製造業の実力と輸出で世界から一目おかれるドイツが第四次産業革命を政策に掲げた「インダストリー4.0」を打ち出してから早や4年、日本では昨年あたりから経済界のドイツをみる目が変ってきた。産業の現場を舞台としたソフトウェアに自信を持つドイツは、その情報技術と得意の製造技術を結合して、ポストIT時代における産業や社会の在り方を構想し、そのために求められる企業(経営と製造の両面)、産業界、教育、社会の運営システムの革新を目指して、政府、産業界、学界が一体となった取り組みを始めている。本セミナーでは、我が国の専門家とドイツの関連企業より講師を招き、ドイツの「インダストリー4.0」について、その発想、政策立案と産業界の関係、技術面での挑戦と課題、標準化の進展、我が国へのインパクトなどについて、「インダストリー4.0」の持つ歴史的意義について、議論を深めることとしたい。
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コーディネータ:永野 博(国立研究開発法人 科学技術振興機構 研究開発戦略センター 特任フェロー)
【略歴】慶應義塾大学工学部及び法学部卒。科学技術庁(現・文部科学省)に入り、ミュンヘン大学に留学後、政策の分析・立案、国際関係、若手研究者支援などの仕事を担当。在西独大使館、鹿島建設㈱、政策研究大学院大学などにも勤務。昨年5月、文部科学省技術参与に就任。国際活動としてはOECD(経済協力 開発機構)グローバルサイエンスフォーラム議長を務める。近著に「世界が競う次世代リーダーの養成」(近代科学社) |