Vol.67 No.7(2026年7月号)



Vol.67 No.7(2026年7月号)

匿名希望
匿名希望
[正会員]

 

  生成AIによって,偽画像が簡単に作成でき,それを見て,本物と信じることで,個人をはじめ,社会が大混乱に陥る.このような社会にしないための教育はどのように行ったら,よいのでしょうか.

  最近増えてきた生成AIを利用した偽情報(動画,メッセージ,音)のせいで,社会的な問題が増えてきているように見えますね.このような情報の流布は,名誉毀損に該当するケースも生じますし,また経済的な損失,詐欺行為につながったり,幇助(手助け)してしまったりすることもあるでしょう.政治活動での偽情報は,その後,取り返しがつかないことも発生してしまうかもしれません.
  では,どのようにして,偽情報による混乱を防ぐことができるのでしょうか?偽情報を禁止するというのは,すぐに思いつきそうな対応です.しかし,どのような情報が偽情報で,どのような情報が偽情報ではないかの判断は,容易ではないです.一見すると偽情報でも,実は真実を語るものかもしれません.「偽情報禁止」を徹底すると,比喩や「ちょっと面白いジョーク」も言えなくなってしまいます.たとえば,「太平洋に浮かぶ島」という言い方に対して,「その島は浮かんでないので偽情報だ!」という指摘がなされたら,どうでしょう? また,ある情報は,言論の自由がないX国の政府によって偽情報とされているが,Y国では真実とされているかもしれません.つまり,政治活動で困ることもあるかもしれないですよね.
  というように考えると,偽情報を禁止することよりも,多くの人が情報を受け取る際に,「これは偽情報かもしれないと用心する習慣・技能」を身につけておくほうがよいでしょう.言い換えると,市民のメディア・リテラシーを高める教育です.偽情報はなぜ発生するのか?それに気がつくために知っておくことは?
  ほかの意見を探してみる必要もあるよね……などなど,多くの人々が,そんな判断能力を持っていたら,偽情報が流れてきても社会が混乱することはないはずです.
 

辰己丈夫
辰己丈夫
[正会員]
放送大学
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