2009年度研究会・研究グループ活動報告


<調査研究運営委員会>
CMSgr

<コンピュータサイエンス領域>
DBS SE ARC OS SLDM HPC PRO AL MPS EMB

<情報環境領域>
DPS HI CG IS FI AVM GN DD MBL CSEC ITS EVA UBI IOT BCCgr SPTgr

<フロンティア領域>
NL ICS CVIM CE CH MUS SLP EIP GI EC BIO NEgr



調査研究運営委員会

 

◇教育学習支援情報システム(CMS)研究グループ

[主査:美濃導彦、幹事: 井上 仁,角所 考,梶田将司,渡辺博芳]

1.定例の研究会活動報告

 平成21年度は合計3回(第11~13回)の研究発表会を開催した。

  • 第11回は5/14~15に三重大学で開催し、「CMSとe-Portfolio および一般」のテーマで14件の一般研究発表があった。さらにこの回のテーマと関連する企画として、「e-Portfolioのためのシステム」と題したチュートリアル講演および「eポートフォリオをどのように導入するか?」と題した特別セッションを設けた。
  • 第12回は9/17~18に日本女子大学で開催し、「効果的なCMS利用のためのデータ活用と周辺技術および一般」をテーマとした17件の一般研究発表があった。さらに、この時期に、次年度からの第一種研究会への昇格について議論・検討していたことから、「新研究会への期待」と題するパネルディスカッションを企画し、参加者との間でもこの問題について議論できる場を設けた。
  • 第13回は、電子情報通信学会SITE研究会との連催および情報処理学会CE研究会との共催として12/11~12に広島大学で開催し、21件の一般研究発表と1件の招待講演があった。

 以上3回の研究発表会では、いずれも50名程度の参加者を得た。

2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

 該当なし。

3.総括

 本研究グループは、平成17年の発足以来、オープンソースシステムによるコース管理システムの開発報告や導入実践報告、商用システムを使った実践報告などをテーマとして、4年間にわたって合計13回の研究会を開催し、150件以上の研究発表と延べ700名を超える参加者を得た。研究発表の内容は、教育学習支援のための情報システムの開発から応用、実践に至るまで多岐にわたり、参加者も研究者のみならず、様々な教育現場で実際に教育やシステム運用、技術サポート等に携わっている教育者や技術者が多数参加していることから、教育学習支援システムに関わる様々な立場の人々が共通の話題について議論できる貴重な場を提供できたと自負している。
このような活動状況を踏まえ、平成22年度からは第一種研究会に昇格し、「教育学習支援情報システム (CLE - Collaboration and Learning Environment)研究会」として活動を展開する予定となっている。新研究会では, 教育学習支援情報システムに関する技術開発を中核に,教育支援・学習支援に関わる新しい実践・事例研究を,産学連携の流れの中で取り込みながら,基礎研究・実証研究・成果展開にまたがる研究開発のスパイラル構造を形成することで,当該分野の技術発展に貢献することを目指している。

4.その他

 平成22年度はCLE研究会として、5月(5/13~14)に放送大学、9月(9/2~3)に徳島大学、12月(12/9)に京都大学で研究会を開催する予定である。

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コンピュータサイエンス領域


◆データベースシステム(DBS)研究会

[主査:角谷和俊、幹事: 江口浩二、豊田正史、中島伸介、中村聡史、土方嘉徳、森嶋厚行、渡辺知恵美]

1.定例の研究会活動報告

 第148~149回の定例の研究会を開催した。7月に開催した第148回研究会は発表件数25件であった。11月に開催した第149回研究会は発表件数27件であった。また、3月に電子情報通信学会データ工学研究専門委員会および日本データベース学会との三者で共催したデータ工学と情報マネジメントに関するフォーラムでは、発表件数が287件、参加者数が475名とこちらも盛況であった。
なお、主な研究トピックは、データベースコア技術、応用データ処理、ネットワークとデータ工学、データマイニング、XML・半構造データ、Web・Web情報システム、情報検索・推薦、コンテンツ管理・流通、情報の統合・管理、ドメイン指向情報マネジメント、ビジネス情報マネジメント、社会・教育と情報マネジメント、HCIと情報マネジメント、知識・感性情報マネジメントなどである。

2.シンポジウム・国際会議等の報告
・Webとデータベースに関するフォーラム (WebDB Forum) 2009

 今回のフォーラムは、前回までと同様に情報処理学会データベースシステム研究会、日本データベース学会、電子情報通信学会データ工学研究専門委員会の共催により開催した。本フォーラムでは、各種特別セッションや、この分野における産学連携に関連する各種企画、Web情報システムやデータベース技術についての最新研究成果の一般発表セッション等を通じて、招待講演、研究発表、パネル討論などの形態で議論する場を設ける。また、多様なコミュニティの交流を深め、議論を行うことができるポスターレセプションを開催した。会場および日程は、慶応義塾大学 日吉キャンパス 協生館にて、11月19- 20日の2日間にわたり開催した。なお、DBS第149回研究発表会を同会場で連続開催した(11月20-21日)。
一般研究発表28件、ポスター発表68件、技術報告セッション発表12件の発表があり、参加者数は374名(招待講演者11名、スポンサー関係者57名を含む)が参加した。データ工学研究に関する産学イベントとしてこれだけの参加者が集まったことは大変意義があると考えられ、今後もこの経験を生かしたフォーラム運営を行っていきたい。
また、本フォーラムでは、プログラム委員会が行った査読結果に基づき、著者から推薦の希望のあった論文の中から優秀な論文に対して、情報処理学会論文誌「データベース(IPSJ-TOD)」(電子情報通信学会データ工学研究専門委員会共同編集)へ推薦するという形での連携を行った。

3.情報処理学会論文誌 データベースの報告

 「情報処理学会論文誌 データベース」(電子情報通信学会データ工学研究専門委員会共同編集)のVol.2 No.1~No.4の発行を終えた。また、Vol.2 No.1では9件、Vol.2 No.2では13件、Vol.2 No.3では10件、Vol.1 No.4では5件が掲載された。

4.総括

 インターネットの普及はわれわれを取り囲む情報化社会を一変させた。モバイル情報機器や無線LAN、ICタグなどのネットワーク関連機器やインフラストラクチャが普及するとともに、WWWに代表されるように多種多様なコンテンツが、刻々とわれわれに提供され、まわりに爆発的な勢いで蓄積されつつある。このような状況下では、異種・大量のコンテンツをどう共有し、いかに効率的に検索・利用するかを追及してきたデータベース技術が益々その重要性を増してきている。さらに、データベース技術はこれまでは、考えられなかったような新たな応用分野に適用されつつある。このような背景のもとデータベースシステムの重要性が一層大きくなるとともに、インターネットやセンサーネットが普及し、コンテンツが溢れる時代の新しい情報共有のための中枢機構としての新しいデータベースシステム像が求められている。
データベースシステムは、広い範囲でのメディアデータの共有・利用を実現するための中心的なシステムとして位置づけられ、それとともにさまざまな情報・コンテンツの融合に関する研究開発や、関連する情報技術・応用技術との融合に関する研究開発が、今後さらに重要な課題になっていくと考えられる。
データベースシステム研究会は、メディアデータおよびネットワークが形成する新しい情報環境を視野に入れながら、さらに、WebDBフォーラム2009で日本データベース学会、電子情報通信学会 データ工学研究専門委員会、文部科学省科学研究費補助金 特定領域研究 「情報爆発時代に向けた新しいIT基盤技術の研究」、電子情報通信学会 Webインテリジェンスとインタラクション研究会、ACM SIGMOD日本支部、筑波大学 知的コミュニティ基盤研究センター、独立行政法人 情報通信研究機構、独立行政法人 物質・材料研究機構、日本MySQLユーザ会、NPO法人 日本PostgreSQLユーザ会、Firebird日本ユーザ会と連携したように、他分野や隣接分野との連携を積極的に行うことによって、データベースシステム分野の発展拡大に貢献することを目指していく。また、研究会やシンポジウムにおける英語での発表や海外からの研究者の招聘など、国際化についても推進していく予定である。
さらに、学会の活性化にとって若手研究者のコミュニティへの参加を促すことはきわめて重要であると考える。そこでDBS研究会では第137回研究会より、学生による発表を対象として学生発表奨励賞を設け、優秀な発表者を顕彰することにしている。今年度はDEIMフォーラムにも本表彰を拡大し、総計33名の学生が受賞した。受賞者には賞状の授与ならびにその氏名・業績の研究会HPへの掲載が行われる。本賞をきっかけとして受賞者がさらに研究を推進していただくことを強く願う。

5.その他

 データベースシステム研究会は、永続的な情報の共有・検索・利用のための諸技術に焦点をあてた研究会であり、広範なデータ処理技術と応用分野をカバーし、今後データベースや情報検索に対する需要の高まりと共に、益々その守備範囲が拡大していくものと予想される。
そこで、本研究会は、他学会の関連組織(電子情報通信学会データ工学研究専門委員会、ACM SIGMOD 日本支部、日本データベース学会)と一層の連携を強化し、国際学会や他の研究会や研究グループとも連携を促進し、さらに実務者にも興味のあるテーマを提供できるように関連団体とも連携を図り、データベース関連の研究者、技術者のコミュニティの更なる発展に貢献していく所存である。

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◆ソフトウェア(SE)工学研究会

[主査:岸 知二、幹事:阿萬裕久、坂田祐司、紫合 治、野田夏子、野中 誠、松下 誠]

1.定例の研究会活動報告

 以下に示す第164~167回の研究発表会を開催し、合計100件の研究発表(活動報告を含む)が行われた。

  • 第164回:5月28日~29日、IIJ本社、発表30件(SIGEMB等5団体との合同開催)
  • 第165回:7月2日~3日、北陸先端大、発表10件
  • 第166回:11月5日~6日、名古屋大学、発表22件
  • 第167回:3月18日~19日、国立情報学研究所、発表38件(学生研究賞の表彰)

 研究発表の分野は、要求分析から設計・実装・テストに至るソフトウェアライフサイクルの一部分または全体を対象とした発表が多く、全体的には大きな傾向の変化は見られなかった。またビジネス系や組込み系、研究や事例・経験といったドメインや発表内容も従来通り幅広くとりあげられていた。そうした中、最近の動向としてプログラム解析や検証に関わる発表件数が増加している。

2.シンポジウム・国際会議等の報告

・ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2009(SES2009)
2009年9月7日~9日の3日間にわたり、東京女子大学(東京都・杉並区)にて開催した初日はワークショップを開催し、昨年度よりも多い5つのテーマ(形式手法、サービス指向、プログラム解析、測定、パターン)が設定され活発な議論が行われた。2日目以降では6つの論文セッション(形式手法、MDD・SOA・パターン、プログラム解析、テスト・品質、要求工学、エンピリカル)で、フルペーパー9件、ショートペーパー9件とが発表された。同時に14件のポスターの展示も行われた。基調講演はKyo C. Kang氏(韓国・POSTECH)、西垣通氏(東京大学)にそれぞれご講演をお願いした。またソフトウェア工学サマースクールというトラックを設け、初級者向け2件、中上級者向け2件のチュートリアルを実施した。今年は新たな企画として招待論文セッションを2つ設け、最近国際会議で採録された優良な論文の発表をお願いした。さらに2日目には「ソフトウェア工学の未来を語る-Kang先生を囲んで」、最終日には「未来志向のソフトウェア工学-世界を見据えた研究を行うには」という2つのパネルを開催した。今年度は当初予想の120名を超える166名の参加を頂くことができ盛況のうちに終えることができた。研究会主催のメインイベントとして、今後も、良質の議論と有意義な情報交換ができる場として継続実施したい。

・ウィンターワークショップ2010・イン・倉敷(WWS2010)
2010年1月21日~22日に、倉敷市芸文館・倉敷アイビースクエアにて開催した。前年度よりも多い7セッション(プログラム解析、要求工学、サービス指向、アーキテクチャとパターン、ソフトウェア開発マネジメント、形式手法、ソフトウェア工学研究の評価)が設定され、例年よりも多い90名の参加を頂き、それぞれのテーマに分かれて集中的な議論を行った。SESのワークショップとあわせて年2回の議論を行っているグループもあり、議論の場として活用されているのは喜ばしく、継続したい。

3.総括

 上記報告した研究会、シンポジウム、ワークショップ等、本年度の活動には概ね多くの方の参加を頂くことができた。不況の中で参加者の激減も危惧していただけに、喜ばしいことと考えている。一方、SES2009と連動して論文募集した論文誌「未来志向のソフトウェア工学」特集号は、組込み関係の特集号と締切が近かったことなどもあり、応募数が少なかった。研究会・シンポジウム等での発表をベースに、論文誌への投稿へとつなげるスキームについては、さらに工夫する余地があると考えている。不況の影響もあり会員数も微減している状況で、質量の両面からソフトウェア工学分野の活性化につながるように、会員に対するサービスレベルの向上に努めていく必要がある。今後とも日常の研究会活動をベースにしつつ、さらに充実した活動を行っていきたい。

4.その他

 2010年度は、4回の定例研究会、SES2010、WWS2011を予定しており、それぞれ、すでに担当者を割り当てて準備を進めている。第一回目の研究会はSIGEMBとの共同開催で2日間行うことを予定している。また上述したように論文誌特集号などについては、スケジュールや、シンポジウム投稿論文を特集号への投稿につなげるスキームについて、議論を始めている。

 運営面では、積立金が少なくなっている状況に鑑み、より健全かつ無駄のない運営をするように、会計面や財政面での活動の見直しを地道に行う予定である。また研究会webサイトの更新・整備を行い、会員への情報提供・情報発信の質をより高めていきたい。

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◆計算機アーキテクチャ(ARC)研究会

[主査:中村 宏、 幹事:吉瀬謙二、佐藤寿倫、鳥居 淳、森 敦司]

1.定例の研究会活動報告

 平成21年度は以下の6回の研究会を開催した。

  • 第175回 2009年 4月22-24日 @沖縄県青年会館(OSと共催)
  • 第176回 2009年 8月4-6日 @フォレスト仙台[SWoPP2009]
  • 第177回 2009年 10月26日 @東京工業大学 大岡山キャンパス
  • 第178回 2009年 11月30日-12月1日 @北海道大学(HPCと共催)
  • 第179回 2010年 1月28日-1月29日 @東芝(EMB/ICDと共催)
  • 第180回 2010年 3月1日 @福岡システムLSI総合開発センター
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 先進的計算基盤システムシンポジウムSACSIS2009を、2009年5月28日(木) - 5月29日(金)の日程でつくば国際会議場にて、HPC、OS、PRO、及び電子情報通信学会のCPSY、 DC、RECONFと共催で開催した。

