益田 隆司  君

2005年度(平成17年度)功績賞受賞者の紹介

益田 隆司  君 (ますだ たかし)

本会正会員 益田隆司君は,産業界,大学,そして学会において数々の業績を上げてこられました.昭和40年に株式会社日立製作所に入社し,HITAC5020によるタイムシェアリングシステムの研究開発を通して,仮想記憶管理に関する研究に取り組まれました.そして,統計的手法と実機利用環境で採集したデータとを組み合わせた性能評価研究の方法論を切り開かれました.

  その後,筑波大学,東京大学,電気通信大学に赴任され,オペレーティングシステムおよびシステムソフトウェアを中心とした研究・教育に従事されています.その間,国際会議,国内外の学術誌での論文により,その業績は高く評価されています.この間,本学会からは数度の論文賞を受賞されています。

  同君は教育者としても足跡を残されました.教員を務めた3大学において薫陶を受けた人材が学界,産業界において多数活躍するに至っています.さらに,東京大学においては大学院理学系研究科長および理学部長,電気通信大学においては副学長,電気通信学部長,学長を務められ,研究・教育環境の整備と改革に渾身の情熱をもって取り組んで来られました.

  本会においては,オペレーティングシステム研究会主査,理事,監事,会長を務められました.平成11年度にはフェロー称号を授与されています.会長任期中は,IPSJ Digital Courierの創設による論文英文化の促進,それに,学生会員の重要性の指摘,勧誘と育成の手立てなど,本会の発展に新しい道筋を与えられました.