著作権に関するよくある質問

著作権に関するよくある質問


<論文執筆にあたって>

著作権を譲渡しなくもよい「特別な事情」とはどのような場合でしょうか?

依頼記事かつ企業の著者等で、所属企業の事情で著作権を学会に譲渡することが困難である場合などです。その場合は、学会が電子図書館等で公開できるよう「著作権利用等の承諾書(Word)」をお送りください。

引用について教えてください。

著作権法では、著作権者に許諾を得ることなく、公表された著作物を利用することができるいくつかの例外を定めています。
引用はその 1つですが、次の要件を満たすことが必要です。

  • 引用して利用できる著作物は、公表されたものでなければならない。
  • 公正な慣行に合致した引用、たとえば論文において自分の説を正当づけるためなどの必要性がなければならない。
  • 引用する個所がかぎかっこなどで明瞭に区別できること。
  • 自分の論文が主であり引用が従であること。
  • 引用元の著作者人格権を侵害しないこと。
  • 出所の明示をしなければならない。論文の場合であれば引用個所に注をつけ、近いところに著作者名、書名(題名)、雑誌名、ページを表示する必要がある。参考文献で参照しても、本文中の引用個所が特定できないときは、適法な引用とはいえない。

他の出版物に掲載された記事の一部を本文中で引用したいのですが、どのような点に注意すればよいでしょうか?

著作権法で正当な範囲において引用することは認められています。一般に引用するには、

  • 引用の範囲は必要最小限であり、その範囲が明確に分かるようにすること
  • 出典(題号、著作者名、出版社名、掲載雑誌名、版・巻号・ページ数等)を明記すること

などが必要とされています。引用の範囲を超えると思われる場合は、著作権者に了解を得てください。

他の出版物に掲載されている図表(他人のものを含む)をそのまま、あるいは手を加えて自分の論文で使いたいのですが、どのような手続きをとればよいでしょうか?

引用の範囲であれば著作権者に許諾を得ることなく、図の脚注に出典元を明記するだけで利用できます。具体的には図を1、2点程度であれば、一般に引用の範囲と見なされるようですが、絶対ということではありませんので、引用の範囲を超える場合、引用の範囲を超えるかどうか判断がつかない場合は、その図の著作権者の許諾を著者自身で得てください。 [eg. ○○著、○○出版、p.xxの図1より転載]、[eg. ○○著、○○出版、p.xxの図1を元に著者が手を加え作成した]

情報処理学会への記事を執筆しているのですが、記事の中にあるキャラクター商品の写真を掲載したいと思います。この場合、どのような手続きをする必要があるでしょうか?

まず、そのキャラクター商品が著作物であるかどうかを調べる必要があります。著作物であれば、著者自身でその商品を生産・販売している企業、写真の撮影者等の著作権者に許諾を得てください。写真に限らずキャラクターを利用する際は、著作権者の許諾を得てください。

ある講演会の様子を写真に撮り記事の一部として掲載したいのですが可能でしょうか?

講演会の主催者または写真に写っている講演者などに事前に許諾を得ておいた方がよいでしょう。

<自分の論文を利用する場合>(著作者から情報処理学会に著作権移転がなされた著作物に関する場合)

情報処理学会に著作権を譲渡した論文を著者自身が利用する際に届け出が必要な場合と不要な場合があるようですが、その判断基準を教えて下さい。

判断の原則は次のようになりますが、個々のケースで判断に迷うときは届け出することをお勧めします。

(1)著作権規程で著作者の権利として具体的に認めている利用は届け出不要。  
 a)個人(あるいは属する組織やグループ)のWebサイトへ掲載。
 b)研究報告等を論文として他学会へ投稿(著作権返還を求めない場合)。
 c)25%以上変更して利用。
(2)著作権法で認められている範囲の個人利用や教育目的での利用などは届け出不要。
(3)所属する組織あるいは研究助成金の提供者などへの義務としての報告での利用は届け出不要。

注:この報告を受けた組織や助成金提供者によるその研究論文の利用に関しても、常識的な範囲であれば特に制約はありませんが、出典などは明記して下さい。

上記以外で不特定多数の人に公開・配布する場合、および営利目的での利用は原則として届け出が必要。

<まとめ>(掲載誌との差異が25%以下の場合)◎:可能、申告不要 ○:可能だが申告必要 ×:不可

  ジャーナル、トランザクション、デジタルプラクティス、会誌 研究報告、シンポジウム、全国大会
発行日前の複製・配布(電子媒体を含む)
発行日後の複製・配布(電子媒体含む)
所属組織内などでの報告とその報告書の常識的範囲での利用
個人または所属Webサイトでの公開
他学会への論文化投稿 ×
出 版

 

情報処理学会に掲載された自分の記事を複写し、有料または無料の講習会のテキストとして配付することは可能でしょうか?

