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2000年前後のウェアラブルコンピュータブームは、人々に広く受け入れられるまでには至らず一過性のものであった。しかしながら、その後のデバイスの小型軽量化、ユーザインタフェース、クラウドコンピューティングなどの技術の進展に伴い、再びウェアラブルデバイスが注目されている。
一方、身体に装着(携帯)したセンサを用いて、ユーザの状況や行動を捉えようとするウェアラブルセンシング技術は、ウェアラブルコンピュータブームの後も、着実な進化を遂げてきた。世界的な人口増加・高齢化、生活習慣病罹患者増などの背景の下、ウェアラブルデバイス、ウェアラブルセンシング技術のヘルスケア応用が期待されている。
本講演では、ウェアラブルコンピュータブームから現在に至るまでのウェアラブルセンシング技術の進化を、具体的な研究開発事例を交えて解説すると共に、今後期待されるヘルスケア応用の方向性について議論する。

講師:
大内 一成(株式会社東芝 ヘルスケア社 ヘルスケア開発センター ウェアラブルセンシング担当グループ長)
【略歴】1998年早稲田大学大学院理工学研究科物理学及応用物理学専攻修了。同年株式会社東芝入社。現在、株式会社東芝 ヘルスケア社ヘルスケア開発センターウェアラブルセンシング担当グループ長(兼 ヘルスケア医療推進部 ライフサイエンス部参事)、兼 研究開発センターインタラクティブメディアラボラトリー主任研究員。ウェアラブルセンシングによる状況認識技術とヒューマンインタフェースの研究開発に従事。2012年度長尾真記念特別賞、2012年度山下記念研究賞等を受賞。本会ユビキタスコンピューティングシステム研究会幹事、若手研究者の会IE領域幹事。人間情報学会理事。