏(静岡大学准教授)による「未踏高齢社会における自立共生支援AI」と竹林洋一氏(静岡大学 特にん教授/みんなの認知症情報学会)による「みんなの認知症情報学会の取り組み 〜市民情報学による知の共創〜」の講演があった.桐山氏からは,認知症ケア現場でのデータ収集から,一人ひとりの個性を見える化したり,ヒトの望むケアを見える化したりする知識構造化・表現技術のお話しがった.
    竹林氏からは,最近話題のAIについて,ニューラルネットワークですべてが解決するわけではなく,マイクロソフト社のナデラCEOが述べたように,AIによる代替より人間の能力拡張によって人間中心のAIを目指すべきであること,どんな仕組みで動いているか人間に分かる設計が必要であること,仮に医師の仕事は自動化できても看護師や介護士の仕事は代替できないこと,AIが普及した世界で最も大切になるのは他社に共感する力を持つ人間であり,IT業界だけではなく多様な人々の関与が必要であることなどのお話しがあった.
    その後,希望者7名によるポジショントーク(1-3分程度)とグループに分かれての討議とその結果をまとめた発表がなされた.
3.総括
 本研究会は様々な分野との関わりがあり,従来の情報処理の関係者に限らない参加者の広がりに特徴がある.特色ある活動となっており,少子高齢化の中,本分野が今後大きく発展することを期待して辛抱強く継続していく.
4.その他
 4年が経過し,研究会の継続も決まったが,創設以来の運営委員は任期のため半数程度が退任する.本研究会の趣旨に賛同し新たに運営委員を引き受けていただける方も多いので,活躍を期待したい.また,退任される委員や,みんなの認知症情報学会や,認知症フレンドリージャパン・イニシアチブDFIJ,UBI研究会に協力いただき,活性化に取り組んでいきたい.

上に戻る

メディア知能情報領域

◆自然言語処理(NL)研究会

[主査:関根 聡,幹事:荒瀬由紀,木村俊也,西川 仁,横野 光,進藤裕之,中澤敏明,桝井文人]

1.定例の研究会活動報告

 第235-239回の研究発表会を開催した.

  • 第235回(2016年5月)@東京大学本郷キャンパス
  • 第236回(2016年7月)@理化学研究所 革新知能統合研究センター(AIP)
  • 第237回(2016年9月)@北見工業大学
  • 第238回(2016年12月)@早稲田大学西早稲田キャンパス
  • 第239回(2016年3月)@東京工業大学大岡山キャンパス
2.シンポジウム・国際会議等の報告
 第239回の研究会は,「自然言語処理の中長期研究構想を論じる会」と題して,5件の招待講演によるシンポジウム形式として開催した.
3.総括

 研究会の活性化を進めるために,(a)全発表の動画配信,(b)自然言語処理研究会優秀研究賞の授与,(c)若手研究者による招待講演の常設化を継続している.また,以前から引き続き,研究会のウェブサイトからの恒常的な情報発信を行っている.研究会は年4回開催した.第225回研究会から第238回研究会は通常の一般発表からなる研究会を開催し,37件の一般投稿を集め,4件の招待講演を行った.
 第239回研究会は第230回研究会の流れを引き継ぎ「自然言語処理の中長期研究構想を論じる会」と題したシンポジウム形式とした.本シンポジウムでは,自然言語処理および関連分野で長期にわたり第一線の研究を推進してきた研究者に今後の研究構想の大きな絵を語っていただき,言語処理が今後進むべき方向性について一段高い視点からの議論を行った.

4.その他

 本年度は主査の1年目であったため,特に新しい施策は講じず,これまでのやり方を踏襲した.ただし,第230回は一昨年実施し好評であった,招待講演者のみによるシンポジウム形式にした.自然言語処理の研究分野では,自然言語処理学会の年次大会,YANSの会,NLCなど同じような研究会や学会があり,日程調整,論文集めに苦労している.特徴ある研究会となるような施策を講じていきたいと考えている.

上に戻る

 

◆知能システム(ICS)研究会

[主査:川村秀憲,幹事:飯塚博幸,大知正直,清 雄一,福田直樹,横山想一郎]

1.定例の研究会活動報告
  • 第192回研究発表会では,実ビジネスにおけるAI技術の活用やAI技術を用いた産学連携の取り組みについて発表する場として,学術的な新規性だけでなく実応用という点についても重きを置き,特に言語処理システムに関連する社会応用またはそれにつなげる試みを共有する場を目指して「言語処理・知能システムの社会応用」をテーマとして設定し,2018年7月6日,7日に研究会を開催した.特に関連の深い電子情報通信学会言語理解とコミュニケーション研究会と共催した.一般セッションでは一般から募集した13件の発表(うち,知能システム研究会としては7件の発表),特別講演セッションでは産学連携について多くの取り組みとその社会実装の方法論に関する1件の講演が行われた.さまざまな企業・大学からの発表があり,議論もさかんに行われた.これらの発表・講演から得られる知見は今後の人工知能の社会実装という大きな課題に向けてさまざまな示唆・知見を社会に共有し,有効に活用されると考えられる.

  • 第193回研究発表会では,AI技術のWeb/IoTへの適用,Web/IoTを知識源とする知識処理,Web/IoT上の新しい知能アプリケーションなど,Web/IoTとAIの多様な関わりに関する研究や分析事例について共有する場を提供するため,日本ソフトウェア科学会マルチエージェントと協調計算研究会(MACC研究会)と共同で2019年2月26日~27日にかけて研究会を開催した.9件の一般発表,2件の招待講演を行った.Web/IoTに関するデータ活用,IoT情報を使ったユーザ支援,機械学習を用いた研究等,AIとWeb/IoTに関する研究の発表があった.また招待講演では,IoT技術とプライバシについて,またオープンデータにまつわる発表などが行われた.

  • 第194回の研究発表会を2019年3月9日~10日,北海道ルスツリゾートにて開催した.本研究会は,最新の情報技術をベースとした新しい社会のあり方について模索することをテーマとして,人工知能学会「知識ベースシステム研究会」「社会におけるAI研究会」「データ指向構成マイニングとシミュレーション研究会」,情報処理学会関西支部「行動変容と社会システム研究会」,電子情報通信学会「人工知能と知識処理研究会」との共催により実施された.人間生活や社会システムと情報技術に関連する基礎的研究から応用研究に関する分野横断的な発表を募集し,共催研究会全体では43件の発表があった.知能システム研究会としては12件の研究発表があり,その内容は,ロボット,社会シミュレーション,経済システム,画像認識など幅広い分野に及んだ.社会実装を最終的な目的としたテーマが多く,知能システムの応用という観点から活発な研究討論を行うことができた.