3.総括

 応用面では高性能分野、設計階層では上位分野との連携が強く、具体的にはHPC研究会やOS研究会と共催の研究会を開催しており、SACSISシンポジウムもHPC、OSおよびPROと共催を行っている。HPCとの共催研究会は例年3月に開催していたが、本年度は11月末に移し、共催の意義を高めるべくテーマを明確化し、密な議論ができるようシングルセッションでの開催とし、好評であった。また、H20年度より開始したOS研究会との共催研究会も、発表が40件近くもありこれも大変好評であった。一方で、設計階層では下位の回路技術、応用面でも設計制約が厳しい組込みシステム分野との連携が重要になってくると考え、H18年度より開始した電子情報通信学会の集積回路研究専門委員会、および当学会の組込みシステム研究会との共催の研究会を、H21年度も開催した。この研究会も参加者は100名を優に超え、いずれの研究会も、発表件数、参加者どちらも多く盛況であった。
H19年度より開始した、マルチコアプログラミングコンテスト 「Cellスピードチャレンジ」(組込みシステム研究会、ハイパフォーマンスコンピューティング研究会との共催)をH21年度も開催した。こちらも多くのチームが参加し盛況であった。中でも、仙台電波高等専門学校のチームが自由課題で第1位となったことは注目に値する。本学会がその活動の裾野を広げ、今後も学会員が必要とする研究発表の場を提供することは、本研究会としても最重要視すべき点であると認識しており、関連する研究会と密な連携を保ち、さらに積極的な広報活動を行いながら、本研究会の活動を盛り上げていく予定である。

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◆システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)研究会

[主査:並木美太郎、幹事:大山恵弘、光来健一、品川高廣、盛合 敏]

1.定例の研究会活動報告

 第111~113回計3回の研究発表会を開催した。

  1. 第111回 2009年4月22日(水)~24日(金) 沖縄県青年会館 大ホール
    「システムソフトウェアと計算機アーキテクチャの協創」のトピックで計算機アーキテクチャと共催で開催し、計算機アーキテクチャとシステムソフトウェアの相互関係などを議論した。本トピックおよび一般の発表を合わせ、負荷分散、仮想化、攻撃解析、分散システム、スケジューリング、省電力など計37件の発表があり、活発な議論が行われた。また、東京大学の竹内郁雄氏による招待講演「融合と結合」により、計算機システム研究の在り方について議論が行われた。
  2. 第112回 2009年8月5日(水)~8月6日(木) フォレスト仙台
    例年にしたがい「並列/分散/協調処理に関するサマー・ワークショップ」として複数の研究会と共催により開催された。仮想マシン、分散システム、セキュリティ、ディペンダブルシステム、カーネル、ネットワーク、挙動解析について全21件の発表が行われた。
  3. 第113回 2010年1月27日(水)~28日(木) 札幌コンベンションセンター
    システムソフトウェア一般として、仮想化、OS実装法、メモリ管理、分散ストレージ、プロセス管理など全16件の発表が行われた。
2.シンポジウム・国際会議等の報告

○第21回コンピュータシステムシンポジウム 2009年11月26日(木)~11月27日(金) 場所 筑波大学 総合研究棟B 0110

 OS研究会としては、コンピュータシステムシンポジウムを研究会活動として重要視している。本シンポジウム投稿をACS論文誌と同時投稿可能とすることで、質と量の充実をはかり、招待講演により本分野の先端的な話題を提供してきた。
今年度の招待講演は、OSの開発成果を広め方として、オープンソースのOSへの統合、いわゆるメインライン化を取り上げ、NTTサイバースペース研究所の小西隆介氏より「NILFSのLinuxメインラインへの統合」を講演いただいた。
もう一つの招待講演として、近年研究開発、実用上もホットな話題となっている分散Key-Valueの実装として、P2P の要素技術を組み合わせて障害耐性が高く、スケールアウト可能なKey-Value Store のRuby 実装であるROMAのアーキテクチャと導入事例について楽天技術研究所の西澤 無我氏より講演いただいた。
一般論文としては、17件の発表があったほか、萌芽的な研究やデモンストレーションを交えた研究発表の場としてポスターセッションを用意し、13件の発表が行われた。

3.総括

 例年行っているシステムソフトウェアとオペレーティングシステム分野の研究発表活動では、社会的要請からVMなどの仮想化技術、セキュリティに関する発表が引き続き多いほか、ストレージ、ネットワーク、省電力、マルチコア関連の発表も散見される。本年度の試みとして、計算機アーキテクチャ研究会との共催を行い、システムソフトウェアと関連する研究分野との交流を行った。2010年度第1回目の研究会も共催を行う予定である。今後も、各種分野との研究交流について検討したい。産業界の視点からの話題として、シンポジウムにおける企業からの招待講演などを依頼した。2006年度より開始した学生表彰を継続することで若手育成に力を注いだ。これらの活動により、さらに重要性を増しているOS分野の活性化を行うことができた。

 

◆システムLSI設計技術(SLDM)研究会

[主査: 木村晋二 、幹事: 瀬戸謙修、青木 孝、星 直之 ]
1.定例の研究会活動報告

 以下に示す第140~144回の研究発表会を開催した。

  • 第140回:発表件数:9件、5月20・21日、
    テーマ:システム設計および一般、
    北九州国際会議場、電子情報通信学会(VLD)と連催
  • 第141回:発表件数:19件、10月15・16日、
    テーマ:システムLSIの応用とその要素技術、専用プロセッサ、プロセッサ、DSP、画像処理技術、および一般、
    芦原温泉「まつや千千」、電子情報通信学会(SIP/IE)と連催
  • 第142回(デザインガイア2009):発表件数:33件、12月2~4日、
    テーマ:VLSI の設計/検証/テストおよび一般、
    高知市文化プラザ 、電子情報通信学会(DC/VLD)と連催、電子情報通信学会(ICD/CPSY/RECONF/CPM)と併催
  • 第143回:発表件数:31件、1月26・27日、
    テーマ:FPGAとその応用および一般、
    慶応義塾大学(日吉)、電子情報通信学会(VLD/CPSY/RECONF)と連催
  • 第144回(組込技術とネットワークに関するワークショップ ETNET2010):発表件数:75件、3月26~28日、
    テーマ:組込技術とネットワークおよび一般、
    八丈シーパークリゾート、SIGEMB/SIGUBI/SIGMBLと共催、電子情報通信学会(CPSY/DC)と連催
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 以下に示すシンポジウム等を開催した。

  • DAシンポジウム2009:8月26・27日、ホテルアローレ(石川県加賀市)、発表件数:35件(うち招待講演3件)
3.総括

 本研究会は、システムLSIを中心とする電子装置の設計技術、設計自動化技術の研究分野をスコープとして活動している。
平成11年度に実施された「設計自動化研究会」からの改称と、それに伴うスコープの拡大により、活動の活性化が進んでいる。特に、研究会単独主催の「DAシンポジウム」では、組み込みシステム技術に関するサマーワークショップと同時開催することにより、相互に技術交流を図っている。今回の参加者数は、世界同時不況の影響で減少(143名→103名)が見られたが、発表件数は例年と同水準となり、当研究会の活動が支持を得ていることが示されたと考える。
学生会員育成のための表彰SWGの活動(平成18年度創設)は、研究活動の更なる発展に向けた活動として定着した。
平成20年度に創刊された、研究会独自のオンライン・トランザクション(TSLDM)は、平成21年8月に第3号、つづいて平成22年2月に第4号を発行した。

4.その他

 本研究会は「DA シンポジウム」を中心としながら、電子機器の設計およびEDA技術の先端研究開発の交流の場を提供しています。発表件数と参加登録費がリンクしており毎年頭を悩ませていますが、適当なところで折り合いをつけて今後も種々の分野との連携を活発化させたいと考えています。活動予定については、下記をご参照ください。
http://www.sig-sldm.org/

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◆ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)研究会

[主査:朴 泰祐、幹事:片桐孝洋、加納 健、高木亮治、建部修見]

1.定例の研究会活動報告

 

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 

3.総括

 

4.その他

 

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◆プログラミング(PRO)研究会

[主査:西崎真也、幹事:小川瑞史、増原英彦、長谷川立]

1.定例の研究会活動報告

 第74~78回の研究発表会を開催し、合計47件の発表があった。このうち、第75回(8月、SWoPP2009)が他研究会との連続開催であり、残りの4回が単独開催である。SWoPPの回には特集テーマを定めたが、特集テーマと直接は関係しない発表も常に受け付けるようにした。

 平成21年度も、トランザクション:プログラミング(PRO)と密着した体制で研究発表会を開催した。トランザクション(PRO)に投稿された論文は、まず研究会で発表され、発表会の直後に開催されるトランザクション(PRO)編集委員会において議論し、査読者を定めて本査読を行なった。例年通り、投稿の有無に関わらず、1件あたり発表25分、質疑・討論20分の時間を確保し、参加者が研究の内容を十分に理解するとともに、発表者にとっても有益な示唆が得られるように務めた。発表総数47件中、トランザクションへの投稿件数は32件、投稿論文からの総採録件数は15件となった。採択率は約47%であり、平成20年度(約68%)と比べて減少した。

 また、若手を対象としたコンピュータサイエンス領域奨励賞の受賞者を2名選び、研究発表会の場で表彰式を行った。

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 情報処理学会4研究会(ARC、OS、HPC、PRO)および電子情報通信学会3研究会(CPSY、DC、RECONF)および IEEE CS Japan Chapter の共同主催ならびに情報処理学会1研究会(EMB)の協賛により、先進的計算基盤システムシンポジウム(SACSIS2009)を、5月28~29日に広島国際会議場で開催した。

 また、第17回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS2009) 12月2~4日、日本ソフトウェア科学会「インタラクティブシステムとソフトウェア」研究会に協賛した。

3.総括

 プログラミング研究会の発表件数は昨年度は44件であったが、本年度は47件となり、若干増加した。しかし、トランザクションへの採択件数もそれにあわせて、昨年度の25件に対して15件となり著しく減少してしまった。採択率も昨年度と比べると減少してしまっている。質的な変化はみとめられないという印象をもっているものの、査読方針や編集・査読体制の確認と検討をおこなっていきたいと考えている。

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◆アルゴリズム(AL)研究会

[主査:藤田 聡 、幹事:角川裕次,山田敏規,小野廣隆]

1.定例の研究会活動報告

 第124から第129回までの合計6回の研究発表会を開催し、総発表数は53件であった。発表の内容は、グラフアルゴリズム、ネットワーク通信、列挙アルゴリズム、近似アルゴリズム、分散アルゴリズム、計算複雑度、情報セキュリティなど、多岐に渡っている。本年度は3件の特別講演を企画し、アルゴリズム研究に関わる幅広い分野から、第一線で活躍されている方々にご講演いただいた。この企画は、参加者が視野を広げ、研究に新たな刺激を受けるよい機会となっている。他研究会との交流としては、電子情報通信学会のコンピュテーション研究会と9月と1月に連続開催、同学会の回路とシステム研究会・コンカレント工学研究会と11月に同時開催を行い、これらの研究会との研究交流も行った。

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 小規模国際会議として、韓国の研究会と連携して Japan-Korea Joint Workshop on Algorithms and Computation(アルゴリズムと計算理論に関する日韓合同ワークショップ)を定期的に開催している。本年度は第12回のワークショップを7月に(韓国・ソウル)にて開催した。発表件数は一般講演が20件、招待講演が1件で、参加者数は57名であった。また、アルゴリズム論に関係する国際会議である WALCOM 2010(バングラデシュ・ダッカ市)、 並列分散計算に関係する国際会議である PDCAT 2009(広島県東広島市)への協賛を行い、いずれも盛会であった。

3.総括

 年6回の定例研究会に加え、小規模国際会議を開催し、例年通り活発な活動ができたと考えている。定例研究会では、学生を含め、若手研究者による発表が多数あり、当該研究分野の将来性が期待される。今後、若手研究者による発表件数を維持、あるいは増加させながら、幅広い年齢層の研究者に論文の投稿を呼びかけ、研究会のさらなる活性化を図っていきたい。

4.その他

 アルゴリズム研究に関心を持つ研究者・学生の研究会への参加を促し、幅広い連携を展開していくことが、本コミュニティの発展にとって重要な課題のひとつであると考えている。招待講演や他学会や他研究会との共催、連催はそのための有効な手段であり、今後も積極的に活用していきたい。

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◆数理モデル化と問題解決(MPS)研究会

[主査:小林 聡、幹事: 上田修功、上田 浩、高田雅美、堀田一弘、棟朝雅晴]

1.定例の研究会活動報告

 第74-77 回の研究発表会を開催した。

  • 第74回:7月13日(月)、於Monte Carlo Resort (Las Vegas)、発表11件、参加者数約20名。
  • 第75回:9月10日(木)~11日(金)、於北海道大学 遠友学舎、発表32件、参加者数約50名。
  • 第76回:12月 17日(木)~18日(金)、於電気通信大学大学 総合研究棟 3F、発表51件、参加者数約65名。
  • 第77回:3月4日(木)~5日(金)、於伊豆高原 ルネッサ赤沢、発表 38 件、参加者数約45名。

 平成21年度の発表の内訳は、学習理論、ゲノム、並列分散処理、パターン認識、進化的計算、ネットワーク、確率推定モデル、認知科学、金融工学、経済物理学、ファイナンス、Web Intelligence、脳神経科学、等の分野から合計132件であった。研究会開催を1回減らしたので、昨年度の162件より30件ほど減少しているが、個々の研究会の活動状況は非常に活発であり、若い研究者の活躍が目立った。発表される研究分野としては、Web Intelligence や脳神経科学の分野の発表が増え、これらの分野の優秀な発表が目立った。

本年度も情報処理学会内外のいくつかの研究会と協力して開催した。第74回研究会は国際会議PDPTA09 のセッションとして英語での研究会発表を行い、第76回研究会はバイオ情報学研究会と共催を行ない、それぞれ大盛況に終った。
第74,77回を除く各研究会でプレゼンテーション賞を選出した。第74,77回の研究会でプレゼンテーション賞を出なかったのは、かなり選りすぐりの研究発表に対して今年度は賞を与えようという方針で望んだからである。今後は、もう少し基準を緩めてもよいかもしれないと考えている。

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 本年度は以下の国際会議、シンポジウムへの協賛、共催を行った。

  1. リコメンデーションコンテスト 2009 への協賛
  2. 進化的計算研究会2009 への協賛
  3. JWEIN 2009 の共催(日本ソフトウエア科学会との共催)
3.総括

 本研究会では、これまでも活発に活動を行ってきた数理モデルとその解析、数理アルゴリズム、進化的計算などの分野に加えて、新規分野の開拓と、近年増加傾向にある分野の定着に努めた。その結果、金融経済学分野やネットワーク等の発表が一段と定着し、脳神経科学やWeb Intelligence といった分野から若い活力のある研究者が参加するようになった。そこで、今後も他の研究会や他学会などとの共同開催をすすめるなど、積極的な活動を行うことで、新規分野の一層の開拓に努めたい。

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◆組込みシステム(EMB)研究会

[主査:平山雅之、幹事:神原弘之、沢田篤史、宿口雅弘 ]

1.定例の研究会活動報告

 

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 

3.総括

 

4.その他

 

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情報環境領域


◆マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会

[主査: 串田高幸、幹事: 明石 修、加藤由花、菅沼拓夫、田上敦士]