著作権規程第5条の1により、有料・無料にかかわらず可能です。ただし、[様式A]により事前に本会に申し出る必要があります。

研究会に投稿した研究報告を見た人から、そのテーマに関係のある他の学会へ論文として投稿することを勧められました。このような投稿についてどんな点に注意する必要がありますか?

著作権規程第5条の3にも明記されていますように、このような場合、まったく修正せずに同一のものを投稿されても、本会としてはこれに異議を申し立てたり、その論文を掲載した他学会を訴えたりすることはありません。本会への事前申し出も不要です。

また、その場合に他学会が著作権譲渡を要求するなら、本会に譲渡していただいた著作権を著者に返還する用意もあります。[様式B]により著作権返還の申請を行ってください。

その際、すでに本会が印刷・掲載などしているサービスを継続するのに必要な権利は実施許諾していただくことになります。しかしながら、情報処理学会としてこのような形の投稿を推奨しているわけではありません。25%以上異なっている論文などについては本著作権規程の制約がありませんので、できればその規程を活用されることをお勧めします。

25%以上異なる論文などにはこの著作権規程による制約が適用されないとのことですが、25%以下か以上かはどうやって判断するのですか?

現時点では、情報処理学会として統一的な判定基準はありません。本規程を運用しての経験に基づいて、将来、大多数の会員の納得を得られるような判定基準が作れるかもしれませんが、それまでは著者ご本人の判断に任され、自己申告となります。

情報処理学会に掲載された自分の記事を大学の授業の教材として使用したいのですが、複写して配付してかまいませんか?

著作権法第35条の範囲で利用できます。それを超える場合は、著作権規程第5条の2により、出典を明記したうえで複写・配付してください。ただし、[様式A]により事前に本会に申し出る必要があります。

情報処理学会に掲載された自分の記事を翻訳して出版したいのですが、可能でしょうか?

著作権規程第5条の1により、可能です。ただし、[様式A]により事前に本会に申し出る必要があります。

情報処理学会に掲載された自分の論文を翻訳して他学会の国際会議に投稿したいのですが、可能でしょうか?

研究報告など研究の途中成果とみなされる論文等は、第5条3項により学会に申し出ることなく利用できます。論文誌ジャーナルなどの最終成果物や学会誌の依頼記事については5条2項に基づき新規性を採録の要件としない出版物(単行本、雑誌等)へ収録する場合に限り学会に申し出ることなく利用できます。他学会の国際会議の投稿ルールが新規性を採録の要件としていなければこの要件を満たします。この場合も、初出誌として、論文誌や学会誌について出所を明示することが必要です。

情報処理学会に掲載された自分の論文を社内または学内のイントラネットで公開したいのですが、可能でしょうか?

著作権規程第5条の5により可能です。本会への申し出は必要ありませんが、必ず出典および利用上の注意事項を明記してください。

記載例)論文タイトルページ等に「本論文は著作権者である情報処理学会の許可のもとに掲載しています。ご利用の際は著作権法に従ってください。」などと記載する。

情報処理学会に掲載された自分の論文をネットワーク上で公開したいのですが、可能でしょうか?

著作権規程第5条の5により可能です。ただし、個人または所属のサイトに限ります。本会への申し出は必要ありませんが、出典および利用上の注意事項を明記してください。

所属している組織のWebサイトに掲載しても良いとありますが、所属とはどのような意味ですか?

企業や大学はもちろん、研究グループのようなものも所属組織とみなします。

研究会として研究報告をWebサイトで公開することは可能でしょうか?

研究会は情報処理学会内部の組織ですから、研究会の意志として公開するのであればかまいません。

自分のホームページから情報処理学会のWebサイトへリンクを張ることは可能でしょうか?

可能であり、奨励します。ただし、有料公開のページへのアクセスには認証が必要となりますのでご承知置きください。この場合、事前に本会に申し出ていただく必要はありませんが、本会を不当に誹謗するようなリンクに対しては、本会から削除を申し出る場合があります。

情報処理学会のWebサイトから自分の論文をダウンロードして複製してもかまわないでしょうか?

著作権規程第5条の1により、可能です。第5条の5により、公衆送信を行うことも可能です。ただし、複製して配布する場合は事前に本会への申し出[様式A]が必要です。

自分または会社のWebサイトで自分の論文を一般公開した場合、第三者がその論文をダウンロードできるようにしてもかまわないでしょうか?

社内などの閉じられた範囲であればかまいません。それ以外の場合は、規程付属の「利用上の注意事項」に従った範囲となります。

情報処理学会の会誌への執筆依頼を受け原稿を執筆したのですが、会誌発行日前に社外講演会のテキストとして配布してもかまわないでしょうか?

著作権規程第5条の1により可能です。ただし、[様式A]により事前に本会へ申し出る必要があります。

情報処理学会の会誌への執筆依頼を受け原稿を執筆したのですが、会誌発行日前に社内発表の資料としてPDFで受け取ったものをプリントアウトし、複写して配付してもかまわないでしょうか? もしくはPDFファイルをそのまま社内メーリングリストに転送することは可能でしょうか?