  • 第195回知能システム研究会を2019年3月18日,静岡大学浜松キャンパスにて開催した.昨年に引き続き,人間と機械の協働により新たな知を創出し,人・集団の知的活動の質向上の実現に貢献できる知能システムをテーマとして,創造的協働を実現する知能システムに関する研究やそれらを実際に行っている社会実装にも焦点を当て,これらに関わる研究者相互の知識・知見の交換や議論を促進する機会となるように募集・発表を行った.今年は合計15件の一般発表があり,基礎理論から応用実装技術・社会実装への試みなど,幅広い視座からの発表内容を集める密度の濃い研究会となった.また,学部2年生といった若い世代からの発表や,社会実装の実践の知見に基づいた研究報告があるなど,開催の主旨に沿った多様性のある参加者による活発な研究討論を行うことができたと考えられる.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 2018年度は実施なし.

3.総括

 第3次人工知能ブーム,ディープラーニング研究の世界的潮流を受けて,知能システムをいかに作り上げるのかだけでなく,どういうことに応用できるのかといった社会応用,ビジネス展開も視野に入れた研究が多くなってきていると思う.そういう意味で,知能システム研究会への学術的,産業的な期待が大きくなってきていると感じる.発表全体では応用分野も多岐にわたり,研究会として幅広い興味と応用分野をカバーできていると感じる.また,研究会会員も微増の傾向があり,この分野に対する期待を感じる.今後も参加者の研究発表の場として魅力的な研究会が開催できるよう,主査・幹事一同努力していきます.

上に戻る 

 

◆コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)研究会

[主査:長原 一,幹事: 石川 博,岡部孝弘,川崎 洋,佐藤智和,中澤篤志,橋本敦史,満上育久,米谷 竜]

1.定例の研究会活動報告

 第212-216回の通常の研究発表会を下記のように開催した.毎回100名前後の聴講者があり,熱心な討論が行われた.各研究発表会では,以下のようなテーマを設定し,オーガナイズドセッションを企画した.

  • 2018年5月:卒論・D論セッション,研究と多様性
  • 2018年9月:機械学習とその応用関連(PRMU/IBISMLと連催)
  • 2018年11月:物理ベースのビジョンとグラフィックスおよび一般(CGVI/DCCと共催)
  • 2019年1月:AR/VR のための Computational Photography and Display(PRMU/MVE/SIG-MR/PoTSと連催)
  • 2019年3月: スポーツとCV
 通常の研究発表に加えて,積極的にテーマに沿った講演者も招待し,年間を通して計13件の特別講演を企画し,好評を博した.また希望者によるポスター形式の発表では,参加者の投票による奨励賞を設置しており,本年度も各研究会において1名,合計5名を表彰した.
 5月の212回研究会では,若手研究者の育成を目的に,前年度に学部を卒業した方を対象とした「卒論セッション」及び,前年度に博士の学位を取得した若手研究者を対象とした「D論セッション」を開催した.卒論セッションでは31件,D論セッションでは4件と多数の発表があった.なお,卒論セッションにおいては,最優秀賞1件ならびに優秀賞2件の表彰を行い,若手研究者の奨励を積極的に行っている.
 CVIM研究会では,運営委員が事前に発表論文をチェックしてコメントをアップロードことで,より質の高い議論を提供し,発表者には有意義なフィードバックが得られる「コメント制度」を採用している.また,口頭発表に加えて,最後のセッションにポスター形式の発表の機会も提供している.これらの工夫により,発表者および参加者に研究に関する深い議論ができる場を提供している.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 第21回画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2018)を,8月5-8日の4日間,札幌コンベンションセンターにて電子情報通信学会PRMU研究会と共催し,792名の参加者があった.オーラル発表の中からMIRU長尾賞1件,MIRU優秀賞1件,MIRU学生優秀賞1件,MIRUフロンティア賞1件を表彰した.また,インタラクティブ発表賞7件,デモセッション賞1件を表彰した.MIRU2016で新設されたMIRU学生奨励賞を18名に授与し,若手研究者を積極的に奨励した.また,論文の評価に際して貢献のあった9名に論文評価貢献賞を授与した.
 口頭発表への投稿論文102件より30件(発表12分+質疑応答2分のロングが15件,発表5分+質疑応答なしのショートが15件)を選定するとともに,例年人気を博しているトップカンファレンス採択者による招待講演(発表10分,質疑応答なし)を10件選出し,オーラルセッションを構成した.なお,口頭発表ロングの論文のうち12件を賞候補論文とした.ポスター発表は,上記口頭発表投稿からオーラルセッションに選定されなかった論文,および,一般論文から構成し,224件からなるポスター発表を3日間に分けて実施した.
 MIRU2018では「学会は議論する場である」というMIRUの理念のもと,招待講演も含めたすべての講演者にポスター発表の機会を与え,可能な限り議論できる場を提供した.また,近年のAI ブームもあってMIRU は産業界からも注目されており,国内の様々な研究やトレンドを把握できるとともに,優秀な学生のプロモーションにも貢献できるようアレンジした.さらに,託児サービスの実施や,IEEE名古屋・仙台・関西各支部のWIEが主催する女性研究者向けワークショップの併催など,ダイバーシティを考慮した会議設計を行った.

3.総 括

 研究会発表に対するコメント制度,卒論・D論セッション,ポスターセッション・奨励賞,研究会推薦論文制度など,研究者育成の活動を重視してきた.コンピュータビジョン分野のトップカンファレンスに採択される日本人若手研究者の数は近年増加傾向にあり,本研究会の現在までの取り組みもその一因となっていると考えられる.

上に戻る

 

◆グラフィクスとCAD(CG)研究会

[主査:土橋宜典,幹事:今給黎隆,楽詠コウ,竹島由里子,鶴野玲治,金森由博]

1.定例の研究会活動報告
 第170-173回の研究発表会を開催した.
  • 第171回 [CG技術の実装と数理 2017]
    9月30日(日) 東洋大学赤羽台キャンパス
    発表件数 21件 (画像情報教育振興協会との共催)
  • 第172回 テーマ:物理ベースのビジョンとグラフィックス [CVIM, DCC研究会との合同開催]
    11月7,8日(水,木)東北大学サイエンスキャンパスホール
    発表件数 18件(本研究会からの参加は 7件) 招待講演 2件
  • 第173回 テーマ:機械学習のグラフィックスへの応用
    3月5日(火)バンダイナムコスタジオ
    発表件数 7件 招待講演 2件 ポスター発表 5件
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • Visual Computing/グラフィクスとCAD合同シンポジウム2018
    6月23日~24日 一橋大学 一橋講堂
    発表件数 26件,ポスター発表 30件,招待発表 13件 特別講演 2件
    モデリング,レンダリング,画像合成,アニメーション,物理シミュレーションなど,多岐にわたる分野での研究が報告された.
3.総括

 関連企業との連携強化を図った第171回および173回研究会はいずれも盛況であったのた.研究会で発表された研究がトップカンファレンスへでの発表に発展しているものが多くみられ,本研究会がCG分野の活性化に貢献している.