1.定例の研究会活動報告

 定例の研究会は、以下の通り4回実施した。

  • 第139回DPS研究会/2009年6月18日~19日/静岡県立大学(静岡市)
  • 第140回DPS研究会/2009年9月10日~11日/秋葉原ダイビル(東京)
  • 第141回DPS研究会/2009年11月26日~27日/大和ミュージアム(呉市)
  • 第142回DPS研究会/2010年3月4日~5日/東北大学(仙台市)

 第139回は、静岡で12件の研究発表が行われ、静岡大学峰野博史助教より「オーバレイセンサネットワークによる適応型BEMS/HEMSの実現に向けて」という題目でご講演を頂いた。第140回は、秋葉原で15件の研究発表があり、産業技術総合研究所の西村拓一様より「表現活動のためのコンテキスト情報技術」という題目でご講演を頂いた。第141回は、呉でGN、EIPとの合同での開催とし、全体で33件の研究発表(うちDPSは15件)があり、広島国際大学川上用一教授より「デジタル・ディバイドの解消に向けた研究開発」という題目でご講演を頂いた。第141回は、仙台でCSECとの合同開催とし、全体で57件の研究発表(うちDPSは25件)が行われた。また、情報処理学会会長である東北大学白鳥則郎教授より「2050年マルチメディア通信と調和・共生コンピューティング」という題目で、これからの情報通信技術に対する力強いメッセージを頂いた。今年度の発表件数は招待講演を含めて67件であった。

2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア、分散、協調とモーバイルシンポジウム(DICOMO2009)
    2009年7月8日~10日、於別府温泉杉乃井ホテル、参加者数:373件、発表件数:250件。本シンポジウムは、DPS、GN、MBL、CSEC、ITS、UBI、IOTの7つの研究会の主催、BCC、EIP、SPTの3つの研究会および研究グループの協賛による非常に大規模なシンポジウムである。本シンポジウムにおけるDPS関連発表は、59セッション中10セッション、45件(デモを含む)を占めており、多くのDPS関連発表者がこのシンポジウムに参加し、交流を深めた。また、本シンポジウムにおけるDPS関連の受賞として、優秀プレゼンテーション賞6件、野口賞1件、ヤングリサーチャー賞6件が表彰された。
  • マルチメディア通信と分散処理ワークショップ
    今回で17回目となった本ワークショップは北海道層雲峡の層雲峡グランドホテルで開催された。38件の論文発表と、デモ・ポスターセッションでの15件の発表を合宿形式で行い、84名の参加者のもと真摯な議論が行われた。また、プログラム委員会において、38件中9件をワークインプログレスセッションとすることで、萌芽的研究について議論する時間を設定した。研究の背景や今後の方向性についても有意義な意見交換ができたと考えられる。投稿されたすべての論文は、プログラム委員によって並列査読された。参加者全員参加による深い議論を目指し、今年度もシングルセッションによる開催とした。また、特別セッションとして、デモ・ポスターセッションを初日に設け、通常の発表とは別に15件のデモ及びポスター発表を行った。多くの参加者が集まり、デモ及びポスターの前で活発な議論が行われた。発表は、既存の研究分野にとらわれず、分野を融合した先駆的試みを持つ論文も多く見られた。査読コメントに基づいて改良された論文をベースとした討論は、発表の場として発表者及び参加者の双方にとって有意義であった。表彰としては、査読結果に基づく優れた論文に対して、最優秀論文賞1件、学生最優秀論文賞2件、優秀論文賞2件、学生優秀論文賞3件、学生奨励賞3件、審査員及び参加者の投票によってベストプレゼンテーション賞1件、優秀プレゼンテーション賞2件、ベストデモ賞2件、ベストポスター賞2件、白鳥賞(審査員特別賞)1件を授与した。また、3日間の発表を通して、活発な議論をしてくれた参加者に対してベストカンバサント賞を1件授与した。これらの賞により、優秀な研究成果及び研究者を評価奨励し、活発なワークショップとすることができた。また、通常のセッションはもちろんのこと、懇親会や宿泊している部屋で大学や企業組織の枠を超えた議論が深夜まで続き、新しい研究の発展が得られるワークショップとなった点でも、今後の本研究領域の発展に寄与するものと考えられる。
  • 論文誌「サイバーコミュニケーション環境を実現するネットワークサービス」特集号
    サイバーコミュニケーション環境を実現するネットワーク基盤技術、サービス技術、アプリケーション技術、新世代のマルチメディア処理や分散処理に関する優れた論文を一括掲載することを目的として本特集号が企画された。ゲストエディタには、松野浩嗣氏(山口大学)を迎えて編集委員会を組織し、応用研究などの実用的な論文や、時事的に重要なテーマ、萌芽的な研究についても積極的に評価する方針とした。また、早い結果通知の実現のため、編集委員会のスケジュール等の工夫を行った。その結果、新世代のマルチメディア通信と分散処理に関する論文が20件投稿され、編集委員会による査読評価の結果、13件を採録とした。採録率は65%であり、採録された論文は、ネットワークサービス基盤、P2P、情報配信サービス、セキュリティ、プロトコルなど多岐に渡り、サイバーコミュニケーション実現のための基盤技術から応用まで特集号の狙いに合致した論文を採録することができたと考えられる。
3.総括

 本研究会では、4回の定例研究会、シンポジウム、ワークショップを通して、研究者相互の交流と研究に対する活発な意見交換の場を提供することができた。特集論文については、非常に多くの方にご協力頂き、遅延のない査読プロセスを進めることができた。ここに改めて、ご協力頂いた皆様に感謝する。今後も、DPS関連研究者の更なる研究の活性化、また国際化への支援を進めていく予定である。皆様の積極的な参加とご協力をお願いしたい。

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◆ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会

[主査:西本一志、幹事:水口 充、志築文太郎、宮下 芳明、三浦元喜、新西誠人]

1.定例の研究会活動報告

 第133-137回の研究発表会を開催した。各回のテーマ名と招待講演は以下の通り。

  • 133回(金沢市) 2009/5/15
    テーマ:深めるインタラクション
    招待講演:「研究をどうビジネスに結びつけるか」 広瀬幸雄氏(金沢大学大学院特任教授/金沢学院大学 知的戦略本部長・教授)
  • 第134回(由利本荘市) 2009/7/16-17
    テーマ:表現豊かなインタラクション
    招待講演: 「ビデオゲームにおける立体視技術の導入(試作を含む)の事例と変遷」 石井源久氏(株式会社バンダイナムコゲームス コンテンツ制作本部)
    「国内携帯電話におけるUIプラットフォーム開発」 吉田力氏(パナソニック株式会社 プラットフォーム開発センター)
  • 第135回(お茶の水女子大) 2009/11/12-13
    ※SIGUBI、VR学会ウェアラブルユビキタスVR研究委員会、HI学会ユビキタスインタフェース&アプリケーション専門研究会と共催
    テーマ:欲するインタラクション
    招待講演:「インタラクションと意思決定—行動経済学の視点」友野典男氏 (明治大学情報コミュニケーション学部)
  • 第136回(京都産業大) 2010/1/22
    テーマ:察するインタラクション
    招待講演:「脳とコンピュータの融合は何をもたらすのか?」伊藤浩之氏(京都産業大学教授)
  • 第137回(東洋大学) 2010/3/19
    テーマ:発するインタラクション
    招待講演:「アジャイル開発の現在と未来」平鍋健児氏(株式会社チェンジビジョン 代表取締役社長)

 今年度より、学生奨励賞と研究会貢献賞を新設し、第133回-135回研究会より、以下の3件を学生奨励賞として表彰した(研究会貢献賞は該当なし。第136-137回については現在選考中で未定):

  • 第133回研究会(5月15日・16日 石川県文教会館)
    大槻麻衣君(立命館大学)「2D/3D空間における描画操作に適した筆型デバイスの開発」
  • 第134回研究会(7月16日・17日 フォレスタ鳥海)
    片山拓也君(大阪大学) 「タイピングの特性を用いた文字入力中のコマンド入力方式」
    松本遥子君(北陸先端科学技術大学院大学) 「複数の時間流を持つチャットシステムの提案」
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 The 14th Human Computer Interaction Workshop (HCIP14) を、第134回研究会と併設開催した。ワークショップのテーマは「表現豊かなインタラクション」であり、携帯電話やゲーム機向けのユニークな新機能について提案・議論した。
インタラクション2010シンポジウム(2010/3/1-2)を、例年通りGN研・UBI研と共催した。大会委員長は、HCI研究会主査の西本が担当した。今回はインタラクティブ発表採録数の大幅増、ショートペーパー部門やインタラクティブ発表議論部門などを新設し、研究分野の裾野の拡大を試みた。参加者数は619名で、前回より微減となったが、採算ラインは確保できた。

3.総括

 発表件数は総計72件となり、前年度よりも22件の減少となった。この原因の1つとして、前年度は共催が2回あったのに対し、今年度は1回であったことが考えられる。他学会・他研究会との共催・連催は、発表件数の増加のみならず学際交流の視点からも重要であるため、今後さらに積極的に考えていきたい。もう1つの原因として、3月の第137回研究会での発表件数が予想より大幅に少なかったことがある。前年度の3月研究会は22件であったことから、3月研究会の需要は本質的には高いはずである。本研究会と対象分野が大きく重複する、HI学会のインタラクションのデザインと評価専門研究会の研究会が3月上旬に開催されたことも影響していると考えられる。他学会の類似研究会の動向を精査し、重複を極力回避するとともに、回避できない場合には極力早めにCFPを配布するようにしたい。
招待講演は今年度も毎回企画し、従来の方針に則り関連異分野の方を講師としてお招きした。いずれの講演も普段の研究活動ではなかなか聴く機会が少なく、大きくインスパイアされる内容であり、とても好評であった。
HCIP14は、携帯電話やゲーム機向けのユニークな新機能を参加者全員が提案し、質疑する企画で開催した。非常にユニークなアイデアが続出し、有意義であったと好評であった。

4.その他

 HCI139と併催予定であったHCIP15について、独立したワークショップとする従来の開催形態を廃止し、HCI139に内包されるナイトセッションとすることとした。これは、より多くの研究会参加者が参加しやすくするための改変である。
HCI140は、デザイン学会との共催(連催)を計画している。

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◆グラフィクスとCAD(CG)研究会

[主査:山口 泰、幹事: 伊藤貴之、柿本正憲、栗山 繁、乃万 司]

1.定例の研究会活動報告
  • 第135回 テーマ:CG制作のための研究及びCG一般
    平成21年7月13日(月) 日本SGI株式会社 SGIホール(東京都渋谷区)
    発表件数5件
  • 第136回(夏の集中研究集会) テーマ:ハードウェアをフル活用したCG技術及びCG一般
    平成21年8月20日(木)~21日(金) 富士Calm(山梨県富士吉田市新屋1400)
    発表件数11件
  • 第137回 テーマ:ユーザーとの協調・連携、CG教育、およびCG一般
    平成21年11月5日(木)~6日(金) 首都大学東京 秋葉原サテライトキャンパス(東京都千代田区)
    発表件数15件
  • 第138回 テーマ:ヒューマンモデルとCG、およびCG一般
    平成22年2月11日(木)~12日(金) ホテル安比グランド(岩手県八幡平市安比高原)
    発表件数14件

 総発表件数は45件で、過去5年間の増加傾向の後、大幅な減少となった。これはSIGGRAPH ASIAなどのイベントが国内で開催されたことなどが影響しているのではないかと考えられる。平成22年度に向けて、参加者ならびに講演者の勧誘を積極的に進める必要があると考えられる。
優秀研究発表賞(GCAD賞)として、シンポジウム発表も含めた年間合計100件の中から13件を選出した。受賞した発表のテーマは、各回のテーマに沿っているが、GPUを利用した研究が多いようである。

2.シンポジウム・国際会議等の報告

・ Visual Computing/グラフィクスとCAD合同シンポジウム2009
平成21年6月25日(木)~26日(金) 旭川市勤労者福祉総合センター(北海道旭川市6条通4丁目)
発表件数55件(うちポスター発表31件) 招待発表2件 投稿件数70件

3.総括

 一昨年度より、2月の研究発表会は画像情報教育振興協会(CG-ARTS協会)との共催でCGと教育に関する発表を募っていたが、今年度は11月に移した。しかし、SIGGRAPH ASIAの教育セッションとの関係で、発表者が非常に少なくなってしまった。
充実した議論の場を実現するとともに、会員相互の懇親を促進するために、泊まりがけの集中研究集会として、2月に安比高原で研究発表会を開催した。参加者には大変好評であったが、時期的な問題もあり、あまり多くの参加者が得られなかった。この点も今年度の反省材料であろう。

4.その他

 研究会報告の電子化に伴う研究会当日の運営方法について、もう少し様子を見る必要がありそうである。電源とネットワークが十分に確保しにくい会場での実施には困難が伴うことは事実である。
2009年11月から研究会のウェブサーバならびにメーリングリストの管理を業者の提供するホスティングサービスに移行した。これまでは運営委員のサーバを利用していたために、引き継ぎに問題があったが、その問題を軽減できるものと期待している。
関連行事として、画像電子学会ビジュアルコンピューティング研究委員会と一緒に後援している学生によるビジュアル情報処理研究合宿が定着してきている。今後は学生合宿の活動を研究発表会にもつなげられるようにしたい。

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◆情報システムと社会環境(IS)研究会

[主査: 辻 秀一、幹事:冨澤眞樹、畑山満則、児玉公信 ]

1.定例の研究会活動報告

 第108回(6月5日、筑波大学、6件)、第109回(9月14・15日、京都大学、11件)、第110回(12月1日、産業技術大学院大学、6件)、第111回(3月17・18日、専修大学、21件)と4回の研究発表会を開催し、計43件の発表があった。情報システムのモデリング、人材育成に関連する発表が中心であるが、防災・医療分野などこれまであまり取り上げられていなかった分野への応用も多くみられた。

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 「事業継続計画(BCP)のあるべき姿を考える~天災・パンデミック!その時、業務を継続できますか?」チュートリアルを10月30日に情報サービス産業協会にて開催した。
BCPというテーマについて、企業で対応にあたられている事例を2例、研究あるいは企業にアドバイスされる立場からのお話を2例と理論と実践のバランスが取れた構成となった。参加者数は36名と例年より少なめであったが、アンケートの総合評価では,全員が「非常に良い」「良い」と評価しており,参加者の満足度は高かった。
また、全国大会においてイベント「情報システム論文執筆ワークショップ~情報システムの論文を書こう~」をCE研と合同で開催した。情報教育・情報システムに関して実務面での実績がある人やこれから研究をしようとする人を対象に、論文作成時の基本事項の確認、ジャーナル論文と研究発表会の予稿集論文との違い,事例研究を論文にする方法や評価・考察の仕方などについて講演がなされ、100名を超える参加があった。

3.総括

 本年度も情報システムにおける広い分野からの多くの種類の発表や議論が活発に行われた。近年、研究会の重点トピックとなっている情報システムのモデリングや人材育成についての方法論が多数展開され活発な議論が行われた。また、防災、医療といったリスクを扱う分野での応用例なども見られ今後のさらなる展開が期待される。
秋の地方開催、春の若手の会は定着してきており多くの発表があったが6月、12月の発表件数はここ数年6件程度となっており何らかの工夫を必要であろう。また、情報システム論文特集号への支援として全国大会で企画イベントを行ったが、これは引き続き開催することを検討している。

