2016年10月03日版

「ご存知でしょうか

那須川 哲哉(技術応用担当理事)

 理事としての活動期間が1年を過ぎましたが、情報処理学会の活動は多様で、まだ全貌を把握しきれていないのが実情です。これを読んでくださっている方々の中にも情報処理学会の活動の一部しか把握していないという方は多いのではないでしょうか。

 昨年度から、理事会のほか、十数種類の委員会に参加し、大勢の方々が献身的に取り組んでいる様子を見ては、頭の下がる思いをする日々が続いています。そこで、その貢献に多少なりとも報いるためにも、自分がかかわっている活動の状況とその見通しをより多くの方々に知っていただき、より良い結果につながるように図りたいと考えました。

 私が技術応用担当理事としてかかわっている活動の多くは、高度な情報処理技術を実社会で展開する支援につながります。技術適用を進める人材に資格を与える認定情報技術者の制度を整備し運営したり、技術適用のノウハウをまとめたプラクティス論文を発行したり、最新技術を紹介するセミナを開催したりしています。いずれも、より多くの方々に活用していただくことで、価値が高くなります。そこで、ぜひこれらの活動を知って、活用していただければと願っています。

 まず知っていただきたいのが、資格認定制度(http://www.ipsj.or.jp/citp.html)です。
 情報処理学会では、上級技術者を対象とし、所定のレベルに相当する能力を有すると判定された技術者を「認定情報技術者(CITP:Certified IT Professional)」として認証しています。この制度は2014年度に開始され、2015年度にはロゴもでき、資格取得者が名刺などに記載してアピールしやすくなりました。現在は、この資格が海外でも通用する国際的な資格として認められるよう、IFIP(International Federation for Information Processing)が制定しているIP3(International Professional Practice Partnership)の認定を取得するための活動を進めています。
 この制度によって、優秀な技術者が適切な待遇を受けられるようになり、技術者の人材育成や研鑽が進めば日本の情報処理技術のレベルアップにつながることが期待できます。そのためには、まずはこの制度を広く世の中で知ってもらい、資格取得者を増やし、資格取得者にメリットを感じてもらえるようにする必要があります。
 ぜひ、周囲の方々にこの制度を紹介し、取得を勧めていただきたいと願っています。

 次に知っていただきたいのが、ディジタルプラクティス(http://www.ipsj.or.jp/dp/dp-index.html)です。
 これは、ITエンジニア向けの論文誌であり、採録基準は、社会的に有用なITの実践例・経験・ノウハウといったプラクティスが含まれているかです。したがって、ディジタルプラクティスに掲載されているすべての論文に、実務に役立つ知見が含まれています。
 また、現在は、招待論文の割合が多く、編集委員会が、多様な人脈を駆使して、第一線で活躍している方々に執筆を依頼した先進的な取組みに関する論文が多数掲載されています。
 そして、ディジタルプラクティスには共同推敲というプロセスがあり、投稿論文のみならず、招待論文に対しても、編集委員会のメンバをはじめとした共同推敲者が多大な労力をかけて、著者とともに読みやすい論文に仕上げる努力を重ねています。
 各号の特集テーマに沿って、関連分野の第一人者の方々へのインタビュー記事なども掲載されており、気軽に読めて役に立つ、非常に贅沢な論文誌であり、これが広く読まれないのはもったいない限りです。しかも非会員に対しても無料で提供されています。
 まずは、特集テーマを見て、興味のあるテーマの号にぜひ目を通してみてください。そして、ぜひ周囲の方々にも広く紹介してください。
 今後は、『人工知能の実践的活用』(2016/10/15発行)『ICTとダイバーシティ社会』(2017/1/15発行)『社会に浸透する画像認識』(2017/4/15発行)といったタイムリーな特集が予定されています。

 情報処理学会では、学会ならではの人脈を活かし、各界の第一線の講師を迎えた各種セミナを開催し、世の中への情報発信に努めています。セミナ系の新たな取組みとしては、学生会員を主な対象としたExciting Coding!(http://www.ipsj.or.jp/event/s-seminar/2015/Exciting_Coding/)など、若年層を対象としたイベントの開催にも取り組んでいます。現在は、小学生などのジュニア会員を対象としたExciting Coding! Junior の企画にも取り組んでいます。学生会員やジュニア会員向けのイベントには無料で参加できるものが多いのですが、講師陣は一流ですので、強くお勧めできます。

 以上、私が関与している活動の一部ではありますが、より多くの方々に知っていただき、ぜひとも活用していただきたい取組みを紹介させていただきました。

管理部門への問い合わせフォーム