4.その他

 今後も,企業関係者が参加しやすい発表形態や運営方式を維持および拡張する活動を継続させる.実装と数理研究会は,内容を刷新し,よりトップカンファレンスを意識した研究会へと発展させる.CVIM+DCC研究会との合同開催も継続する計画であり,さらにはNICOGRAPH や EC 研究会との合同開催や併催に関しても,今後検討していく.

上に戻る

 

◆コンピュータと教育(CE)研究会

[主査:兼宗 進,幹事:高木正則,渡辺博芳,白井詩沙香, 越智 徹]

1.定例の研究会活動報告

 第145回~149回の研究発表会を,順に中京大学,保健医療経営大学,琉球大学,日本大学,京都情報大学院大学で開催し,発表総数は76件であった.
 また,後述のシンポジウムにも55件の発表が行われており,安定した研究発表活動が行われている.2014年度から設けている学生セッションの発表件数は33件となり,定着したと考える.これまでと同様に学生セッションで行われた発表のクオリティは高く,今後の研究の発展を期待し,発表者の中から11件の学生奨励賞を選出した.論文作成のアドバイスを行う研究論文セッションには9件の発表があった.このような模擬査読は情報処理学会論文誌「教育とコンピュータ」と連携して論文投稿の活性化につながっている.このような試みは,研究発表会の活性化につながっているので,今後も継続していきたい.

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 平成30年8月19日~21日に「情報教育シンポジウム SSS2018」を湯の児海と夕やけ(熊本県水俣市)で開催した.本シンポジウムは,情報教育,教育の情報化に関わる幅広い分野の教育者や研究者の参加を募り,初回のSSS99以来,熱気のこもった合宿型研究発表会となっており,今回は55件の発表が行われた.また,招待講演は,静岡大学の紅林秀治先生をお招きし,小中学校のプログラミング教育の課題についてお話いただいた.また,もう1つの招待講演では熊本大学の喜多敏博先生に,VUI,Chatbot,AnalyticsとMoodleについて講演いただいた.なお,本シンポジウムは今回も教育学習支援情報システム(CLE)研究会との共催となっている.

3.総括

 当研究会は,情報の本質を理解し,教育の実践をしっかりと視野に捉えながら情報教育の可能性を探ることにより,情報教育に関連する学界と教育界へ寄与することを目的としている.近年の活動により,初等中等教育から高等教育にわたる情報教育に関係する様々な立場の方々の間に,教育という側面から情報の本質に関わる議論ができる場としての認知度が高まっている.昨年度末にプログラミング教育必修化の方針に沿った小学校の新学習指導要領が発表され,これまでも当研究会で多く発表されてきたプログラミング教育に関する研究成果を活かしていくべき状況となっている.今後は,それらの成果を元に情報処理学会の研究会としての教育現場をサポートできるような活動を行っていきたい.また,学生セッションの定着により,若い世代の研究者が発表しやすい環境が整備でき,新しい技術の利用など,柔軟で幅広い視野の研究発表が増えてきており,今後一層,研究会活動の充実が期待される.一方で,研究会発表論文の質の向上を目指し,CLE研の協力の下,論文誌「教育とコンピュータ」を平成27年1月に創刊した.今年度の掲載論文は15編であり,安定した掲載数を維持しているが,今後も研究論文セッション等と連携することで,論文数が増加することを期待している.以上のように研究発表会,論文誌の双方を通じて,質的・量的に充実した研究会活動を社会へアピールしていきたいと考えている.

4.その他

 学生セッションが定着するなど若手研究者の参加を増やす試みは一定の成果を上げ,研究会活動に大きな刺激を与えている.またこれまで,全国高等学校情報教育研究会の協賛を受け初等中等教育関係者の研究発表会の聴講を無料としたが,今年度は資料閲覧も含め参加費を無料とした.初等中等教育に携わる先生方の研究発表会への参加は今後の研究会活動の活性化に必須であるので,このような試みを継続していきたいと考える.

上に戻る

 

◆人文科学とコンピュータ(CH)研究会

[主査:山田太造,幹事:上阪彩香,曽我麻佐子,堤 智昭,松村 敦]

1.定例の研究会活動報告
  • 第117回 2018年5月12日(土)@東京電機大学北千住キャンパス 発表13件
    例年通り学生セッション(ポスター発表)を行い,5件の発表の中から,運営委員の選考により2名へ奨励賞を授与した.
    本研究会は2019年に設立30周年を迎えるにあたり,記念事業を企画している.その準備として企画セッション「CH研究会30周年記念事業第3回準備会 「人文情報学」の研究環境を考える」を情報・システム研究機構データサイエンス共同利用基盤施設人文学オープンデータ共同利用センターとの共催で行い,本研究会が対象とする分野が更に発展していくための課題・現状をアイデアソン形式で参加者全員とともに議論した.
  • 第118回 2018年8月18日(土)@秋田大学手形キャンパス 発表9件
    昨今のCH研究会では珍しく,企画セッションを設けなかったが,歴史資料管理・デジタルアーカイブ・テキスト構造化・コーパス・画像共有・地名辞書など"CHでのコア"な報告がなされた.
  • 第119回 2019年2月16日(土) @大阪大学豊中キャンパス 発表17件
    大阪大学大学院言語文化研究科およびデータビリティフロンティア機構との共催で企画セッション「Digital Literary Stylisticsの現在」および「人文科学×データビリティサイエンス」を行い,人文科学だけではなく社会科学におけるデータサイエンスに関わる6件の報告がなされた.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 第20回人文科学とコンピュータシンポジウム(じんもんこん2018)
    日程:2018年12月1日(土)-2日(日)
    場所:東京大学地震研究所
    主催:情報処理学会 人文科学とコンピュータ研究会
    共催:東京大学地震火山史料連携研究機構,東京大学地震研究所,東京大学史料編纂所,国立歴史民俗博物館メタ資料学研究センター,東京大学附属図書館アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門(U-PARL)
    実行委員長:榎原雅治(東京大学)
    プログラム委員長:高田智和(国立国語研究所)
    テーマを「デジタルアーカイブのイノベーション」とし,1日には,東京大学地震火山史料連携研究機構機構長の佐竹健治氏による基調講演「地震学と歴史学との連携による歴史地震学研究」,2日には国立歴史民俗博物館による企画セッション「歴史研究と人文研究のためのデータを学ぶ」を開催した.参加者は161名,全体で59件の発表(招待論文1件,口頭発表30件,ポスター発表22件,デモ発表6件)があった.発表の中から最優秀論文賞1件,ベストポスター賞1件,学生奨励賞3件を選考し表彰した.さらに併設イベントとして地震史料シンポジウム「地域史料から地震学へのアプローチ」(主催:東京大学地震火山史料連携研究機構)を実施し,史料を用いた昨今の歴史地震研究に関して活発な議論を行った.
3.総括

