「教育職員免許法施行規則及び免許状更新講習規則の一部を改正する省令」への意見

2017年8月25日
一般社団法人 情報処理学会
会 長  西尾章治郎

以下のとおり,2017年8月25日付で意見書を提出しましたのでご報告いたします.
(協力:情報処理教育委員会 初等中等教育委員会)


2017年8月25日
文部科学省初等中等教育局教職員課教員免許企画室 御中
一般社団法人情報処理学会
会長 西尾章治郎


将来高度な情報社会に生きる子供たちには、「思考力・判断力・表現力」が重要であることはすでに中央教育審議会・文部科学省の資料でも多々述べられている。なかでも情報分野に関しては「プログラミング」という情報分野独特の「表現力」が存在する。その重要性は、「大学入学者選抜委託事業」のうち大阪大学を代表として情報処理学会も共同して担当している「情報学的アプローチによる『情報科』大学入学者選抜における評価手法の研究開発」の中でもすでに明らかになりつつある※。

※久野靖「思考力・判断力・表現力を測るには?」情報処理Vol.58, No.8(Aug.2017), pp.733-736

小学校にプログラミングが導入されることは大きな進歩だが、それを十分な素養をもって教えることができる小学校教員は、現状では少ない。また中学校および高等学校でも、現に教員として勤務している方々に、それを正しく教えるに足る十分高い当該分野の素養を備えている方がすでに十分な人数おられるとは言いがたい。例えば以下のように、教員養成および採用の各制度を総動員して、この問題に対処する必要がある。

  1. 教職課程においては、今回の改訂案のII. i) (1) ⑧ において
     小学校教諭の普通免許状の授与を受ける場合…改正後は、現在の国語…等に加え、
     外国語…の教科に関する専門的事項のうち1以上について修得するものとする。
    とあるところに、情報分野を加えるという方法がある。それにより、情報分野に強い小学校教員が相当数配置可能になると考えられる。

  2. 教員免許更新講習においては、選択必修領域のうち現行の
     教育の情報化(情報通信技術を利用した指導及び情報教育(情報モラルを含む。)等)
    について、
     教育の情報化(情報通信技術を利用した指導、ならびに、プログラミング及び情報教育
     (情報モラルを含む。)等)
    とすることが考えられる。

  3. 現職の教員が職務として受講する研修について、情報分野を充実させることも大切である。情報処理学会は、すでに教員免許更新講習を主催していることに加え、内容の提案や担当講師派遣などで協力する用意がある。

  4. 現在、情報教育分野の十分な才能を持ち高校情報科の免許を取得したにもかかわらず、募集と採用が少ないことなどから教職に就けていない若者が相当数いる。これを、小学校での情報教育を担当してもらえるよう、制度を整備して活用することが考えられる。

以上

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