※2015年10月より論文査読管理システムをPRMSよりScholarOne Manuscripts(S1M)に移行いたしました。
以下の「(PRMS)」の記述は「(S1M)」にお読み替えください。

論文査読の手引き

1985年6月1日制定
2012年4月2日改訂(11)

一般社団法人 情報処理学会
論文誌ジャーナル編集委員会

本手引きは、論文誌ジャーナル編集細則第21条に基づき、査読報告書の書き方、論文査読に対する基本的な考え方、論文査読のプロセス、について定めたものである。査読者は、「論文査読に対する基本的な考え方」「論文査読のプロセス」を参考に査読を行った後、「査読報告書の書き方」に従い、査読結果の報告を行う。

査読報告書の書き方

1. 査読報告期限:原則として4週間以内に報告を行う。

2. PRMS「査読結果入力」の記入要領
査読者用のPRMSマニュアルは以下に用意している。
*査読のための論文査読管理システム(PRMS)手引き 査読者編
(1)<著者への理由説明>はそのまま著者に送るため表記上の配慮を行う。
(2)<査読結果>については、割り切って結論を断定的に下し、取り扱いは編集委員会に任せるといった判定は避ける。条件付採録は原則として1回とし、その後の再提出論文の扱いについては原則として採録または不採録と結論を下す。なお、条件付採録は論旨が部分的に不明な場合、あるいは錯誤と思われる箇所についての問合せに留める。大幅な書き直しを伴う条件付採録は避ける。
(3)評価項目は新規性、有用性、正確さ、構成と読みやすさ、本学会との関連の5項目で、該当するものを選択する。総合評価は、総合評価で3以上が採録の目安となる。
(4)<積極的に評価すべき事項>、<問題点>、<特記事項>に必要事項を記入する。<特記事項>欄には、論文の総合評価が4以上の場合で、論文賞の候補にふさわしいと思われる場合などに、その旨記載する。その他、特に編集委員会へ伝えたい事項があれば記載する。
(5)<査読結果>で、「採録」または「条件付採録」とした場合、著者への理由説明を入力する。
(6)<査読結果>で、「不採録」と判定した場合、「不採録理由」の該当する項目を選択する。さらに、その理由の説明を詳細かつ具体的に示す。たとえば、既発表であれば、文献を明示し、誤りがある場合は具体的に指摘するなど、単に「くだらない」とか「ほとんど自明」というだけの理由の説明は避ける。

3. 編集委員会では複数の査読結果に基づいて、投稿論文の最終的な取り扱いを決定する。最終決定が報告内容と必ずしも同じでないこともあり得る。

論文査読に対する基本的な考え方

1. 論文誌ジャーナルの発行は2つの意味を持つ。
(1)会員に有用な情報を提供する。
(2)会員に研究発表の場を提供する。
(2)の意味からすれば、すべての投稿論文を掲載すべきであるが、(1)の意味からすれば、何でも掲載するというわけにはいかない。したがって、(1)、(2)のバランスをとるために査読を行う。

2. 査読のポリシーについて
『石を拾うことはあっても玉を捨てることなかれ』
査読は基本的に加点方式で行う。具体的には以下のポリシーに従う。
(1)論文に関して大切なもののひとつにオリジナリティがある。第1回目の査読では、どのように修正すればオリジナリティを明確にできて、内容が分かりやすくなり、採録されるかを、責任をもって具体的に示す。
(2)論文の価値は最終的に社会が決めるので、その分野における学術上の議論を活性化する可能性があるものであれば積極的に採録とする。

3. 学問・技術の進歩が速い今日、迅速な査読は、読者に対するサービス、著者に対するサービスのいずれの観点からも絶対に必要である。迅速な査読を促進するために、特に以下の点に配慮すべきである。
(1)前項2. の考え方で割り切り、結論は断定的に下す。査読は、データやすでに公知となっている論文の引用に基づき行うことが大前提である。報告書を書く際は、査読者の記述事項がデータやすでに公知となっている論文の引用に基づいたものか、自分(査読者)の意見なのかが明らかに分かるように記述する。
(2)見解の相違が残る場合には、査読者という立場を離れて誌上討論等で問題を提起すべきである。

4. 論文の長さについて
(1)刷上標準ページ数は8ページとする。長いものでも内容があれば、掲載の機会を与える方向で判断する。
(2)短くても論文として完全度が高ければ、採録とする。