 研究会の活発化のため,昨年度までと同様に,イベント企画の常設化(CH118を除く),研究会による表彰数(主に学生対象)の増加,他団体との共催を積極的に行った.昨年度に引き続き30周年企画を継続した.昨年度より研究会発表会の回数を3回に減らしたが,発表件数はシンポジウムを含め98本(昨年度は88本)と増加した.また,会員数も少しではあるが増加した.
 昨今のデジタルアーカイブ化や人工知能ブーム等の動きは更に活発化しており,本研究会においてもデータサイエンスに関わる報告が増加しており,さらにはシンポジウムでの最優秀論文賞を受賞するなど,本研究会でも定着しつつある.また,東京大学地震火山史料連携研究機構,国立歴史民俗博物館メタ資料学研究センター,大阪大学大学院言語文化研究科およびデータビリティフロンティア機構のような文理融合やデータサイエンスを謳った機関との連携はまさにその流れを象徴する動きである.これまで人文科学にかかわらなかった,もしくは人文科学データを利用してこなかった研究者に対しても積極的に参加できる環境が整えられつつあると考えている.

上に戻る

 

◆音楽情報科学(MUS)研究会

[主査:吉井和佳,幹事:中野倫靖,齋藤大輔,竹川佳成,松原正樹,伊藤彰則]

1.定例の研究会活動報告
 2018年度は,第119?122回研究発表会(計4回)を開催した.第119回研究発表会についてはあとに述べる.2018年8月21?23日に広島工業大学で開催された第120回研究発表会「夏のシンポジウム2018」では,合計22研の研究発表があった.例年と同じく,統計的機械学習技術を用いた音楽音響信号処理のほかにも,音楽演奏解析・支援に関するものが数多く発表された.また,音楽情報処理分野の著名な二名の研究者を海外から招聘し,光学音楽認識と自動作曲に関する招待講演を開催した,さらに,聴衆とインタラクティブに議論を行うことができるデモセッションを開催した.2018年11月21,22日にホテルこうしゅうえんで開催された第121回研究発表会は,日本音響学会 聴覚研究会との共催,電子情報通信学会・日本音響学会 応用/電気音響研究会,マルチメディア情報ハイディング・エンリッチメント研究会との連催であったため,合計32件もの発表があった.また,聴覚特性に関する二件の招待講演を開催した.2019年2月22,23日に関西学院大学理工学部で開催された第122回研究発表会は,エンタテインメントコンピューティング研究会と共催であり,合計30件もの発表があった.業界の最先端で活躍するサウンドエンジニアを招いて,ゲームオーディオに関する招待講演を企画した.さらに,両研究会の合同デモセッションもあり,実際にシステムを試用しながら濃密な議論を行った.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 2018年6月16,17日に東京大学で開催された第119回研究発表会「音学シンポジウム2018」では,音楽に限らず,音に関係するあらゆる研究分野が対象とされており,今年で6回目の開催となった.立体音響,鳥の鳴き声,聴覚機構,収音技術など音響信号処理に関する極めて幅広いトピックに関する招待講演に加えて,2回のポスターセッションを企画した.合計61件の発表があり,今年も200名を超える参加者の間で活発な議論が交わされた.世界的に深層学習がトレンドとなっているが,音学シンポジウムでは,人間の知覚を丁寧に調査するものが多数発表されており,機械学習に加えて,人間の理解が必要不可欠であるという共通意識が引き続き見受けられた.

3.総括

 2018年度は,都内開催が1回,地方開催が3回(富山県・広島県・兵庫県)であり,幅広い聴衆を集めることができた.また,第120回研究会以外は他の研究会・学会との共催や連催であり,他分野との議論・技術交流は非常に有益であった.プログラム面でも,招待講演,一般講演,サーベイ企画,デモセッションがバランス良く配置され,参加者からも好評であった.

4.その他
 他分野との交流は継続的に行っていく価値があると考えている.

 上に戻る

 

◆音声言語情報処理(SLP)研究会

[主査:西村雅史,幹事:山岸順一,福田 隆,塩田さやか,俵 直弘]

1.定例の研究会活動報告

 第121-126回研究発表会を開催した.

  • 第121回(5月 東京大学,本郷キャンパス):SIG-NLと共催した.学生セッションを企画し,「学生奨励賞」を選定・授与した.
  • 第122回(6月 東京大学,本郷キャンパス):SIG-MUSと音学シンポジウム2018を共催した.一般発表のポスターセッションに加え,7件の招待講演,4件のチュートリアル講演を実施したが,うち,SLPからは津崎実先生(京都市立芸大)に招待講演,饗庭絵里子先生(電通大)にチュートリアル講演を依頼した.また,ポスター発表に対して,「優秀賞」「学生奨励賞」を選定・授与した.
  • 第123回(7月 舘山寺温泉,サゴーロイヤルホテル):1泊2日の日程で,信学会SP研究会と同時並列開催とした.テーマセッション「音声対話インタフェースと音の情景分析」や,ICASSP2018参加報告のセッションを実施した.また,2017年1月から12月の学生の全研究発表の中から2件の研究を選定し,「企業賞」を授与した.
  • 第124回(10月 早稲田大学,グリーン・コンピューティング・システム研究開発センター):音声言語処理技術の実用化に重点を置いたデベロッパーズ・フォーラムを IEEE SPS Tokyo Joint Chapterと共催で実施した.また,新田恒雄先生(豊橋技科大・早大)とMichael Picheny博士(IBM Research)による招待講演を企画した.
  • 第125回(12月 早稲田大学,西早稲田キャンパス):信学会SP研究会との連催で「音声言語シンポジウム」を開催した.一般講演,学生ポスターセッションに加え,3件の招待講演を実施したが,うち戸上真人博士(LINE)と,Zen Heiga博士(Google Brain)による2件の招待講演を企画した.また,ポスター発表に対して「学生ポスター賞」を選定・授与した.
  • 第126回(2月 磯部温泉,ホテル磯部ガーデン):1泊2日の日程で実施した. Zhenhua Ling先生(University of Science and Technology of China),Wei Ping博士(Baidu Research),Kong Aik Lee博士(NEC),大木哲史先生(静岡大)による4件の招待講演,INTERSPEECH2018の報告会,国際会議既発表セッションなどを実施した.1日目を全て英語によるセッションとしたこともあり,外国籍の研究者や留学生の参加も多く,活発な情報交換が行われた.また,2018年1月から12月の学生の全研究発表の中から2件の研究を選定し,「企業賞」を授与した.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 平成30年度は実施なし.

