Vol.67 No.2(2026年2月号)



Vol.67 No.2(2026年2月号)

匿名希望先生
匿名希望先生
[正会員]

 

   情報セキュリティをどのようにしたら,自分ごととして,生徒や学生が学ぶことができるか

  難問です.質問されている方は,恐らく高校や大学で情報技術を教えておられる教員で,さまざまな最新事例を紹介しても,受講生はどこか遠いところで起こっていることのようにしか受け取ってくれない状況でないかと推測します.ましてや,セキュリティ技術の多くは高度な数学やOSやアーキテクチャーに依存した深い専門知識を要することも少なくありません.加えて,教育機関では危険なサイトへのアクセスや特殊なプロトコル(ディープウェブや暗号通貨など)を制限していることも一般的で,なおさら,生徒からは自分には関係ない技術で,どこか他人事として認識してしまうことかと思います.
  しかし,学内ネットワークだけで危険なサイトやSNSなどを遠ざけても本質的な解決にはなりません.生徒たちは,スマホや自宅から危険なサイトへアクセスできます.安全地帯しか知らないでいて,社会に出た途端に本格的な標的型攻撃に対応できずに深刻な事態を招くこともあるでしょう.ですから,学校でこそセキュリティ体験を積むべきでしょう.子供に火が危険であることを学ばせるには,ストーブにやけどしない程度に触ることです.疑似体験でも構いません.私がかかわっている総務省の実践的サイバー防衛CYDER(サイダー)では,自治体やインフラ事業者を対象として,仮想環境によるインシデントを体験して,報告や回復などの演習を行っています.
  えっ?    自由にやらせたら,生徒が怪しいマルウェアを持ってきたのですか?    では,
   案1.学校ではだめだと諭す.
   案2.サンドボックスと検閲ネットワークを用意して一緒に行う.
   後者が理想ですが,すべてに付き合ってはいられませんね.そうだ,
   案3.サイバー攻撃・マルウェア対策コンテストMWS Cup☆1 に誘う.
  どうでしょう.その道の専門家やセキュリティ業務を仕事にしている優しいお兄さん,お姉さんが色々と教えてくれること請け合いです.おともだちもできることでしょう.ジュニア会員ならば,学会参加費も無料ですよ.

 ☆1 https://www.iwsec.org/mws/2025/mws20251027.html
 

菊池浩明先生 
 菊池浩明先生
[正会員]
明治大学
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