5. 二重投稿について
(1)論文誌編集規程第4条1項に定める通り、投稿原稿が論文審査を伴う刊行物に投稿中の論文と内容が同一の場合、二重投稿とみなし不採録とする。
(2)論文誌編集規程第4条2項に定める通り、学会等が発行する学術雑誌にすでに掲載あるいは採録された論文と内容が同一の場合、二重投稿とみなし不採録とする。なお、研究あるいは開発成果発表の最終形態は学術雑誌の論文であるとの考えに基づき、途中経過報告として認められた論文については、二重投稿とはみなさない。ただし、著作権上問題がない原稿の投稿に限る。
(3)前項に関して、本学会の主催・共催を問わず、全国大会、研究発表会、シンポジウム、国際会議等へ発表された論文は、本論文誌では基本的に途中経過報告とみなす。ただし、主催者が途中経過報告と認めない場合はその限りではない。また、本論文誌に掲載されたテクニカルノートを発展・充実させ投稿した場合には、掲載されたテクニカルノートは途中経過報告とみなす。
(4)論文誌編集規程第5条に定める場合には、二重投稿の例外となる。

6. 英文論文については、採録決定後、外国人に英文のチェックを依頼するが、学術的な観点で英文について気づいた点があれば指摘する。なお、JIPへの投稿論文の査読に関しては、新しくJIPの査読マニュアルが改訂された場合にはそれに準じて査読を行う。

論文査読のプロセス

1. 編集委員会は、投稿論文に対して2名の査読者を割り当てる(メタ査読者が内諾を得た2名の査読候補者に事務局が査読依頼をする)。

2. 査読者は原則として4週間以内に、採録、条件付採録、不採録のいずれかの判定を行い、PRMSにより査読報告書を事務局に報告する。

3. 査読者の少なくとも一方またはメタ査読者が、著者への照会の必要性を認めている時、メタ査読者は事務局を経由して、採録の条件を著者に送る(この際、条件付採録の真意に関して、メタ査読者が査読者に問合せを行うことがある。その結果、照会の必要性がないと査読者が判断し直した時は、採否の最終判断を報告する)。事務局は、著者から照会済み原稿と回答書の再投稿があれば、メタ査読者と2名の査読者に再査読を依頼する。査読者は、4週間以内に採録または不採録の再査読報告を行う。事務局は再査読結果をメタ査読者に連絡する。この際、すでに採否の判断を出していた査読者の判断の変更も認める。4週間以内に査読報告がない場合は、前回採録または不採録と判定した査読者に限り、先の判断に変更なしと判断する。

4. 2名の査読者からの報告に基づき、2週間以内にメタ査読を行い、事務局に結果を報告する。この際、2名の査読者の査読結果の内容を両者に示し、再度意見を求めることができる。その結果、査読者は、先の査読結果を変更することが可能である。メタ査読は、単に2つの評価の平均をとるのでなく、両査読者の意見を参考にしつつ、自身も査読を行い、総合的に判断を下す。この際、結論が両査読者と異なることもあり得る。
上記3.、4. の処置を行う際、処置記録を作成し、判断を示す。処置記録入力の際、事務局または編集委員会で判断に迷うような曖昧な記述は避ける。ただし、メタ査読者は、2回目の処置記録を書く過程で、査読者から受け取った査読結果あるいは自らの査読結果の判定が「採録」であり、そのコメント(あるいはその一部)を最終稿に反映することが論文を採録する上で必須であると判断した場合には、例外的に、著者に対し2回目の照会を行い、その結果をもとに処置記録の作成を行うことができる。この際、著者による再改訂版の作成は原則として2週間以内、メタ査読者による処置記録の作成は原則として1週間以内とする。

5. メタ査読者は原則として採否の判断を下さなくてはならないが、特別な場合として判断不能の場合には、グループ主査と相談して、第2メタ査読者を選び、査読を依頼することができる。逆の場合として自身が他論文の第2メタ査読者として選定されることもあり得る。第2メタ査読者は依頼後2週間以内にメタ査読者と意見を交換し、2名の意見を集約したメタ査読を行い、メタ査読結果を報告する。第2メタ査読者は原則として著者への照会は行わない。

6. その後の処理は以下の通り。
全員の意見が採録で一致した場合には、原則として採録だが、最終判定は編集委員会で行う。
全員の意見が不採録で一致した場合には、原則として不採録だが、最終判定は編集委員会で行う。
2名の査読者の意見が割れた場合、原則としてメタ査読者の判断を採用し、最終判定は編集委員会で行う。
2名の査読者の意見が同じで、メタ査読者の判断がこれと異なる場合には、編集委員会で議論して判断する。原則として、メタ査読者の判断を尊重するが、特に、さらなる査読が必要と判断された場合には、第2メタ査読者を選び、査読を依頼する。その後の処理は5. と同じ。

追記事項 上記3. および5. のフローは2回以上通過しない。