3.総括

 本年も,各発表をネット配信して研究会に参加できない方々の便宜を図った.また,昨年度から企業スポンサーを募っており,本年度は5社から支援をいただいた.研究会webにロゴを掲載したり,研究発表の合間にロゴを投影するなどの配慮をしている.この支援を活用して海外の著名な研究者に招待講演を依頼したり,スポンサー名を冠した「企業賞」を新たに企画して学生に授与した.来年度も企業との繋がりを意識し,また,分野としての拡大を図っていきたい.

4.その他

 6月研究会を新たに実施したことで,5,6,7月の3ヶ月連続開催となったことと,各回の投稿数を考慮し,来年度からは5月の研究会を取りやめ,昨年度までの年5回開催に戻すことにした.
 なお,本研究会で取り扱うことにしている研究分野と,実際に投稿されている研究分野との間に少し齟齬が生じてきていることから,対象分野を広げる方向で見直しを進めている.また,企業からの支援を活用して新しい企画等を提案して行くことで,研究会を活性化し,参加者数・登録者数を増やしたい.

上に戻る

 

◆電子化知的財産・社会基盤(EIP)研究会

[主査:原田要之助,幹事:折田明子,小向太郎,橋本誠志,湯田恵美,吉見憲二]

1.定例の研究会活動報告

2.シンポジウム・国際会議等の報告

3.総括

 上に戻る

 

◆ゲーム情報学(GI)研究会

[主査:鶴岡慶雅,幹事:横山大作,池田 心,但馬康宏,美添一樹]

1.定例の研究会活動報告
  • 第40回研究会は2018年6月29日(金),30日(土)に高知市の高知工科大学において開催し,9件の発表を集めた.発表内容は,数学パズル,深層学習,大貧民,コンピュータ将棋,コンピュータプレイヤの人間らしさの調査と多岐に渡り,興味深い研究会となった.
  • 第41回研究会は2019年3月8日(金),9日(土)の2日間,電気通信大学で開催し,26件の発表を集めた.発表の内容は,新しいゲームの提案,強化学習と強いAIプレイヤ,人間らしさと支援,ゲームのルールの分析・拡張,プレイヤの実力推定,木探索,パズル・ステージ生成,ゲームの理論と解法,プレイヤや着手の分析など,多様な目的に対して様々な研究が見られた.3月9日(土),10日(日)には,同じく電気通信大学において Game AI Tournamentも開催され,多くの参加者を集めた.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 本本研究会主宰のシンポジウム Workshop on Curling Informatics (WCI) を2018年8月2日(木),8月3日(金)の2日間,北見工業大学で開催し,80名を超える参加者を集めた.国内外から13件の口頭発表を集め,招待講演3件,パネル討論1件も行われた.内容的には,人工知能,及びプラットフォームに関する研究3件,計測研究2件,認知及び学習支援の研究2件,データマイニング研究1件,戦略に関する理論的研究1件と多岐にわたった研究が見られ,参加者による活発な議論が行われ,この分野の広がりを感じる内容となった.
  • 本研究会主催の第23回ゲームプログラミングワークショップ(GPW2018)を2018年11月16日(金)-18日(日)の3日間の日程で箱根セミナーハウスにおいて開催した.国内外から,36件の一般発表(口頭発表18件,ポスター発表18件),2件の招待講演が行われ,約80名の参加者を集める盛会となった.将棋・囲碁・ビデオゲームを含む多種のゲーム・パズルに関する様々な観点からの研究発表があり,探索向上技術,強化学習,ディープラーニングなど多様な手法を用いた最新の研究についての熱心な討論や情報交換が行われ非常に有意義であった.またポスターセッションも会場を広げるほどの熱気に満ちたものになり,フラッシュトークや参加者の投票によるベストポスター賞の選定も行った.今回は2名の講演者を招待し,東京大学大学院の稲見昌彦氏からは超人スポーツの最新の動向を,NVIDIA の山﨑和弘氏からは GPU プラットフォームと深層学習の最新の動向を紹介して頂いた.このように一般発表,ポスター発表,招待講演,関連イベントと大変活発なワークショップとなり,この分野の研究のさらなる発展につながる実りのある場となった.来年も引き続きこのワークショップを実施する予定である
3.総括

 本研究会は発足後20年が経過し,この分野の発表の機会を与えるものとして十分 に定着してきたと言える.発表の内容を見ると,パズルや将棋,囲碁などの伝統的なゲームに加え不完全情報ゲームである大貧民,麻雀などのゲームやカーリングなどのような不確定ゲーム,更には,ビデオゲームや戦略シミュレーションから人狼まで,ゲームの種類は多岐にわたる.また技術的には,ニューラルネットワークを用いた強化学習など,深層学習の流れを受けた手法の研究が進んでいる.これらの研究テーマは,ゲームだけにとどまらず,これからの情報処理技術にとって,重要な貢献を果たす技術も多く含まれており,さらなる発展が期待される.

4.その他

 平成26年度から,若手の研究者のモティベーションの向上のために,若手奨励賞を新設し,徐々に浸透している.2016年度末から,学生運営委員を新設し,若手研究者の参入を増やす試みも行うことにしている.来年度も,今年度同様,年2回の研究会,及び,GPWの開催を行っていく予定である.

上に戻る

 

◆エンタテインメントコンピューティング(EC)研究会

[主査:井村誠孝,幹事:杉本麻樹,山本豪志朗,棟方 渚]

1.定例の研究会活動報告

 第48-51回の研究発表会を開催した.

