Vol.67 No.5(2026年5月号)
Vol.67 No.5(2026年5月号)
|
大根田秀雄
[正会員] |
AIが自我を得る(得させる)可能性は? |
|
|
一言で「自我」と言ってもいろいろな意味があります.現在のAIには主観的な意味での自我がある証拠はありません.意識は非生物であっても複雑な情報処理ができるAIにも持てるという説がある一方で,意識は生物的な身体性にかかわっていてAIは持てないという説もあります.さらには他者に意識があるかどうか本質的に分からないという立場もあります.しかしいまのAIは,自己参照ができる,自分の状態を記述できる,「私はAIです」と言える,という意味において機能的には自我を持っていると言うことができます.人間においても「自我」とは何かがよく分かっていないことを踏まえると,AIに自我が持てるのかを追求するよりも,人間がAIを自我を持つ存在と扱うようになるかを考えること,が重要だと思います.すでに(すべてではありませんが)人間がAIを友だち扱いする,AIに感情移入する,AIに人格を見出す,という事象が観察されています.この傾向が進めば,AIが本当に自我を持っているかどうかにかかわらず,人間はAIを自我を持つ存在として付き合っていくようになると考えています. |
![]() 松原 仁
[正会員] 京都橘大学 |
|
| 目次に戻る | ||