4.その他

 次年度も例年通り4回/年の研究発表会、1回/年のチュートリアルを計画しており、これまでと同様に情報システムの広い範囲からの研究発表と議論が活発に行われることを期待している。また、情報システム評価に関するサブワーキングを立ち上げ、評価の枠組みについて議論することを検討している。このような研究会独自の活動により、近年減少傾向にある企業からの参加者の増加につなげていきたいと考えている。

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◆情報学基礎(FI)研究会

[主査:酒井哲也、幹事:岸田和明、関 洋平、栗山和子、福井美佳]

1.定例の研究会活動報告

 第95-98回の研究発表会を開催した。

  DBS研と合同で開催した第95回研究発表会では、英語により発表および質疑応答を行う英語セッションを導入した。今後も、若手研究者が国際会議で発表を行うための予行演習の機会として、このような企画を積極的に取り入れたい。
また、第98回研究発表会は、例年合同発表会を開催しているDD研に加え、電子情報通信学会のLOIS(ライフインテリジェンスとオフィス情報システム研究会)と、研究発表会併催という形で連携を行った。
昨年度活発であった研究トピックのひとつに、Yahoo!知恵袋のようなソーシャルメディアを対象とした分析が挙げられる。これに関連し、現在、国立情報学研究所主催の情報アクセス評価に関する国際ワークショップNTCIR-8において、Yahoo!知恵袋データを使ったパイロットタスクが進行中である。今後、NTCIRの知見を日本語で議論する場を企画したい。

2.シンポジウム・国際会議等の報告

・第一回情報アクセスシンポジウム
国際会議Asia Information Retrieval Symposium (AIRS 2010)と連続開催という形で、本研究会主催の上記シンポジウムを開催した。学界より、神門典子氏(NII)と黒橋禎夫氏(京大)、産業界より、稲垣陽一氏(きざしカンパニー)と金田直之氏(ニューズウォッチ)をお招きし、情報アクセス技術の今後に関する活発なパネル討論を行った。
第二回情報アクセスシンポジウムでは、招待講演に加え、本研究会の取り扱う研究内容に詳しくない方々のためのチュートリアル、および査読つき論文の発表セッションを企画する予定である。

3.研究会論文誌の活動報告

 本研究会の取り扱う研究分野自体は非常に活発であるが、研究発表会における発表件数には若干物足りなさを感じている。研究会名称の変更を機に、研究会独自のヤングリサーチャー賞の設立、AIRSやNTCIRなどの国際的なフォーラムとの連携、情報アクセスシンポジウムの内容の充実、運営委員自らの活発な研究発表などを通じ、研究会活動をさらに活性化していきたい。

4.総 括

 情報学基礎研究会は、2010年4月より情報基礎とアクセス技術研究会に名称変更しました。
また、2009年12月より、twitterによる情報発信を始めています。
http://twitter.com/sigifat

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◆オーディオビジュアル複合情報処理(AVM)研究会

[主査:上倉一人、幹事:國田 豊、高木真一、高木幸一]

1.定例の研究会活動報告

 第65回は7月9日,10日に小樽市民会館にて開催し、電子情報通信学会モバイルマルチメディア研究会(MoMuC)、コミュニケーションクオリティ研究会(CQ)との連催研究会として開催された。チュートリアル講演として、NTT高村氏の「進化的画像符号化」があったのに加え、東京医療保健大・阿部先生のフェロー記念講演「通信品質研究者からみた医療情報学の研究課題」、阪大・長谷川先生の特別講演「無線ネットワーク環境に適したトランスポート層プロトコル」、フジテレビ・塚本氏の招待講演「フジテレビOn Demand ~ 地上波番組配信の幕開け ~」などバラエティに富んだ報告がされた。また、18件の一般発表があり、多重記述符号化、絵柄識別、などの研究発表が行われた。また、次年度もMoMuC研究会と連催研究会を開催することを合意した。

 第66回は9月24日,25日に広島大学東千田キャンパスにて開催し、昨年度同様、電子情報通信学会信号処理研究会(SIP)、ならびにスマートインフォメディアシステム研究会(SIS)との連催研究会として開催された。広島大・玉木先生の招待講演「姿勢推定と回転行列」があり、活発な質疑応答を含め、互いに有意義な情報交換がなされた。その他、一般セッションとして17件の発表があり、コンテンツ正当性検証、パノラマ画像自動生成手法、スケーラブル符号化方式などの研究発表が行われた。また、次年度もSIS研究会と連催研究会を開催することを合意した。

 第67回は12月11日,12日に、名古屋大学東山キャンパスで開催した。例年通り、電子情報通信学会画像工学研究会(IE)、通信方式研究会(CS)との連載、および、映像情報メディア学会放送技術研究会(BCT)との共催研究会として開催したが、昨年度まで北海道大学と名古屋大学の二会場で衛星回線を利用して行われていた本連載研究会を名古屋大学一会場に統一し開催した。すべて一般セッションの16件の発表が行われ、テレビリモコン生成手法、メタデータ生成手法などの研究発表が行われた。

 第68回は3月4日,5日に沖縄産業支援センターにて開催し、チュートリアル講演1件、一般セッション7件の発表が行われた。まずチュートリアル講演では、NTTの木全氏による「多視点映像符号化H.264/AVC Annex H (MVC)の国際標準化」の発表が行われ、標準化がすんだばかりのタイムリーな話題として多数の質疑応答が行われた。一般セッションでは、AIF設計手法、高効率符号化、視点合成映像作成など成果発表が行われた。

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 ・画像符号化シンポジウム(PCSJ)、映像メディア処理シンポジウム(IMPS)
当研究会の取り扱う分野に関連が深い「画像符号化シンポジウム(Picture Coding Symposium)および映像処理シンポジウム(Intelligent Media ProcessingSymposium)」と共催した。2009年の10月7日~9日の3日間、ラフォーレ修善寺にて開催され、約200名の参加があった。画像符号化や次世代映像処理に関わる130件強の発表が行われ、また特別講演として、Harvard大の平川先生による「Advanced Digital Camera Processing: Modern Architecture and Future Challenges」およびRochester Institute of TechnologyのJames A. Ferwerda先生による「Visual Models for Realistic Image Synthesis」が行われ、多数の質疑応答があった。また、恒例のナイトセッションでは、NHK洗井氏による「立体画像技術の研究開発動向」、ISO HVC標準化に関わられている5名によるパネル「次世代映像符号化標準に向けた期待と展望」、モルフォ平賀氏による「携帯電話におけるイメージングテクノロジーの技術動向」に関する発表が行われ、引き続き、活発な議論と意見交換が行われた。

3.総括

 当研究会はマルチメディア情報の符号化方式、検索技術、流通に関する要素技術やシステム技術を取り扱っている。前年度に引き続き、H.264/AVC、SVC、MVCに加えHVCなどに代表される動画像の高能率符号化方式とその応用に関する研究発表が継続的に議論されれると共に、超高精細画像、高ダイナミックレンジ画像、高フレームレート画像などの新たな画像フォーマットに関わる符号化方式と伝送技術、最新の信号処理技術やコンピュータビジョンの技術を活用した新奇な画像処理技術に関する研究発表が明確に増加傾向にあり、現在主流となっている技術の実用化から数年先の産業基盤となりうるコア技術の開発まで、幅広い分野からの研究発表がなされている。

4.その他

 従来から取り組んでいるJPEG,MPEG,VCEG等国際標準化関連技術に関連した研究発表と共に、より専門性を高めた質の高い研究活動を進めていく予定である。
また、7月のモバイルマルチメディア研究会との連催研究会、9月のスマートインフォメディア研究会との連催研究会、12月の画像工学研究会、通信方式研究会との連載、放送技術研究会との共催研究会は、有意義な情報交換の場として、今後とも継続して行く予定である。

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◆グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会

[主査:小林 稔、幹事:市村 哲、緒方広明、金子 聡、斉藤典明]

1.定例の研究会活動報告

 平成21年度は以下の通り、第72-75回の研究発表会を開催しました。

  • 第72回(平成21年5月21-22日 早稲田大学):発表20件
    電子情報通信学会OIS研究会と連催。
  • 第73回(平成21年11月26-27日 呉市海事歴史科学館):発表31件
    DPS, EIPと共催。川上用一教授(広島国際大学)による招待講演
  • 第74回(平成22年1月21-22日 福井工業大学):発表18件
    BCCと共催。白鳥則郎教授(東北大学)による招待講演
  • 第75回(平成21年3月18-19日 神奈川工科大学):発表21件
2.シンポジウム・国際会議等の報告

  平成21年度は以下の通り、2シンポジウム、1ワークショップ、1国際会議を開催しました。

  • DICOMO2009シンポジウム(平成21年7月8-10日 大分県 別府温泉杉乃井ホテル):
    発表235件、デモ12件、企業常設展示6件、招待講演1件
    平成9年より開催しているDICOMOシンポジウムは、DPS、MBL、CSEC、ITS、UBI、IOTと共催、BCC研究グループおよびEIPが協賛
  • インタラクション2010(平成22年3月1-2日 学術総合センター):
    一般講演19件、招待講演1件、インタラクティブ発表125件、ポスター発表10件
    平成9年より開催しているインタラクションシンポジウムは、HCI、UBIと共催
  • グループウェアとネットワークサービスワークショップ2009 (平成21年9月17-18日 群馬県 軽井沢倶楽部 ホテル軽井沢1130):
    発表24件(招待講演1件、査読9件、一般11件、ポジション3件)
    平成16年に第1回を開催し、今回で6回目となる。一般講演のほかに、松下温様(経済産業 省エネルギー調査会基準部会 電子計算機およびルータ小委員会委員長)による招待講演,査読付き論文講演、ポジションペーパーによる講演のセッションを設けた。質の高い研究成果の報告を得ると同時に、研究の芽や方向性に関する報告など、ワークショップにふさわしい多様な研究報告が行われた。また、ベストペーパー賞2件とベストプレゼンテーション賞2件を選出して表彰した。
  • 第5回コラボレーション技術に関する国際会議 (CollabTech2009) (平成21年8月12-19日 オーストラリア シドニー) 
    発表26件、Dr Mary Lou Maher教授(シドニー大学)による招待講演
    平成17年に第1回を開催し、今回で5回目となる。
3.総括

 当研究会は、平成5年度の発足以来、グループウェア技術に関して、理論から応用、情報科学から社会科学、と幅広い学際的研究活動を活発に推進してきました。この間、Webなどのグループウェアの実用化が急速に進み世の中に定着しました。当初は企業内の既成組織など目的の明確なグループの協調作業を対象にした研究や応用システムが大部分でしたが、インターネット技術の発展とともに、企業対企業、企業対個人、また個人対個人での作業、あるいは業務にとらわれない人と人とのコミュニケーションや興味を主体とするコミュニティ形成にまで対象が広がってきております。
これらの動向を踏まえて、平成13年度より、研究会名称をグループウェアとネットワークサービス研究会へと変更し、ネットワークサービスも対象として、これらの分野での研究の推進役としての活動を行っております。発表内容もマルチユーザインタフェースからWeb2.0関連サービスまで広がっています。具体的な活動として、4回の研究会、1回のワークショップ、2回の共催シンポジウムの開催に加え、国際会議CollabTech2009を開催しました。
また、年度を通じて継続的な発表を行い、研究会活動に貢献いただいた方を表彰対象とした「グループウェアとネットワークサービス研究賞」を新たに創設し、平成20年度に活躍された2名の方を平成21年に表彰しました。

4.その他

 研究会関連メンバへのサービスとしては、平成13年4月から毎月メーリングリストによるニュースレターの発行を継続しており、現在約300名がメーリングリストに登録されています。

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◆デジタル・ドキュメント(DD)研究会

[主査:今村 誠、幹事:中挾知延子、斎藤伸雄、細見 格、天笠俊之]

1.定例の研究会活動報告

 第71回-第76回の研究発表会を開催した。それぞれのテーマおよび開催地は以下の通り。

  • 第71回研究会
    テーマ:ドキュメント・コミュニケーションにおける多言語とインタフェースについて
    日時:6月5日(金)  場所:日立製作所大森ベルポート
  • 72回研究会
    テーマ:知識の共有・伝承・活用に関するシステム・技術、一般
    日時:7月30日(木)-31日(金)   場所:秋田大学
  • 73回研究会
    テーマ:文書情報の構造化とその活用、および一般
    日時:9月25日(金)   場所:東京大学本郷キャンパス工学部2号館231号室
  • 74回研究会
    テーマ:ソーシャル・ネット×アーカイブ~コミュニティの記録、記録からの再発見~、および一般
    日時:1月29日(金)   場所:甲南大学
  • 75回研究会
    テーマ:不均質なライフログからのデータマイニング および一般
    日時:3月4日(木)-5日(金)  場所:沖縄県青年会館(IPSJ SIGFI, IEICE LOISと合同)
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 第7回デジタルドキュメントシンポジウムを開催した。概要は以下の通り。

 第7回デジタルドキュメントシンポジウム
製品・サービス情報提供におけるコンテンツの制作・管理・配信の革新
~情報の整理・構造化によるわかりやすさの向上・コスト削減~
日時:11月27日(金)
場所:東洋大学白山第2キャンパス2F大講義室
シンポジウムプログラム:
1. 開会の挨拶
今村誠(デジタルドキュメント研究会主査、三菱電機)
2. [基調講演]
IA+CMSにより、コンテンツの制作・管理・配信はこう変わる  清水誠氏(楽天)
3. [招待講演] 
グローバルマーケットで通用する企業向けドキュメンテーション事例  池田麗子氏 (日立製作所)
4. [招待講演]
航空業界の予約・発券部門におけるドキュメントのデジタル化とグローバル対応  島川崇氏 (東洋大学)
5. [招待講演]
DITAによるコンテンツの構造化・再利用のメリット
加藤哲義氏 (DITAコンソーシアムジャパン、XMLコンソーシアム エバンジェ リスト、ジャストシステム)
6. [招待講演]
DITAを用いたマニュアル制作プロセスとコンテンツ管理~IBMの事例紹介~
林口英治氏 (DITAコンソーシアムジャパン、日本IBM)
7. [招待講演]
テクニカルコミュニケーションにおける文書や情報の構造化
黒田聡氏(一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会、情報システムエンジニアリング)
8. [パネルディスカッション]
コンテンツの制作・管理・配信により、製品・サービスの価値を差別化できるか
モデレータ 今村誠(DD研主査、三菱電機)
パネリスト(50音順)
池田麗子氏 (日立製作所)
加藤哲義氏(DITAコンソーシアムジャパン、XMLコンソーシアム エバンジェリスト、ジャストシステム)
黒田聡 氏(一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会、情報システムエンジニアリング)
清水誠氏(楽天)
林口英治氏(DITAコンソーシアムジャパン、日本IBM)