  • 第48回 2018年6月14日(木)-15日(金) 東京大学 本郷キャンパス (東京都文京区)
    ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会と合同,日本バーチャルリアリティ学会,ヒューマンインタフェース学会デバイスメディア指向ユーザインタフェース研究会(SIGDeMO),映像情報メディア学会ヒューマンインフォメーション研究会(ITE-HI),電子情報通信学会メディアエクスペリエンス・バーチャル環境基礎研究会(MVE)と連催で,人工現実感,エンタテインメント,メディアエクスペリエンスおよび一般をテーマに研究会を開催した.全体で27件の発表があった.
  • 第49回 2018年8月28日(火)-29日(水) 品川宿交流館 (東京都品川区)
    研究と分野の方向を考えるメタ研究会として開催した.2件のメタ発表と有志の発表に加えて,昨年同様のアンカンファレンス形式で議論と討論を行った.
  • 第50回 2018年12月21日(金)-23日(土) 公立はこだて未来大学 (北海道函館市)
    今回から通常の研究発表と比較してより短い研究発表時間となる「萌芽的研究」を実施することとした.開催地の公立はこだて未来大学から多数のご発表があり,2日間で39件(うち萌芽発表21件)と盛況な研究会となった.
  • 第51回 2019年2月22日(金)-23日(土) 関西学院大学 神戸三田キャンパス(兵庫県三田市)
    音楽情報科学(MUS)研究会との合同で研究会を開催した.招待講演としてバンダイナムコスタジオの中西哲一氏からゲームオーディオに関する話題をご提供いただいた.通常発表は10件(うち萌芽2件)であった.またMUSの形式に合わせてECでもデモ発表を行い,5件の発表があった.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • エンタテインメントコンピューティング2018(主催)
    2018年9月13日(木)-15日(土)に,東京都調布市の電気通信大学ならびにトリエ調布C館にて,電気通信大学の野嶋先生を実行委員長として開催され,232名の参加者があった.初日の9月13日(木)に行われたゆるスポーツ協会代表による招待講演,ならびに15日(土)のデモ発表を,一般の方々に公開した.招待講演では,映画館の一室を借り切り,映画用の大型スクリーンでの講演が実施された.加えて同会場において,デモのFast Forwardも実施された.2日目夕刻には,超人スポーツの体験会が開催された.本邦初披露の超人スポーツ種目2種目に加えて,これまで各種イベントを盛り上げてきた種目も体験できるという,貴重な機会となった.最終日の招待講演においては人を対象とした行動学研究における,再現性問題についての講演が行われた.エンタテインメント研究の評価,再現性の担保といった側面は大きな課題であり,聴衆からも活発な質疑が行われた.35件の口頭発表,60件のデモ発表が行われ,いずれも活発な議論が行われていた.またEC研究を適正に評価する新たな試みとして,著者から事前提出されたEDA(Entertainment Design Assets)に基づくQualificationを初めて実施し,7件の研究の有用性が認定された.
  • インタラクション2019(共催)
    2019年3月6日(水)-3月8日(金)に,東京都千代田区の学術総合センターで開催された.インタラクション技術はECと密接な関係にある研究分野であり,本年度も共催という形式で運営に参画した.本シンポジウムではチーフプログラム委員を中心とした綿密な査読を行っており一定水準の口頭発表がなされる他,デモ発表およびポスター発表によって,参加者は非常に多くの研究に触れることが可能である.映画監督の堤幸彦様の招待講演では,作品の制作にかける熱意と現場の実情を軽妙な語り口でご講演いただき,非常な盛り上がりを見せた.
3.総括

 ECは多くの分野と関係を持つ学際的研究領域であり,本年度も他分野との交流を念頭に置き活動を行った.一方ECならではの研究を活性化する努力も必要であり,シンポジウムに加えて萌芽発表の実施,後述する研究のQualificationの実施により,研究分野の間口を広げることを試みた.

4.その他
 「体験」を扱う学術領域であるEC研究の評価の新たな方式として,研究者が Entertainment Design Asset (EDA)を提出し,ノーブラインドの審査者がEDAの実効性をデモや聞き取りによって判定してQualificationを与えていくことを,本年度は京都産業大学の水口先生を中心として試行した.本結果を情報処理学会論文誌特集号における有用性の判定と連携させることを実施予定である.
 また長年にわたって連携を続けていた国際会議ACEとの関係を解消したことを受けて,国際的な研究発表の場については今後検討を進めていく.

上に戻る

 

◆バイオ情報学(BIO)研究会

[主査:吉本潤一郎,幹事:五斗 進,倉田博之,伊藤公人]

1.定例の研究会活動報告

 第54-57回の研究発表会を開催した.

  • 第54回:6月13日~15日,沖縄科学技術大学院大学(OIST)
    数理モデルと問題解決(MPS)研究会との共催.電子情報通信学会ニューロコンピューティング(NC)研究会および情報論的学習理論と機械学習(IBISML)研究会との連催.
    総発表件数52件(うちBIOより16件).
    サテライトワークショップ: 「脳科学・人工知能研究の実証ツールとしてのロボット学習」を開催(谷淳先生(OIST),内部英治先生(ATR),山崎匡先生(電気通信大学)による招待講演とパネルディスカッション).
  • 第55回:9月18日,慶應義塾大学先端生命科学研究所
    生命医薬情報学連合大会(IIBMP 2018)と連続開催
    発表件数8件.
  • 第56回:12月14日@岡山大学鹿田キャンパス
    発表件数7件.
  • 第57回:3月8日~10日@北陸先端科学技術大学院大学
    人工知能学会SIG-MBI研究会,オープンバイオ研究会との共催.
    総発表件数22件(うちBIOより13件).
2.シンポジウム・国際会議等の報告

  2018年度は主催行事の実施なし.
 ・「進化計算シンポジウム2018」を後援.
 ・「バイオインフォマティクス技術者認定試験」を協賛.
 ・ 国際ワークショップ「Advances in Neuroinformatics (AINI) 2018」を協賛.

3.総括

 2018年度は,沖縄,山形,岡山,石川の4箇所で研究発表会を実施し,開催地に縁のある担当運営委員によって良好な運営が行われた.関連研究会や学会との共催や併催を積極的に推し進めた結果,全体では89件(うちBIOより46件)の研究発表が行われ,発表件数は例年並みであったものの,初めて本研究会に参加した発表者が例年以上に多かった.特に,前年度より創設した優秀プレゼンテーション賞は研究発表会の活性化や発表者の動機づけにも役立っており,本賞受賞者が,その後の研究発表会にも参加し,活発な議論を繰り広げている様子が頻繁に見られた.

4.その他

 2019年度は,年4回の研究発表会を計画している.第58回は,引き続きMPSとの共催,NCとIBISMLとの連催で,6月17日~19日にOISTで開催する.第59回は,9月頃に東京工業大学大岡山キャンパスで開催予定である.第60回は,12月頃に福岡市近郊で,第61回は,3月頃に北陸先端科学技術大学院大学で,それぞれ開催を予定している.

上に戻る

 

◆教育学習支援情報システム(CLE)研究会

[主査:主査:緒方広明,幹事:重田勝介,関谷貴之,永井孝幸,松浦健二]

1.定例の研究会活動報告

 2018年度は,第25~27回の研究発表会を開催した.

