Vol.62 No.3(2021年3月号)



Vol.62 No.3(2021年3月号)

駒谷昇一先生
駒谷昇一先生
[正会員]

 

   オンライン授業ではどのように成績を評価していますか?

  オンライン授業の成績評価をどう行うのか.Googleフォームでオンラインテストを実施しましたが,紙ベースのテストよりも正答率が高くなっています.テスト中にWebページや講義用スライドを検索しているからなのですが,それを防ぐ方法もなく,どのようにオンラインテストを実施したらよいのか悩ましいです.どのような工夫があるのか,教えていただければ幸いです.

  以前より,ネットがつかえるPC 教室でWeb テストを実施してきました.授業で教えた個別の知識そのものではなく,その組合せや応用を出題します.たとえば算数なら2×3 の答えでなく,12と8 の公倍数を問題にする.地理ならば「他県に接していない都道府県はいくつあるか?」と問います.知識が身についていれば簡単に解けるが,ネットでは見つけるのに時間がかかる問題とすればよいわけです.ネットは利用できるという前提で試験する方が時代に合っているでしょう.(Webより回答)

金子格先生

金子 格先生
[正会員]

ティープラーニング先生
ティープラーニング先生
[正会員]

  学籍番号で答えが変わるように問題を用意し,不正行為のリスクを減らしています.学籍番号を入力すると自動採点できるようにしています.(Webより回答)

  画像処理の授業を担当しています.以前は紙ベースの小テストや定期試験を行っていましたが,オンライン授業になったためMoodle での実施に変更しました.問題は5×5 程度の簡単な入力画像に対して手動で画像処理アルゴリズムを適用・計算してもらい,その数値結果を解答してもらいました.Moodleの問題バンクとランダム出題機能を使って,1問あたり数値を変えた類似問題を3問用意して,そのうちの1つをランダムに出題しました.紙ベースよりも採点作業が楽になりました.また,不正防止にも一定の効果があったかと思います.学生アンケートでも「不正がしにくい公正な評価方法がよかった」と複数名の回答がありました.今後,対面授業に戻っても,計算機室でのオンライン試験実施も検討しています.(Twitterより回答)

上瀧 剛先生
上瀧 剛先生
熊本大学

鈴木大三先生
鈴木大三先生
筑波大学

  今のところ私の担当授業では「オンラインでのテストは実施しない」に帰着しています.ご質問の意図に反する回答になっているかもしれませんが,自分の事例を紹介させていただきます.少しでもご参考になれば幸いです.
  【事例1】講義+演習科目:オンライン授業になる前と同様に,授業中に行う計算機を使用する演習のレポートを毎回課しました.以前と違い,目の前に学生がいないためちょっとしたケアをしづらかった分,レポートのフィードバックで細かくアドバイスしました.
  【事例2】講義科目:講義内容の概要(+ちょっとした問題)をレポートとして毎回提出してもらいました.「スライドや板書をただ写しているだけ」「単語しか頭に入っていない」では困りますので,あらかじめ文章として書くように(たとえば個条書きは減点対象として)伝えました.
  評価がまた悩ましいですが,レポートごとに5 段階評価で採点し,合計点で最終評価としました.なお,オンラインということを考慮し,レポートの締切にはある程度の猶予を持たせ,また提出していない学生には個別に催促もしました.いずれにせよ「学生の理解度がより高まること」,つまり「調べること」「学生同士での相談」「教員への質問」などはどの授業でも以前より強く推奨しており,その理念はオンライン授業になっても変わりません.(Webより回答)

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