3.総括

 DD研では、研究会登録者数の減少が大きな問題となっており、平成21年度は、以下の4つの施策により、DD研をより多くの研究者・実務者に周知いただく活動を実施した。

  1. 定例研究会にて、デジタルドキュメント技術に興味を持つ研究者や実務家に訴求できるような特集テーマを設定し、招待講演、パネルなどを積極的にアレンジした。
  2. DD研の研究会登録者やデジタルドキュメントに興味を研究者・実務者向けにメーリングリングリストddjapan を開設し、情報交換の場を提供した。
  3. DD研のWebサイトをWikiを用いてリニューアルし、シンポジウムの発表パワーポイントを公開するのどの情報発信を積極的に進めると共に、および、運営委員間の情報共有の場を構築した。
  4. 第7回デジタルドキュメントシンポジウム(11月27日)では、「製品・サービス情報提供におけるコンテンツの制作・管理・配信の革新」とし、テクニカルコミュニケーター協会、DITAコンソーシアムジャパン、XMLコンソーシアムなど関連組織に共催いただくと共に、DesignIT!に後援いただく等により、DD研を周知する活動を実施した。その結果、79名の参加者を得ることができた。

 平成22年度は、21年度設定テーマの深堀・先鋭化、及び、新たなテーマを設定するすることにより、研究会の発表内容の量・質両面の向上を図ることにより、研究会参加者のメリット向上をめざす。また、21年度に構築したメーリングリストやWebサイト等のインフラを有効活用し、研究会の活動内容を周知する活動を展開していく。

4.その他

 DD研では、質疑応答の時間を広めにとり積極的な議論を歓迎すると共に、研究会終了後の懇親会を通じて、デジタルドキュメントに関わる人材交流の場を提供するよう努めている。今後も、多様な研究分野や職種の方とのコラボレーションを促進することにより、デジタルドキュメント分野の発展に寄与していきたい。

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◆モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)研究会

[主査:竹下 敦、幹事:太田 賢、清原良三、長谷川輝之、安本慶一、山口弘純 ]

1.定例の研究会活動報告

 第49-53回の研究発表会を開催した。

  • 第49回研究発表会 5月7、8日、宮古島マリンターミナル
    連催:電子情報通信学会モバイルマルチメディア通信(MoMuC)研究
  • 第50回研究発表会 9月10、11日、専修大学生田キャンパス
    優秀論文,優秀発表の表彰式を実施
  • 第51回研究発表会 11月5、6日、名城大学 天白キャンパス
    共催: 高度通信システム研究会(ITS)、放送コンピューティング研究グループ(BCC)
  • 第52回研究発表会 1月28、29日、東京大学 先端化学技術研究センター 
  • 第53回研究発表会(組込み技術とネットワークに関するワークショップ ETNET2010)
    3月26~28日、八丈シーパークリゾート
    連催: コンピュータシステム研究会(CPSY)、ディペンダブルコンピューティング研究会(DC)、
    共催:組込みシステム研究会(EMB)、ユビキタスコンピューティングシステム研究会(UBI)、システムLSI設計技術研究会(SLDM)

 本年度の定例研究会の発表件数(招待講演・共催分は含まない)は54件と昨年度と同数であったが、計画で4回のところ、5回の研究発表会を実施し、引き続き活発なモバイルコンピューティング研究の発表の場の提供に貢献できた。発表内容としては、アドホックネットワーク・位置情報・センサネットワーク・携帯端末に関する研究への関心が引き続き高く、省電力化(グリーン)やセキュリティを意識した取り組みも見られた。第50回研究会では節目として、「モバイルコンピューティングの未来」と題したパネルディスカッションを行い、盛況であった。
また、研究会活性化の取り組みとして、モバイル関連企業からの講演や国際会議出張報告等の招待講演を積極的に増やし、有益な情報交換機会を提供することができた。

2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム
    7月8~10日, 会場:大分県 別府温泉 杉の井ホテル
    シンポジウムは今回で13年目を迎え、7つの研究会の主催の他、2研究グループ、1研究会の協賛による大規模な開催となった。MBL研究会からは51件(デモ3件を含む)の発表があり、12セッションが構成されるなど盛況振りを見せた。また優秀論文3件(うち推薦論文1件)が選出され、発表の質も高いものとなった。

  • 論文誌特集号集号の発行・企画
    MBL/ITS特集号:平成22年1月号 MBL/ITS両研究会の共同企画による論文誌特集号は平成13(2001)年7月号以来10回目の発行となる。今回は、31件の投稿があり9件を採録した。例年30件以上程度の安定した投稿があり、本分野の研究成果を示す場として広く認識されていることを示している。平成21年度も3月末締切にてMBL/ITS特集号を企画している。

  • 国際会議ICMU2010に向けた準備
    投稿締切:平成21(2009)年10月11日
    開催:平成22(2010)年4月26~28日
    主催:MBL研究会
    共催:BCC研究グループ
    協賛:ITS, UBI研究会
    協力:TAF(電気通信普及財団),SCAT (財団法人テレコム先端技術研究支援センター)
    当研究会主催の国際会議であるICMU2010 (5th International Conference on Mobile Computing and Ubiquitous Networking) の平成22年4月開催に向けた準備を進めた。35件の論文投稿があり、20件の質の高い論文を口頭発表論文として採択し(採択率57%)、別にポスター5件、招待論文4件、デモ4件を採択した。会議ではテクニカルセッションに加えて、業界を代表する2名のスピーカによる
    基調講演ならびに国内外からパネリストをそろえたパネルディスカッションを行う予定である。
3.総括

 平成21年度は、MBL運営委員会の活動の元、5回の定例研究会、シンポジウムを開催し、論文誌特集号の企画を滞りなく進めた。これにより、モバイルコンピューティング技術の発展に寄与するとともに、国内外の研究者相互の交流ならびに大学と産業界の連携のための意見交換の場を積極的に提供することができた。今後とも、これらの交流で得た研究者間の関係をベースに本研究会をさらに発展・充実させたい。

4.その他

 今後も、MBL研究会活性化の取り組みとして、モバイルコンピューティングに関連する企業からの講演や、国際会議出張報告等の招待講演を積極的に増やし、研究発表会の魅力を向上していきたい。

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◆コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会

[主査:菊池浩明、幹事:岩村恵市、鳥居 悟、西垣正勝]                      

1.定例の研究会活動報告

 平成21年度は第45回~第48回の4回の研究発表会を開催し、発表件数も計137件にのぼった。発表内容は、電子社会、電子透かし、ネットワークセキュリティ、暗号、セキュリティ評価など多岐に渡っている。傾向としては、従来のセキュリティ実装技術、セキュリティ評価/監査の発表などの実際的技術の発表に加えて、心理学的な側面を考慮したトラストに関する研究発表なども増えつつある。

  • 第45回 平成21年05月28日(木)~29日/インターネットイニシアティブ(神保町) 28件
  • 第46回 平成21年07月02日(木)~03日/秋田大学 手形キャンパス(秋田) 44件
  • 第47回 平成21年12月18日(金)/東京理科大学 森戸記念会館(神楽坂) 9件
  • 第48回 平成22年03月04日~05日/東北大学電気通信研究所(宮城) 56件

 このうち、第45回の研究発表会は、本学会セキュリティ心理学とトラスト研究グループ(SPT)、ソフトウェア工学研究会 (SIGSE), 組み込みシステム研究会(SIGEMB), 及び、日本セキュリティ・マネジメント学会ITリスク学研究会との合同開催であった。セキュリティに関する5つの研究組織が集まる機会を活用し、「日本の情報基盤を安全にする—セキュリティ標準化の動向と今後—」と題するパネルを行い、活発な情報交換が行われた。100名を越す盛会であった。
第46回は、各研究会との交流を目的に電子情報通信学会情報セキュリティ研究会(ISEC)、技術と社会・倫理研究会(SITE)、情報通信システムセキュリティ研究会(ICSS)、セキュリティ心理学とトラスト研究グループ(SPT)との連立開催(連催)であった。本学会の技術研究報告書のオンライン化が実施されてからの初めての連催であり、大きなトラブルもなく開催を行うことが出来た。
第48回では、マルチメディア通信と分散処理研究会との共同開催で、東北大学白鳥則郎教授 (情報処理学会会長・元DPS研究会主査)による招待講演を行った。ハワイ大学のアブラムソン教授と東北大で進めたインターネット紀元前の逸話から、2050年のマルチメディア環境の展望まで、多岐に渡る話題は示唆に富んでいた。

2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • International Workshop on Security(IWSEC2009)
    2009年10月28日(水)から10月30日(金)の3日間、富山県富山国際会議場にて本学会コンピュータセキュリティ研究会(CSEC)と電子情報通信学会情報セキュリティ研究会(ISEC)との共同主催でInternational Workshop on Security(略称IWSEC2009)を開催した。この国際ワークショップは、日本における情報セキュリティ研究の一層の発展と国際化および、国際貢献を目的としている。世界各国から投稿された46件の投稿論文の中からレギュラーペーパー13件、ショートペーパー6件の計19件を採録した。レギュラーペーパーはSpringer LNCSシリーズとして発行され、その採録率は、28% (= 19/46)の採録率であった。
    技術発表に加えて、国際暗号学会(IACR)委員長のルーヴァン・カトリック大学(ベルギー)のバート プレネール(Bart Preneel)先生による、2012年の標準化に向けて現在米国標準局が進めている次世代ハッシュ関数SHA-3の現状と将来についての講演と、著名なセキュリティコンサルタントであるブルースシュネイアー(Bruce Schneier)氏による、セキュリティの心理学についての次の2件の招待講演が行われた。特に、次世代ハッシュ関数については、SHA-3コンテストの第2ラウンドの14候補に残っている方式Skeinの提案者シュネイアー氏、日本から唯一残っている Luffaを提案した日立製作所の渡辺大氏、NISTのWilliam Burr博士、グラーツ大学(オーストリア)Christian Rechberger博士をパネリストとしたパネルディスカッションも開催され、本分野の技術動向について最新の状況が報告された。

  • コンピュータセキュリティシンポジウム2009(CSS2009)
    富山市富山国際会議場において2009年10月26日(月)から28日の3日間にかけ開催した。発表論文数177件(うち30件がMWS2009)、参加者362名となり盛況なシンポジウムとなった。また、キャンドルスターセッション(ナイトセッション)、デモ展示セッションを取り入れた。近年のマルウェア機能の高度化に伴い発生するセキュリティインシデントに迅速に対処するため後述するマルウェア対策研究人材育成ワークショップ 2009 (MWS 2009) との合同開催を実現した。
    本シンポジウムでは、次の2件の招待講演を行った。

       特別講演1 近世における「情報」の社会的・文化的意味 — 「富山売薬」の活動を通して —
    米原 寛 氏 (富山県〔立山博物館〕館長)
    特別講演2 滅多に起こらないことはよく起こる
    竹内 郁雄 氏 (東京大学大学院 情報理工学系研究科 創造情報学専攻 教授)

     また、CSS2009参加者には、本シンポジウムに引き続いて同会場で開催されたIWSEC 2009の招待講演2件の聴講も許可された。

  • マルウェア対策研究人材育成ワークショップ 2009(MWS 2009)
    本ワークショップは、サイバークリーンセンターで収集しているボット観測データを 「研究用データセット」 として活用するワークショップであり、以下の3つの分野に関する研究を対象とした。また、MWS2009での初の試みとして、課題として与えられたマルウェアの活動記録データを、限られた時間で解析し、その解析技術を競うMWS Cup 2009を実施した。
    (1)検体解析技術の研究
    (2)感染手法の検知ならびに解析技術の研究
    (3)ボットの活動傾向把握技術の研究

  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム
    2009年7月8日(水)~10日(金)にかけ、 杉乃井ホテル(別府市)において開催した。DICOMOは、情報処理学会のCSEC研究会を含む多数の研究会が協賛しているシンポジウムであり、ネットワークからセキュリティまで幅広い研究分野をカバーしている。このため、セキュリティについての発表テーマも、セキュリティ管理、セキュアシステムとその実現手段、認証ならびにプライバシ保護と多岐に渡っている。一般講演250件の内、19件が本研究会からの講演であった。

  • 論文誌「社会を活性化するコンピュータセキュリティ技術」特集
    本特集は、高度化が続くコンピュータセキュリティ技術から高齢者などが取り残されないように、新技術を開発し、魅力的なサービスや国際競争力の向上につなげる事を目的としている。厳密な査読の結果、79件の投稿論文から28件の論文が採録された。採択率は35%である。セキュリティ基盤技術6件、ネットワークセキュリティ8件、侵入検出7件、セキュリティと社会4件、危機管理とリスク管理3件であり、本特集の目的に沿った論文を収めることが出来た。
    2010年9月の発行を予定して、次の特集号「社会を活性化するコンピュータセキュリティ技術」を企画しており、現在、特集号編集委員会により編集作業を進めている。

  • 学会誌「マルウェア」特集
    本特集は、学会誌の一般読者を対象として、有害なプログラムの総称であるマルウェアの概要とその対策へのさまざまな取り組みを紹介することを目的としている。その背景には、ここ数年の間に、ワーム、スパイウェア、ボット、フィッシング、標的型攻撃など数多くのセキュリティ用語が乱立し、情報システムが直面する脅威の増加と被害形態の多様化がある。マルウェア対策研究人材育成ワークショップ 2009(MWS 2009)の報告を柱にして、マルウェアの用語解説やその挙動を解説する「マルウェアって?」、「マルウェア観察日記」、「マルウェアと戦う技術」とインシデントに対応する組織の活動を解説している「サイバークリーンセンターからみた国内のマルウェア対策」を加えている。
3.総括

 1998年の研究会発足から12年目を迎え、シンポジウムの開催規模も順調に大きくなり、セキュリティ技術の研究を通じて情報化社会の安全、安心に貢献するという本研究会の存在意義はますます強まっている。理論は電子情報通信学会の情報セキュリティ研究会、システムについては本研究会、というように発表の場の住み分けが進んできた一方で、心理や信頼という新たな領域や、マルチメディア技術などの応用と共に生じてきな新たなセキュリティの要請など、より幅広い研究分野への貢献も求められるようになって来た。専門技術者だけにしか通じない象牙の塔となることがないように、技術の啓蒙や解説にも力を入れて、より開かれた研究会運営を心掛けていきたい。本年度行った、最新マルウェア技術の動向やその対策を解説した学会誌でのマルウェア特集はその一環である。

4.その他

 平成22年度は、研究発表会4回(うち地方開催2回)、2010年10月19日~21日CSS2010(岡山)を開催する予定である。2010年9月発行をめざした論文誌特集号、マルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2010)シンポジウム、情報セキュリティ研究会(ISEC)との共催による国際会議IWSEC2010(4th International Workshop on Security)(平成21年10月28日~30日、富山市)、マルウェア対策研究人材育成ワークショップ 2010 (MWS 2010)の開催向け準備を進めている。
今後共、会員の方々には積極的な発表、論文投稿と参加をお願いしたい。

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◆高度交通システム(ITS)研究会

[主査:堀内浩規、幹事:桐村昌行、遠藤秀則、木村 裕、屋代智之 ]

1.定例の研究会活動報告

 平成21年度は、第37~40回の研究発表会を開催した。全部で39件の発表があり、内容も国際会議の報告から国内動向や安全のためのシステム、通信プロトコル、歩行者への適用、位置検出手法、データ収集方法、画像解析、ナビゲーションなど基礎から応用までの多岐にわたる技術について幅広い発表、議論が行われた。9月は電子情報通信学会ITS研究会との連催、11月はMBL研究会、BCC研究グループとの共催で開催した。