  • 第25回は6月15~16日に北海道大学で開催し,募集テーマ「オープンエデュケーションおよび一般」に関連する13件の発表があった.
  • 第26回は12月7~8日にJR福井駅前AOSSAで開催し,募集テーマ「eポートフォリオおよび一般 」に関連する17件の発表があった.
  • 第27回は3月20~22日に京都大学 吉田キャンパスにおいて,学習分析学会,教育システム情報学会 Learning Analytics研究部会,日本教育工学会 SIG-03「教育・学習支援システムの開発・実践」,人工知能学会学習科学と工学(ALST)研究会,及び京都大学学術情報メディアセンターとの共催で開催し,募集テーマ「ラーニング・アナリティクス(LA)および一般」に関連する23件の発表があった.また3月21日には研究発表会の会場で,学習分析学会と教育システム情報学会(JSiSE)LA部会共催によるイベントも開催した.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 2018年度の情報教育シンポジウムSSS2018(Summer Symposium in front of Shiranui-sea 2018)は,2018年8月19日から21日にかけて熊本県水俣市のホテル「湯の児 海と夕やけ」で開催された.本シンポジウムは「コンピュータと教育」研究会との共同開催である.初等教育から大学における情報教育を中心に,各種の教育学習支援情報システムに関する研究,実践,開発の報告が行われた.とりわけ,招待講演では,小中学校におけるプログラミング教育というホットな話題に加え,開催地である熊本からも,VUIやChatbotとMoodle連携といった刺激的な開発内容に関する招待講演があった.

3.総括

 本研究会では,教育学習活動を支援する情報システムに関する研究開発及び実践に関する発表が14年間に渡り行われてきた(平成17年度から始まった研究グループ時代を含む).その間,大学の教育現場を支える基盤システムとして学習支援システムLMS(Learning Management System)あるいはコース管理システムCMS(Course Management System)が我が国の大学でも広く使われるようになり,教育・学習活動のプロセスのデータが日々蓄積されるようになってきている.ラーニングアナリティクスは,このようなデータに合わせて,成績・アンケートなどの教育機関が保有する様々なデータを統合・利活用して,教育・学習活動の改善に資する情報を教育現場にフィードバックするという点で,研究と実践が密接に連携しており,本研究会のコミュニティにおいては極めて重要な研究テーマとなってきている.近年は,LAK(Learning Analytics and Knowledge)など,ラーニングアナリティクスに関連する国際会議も活発になっておきており,本研究会での議論や交流を通じて,研究成果が国内外で数多く発表されることを期待したい.また,これによって,エビデンスに基づく教育の実現にむけて,様々な研究活動によって蓄積・構築されたエビデンスやツールの共有にも期待したい.

4.その他

 2019年度は,5月31日~6月1日に盛岡(岩手県立大学),11月15~17日に東広島(広島大学),3月に京都(京都大学)での開催を予定している.また,8月に寝屋川(大阪電気通信大学)で情報教育シンポジウム(SSS2019,「コンピュータと教育」研究会との共催)を予定している.

上に戻る

 

◆アクセシビリティ(AAC)研究会

[主査:馬場哲晃,幹事:大島千佳,澤田秀之,佐藤大介,坊農真弓]

1.定例の研究会活動報告
 2018年8月24,25日,2018年11月30,12月1日, 2019年3月8-10日にそれぞれ第7回,第8回,第9回研究会を開催した.それぞれの回の参加人数は43,46,42人,ライブ動画視聴者数は167, 99, 184(平成31年4月24日時点),障害者の参加人数については表1に示す通りである.9回は電子情報通信学会福祉情報工学研究会WITとの連催である.
表1 参加人数(延数)
研究会 参加人数 動画視聴数 聴覚障害者 視覚障碍者 盲導犬
7 43 167 2 3 0
8 46 99 2 3 0
9 42 184 4 9 0

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 2018年度は実施なし.

3.総括

 継続した研究会登録や会員増を狙いつつ,研究会としての基盤を整えることを行った.本研究会は発足時からの運営委員が多く,2019年度に多くの委員が任期切れとなるため,事前に大量な人員不足を防ぐため,昨年度より段階的に運営委員の見直しをおこなってきた.継続している本研究会の大きな特色とする「当事者参加」と「実験の場としての研究会」に関する取り組みも継続して行い,下記のような結果及び,取り組みを行った.

  • 当事者参加を促進する
    - 当事者の各研究会参加率:10%,10%,30%,平均:17%
  • 研究会を研究の実験の場とする
    - 全日程,ほとんどの発表においてインターネット中継を実施
    - 全ての発表に情報保障(字幕,手話通訳)を実施
    - OS(オーガナイズドセッション)の実施
 昨年度同様に,情報処理学会から字幕情報保障費用の支援をいただいたり,運営委員による音声認識による字幕情報保障を行ったり,最寄駅と会場間や会場内でのガイドヘルプを行うことで多くの当事者に参加していただけた.聴覚障害に関する発表に対して視覚障害者からの質疑やその逆もあり,障害を持つ者もそうでない者もお互いの研究に対する興味を喚起できたのではないかと思う.
 また,障害の当事者の多くの参加のみならず,昨年同様に学生賞では聴覚障害障害を持つ学生の受賞があった.発表の場があれば障害の当事者の強みを生かした研究は一般にも認められるものである,ということを示せたことは,本研究会の存在意義の一つである. 
 OS(オーガナイズドセッション)では「障がい者でも長く楽しめる楽器を目指して ~装置と身体動作へのサポートのあり方~」が企業賞(YAMAHA賞)を受賞するなど,これまでの視覚および聴覚障害だけでなく,肢体不自由の障害においても極めて評価の高い発表があった.
4.その他

 2017年度に続き金銭的に困窮していた.今後も,研究会そのものをより活発にして存在を多くの人に知ってもらい,登録員数増加は勿論であるが,企業協賛,助成金獲得に継続して努める必要がある.一方で3年間の研究会活動を通じ,AACの認知状況は少なからず向上しつつある.発表していた学生が運営委員参画したり,一度発表した参加者のリピート等,今後のAAC研究会において前向きな要素がすくなからず散見されるようになった.なお,2017年度末から2018年度4月にかけ,発表内容に関して倫理抵触が認められたものがあり,これをきっかけにAAC独自の取り組みとして情報処理学会における研究倫理の他,発表申し込み時に倫理基準に関する理解を求める内容を追加している.
 情報処理学会や企業・大学からの補助や提供が続くことが約束されていない状況で,アクセシビリティ研究会の自助努力で情報保障をはじめとする障害者支援を続けることにはまだ大きな不安がある.障害者差別解消法は遍く浸透しているとはまだまだ言えない状況であるが,AACのみならず情報処理学会はその意味を理解し,先んじた対応をし,情報処理技術によりアクセシビリティに貢献する研究を推進していると広く認めてもらえるように活動を続けていく.
http://ipsj-aac.org