著作権規程第5条の1により、可能です。本会への申し出も必要ありません。

情報処理学会の出版物へ掲載される予定の論文をある特定のメーリングリストへ流したいのですが、可能でしょうか?

著作権規程第5条の1により、可能です。ただし、[様式A]により事前に本会へ申し出る必要があります。

自分の論文のデータを一部更新、もしくは自分の論文の内容に一部間違いがあることが分かったので修正して社内イントラネットやインターネットに載せてもよいでしょうか?

著作権規程第5条の5により可能です。ただし、内容の一部更新・修正については、掲載誌との差異を明記してください。掲載論文との差異が25%以上ある場合は、取り扱いは著作者の自由です。

会誌に掲載した記事を単行本として出版したいのですが、手続きはどのようにすれば良いですか?

掲載記事との差異が25%以上あれば学会に何ら申し出ることなく出版が可能です。25%以下の場合は、事前に学会に申し出てください[様式A]。また、学会と出版社が内容の利用許諾に関して契約するので出版社の連絡先を教えてください。

自分の論文の一部を学位論文に転載したいのですが、どのような手続きが必要ですか?

謝辞または参考文献に出典を明記すれば、本会への申し出は必要ありません。ただし、共著者がいる場合には、後のトラブルを避けるため必ず事前に許可を得ておいてください。

<他人の論文を利用する場合>

大学の授業で情報処理学会の出版物を教材として使用したいのですが、複写して配付してもかまわないでしょうか?

教育目的の使用は、著作権法の範囲で認められていますので、本会に許諾なく複写・配布できます。

社内研修で情報処理学会の出版物をテキストとして使用したいのですが、複写して配付してもかまわないでしょうか?

複写については、本会は(社)日本複写権センター(Tel. 03-3401-2382)に複写の許諾委託をしています。複写権センターと包括複写許諾契約を締結されている企業の従業員の方は複写権センターの許諾条件に従って利用してください。それ以外の方は、本会が複写権行使の委託をしている学術著作権協会(Tel. 03-3475-5618)から許諾を受けてください。

お世話になった教授の還暦を記念して論文集を作成したいのですが、本会の出版物より教授の論文をいくつか複写して配付してもかまわないでしょうか?

教授の同意を得ていれば著作者が利用するものと解釈できるので著作権規程第5条の2により可能です。ただし、[様式A]により本会に事前に申し出る必要があります。

情報処理学会の出版物に掲載された他人の記事の要約原稿を報告書として提出したいのですが、可能でしょうか? 社内、社外によって区別はあるのでしょうか? また相手方の公共性は関係あるのでしょうか?

上記の利用については、いずれの場合にも著作権規程第4条に該当しますので、本会に事前に許諾を得る必要があります。ただし、引用の範囲であれば出典を明記することで許諾は必要ありません。

情報処理学会の出版物に掲載された記事を元に問題集を作り、社員教育用に使いたいのですが許諾を得る必要はあるでしょうか?

著作権規定第4条に該当しますので、本会に事前に許諾を得る必要があります。

情報処理学会の出版物に掲載された社員の論文等を自社のWebサイトにまとめて掲載したいのですが、一括して許可を得ることは可能でしょうか?

著作者の合意がなされていれば、著作権規程第5条の5により、一括して掲載を行うことができます。本会への申し出も不要です。

ある特集についての記事をまとめて出版したいと考えていますが、情報処理学会の出版物に掲載された記事をいくつか集めて掲載することは可能でしょうか?

著作権規程第4条により、本会への許諾要請が必要となります。本会理事会で審議し、適当と認めたものにかぎり要請に応じます。

情報処理学会の出版物に掲載された他人の記事を翻訳して出版したいのですが、可能でしょうか?

著作権規程第4条により、本会への許諾要請が必要となります。本会理事会において審議し、適当と認めたものにかぎり要請に応じます。

研究発表会などで研究報告をコピーして配布する際、毎回利用通知書を提出する必要がありますか?

本会主催の会議で、本会が著作権を有している著作物を紙で配布する場合にかぎり、申請は必要ありません。

過去に会誌に掲載された故人の追悼記事から故人の顔写真のみ抜き出してXX分野研究の第一人者として弊社発行の雑誌に特集記事の一部として紹介記事を掲載したいのですが写真の転載許可をいただけますか?

著作権規程第4条により、本会への許諾要請が必要となります。本会理事会において審議し、適当と認めたものにかぎり要請に応じます。
許諾する場合でも、利用にあたっては、誹謗中傷を惹起するような利用にならないよう加工はサイズ変更や色調の補正にとどめてください。それ以上の加工をされる場合は、ご遺族に直接許諾を得てください。

 

<その他>

著作権に関する学会事務局の窓口はどこですか?

著作権担当までお問い合わせください。