  • 第37回 6/21(金) 慶応義塾大学 発表8件
  • 第38回 9/9(水) お茶の水女子大学 発表5件 電子情報通信学会ITS研究会共催
  • 第39回 11/5(木)-6(金) 名城大学 発表17件(内招待講演1件) MBL研究会・BCC研究グループ共催
  • 第40回 3/5(木)-6(金) 和歌山県県民交流プラザ・和歌山ビッグ愛 発表9件(内招待講演1件)
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム
    7/8(水)-10(金)、大分県別府温泉杉乃井ホテルにおいてDPS研究会、GN研究会、MBL研究会、CSEC研究会、UBI研究会、IOT研究会との共催(BCC研究グループ、EIP研、SPT研究グループ協賛)で開催した。複数の研究会に関連する発表テーマが一堂に会した合宿形式で有意義なシンポジウムであった。

  • 高度交通システム(ITS)2010シンポジウム
    1/15(金)、日本科学未来館(臨海副都心)にて、「次世代モビリティ」のテーマで開催した。これからの自動車環境に関する技術動向、歩行者用ナビゲーションシステムや位置検出システムの動向、今後の運転環境の動向などについて8件の発表が行われ、60名の参加者があった。また、ITS研究会優秀論文(4件)の表彰も行われた。

  • ITS産業フォーラム
    平成19年度より研究会主催で取り組んでいるITS産業フォーラムを8/25(火)に化学会館会議室にて開催した。テーマは「エネルギーITS」であり、3件の招待講演とパネル討論を実施した。今回は景気の影響を受けたものの、20名の参加者があった。
3.総括

 本年度も2回の研究発表会を連催あるいは共催とし、またDICOMO2009シンポジウムにも共催参加するなど、学会ならびに研究会間の交流に力 を入れて取り組んだ。また、ITSシンポジウム2010を開催し、ITS関連の研究活動の拡大や潜在的な研究者の発掘にも積極的に取り組んだ。ITSという分野は他の分野・技術との関連性が高いことから、今後もより広範な意見交換が行える場の提供を行っていきたいと考えている。また、研究発表会、シンポジウム、ITS産業フォーラムとも、参加者の減少傾向が見られるため、広報の仕方について再検討を行う予定である。

4.その他

 今年度も引き続き、ITS分野の研究・開発のすそ野の拡大や潜在的な研究者の発掘・啓蒙をはかるとともに、産官学交流の場としてITS産業フォーラムを位置づけ、ITS分野における行政施策や産業の早期展開に学会として少しでも貢献できるよう今後も継続して開催していきたいと考えている。

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◆システム評価(EVA)研究会

[主査:堀川 隆、幹事:岸場清悟、池田吉朗、義久智樹]

1.定例の研究会活動報告
  1. 第29回研究発表会(平成21年8月5日、仙台市フォレスト仙台、発表件数:2件)をSWoPP2009の一環として開催し、インターネット 放送に関する評価、スケーラビリティー・ボトルネックの分析に関する発表があった。
  2. 第30回研究発表会(平成21年11月16日、大阪大学吹田キャンパス、発表件数:5件)を開催し、障害対策方式の評価、サーバ性能 推定モデル、開発支援システム、仮想化システムにおける資源管理、サービスレベルとキャパシティー管理に関する発表があった。
  3. 第31回研究発表会(平成22年3月8日、機械振興会館、発表件数:3件)を開催し、ストレージリモートコピーのタイムラグ監視方 式、P2Pネットワークでのダウンロード時間の評価、オントロジーの自動構築手法の評価に関する発表があった。
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 平成21年度は実施なし。

3.総括

 システム評価研究会は性能評価にとどまらず、幅広い多様な観点からのシステム評価を目的としている。この目的に沿う形で、今年 度も、障害対策、開発支援システム、オントロジーの構築といった、性能以外の側面からシステムを評価するという発表があった。当 研究会の性格を考えると、特定の技術分野についての深い議論よりも、他の分野で実施されているシステム評価の手法を聞き、それを 各自の研究に役立てる、といった主旨で参加して頂くのが適切と考えており、研究会各回の最初に説明し、理解を求めるようにしてい る。また、この主旨をより確実に実現するため、幹事団は、質疑応答を活発に実施するように心がけている。これにより、参加人数は 比較的少ないながらも、活発な研究発表会を開催できたと考えている。なお、今年度より、定例の研究会は、SWoPPの一環としての開 催を含め、年3回の開催に変更した。

4.その他

 今後とも登録会員増に努め、活性化を図りたい。また性能評価にとどまらない一般のシステム評価に関する発表を増やしていきた い。その一環として、今年度は全国大会の該当分野キーワードの大分類「2.ソフトウェア科学・工学」に中分類「5.システム評価」 を新設する提案を行い、学会に受理して頂いた。これにより、情報処理学50周年記念会全国大会にて「システム評価」というタイトル のセッションが設置され、システム評価に関係する研究をまとめて発表する場を提供することができた。平成22年度以降もこれを継続 すると共に、研究会登録会員の増加につなげられるようにしていきたい。

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◆ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会

[主査: 椎尾一郎、幹事: 植原啓介、大内一成、角 康之、寺田 努 ]

1.定例の研究会活動報告

 第22-25回の研究発表会を開催した。

  • 第22回 平成21年5月15日 奈良県新公会堂 発表18件、招待講演1件
  • 第23回 平成21年7月16日-17日 国際電気通信基礎技術研究所 発表26件、招待講演3件、パネル討論1件
  • 第24回 平成21年11月12日-13日 お茶の水女子大学 発表24件、招待講演2件
  • 第25回 平成22年3月26日-28日 八丈シーパークリゾート 発表75件

 第23回は電子情報通信学会のユビキタス・センサネットワーク研究会(USN)と、第24回は情報処理学会ヒューマンコンピュータインタラクション研究会、日本バーチャルリアリティ学会ウェアラブルユビキタスVR研究委員会、ヒューマンインタフェース学会ユビキタスインタフェース&アプリケーション専門研究会と、第25回は電子情報通信学会 コンピュータシステム研究会(CPSY)、電子情報通信学会ディペンダブルコンピューティング研究会(DC)、情報処理学会システムLSI設計技術研究会(SLDM)、情報処理学会組込みシステム研究会(EMB)、情報処理学会モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会(MBL)と共催した。多くの研究会と共催することによって、研究会参加者がより広い分野の活動を知ることが出来るよう、配慮している。

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 下記シンポジウムを共催した。

  • マルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム
    平成21年7月8-10日 別府温泉 杉乃井ホテル
    マルチメディア通信と分散処理研究会、グループウェアとネットワークサービス研究会、分散システム/インターネット運用技術研究会、モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会、コンピュータセキュリティ研究会、高度交通システム研究会、インターネットと運用技術研究会と共催し、合宿形式で活発な議論がなされた。

  • Fifth International Symposium on Ubiquitous Computing Systems (UCS2009)
    平成21年8月24-26日 北京 清華大学
    IEEE RTCSA2009(The 15th IEEE International Conference on Embedded and Real-Time Computing Systems and Applications)と北京・清華大学で同時開催した。日韓を中心に、欧米からの参加者も含め、150名以上の参加者のもと、ポスターセッションも開催し、活発な議論がなされた。UCSは、UBI研究会が中心となって平成15年に立ち上げた国際シンポジウムで、アジア地域のユビキタスコンピューティングシステムに関する研究発表・議論の場として、深く浸透してきた。

  • インタラクション2010
    平成22年3月1-2日 東京 学術総合センター/一橋記念講堂
    ヒューマンコンピュータインタラクション研究会、グループウェアとネットワークサービス研究会との共催で開催し、約600名の参加者のもと、1件の招待講演、シングルセッションによる19件の口頭発表、128件のインタラクティブ発表があり、活発な議論が行われた。
3.総括

 平成21年度は4回の定例研究会を開催した。4回中3回が共催ではあるが、年間を通して143件もの発表があり、活発な意見交換が行われた。内容は、ユーザ行動解析やセンサーシステムに関するものからARやUIに至るまで幅広く、本分野がより広い分野に適用され始めていることを示唆するものであった。また、招待講演として3名の方を海外からの迎え、よりグローバルな活動につなげていくことができた。
また、情報処理学会論文誌に「ユビキタスコンピューティングシステム(III)特集」を企画した。25件の論文投稿に対し、査読の結果6件を採録とし(採択率24%)、平成22年4月に出版される予定である。実フィールドでの実証実験や周辺分野であるロボットに関するものまで、ユビキタスコンピューティングシステムに関する幅広いテーマに関して、質の高い論文を掲載できたと考える。

4.その他

 ユビキタスコンピューティングの研究は黎明期を過ぎ、いよいよ産業実用化が問われる時期となってきた。産業界との連携を積極的に図り、社会的意義の高い議論を研究会の中で行いたい。さらにUCSを軸として東アジア内での連携を念頭に、東アジアでの中心的な活動拠点としてUBI研究会を位置づけたい。多くの会員の参加を期待する。

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◆インターネットと運用技術(IOT)研究会

[主査:山之上卓、幹事:今泉貴史、上原哲太郎、中村 豊、松原大典、 山井成良]

1.定例の研究会活動報告

 次に示すように第5~8回の研究発表会を開催した(カッコ内は参加者数)。

  • 第5回 5月28日(木)~29日(金) 香川大学幸町キャンパス 研究交流棟5階(IOT 31名, 全体72名)
  • 第6回 6月27日(土) 東京農工大学小金井キャンパス(69名)
  • 第7回 10月9日(金) 神戸大学・六甲台キャンパス(49人)
  • 第8回 3月1日(月)~2日(火) 作並温泉一の坊(宮城県)(IOT 72名, 全体136名)
発表件数は、第5回が6編、第6回が10編、第7回が12編、第8回が20編、合計で48編となっており、昨年までのIOT研究会の実績である 99編と比較すると約半数となった。しかしながら、これは昨年までと異なり電子情報学会の研究会の共催が連催になったため、第5回と第8回の電子情報通信学会の論文数(49編)を含んでいないのが大きな原因である。これを加えると97編となり昨年度と遜色ない。

 第5回は電子情報通信学会情報通信マネジメント(ICM)研究会との連催、第8回は電子情報通信学会インターネットアーキテクチャ(AI)および技術と社会・倫理(SITE)研究会との共催であった。いずれの研究会においても、情報教育関連、インターネット運用技術、分散システム運用技術、ネットワーク構築、セキュリティ、性能評価など、幅広いテーマで議論が行われた。第5回研究会では香川のIT事情に関する講演を含む3件の特別講演、第6回研究会では情報系センターにおけるIT紛争防止への備えに関する招待講演、第7回研究会では兵庫県における情報通信基盤に関する特別講演が行われ、好評であった。

2.シンポジウム・国際会議等の報告

   第1回 インターネットと運用技術シンポジウム(IOTS2009)
日程: 12月10日(木)~11日(金)
会場: エルフ金沢 (石川県金沢市)
参加人数: 77名
プログラム委員長:敷田 幹文(北陸先端科学技術大学院大学)
実行委員会委員長:大野 浩之(金沢大学)

 本シンポジウムでは様々な仮想化に関する技術の動向と、それに伴う構築運用上の課題を整理して議論し、今後の展開と高度化に寄与することを目指した。昨年度のIOTシンポジウムの開催状況を参考に、発表論文数20件程度、参加者100名程度を想定して準備を行った。その結果、18件の論文投稿があり、そのうちから発表論文数15件をプログラム委員会で採択した。参加者は77名であったが企業展示関係者も含めると、ほぼ想定通りの規模で開催することができた。講演はシングルセッションで進められ、各発表ごとに活発な討議が行われた。講演数は招待講演1、パネル討論1を含む17件であった。

3.総括

 平成21年度は研究会論文のペーパーレス化などの影響で情報処理学会全体の会員数が減少し、これに伴いIOT研究会の登録者数も減少した。研究会登録費の減少の中で、第4回研究会より実施していた学生奨励賞の授与による学生会員の発表支援の継続、研究会サーバの増強などを行った。これらの努力もあって、4回の研究発表会およびシンポジウムのいずれも盛況であった。

 一方、本研究会が中心となった論文誌「多様なネットワークサービスの統合・連携に向けたインターネットと運用管理技術」特集号では、27編の投稿のうち9編を採録としたが、投稿件数、採録数とも昨年度を下回る結果となった。今後も研究会で論文投稿を積極的に働きかけるとともに指導的査読を充実させ、書き方の問題で不採録と判定される論文の数を減らしていきたい。また、研究会やシンポジウムで発表された論文の中から優秀なものを10件程度推薦することを検討している。

4.その他

 上記の研究発表会、シンポジウムに加えて、7月8日(水)~10日(金)に大分県別府市においてマルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO)シンポジウムを共催した。このシンポジウムでも本研究会に関連したテーマで18件(セッション3D、4D、5D、6D)の発表が行われた。

 国際会議SAINT(International Symposium on Applications and the Internet)が2009年7月20日(月)から23日(木)に米国シアトルで開催された。投稿数が53件あり、17件の full paper 、6件の short paperが採録された。Students session では 9件の投稿がありすべて採録された。キーノートスピーチ3件を含む35件の発表が行われた。104人の参加登録があり、100人の参加者でにぎわった。

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◇放送コンピューティング(BCC)研究グループ

[主査:長谷川亨、幹事:阿倍博信、岡田謙一、串間和彦、齊藤義仰、塚本昌彦、義久智樹]

1.定例の研究会活動報告

 平成21年度は、以下の通り第22-23回の研究発表会を開催した。

  • 第22回研究会 平成21年11月5日~6日 名城大学(ITS、MBL研究会と共催)発表17件
  • 第23回研究会 平成22年1月21日~22日 福井工業大学(GN研究会と共催)発表19件
発表内容は、放送型情報配信、通信放送融合方等の放送コンピューティングの要素技術や放送コンピューティングを応用した各種アプリケーションなど多岐にわたっている。
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 平成21年度は、以下シンポジウム、ワークショップを開催した。

  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム
    平成21年7月8日~10日 別府温泉 杉乃井ホテル

 DICOMO2009シンポジウムは、DPS研究会、GN研究会、MBL研究会、CSEC研究会、ITS研究会、UBI研究会、IOT研究会の共催、BCC研究グループ、EIP研究会、SPT研究グループの協賛にて開催した。発表250件、企業展示6件、招待講演1件と非常に大規模なものとなった。

3.総括

 本研究グループの関連するインターネットやモバイル端末等に対応した放送サービスは急速に普及しつつあることもあり、今後も本研究グループの関連テーマは大きく広がっていくことが予想されている。平成22年度は、平成21年度に継続して研究会を開催するとともに、関連研究会との連携によるシンポジウムへの協賛を予定している。

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◇情報セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究グループ

[主査: 内田勝也、幹事:村山優子、西垣正勝、山口健太郎、田中健次、松浦幹太、寺田真敏 ]

