2021年07月05日版:樋口 毅(総務担当理事)

  • 2021年07月05日版

    「中期計画始動

    樋口 毅(総務担当理事)


     総務担当理事に就任以来1年が経ちました。2020年6月の定時総会と理事会から始まり、以降の理事会や各種委員会もすべてオンラインで開催され、コロナ禍の新入生や新入社員の方々と同じ気持ちを味わっています。今回退任された理事のほとんどの方とリアルにお会いできず、大変寂しい想いをしています。また、生活自体も変わり、改めて分かったことが、通勤は意外と運動になっていたことです。在宅で仕事をするようになると、単に歩く機会も少なくなりました。これはまずいと思い、少し近所を歩くなど運動を始めるのですが、どうにも長続きしません。何か目標を持ってやらないとダメですね。

     さて、情報処理学会は目標を持っています。学会も時代の変化に対応できるように変革していくべきだという考えの下、長期戦略担当理事が中心となって中長期の目標を20年度に立案し、21年度からの5カ年計画で実行に移すことになっています。中期計画は、(1)広く新しい情報処理ユーザのマーケティング、(2)新しい会員層を念頭においた新しいサービスへのチャレンジ、(3)情報システムと業務プロセスの環境整備、の3つの柱で構成されています。そして、以下に示しますように21年度の事業計画に織り込み、始動します。

    (1)広く新しい情報処理ユーザのマーケティング
    委員会体制を見直し、学会活動を外部に発信する「広報」と、外部からの声を聴きマーケティングにつなげる「広聴」を戦略的に推進する「広報広聴戦略委員会」を新設しました。この委員会での議論や検討された施策方針を具体的に進めていくためにCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)を採用し、広報・マーケティング・営業を一貫的な活動として推進していきます。

    (2)新しい会員層を念頭においた新しいサービスへのチャレンジ
    21年度より相互理事制をとり関係を強化します日本IT団体連盟のメンバを、IT産業界アドバイザーとして技術応用委員会に招聘します。そこで、より広範囲なITエンジニアに寄与し得るセミナ、イベント、資格制度にするための検討を開始し、日本IT団体連盟に加盟されている会員様を始めとするITにかかわられている方々へのサービス機会の拡大を目指していきます。

    (3)情報システムと業務プロセスの環境整備
    学会情報システムの見直しに加え、学会業務のニューノーマル対応ならびにDXを推進する「情報システム・DX委員会」を新設しました。これを率いるCDO(チーフ・デジタル・オフィサー)を採用し、基幹システムのクラウド化や財務システムの電子化などを進めていきます。

     今回は皆様に提供しているサービスそのものではなく、そのサービスを生み出す、また生み出したサービスを継続的により良いものにしていくという学会内部の業務変革にかかわる取り組みをご紹介しました。こんなサービスが欲しいなどのご要望があったときや世の中が変わってきているのでサービスをこう変えようと考えたときなどにタイムリーに対応できるような仕組みが回っていることが、会員の皆様にとって参加しやすい学会、役に立つ学会となっていくと考えています。これらの取り組みを通じて、会員の皆様に新たなサービスやより良いサービスを提供し、多くの方に本会のファンになっていただくとともに、新たに会員になろうと考えてくださる方々を増やしていきたいと考えております。