Vol.64 No.6(2023年6月号)



Vol.64 No.6(2023年6月号)

匿名希望
匿名希望
[正会員]

 

 医療系の研究者・開発者と情報の研究者がつながって研究や開発をするには,どのようにすればいいですか?

  とても素敵なご質問ですね.私は医療系研究→情報系研究→融合系研究という順番に携わらせていただいており,その中でさまざまな医療系研究者や情報系研究者と仲良くなりました.一番重要なのはまずは人として仲良くなる!ことですが,その中で特に,仲良くなるために大事だなと感じていることを2点に挙げさせていただきます.
・少しでも疑問なことはそのままにしない
  ただでさえ異なる分野です.話している言葉さえ分からないことが多いと思いますので,少しでも疑問なことは聞いたり調べたりして理解に努めた方がよいです.そのままにすると話している方は理解してくれていると思いますし,聞いている方は分からないまま話が進むので辛くなってきます.自分が話すときも平易な表現を心がけた方がよいです.ただ必ずしも論理を平易にする必要はありません.
・まずは簡単なことから,うまくいかなくても影響が少ないところから試す
  まずはやってみるのが大事です.いきなり難しいセッティングをプランすると得てして医学は倫理手続きや有害事象に対する対応などで煩雑になることが多いです.また技術的にどれくらいの期待値かの意識が共通化することが重要です.PoC(Proof of Concept,概念実証)を繰り返して,早めに失敗しましょう.逆説的ですが,お互い一緒に失敗しても仲良くなれる人と研究をやることが重要です.
 

大山慎太郎
大山慎太郎
名古屋大学