1.定例の研究会活動報告

 平成21年度は、以下の通り第4-6回の研究発表会を開催した。

  • 第4回研究会 平成21年5月28-29日 インターネットイニシアティブ(IIJ) 発表2件
  • 第5回研究会 平成21年7月2日 秋田大学手形キャンパス 発表4件
  • 第6回研究会 平成21年10月7日 (独)情報処理推進機構(IPA) 発表4件
情報セキュリティに関して、ヒューマンファクタを考慮した研究発表が多く行われた。
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 平成21年度は、次のワークショップ等を主催、共催した。

  • SPTワークショップ(DICOMO2009併設ワークショップ)
    平成21年7月8日 別府温泉杉乃井ホテル 講演3件
  • コンピュータセキュリティシンポジウム 2009
    平成21年10月26日?28日 富山国際会議場 発表9件

 SPTワークショップは、招待講演形式にて実施し、46名の参加者があった。
コンピュータセキュリティシンポジウムでは9件の発表があり、発表件数は増加傾向にある。

3.総括

 IFIPのセキュリティ委員会(TC11)においても、トラストワーキンググループ (WG11.11)に続き、Human Aspects of Information Security and Assurance (WG11.12)が新たに創設された。このように本研究グループの関連する情報セキュリティに関わる「人間」の問題やトラストは、世界的にも新たに注目されている研究分野である。今後も本研究グループは、本分野をわが国で牽引する役割を担い、活動を続けていく。

4.その他

 平成22年度は、WG11.11主催のトラストの国際会議TM2010を盛岡で開催する支援を行うとともに、平成21年度に継続して研究会を開催するとともに、昨年同様IPAと連携し、シンポジウム開催を予定している。今後も、他の研究会や学会とも広く連携し、活動を進め、本分野の普及に努めたい。

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フロンティア領域


◆自然言語処理(NL)研究会

[主査:中川裕志、幹事:乾健太郎、二宮 崇、宮尾祐介]

1.定例の研究会活動報告

 第191-195回の研究発表会を開催した.開催場所等は以下の通りである。

  • 第191回2009年5月、東京工業大学
  • 第192回2009年7月、北見工業大学
  • 第193回2009年9月、京都大学
  • 第194回2009年11月、愛媛大学
  • 第195回2010年1月、筑波大学

 本年度は、75件の論文発表があった。語彙知識、情報抽出、機械翻訳、評判分析、文書分類、コミュニケーション、インタラクション、対話、談話、言語モデルなどの研究テーマが多かった。研究のデータはWebよりも通常のコーパスを使うものが多かった。形態素解析などの基礎的な技術を扱う論文も散見された。方法論的には機械学習が多かったものの、必ずしもState of the art ではなく、ややレベル的に停滞している。

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 平成21年度は実施なし。

3.総括

 研究会全体としては開催が年5回になったが75件の発表があり、1回あたり平均15件で、2日開催にはちょうどよい発表数であった。ただし、研究のレベルが明確に向上していたとは言い難く、伝統的なテーマをオーソドックスな手法で扱う論文が多かった。コーパスにせよ、機械学習手法により、今一歩の前進が必要ではないかと感じられた。 機械学習自体の研究分野では、最近は複雑で難解な手法が開発されているが、その成果がまだ自然言語処理の分野に持ち込まれていないと思われる。機械学習分野の成熟と、自然言語処理分野のキャッチアップが重なる時期は待ちたいと思うとともに、我々の努力も必要である。ソーシャルメディアに関してもWeb2.0のSNSやブログが通常に扱われているが、twitterなどへの拡大も期待される。機械翻訳に関しては地道な研究が続いているが、ブレークスルーが見えてきていない。対象言語としては、日本語、英語が多かったが、中国語を扱う論文も多い。それ以外の言語を対象にした研究はほとんど見られなかった。

 例年と同じく、共催の開催(SLP、 NLC(電子情報通信学会))を行ったが、大きな混乱はなく、分野を跨る有意義な議論ができた。
5月には学生セッションを開催し、14件の発表があり優秀な発表を表彰した。また、9月は、研究会と連続開催で学生を含む若手研究者の発表会を行った。このような活動を通して、学生の研究をプロモートできた。

4.その他

 本年度から開始したペーパレス研究会は、回を言うにつれて主催者、参加者とも慣れてきたといえ、大きな混乱はなかった。

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◆知能と複雑系(ICS)研究会

[主査:小野哲雄、幹事:大平茂輝、福田健介、松尾徳朗、山下倫央]

1.定例の研究会活動報告

 第156-159回の研究発表会を開催した。

 本年度は、31件(内、2件は招待講演)の論文発表があった。第156回は人工知能学会知識ベースシステム研究会との連続開催であった。 人工知能応用、マルチエージェントシステム、学習、リコメンデーションに関する研究テーマが多かった。

2.シンポジウム・国際会議等の報告

平成21年度は実施なし

3.総括

 研究会全体としては約30件の発表があり、研究会としての役割はぎりぎり果たしていると思われる。
しかし、企業からの参加者/発表者はあまり多くなく、全体的に低調な感じが否めない。研究分野そのものが廃れているわけではなく、情報システムが社会に大きな影響を与える今の時代にこそ知的で自律的なシステムを希求する本研究会の存在が重要になっていると思われる。
そのため本研究会では、次年度以降、研究会の名称を改め、大学などの教育機関だけでなく企業からの発表を広く求め、産学の交流をより深められる方向に発展させていくことを決定した。

4.その他

 今年度はすべての研究会でペーパレスを実施し、特に大きな混乱はなかった。
平成22年度からは名称を知能システム研究会(略称はICSのまま)と改め、人工知能応用関連の研究を推進していく予定である。

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◆コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)研究会

[主査:谷口倫一郎、幹事:岡谷貴之、橋本 学、増田 健、向川康博(7月より岩井儀雄)]

1.定例の研究会活動報告

 第167-171回の通常の研究発表会を下記のように開催した。毎回100名前後の聴講者があり、熱心な討論が行われた。また、本年度は、以下のテーマ別オーガナイズドセッションも企画した。

  • 2009年6月:IWRTCVセッション、卒論・D論セッション
  • 2009年9月:CV・パターン認識のための学習・最適化
  • 2009年11月:一般物体認識・画像特徴量
  • 2010年1月:クロスモーダル
  • 2010年3月:ビジョン技術の頑健性

 さらに、通常の研究発表に加えて、特定の手法・技術に関してチュートリアル講演を継続的に実施し、好評を博した。

  • 大規模確率場と確率的画像処理の深化と展開
  • バンドルアジャストメント
  • ICPアルゴリズム
  • 最近傍探索の理論とアルゴリズム
  • 特定物体認識
  • 一般物体認識
  • コンピュテーショナルフォトグラフィ理解のための光学系入門
  • 符号化撮像

 6月の167回研究会では、若手研究者の育成を目的に、前年度に学部を卒業し修士課程に進学した学生を対象とした「卒論セッション」及び、前年度に博士の学位を取得した若手研究者を対象とした「D論セッション」を開催した。卒論セッションの発表数は29件、D論セッションの発表数は6件であった。なお、卒論セッションにおいては、優秀な発表に対して最優秀賞ならびに優秀賞を授与した。

  • 最優秀賞
    和田明菜
    対象物と照明環境の実測値を用いた絵画における陰影表現の解析
  • 優秀賞
    琢磨直広
    携帯プロジェクタのための映像キャリブレーションの一手法
    浅井晴香
    ケプストラム解析を用いたブレ画像のBlind Deconvolution
    松島千佳
    人検出のためのReal AdaBoostに基づくHOG特徴量の効率的な削減法
2.シンポジウム・国際会議等の報告

(1)第12回画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2009)を、7月に松江市にて、画像情報フォーラム、電子情報通信学会PRMU研究会と共同主催にて開催した。MIRU2009は、基調講演2件、口頭発表52件、インタラクティブ発表215件、デモ論文14件の発表があり、約500名が参加した。なお優秀論文の表彰は以下の通りである。

   ・MIRU長尾賞(最優秀論文賞)
高階グラフカット
石川博(名市大)
・優秀論文賞
頑健な顔姿勢追跡のための状態履歴の記憶に基づくパーティクルフィルタ
三上弾、大塚和弘、大和淳司(NTT)
陰に基づく符号化による未知の反射特性・光源方向における法線推定
岡部孝弘(東大)、佐藤いまり(NII)、佐藤洋一(東大)
・学生優秀論文賞
音と映像の相関分析に基づく移動音源特定
劉玉宇、佐藤洋一(東大)

この他に、インタラクティブセッション賞3件、デモセッション賞1件を表彰した。

(2)6月研究会の際に、International Workshop on Recent Trends in Computer Vision(ICCV2009プログラム委員会主催)を共催した。ICCV2009のプログラム委員会エリアチェアを務める21名の国際的な研究者による講演があった。

3.総 括

 研究会発表に対するコメント制度、卒論セッション/D論セッション、研究会推薦論文制度など、研究者育成の活動を重視してきた。また、研究会論文誌は、印刷冊子による発行を休刊とし、英文オンライン出版による IPSJ Transactions on Computer Vision and Applications(CVA)として、2009年2月より創刊している。これと共に、研究会報告書の電子化を行い、出版物の完全オンライン化に移行した。オンライン化は最初は不慣れなところもあったが、順調に進んでいる。
なお、平成21年度には、コンピュータビジョンにおける最高峰の国際会議であるInternational Conference on Computer Visionが京都で開催され、CVIM研究会としても、準備段階から協力、貢献をし、日本のコンピュータビジョン界の更なる活性化・国際化をに向けて大きな一歩を踏めたと考えている。

4.その他

 22年度は、5回の研究会開催とMIRU2010の共同主催を予定している。2009年6月の第167回研究会でのIWRCの共催、ICCV2009の後援は、研究会会員にとって大きな刺激になった。今後も、このような国際的な催しに積極的に参画していく予定である。

  • 2009年9月 「学習・最適化」
  • 2009年11月「一般物体認識・画像特徴量」
  • 2010年1月 「クロスモーダル」

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◆コンピュータと教育(CE)研究会

[主査:中森眞理雄、幹事:兼宗 進、高岡詠子、中野由章、西田知博、坂東宏和 ]

1.定例の研究会活動報告

 第99~103回の研究発表会を、順に静岡県立大学、東京大学、大阪市立大学、広島大学、筑波大学で開催し、発表総数は75件であった。前年とほぼ同数の発表件数であり、後述のシンポジウムも含め、安定した研究発表活動が行われていると言える。第100回研究発表会では、歴代の主査全員によるパネル討論を企画した。
研究としては、高等学校「情報」、eラーニング、教育・学習支援システムや教材コンテンツに関する研究、教育現場の環境を高度化する研究、教材やシステムに意味論的な視点を持ち込む研究、などが盛んに発表された。また、高等学校「情報」に関しては、実際の教育実践内容や教科書などの実際的な分析に関心の重点が移ってきており、さらにこれらを意識しながら大学教育を考える傾向も強まっている。

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 平成20年8月19日~21日に「情報教育シンポジウム SSS2008」を国民宿舎虹の松原ホテル(佐賀県唐津市)で開催した。本シンポジウムは、"情報教育"に関わる三つの立場である教育、研究、教具教材開発に携わる人々が、立場の境界を越えて語りあうという趣旨で開いたものであり、初回のSSS99以来、熱気のこもった合宿型研究発表会となっている。88名の参加者があり、30件の質の高い研究発表が行われ、夜遅くまでの議論が続いた。今回はポスターセッションの運営を工夫して、盛り上げた。また、デモンストレーションの時間を一般発表とは別に確保し、熱心な討論が行われた。

3.総括

 当研究会は、情報の本質を理解し、教育の実践をしっかりと視野に捉えながら情報教育の可能性を探ることにより、情報教育に関連する学界と教育界へ寄与することを目的としている。近年の活動により、初等中等教育から高等教育にわたる情報教育に関係する様々な立場の方々の間に、教育という側面から情報の本質に関わる議論ができる場としての認知度が高まっている。最近では、6年前から増え始めた「初等中等教育における情報教育」の報告が、実際の教材や教授法研究とともに、「大学などにおける情報教育との接続」を視野に入れた研究発表の増加へと発展しており、今後の充実が期待される。

 研究会発表論文の質の向上のために、本学会論文誌の「教育」特集号を平成21年10月に発行した。引き続き、平成22年10月発行予定の論文誌「教育」特集号を企画し、現在、査読・編集作業が進行中である。

4.その他

 運営委員会委員として研究会運営に主体的に参加・協力する研究者を募った結果、運営委員会への出席、研究会発表の推進、シンポジウムや他の活動への積極的な寄与、などが活発となり、研究会としての主体性が確立された。また、全国大会やFITなどの学会全体の活動への対応も定着している。今後も、運営委員会のさらなる質的・量的充実をはかってゆく予定である。

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◆人文科学とコンピュータ(CH)研究会

[主査:後藤 真、幹事:鈴木卓治、関野 樹、三宅真紀、上地宏一 ]

1.定例の研究会活動報告

 第82-85回の研究発表会を5月,7月,10月,2月に開催した。発表件数は42件であった。
第83回研究会では、人文地理学会歴史地理研究部会と共催のもとシンポジウム形式で開催し、多くの発表を得ることができた。発表内容は下記のように、人文学の広い分野にわたり、それぞれの課題について、コンピュータが人文学研究に有機的に利用されている事例が報告された。(じんもんこんシンポジウムを含む)

  • 宗教学・哲学(仏教経典のデータベースなど・西洋宗教文献の分析)
  • 歴史学(東洋学を中心に)
  • 考古学(遺跡のGISによる分析など)
  • 文字(文字や文字コードをキーワードにした情報科学と人文科学と融合的視点に立った研究)
  • メディア
  • 時空間情報論(GIS、古地図情報の活用、時空間データベースなど)
  • 地理学(地名データベースの構築と課題)
  • 語学(大規模コーパス等情報技術を駆使した日本語学研究への応用)
  • 教育学(教育学におけるデジタル技術の応用)
  • デジタル復元複製論(デジタル技術を駆使して失われた遺物の姿、色、形等を人文科学的根拠もふまえて復元、複製する試みおよびそのために必要な技術論。)
  • 舞踊・民俗芸能のモーションキャプチャリングと分析(舞踊の専門家との協業によるものが多い。また、今年度はおよび心理学的な立場からの問題設定も見られた)
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 人文科学とコンピュータシンポジウム(じんもんこん2009)を12月に2日間にわたって開催した。(開催地:滋賀県草津市(立命館大学))共催:文部科学省グローバルCOEプログラム・『日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点』(立命館大学)・『歴史都市を守る「文化遺産防災学」推進拠点』(立命館大学)
実行委員長:八村広三郎、プログラム委員長:相田満。
発表件数は55件であった。「デジタルヒューマニティーズの可能性」というテーマを設定し、論文概要の査読を実施して発表の質の向上を図った。シンポジウムでは、デジタルヒューマニティーズという国際動向と、「人文科学とコンピュータ」との関連を注視し、国外からの招待研究者も交えた議論を行った。

