2016年度功績賞受賞者の紹介

中田 登志之 君 (なかた としゆき)

中田 登志之 本会シニア会員中田登志之君は永年にわたり,並列分散処理システムの研究開発に携われてこられてきました.
 京都大学の修士課程から博士後期課程(1981年〜1985年)において,VLIW制御計算機とQA-1,QA-2のアーキテクチャに関して,研究を行われました.1985年に日本電気株式会社に入社されて以来,並列計算機システムCenju,Cenju-II,Cenju-3,Cenju-4の研究開発に携われました.Cenju/Cenju-IIの経験を元に,Cenju-3,Cenju-4はNECで製品化され,国内および海外数カ国で多様な研究者に活用されました.また,Cenju-3上では並列プログラミング言語のデファクトとなるMPI(Message Passing Interface)の研究にも携わり,並列プログラミングライブラリの実用化の一端を担われました.その後,RWCPプロジェクトでの並列分散環境の研究,ビジネスグリッドコンピューティングプロジェクトへの参画などの大規模分散計算システムの研究に携われました.後者の成果の一つのWS-Agreementに関しては標準化にも携わり,寄書の著者のうちの1名になられています.2015年に東京大学に移られてからは,IoT/CPSシステムなどの分散システムの研究に携われています.この間,主にQA-2とCenju関連の論文で,昭和61年度本会論文賞,本会30周年記念論文入選,平成2年度元岡賞,平成4年度本会坂井特別記念賞を受賞されています.
 本会においては1998年〜2001年の間,計算機アーキテクチャ研究運営委員会 幹事に携わられ,2015年はDICOMOの実行委員長を務められました.さらに総務担当理事(2002年度〜2003年度),企画担当理事(2008年度〜2009年度),副会長(2013年度〜2014年度)を歴任され,本会の会計基盤の立て直し,実務者向け活動の強化並びに会員サービス向上に貢献されています.
 以上のように,同君が並列分散システムの学術および産業の振興,並びに本会の活動の発展に尽くした功績はまことに顕著であります.

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