上に戻る

 

◇ネットワーク生態学(NE)研究グループ

[主査:鳥海不二夫,幹事:今井哲郎,臼井翔平,小島一浩,田中 敦,伏見卓恭,松林達史,守田 智]

1.定例の研究会活動報告
 第15回の研究発表会
 日時:2018年11月18日(日)~19日(月)
 場所:沖縄県石垣島大濱信泉記念館

 特別講演
 ・講演者:臼井翔平氏(東京大学)
  題目:書籍出版記念講演
 ・講演者:金光淳氏(京都産業大学)
  題目:チュートリアル講演:Sunbelt2018報告
 ・講演者:高口太朗氏(LINE株式会社)
  題目:ネットワーク科学の研究動向~構造のある参照基準モデルを中心に
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 ネットワークが創発する知能研究会+ネットワーク生態学グループ 合同研究会
 日時:2018年8月7日(火)~9日(水)
 場所: 大阪市北区大深町3番1号グランフロント大阪
 招待講演:4件

3.総括

 発表件数は前々回及び前回と同様に維持しながら,新規参加者数も半数近くで新陳代謝も良い.財政的にも特に問題はない.
 また,あらたな試みとしてソフトウェア科学会ネットワークが創発する知能研究会との合同研究会を行い盛況だった.

4.その他

 2019年度は時期を変更し,2020年3月に第16回ネットワーク生態学シンポジウムを開催予定である.

上に戻る

 

◇会員の力を社会につなげる(SSR)研究グループ

[主査:筧 捷彦,幹事:寺田真敏,中山泰一]

1.定例の研究会活動報告
 2011年12月27日に公開された『情報処理学会教育ビジョン2011』に記載されている,「教育に携わる諸部門とのさまざまな形での協働の推進に努めます」を実践する場として,2012年度より研究会グループとして活動を開始した.

 2018年度は,次の2つの会合を主催した.
  • 会合名:第7回 東大での『一般情報教育』を体験しよう
    日時:2018年08月01日(水)~03日(金)
    場所:東京大学駒場キャンパス情報教育棟
  • 会合名:第7回 情報科教員を目指す学生さんに向けてのガイダンス会
    日時:2018年09月30日(日)
    場所:電気通信大学
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 2018年10月27日(土),早稲田大学西早稲田キャンパスにおいて開催された,高校教科「情報」シンポジウム2018秋に共催組織として参画した.

3.総括

 情報科教員を目指す学生さんに向けてのガイダンス会は,高校の先生と大学の先生のコミュニティを活用して,複数大学間にまたがって,情報科の先生になりたい学生さんを応援しようという思いを形にしたものである.2018年度は,学生12名,高校教員9名,大学職員等3名を含む計27名の参加となった.2019年は09月29日(日)を予定している.
 研究グループの活動も7年目となり,主催イベントも定着化してきた.その一方で,新たな課題への着手や関東以外の地域とのコミュニケーションなど,協働の場の広がりにも目を向けていくべき時期にある.今後も,様々な声を拾い上げながら,課題をひとつずつ解決していくことで,「教育に携わる諸部門とのさまざまな形での協働の推進に努めます」を実践していく予定である.

上に戻る

 

◇情報処理に関する法的問題(LIP)研究グループ

[主査:高岡詠子,幹事:市毛由美子,中山泰一,登 大遊]

1.定例の研究会活動報告
 2015年9月に立ち上げた「情報処理に関する新たなルール作り」に関する研究グループは,設立当初から新たなソフトウェア契約のモデル案を提案しようという方向で勉強会を続けてきた.2016~2017年度は,外部からゲストスピーカーを招き,アジャイル開発とその現場での様々な契約モデル,それぞれにまつわる問題などについてお話を聞き,ディスカッションを行った.2018年3月に情報処理学会第80回全国大会にて,「アジャイル開発の事例に則した契約の一例提案」を行うイベントセッションを行った.会場からは非常に多くの意見が寄せられたので,まず2018年度はアンケートの結果を分析し,アジャイル開発の本質を踏まえたより実践的な契約条項を検討することとした.当初提案した契約案は,一定期間のサイクル(一般用語でイテレーション,スクラムではスプリント)ごとの個別契約による請負をベースにしたものであったが,ユーザとベンダー双方がメリットを感じられる契約形態を目指し,プロセス重視の準委任的契約をベースに請負も取り込んだ内容とする方向で議論が重ねられている.
  • 第1回(通算第17回)
    日時:2018年5月24日(木) 18:00~20:00
    場所:のぞみ総合法律事務所
  • 第2回(通算第18回)
    日時:2017年7月24日(火) 18:00~20:00
    場所:のぞみ総合法律事務所
    ゲストスピーカー:富士通株式会社 和田憲明様
  • 第3回(通算第19回)
    日時:2018年9月10日(月) 18:00~20:00
    場所:のぞみ総合法律事務所
  • 第4回(通算第20回)
    日時:2018年11月26日(月) 18:00~20:00
    場所:のぞみ総合法律事務所
  • 第5回(通算第21回)
    日時:2018年2月5日(火) 18:00~20:00
    場所:のぞみ総合法律事務所
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 2018年度は実施なし.

3.総括

 2018年3月の全国大会セッションでのアンケート結果については,ユーザー目線の意見が多かったが,ユーザー/ベンダ間の信頼関係をベースにするという点,人材不足の中ベンダーの人材を適正に評価しモチベーションを高めないとサプライチェーン自体が成り立たなくなり,結局はユーザーにも不利益になるという観点から,持続性があり,双方がメリットを感じられる契約形態を目指す.人材の流動化,働き方の多様性といった変化も想定しながら,モデル契約案の作成を進めた.最終的にかなりまとまったものになってきたが,もう少し精査する必要がある.2019年度は精査したドラフトをしかるべき場所で公開することを考えている.

4.その他

 LIPグループの活動が,少しずつ認められるようになってきており,本グループのメンバーが数人,IPAのモデル取引・契約書見直し検討部会,DX対応モデル契約見直し検討WGの委員を引き受けることになった.今後,LIPの活動とリンクさせていくことができればと考えている.

上に戻る

 

◇ビッグデータ解析のビジネス実務利活用(PBD)研究グループ

[主査:石井一夫,幹事:里 洋平,高柳慎一,中野美由紀]

1.定例の研究会活動報告
2.シンポジウム・国際会議等の報告

3.総括

上に戻る

調査研究担当への問い合わせフォーム