2017年度マイクロソフト情報学研究賞の表彰



松谷 宏紀 君(正会員)

「チップ内からデータセンタ規模に至るマルチスケールな相互結合網の研究」

2008年慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程修了. 博士(工学)取得. 2009年より日本学術振興会特別研究員SPDとして東京大学大学院情報理工学系研究科に所属. 2011年より慶應義塾大学理工学部専任講師, 2017年より同准教授, 現在に至る. 2013年より2017年までJSTさきがけ研究員を兼任. コンピュータアーキテクチャ, ビッグデータ処理に関する研究に従事. 情報処理学会山下記念研究賞(2007年), 同論文賞(2008年), 船井研究奨励賞(2010年), ASP-DAC'13 Best Paper Award, ACM Recognition of Service Award(2018年)等を受賞.

[推薦理由]
マルチコアプロセッサの普及と, 大規模データセンタにおけるクラウドコンピューティングやビッグデータ処理が一般化した昨今, プロセッサ同士を結合する相互結合網の重要性がますます増大している. 松谷氏は, チップ内のミクロなネットワークからデータセンタ規模ネットワークに至る様々なスケールの相互結合網の結合トポロジ, ルーティング手法, フロー制御手法, 実装方式, ネットワークスイッチ内計算などを幅広く研究し, それぞれの分野で世界的な業績を挙げて, その性能向上, 低消費電力化, 低コスト化に貢献した. 

 

𠮷田 悠一 君(正会員)

「定数時間アルゴリズムの研究」

2006年3月株式会社プリファードインフラストラクチャー共同設立, 2012年3月京都大学大学院情報学研究科通信情報システム専攻博士後期課程修了, 2012年4月~2015年3月国立情報学研究所情報学プリンシプル研究系特任助教, 2015年4月より国立情報学研究所情報学プリンシプル研究系准教授,  現在に至る. 2012年3月日本学術振興会育志賞, 2017年4月文部科学省科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞. 

[推薦理由]
理論計算機科学において, 「問題が効率的に解ける」とは, 多項式時間アルゴリズムが存在することであると長年考えられていた. しかしながら, 近年のビッグデータ, そして多数の処理を同時に行う場合においては, 多項式時間アルゴリズムでさえスケールしない事例が多々発生してきた. このような状況の元, 1%の「誤差(エラー)」を許容する代わりに, 計算時間が入力サイズによらない「定数時間アルゴリズム」の開発が, 過去15年の間に数多く提案されてきた.  𠮷田氏は, 理論と実用の両面から定数時間アルゴリズムの研究を行い, 数多くの研究成果を挙げてきた. 氏は, 理論面においては有限体上の関数と制約充足問題における長年の未解決問題を完全解決し, 実用面に関しては, 機械学習分野に現れる連続最適化問題において, 定数時間アルゴリズムを利用することで, 実験的に高速かつ精度保証のある手法を開発することに成功した. 

 


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