3.総括

 研究会はペーパーレスになった段階で、はっきりと「困難な時期」に入ったといえる。共催事業を除く研究会での発表件数は目に見えて落ち込み(第84・85回研究会はわずかに6件の発表にとどまった。一方、冊子を発行しているじんもんこんシンポは前年と同程度の発表件数と、投稿件数を維持している)、今後の会の存続すら危ぶまれる危機的状況にあるといえる。中間領域である本研究会の位置づけと、紙が本質的に不要な時代が来るのかなどをもう一度見つめなおす段階にあるといえる。

4.その他

 平成22年度も4回の研究発表会とシンポジウム1回を実施する。ペーパーレスにおける厳しい状態をどのように脱却するのか。今後、研究会の存続自体を含め、今後の方向性をシビアに決断する時期に来ているといえる。

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◆音楽情報科学(MUS)研究会

[主査:後藤真孝、幹事:大島千佳、菅野由弘、西村拓一、平井重行]

1.定例の研究会活動報告

 

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 

3.総括

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◆音声言語情報処理(SLP)研究会

[主査:河原達也、幹事:中野幹生、庄境 誠、滝口哲也]

1.定例の研究会活動報告

 第76回~第80回の研究発表会を開催し、2件の招待講演を含めて合計118件の発表が行われた。

  • 第76回 (5月 東工大;発表24件,参加者113名): NL研と共催のため、言語処理に関連した発表が中心となった。また、SLP研の主導で、Webテキスト処理技術に関するパネル討論を行った。半数強を学生セッションとし、参加者の投票に基づいて研究会最後に2件の発表に対して選奨を行った。
  • 第77回 (7月 福島 飯坂温泉;発表25件,参加者70名): 初めての試みとして、信学会SPと同時並列開催とした。音響モデルの機械学習に関するレビュー・討論セッションの他、「音声情報処理の将来を考える」セッションも企画した。
  • 第78回 (10月 早大;発表11件,参加者85名): 音声技術の実用化に重点をおいた「音声言語情報処理技術デベロッパーズフォーラム」として、企業関係者の講演・パネル討論を中心に実施した。
  • 第79回 (12月 東大;発表41件,参加者106名): 信学会SPおよびNLCと連立開催で「音声言語シンポジウム」として開催した。古井貞煕先生、片桐恭弘先生の招待講演に加えて、「音声認識研究に何が必要か?」というパネル討論を行った。信学会側の参加者との合計は200名近くに達した。
  • 第80回 (2月;神戸 須磨温泉;発表17件,参加者57名): 人工知能学会
    SLUD研との同時並列開催とした。合同で、「音声対話研究の今後を考える」パ
    ネル討論、音声コーパス紹介セッションを行った。合計参加者は75名であった。
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 平成21年度は実施なし。

3.総括

 前年度から毎回テーマを決めて、レビューやパネル討論を行っており、研究会の存在意義を高めるように努めている。このような企画を積極的に行うとともに、関連学会・研究会との連携を強めた結果、毎回70名以上の参加者があり、非常に盛況であった。

4.その他

 ペーパレス化により登録会員数が大幅に減ることを危惧したが、登録費の大幅値下げと、毎回の参加者数の増加に努めた結果、前年度並を維持することができた。ペーパレス化にも、1年経過してようやく慣れたものと思われる。

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◆電子化知的財産・社会基盤(EIP)研究会

[主査:亀山 渉、幹事: 一戸信哉、橋本誠志、塩野入理 ]

1.定例の研究会活動報告

 今年度は第44回から第47回の研究発表会を開催した。

  • 第44回:2009年6月5日(金):早稲田大学 西早稲田キャンパス(東京都新宿区)
    発表14件(内招待講演1件):電気通信学会 技術と社会・倫理研究会(SITE)と連催
  • 第45回:2009年9月12日(土):新潟大学 駅南キャンパス(新潟県新潟市)
    発表6件(内チュートリアル講演1件)
  • 第46回:2009年11月26日(木)-27日(金):呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)(広島県呉市)
    発表33件(内招待講演1件):DPS研究会、GN研究会と合同
  • 第47回:2010年2月19日(金):大阪市立大学 梅田サテライト(大阪府大阪市)
    発表12件(内招待講演1件、ポスターセッション5件)

 昨年度に引続き、関連分野との連携を深めるために、STEとの連催(第44回)、DPSおよびGNとの合同(第46回)の研究発表会とし、活発な議論を行った。また、第47回は、2009年4月に急逝され、運営委員や幹事としてEIPに多大な貢献をされた中野潔先生への追悼の意味を込め、中野先生が特に研究されていた「社会情報学・情報社会論・知的財産・コンテンツ論・安全学」の領域に関する研究報告を集めたセッションを設けて開催した。

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 マルチメディア、分散、協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2009、2009年7月8日(水)から10日(金)、大分県別府温泉「杉乃井ホテル」)に参加し、ソーシャルコンピューティングの分野を担当した。

3.総括

 今年度も、共催の研究会も含めて、著作権や社会情報学など、そのときの話題やテーマに関連するスピーカに依頼して招待講演を行った。
運営委員会は、次年度の計画や体制などについてメールベースで意見交換を行い、方針を立てていった。次年度の体制については、多くの委員が任期満了等で交代することになるが、ノウハウの共有を図るとともに、新たなメンバを加え、また、幹事を一人増やし、今後の運営がスムーズかつ活発に行えるようにしていく。

4.その他

 今年度、研究会推薦論文として1件が論文誌に採択された(山川智彦「社会・法政策の視点から見た情報セキュリティインシデント対応」(情報処理学会論文誌51巻4号 pp.1248-1256))。
また、関連他分野から多くの研究者や学生の参加を募り、更なる研究会活動の活性化を目指していく予定である。詳しくは http://www.eip.or.jp/ をご覧頂きたい。

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◆ゲーム情報学(GI)研究会

[主査:田中哲朗、幹事: 岸本章宏、橋本 剛、ライエルグリンベルゲン]

1.定例の研究会活動報告

 第22回研究会を2009年6月26日(金)に岩手県立大学にて開催した。発表件数は8件で、将棋、オセロ、ブロックスデュオのボードゲームなどを題材とし、評価関数の学習、モンテカルロ法をベースとした探索など、発表内容は多岐にわたった。特に、発売されたばかりの「どうぶつしょうぎ」を完全解析して後手78手勝ちであることを証明した発表は注目を集めた。

 第23回の研究会は2010年3月8 日(月)に東京大学にて開催した。発表件数は9 件で、将棋、囲碁等の完全情報ゲーム以外にも大貧民、コントラクトブリッジ等の不完全情報ゲームの発表もあり、多数の参加者があり盛会となった。

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 本研究会主催の第14回ゲームプログラミングワークショップ(GPW2009)を2009年11月13日(金)-15日(日)の3日間の日程で箱根セミナーハウスにて開催した。87 名の参加者、27件の一般発表(口頭発表16件、ポスター発表11件)が集まり盛況であった。このワークショップは1994年からほぼ毎年開催されているゲームプログラミング全般に関する我が国最大の学術研究集会である。当該分野の研究者らが合宿形式で一同に会し、時間に拘束されずじっくり討論できる貴重な機会となっている。

 一般発表以外に、2009年度の世界コンピュータ選手権で優勝した将棋プログラム「GPS将棋」の作者の一人の金子知適氏、「e-sports」というビデオゲームの競技化に取り組んでいる松井悠氏2件の招待講演を企画した。最先端で活躍する研究者と身近に討論出来る機会もあり非常に有意義なワークショップとなった。

3.総括

 本研究会は発足後11年が経過し、関係者の発表の機会を与えるものとして十分に定着してきた。発表の内容を見ると、将棋や囲碁などの伝統的なゲームを題材にしたものだけでなく、ブロックスデュオ、大貧民など、新しいゲームやパズルなど新たな拡がりがある。これらの研究テーマは、これからの情報処理技術にとって重要な貢献を果たすと考えられ、さらなる発展が期待される。

4.その他

 平成22年度も6月と3月に研究会、11月にゲームプログラミングワークショップの開催を予定している。コンピュータ将棋の実力がトッププロを超える日は遠くないと思われており、その関係でも平成22年度中の盛り上がりが期待される。

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◆エンタテインメントコンピューティング(EC)研究会

[主査:稲見昌彦、幹事:加藤博一、倉本 到、山下 淳]

1.定例の研究会活動報告

 第13~15回研究発表会を開催した。

  • 第13回: 2009年 5月22日、於 筑波大学春日キャンパス (発表 7件) 
    招待講演にゲームデザイナー小林氏を招き、特に身体性とエンタテインメントの関係についての研究発表が主として行われた。
  • 第14回: 2009年 8月21日~22日、於 指宿温泉旅館「吟松」(発表 7件)
    エンタテインメントの今後を議論するメタ研究会として実施された本研究会では、EC要素技術およびその応用分野を概観しながら、これからのEC研究の方向性が議論された。 
  • 第15回: 2010年 3月12日~13日、於 東芝科学館 (発表 29件)
    電子情報通信学会MVE研究会、日本VR学会SIG-A+Eとの連催で実施され、メディアアートに関する要素技術やその応用、インスタレーションに関する研究発表が行われた。 
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • エンタテインメントコンピューティング 2009(協賛)
    2009年 9月16日~18日、於 東京大学(発表 55件、デモ 34件)
    芸術・ゲーム・音楽等、幅広いエンタテインメント領域における専門研究を包括的に議論できる場として、多彩で広範な視点から EC 研究を俯瞰する良質な機会であった。
  • インタラクション2010 (協賛)
    2010年 3月 1日~ 2日、於 学術情報センター(発表20件、デモ105件)
    インタラクション技術はECと密接な関係にある研究分野であり、その切り口からの諸研究分野の研究を横断的に体感することのできる良質な機会であった。
3.総括

 ECは情報科学の多くの分野と関係が深い研究領域である。そこで、関連する諸研究会との連携を深めることで幅広くECとそれに関する研究発表の場を提供することを目指す一方で、メタ研究会に代表されるEC研究そのものの深化を図ることを実践してきている。
本年度は特に、研究会のみならず、数多くの研究が集まるシンポジウムやワークショップの運営への参画も積極的に行うことを計画し、インタラクション2010への参加など、その段階を踏み出しつつあり、今後もこの方向ので活動を推し進める。

4.その他

 EC研究の社会還元の観点から、企業や企業による諸団体との連携を検討している。また、広くEC研究分野を知らしめるため、特に学生向けとしてEC研究やその活動を広報するニューズレターの発行を積極的に行うことを検討している。
さらには諸研究会・諸学会との連携を深め、EC研究分野のすそ野を広げ、研究分野の活性化を目指す。

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◆バイオ情報学(BIO)研究会

[主査:主査:五斗 進、幹事:渋谷哲朗、関嶋政和、竹中要一]

1.定例の研究会活動報告

 平成21年度は以下の通り、第17-20回の研究発表会を開催した。

  • 第17回研究会
    5月25日-26日 沖縄科学技術研究基盤整備機構シーサイドハウス 発表件数11件(招待講演1件を含む)
    電子情報通信学会ニューロコンピューティング研究会との共催で、沖縄科学技術研究基盤整備機構の Dr. Jonathan Miller に「Colossal ultraconservation and super-colossal ultraconservation」の招待講演をお願いした。
  • 第18回研究会
    9月17日-18日 北海道大学学術交流会館 発表件数12件
  • 第19回研究会
    12月17日-18日 電気通信大学総合研究棟 発表件数7件(SIGBIOとしての申し込み分)
    第76回数理モデル化と問題解決研究会との共催である。
  • 第20回研究会
    3月4日-5日 北陸先端科学技術大学院大学 発表件数13件
    人工知能学会分子生物情報研究会(5日)、オープンバイオ研究会(6日)と連続開催である
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 平成21年度は実施なし。

3.総括

 平成21年度は、沖縄、北海道、東京、北陸で研究会を開催し、毎回開催地に近い研究機関の担当運営委員によって良好な運営が行われている。発表件数も、17年度38件、18年度51件、19年度45件、20年度47件、21年度は43件と安定しており、幅広いテーマに関する発表と、活発な議論が行われている。英文トランザクションIPSJ Transactions on Bioinformaticsの掲載数は若干減少傾向にあるため、論文募集を積極的に進めている。昨年度から設けたSIGBIO論文賞とSIGBIO学生奨励賞の審査を今年度も実施した。1件の論文賞と2件の学生奨励賞を選定し、第20回研究会で表彰を行った。

4.その他

 平成22年度は琉球大学、産業技術総合研究所、九州大学、京都大学の順番にて4回の研究会を開催する予定である。

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◇ネットワーク生態学(NE)研究グループ

[主査:林 幸雄、幹事:小島一浩、風間一洋、金光 淳]

1.定例の研究会活動報告

* 会合名:第6回ネットワーク生態学シンポジウム
日時:2009年12月17-18日
場所:産業技術総合研究所
協賛:数理社会学会
http://www.jaist.ac.jp/~yhayashi/8th_webology/index.html

参加者は、招待講演者3名(うち海外1名)、パネリスト4名、産総研内5名、一般47名、学生33名の計92名。
収支としては今回約29万円ほどの赤字となったが積立金で補充した。
下記の特別セッションに加えて、一般講演15件とポスター発表16件が行われ大盛況であった。

 特別セッション
* 特別講演:
司会:林幸雄(北陸先端科学技術大学院大学)
今野紀雄氏(横浜国立大学大学院工学研究科)
タイトル: 複雑ネットワーク科学のこれまで、そしてこれから

* オーガナイズド:SNSによる地域活性化とコミュニティソリューション
司会:田中敦(山形大学大学院理工学研究科)
和崎宏氏(インフォミーム(株)代表取締役)
招待講演: ICTによるまちづくりツールの構築 -地域SNSひょこむの実践-

パネル討論: SNSはどのようなコミュニティを創りだすのか
パネリスト:和崎宏氏(同上), 七條達弘氏(大阪府立大学経済学部),
吉田等明氏(岩手大学情報メディアセンター), 友知政樹氏(沖縄国際大学経済学部),
鳥海不二夫氏(名古屋大学大学院情報科学研究科)

 * 基調講演(Keynote Speech):
司会:金光淳(京都産業大学 経営学部)
Prof. Galaskiewicz 氏(University of Arizona)
タイトル: Network Approaches to Studying Organizational Behavior:
The Past, The Present,and the Future

 また、参加者による投票の結果、以下の2件が優秀賞として選ばれた。

 * 一般講演: 趙亮氏(京都大学)「On an edge-dominating problem in networks」
* ポスター: 佐藤倫太郎氏(東京都市大学)「Bak-Sneppenモデルと相互作用ネットワーク構造」

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 上記の報告通り。

3.総括

 経済状況の悪化から参加費を極力抑えて、海外招待講演者の旅費宿泊費等にも充当したが、過去の積立金が未だ残っており、活動経費的に余裕がある。
ちょうど2日間の開催に収まるよう、年1回の開催が参加者数や発表件数の観点で安定してきているので、引き続き同様に行う。但し、試験的に12月開催を試みたが、多くの大学関係者が学務等で都合が付かない等、時期的には問題があることが分かった。
次回は、2011年3月中旬頃に第7回ネットワーク生態学シンポジウムを山形近辺で開催する予定。

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