組込みシステム(EMB)研究会新設のお知らせ

組込みシステム(EMB)研究会新設のお知らせ

目的

 今年度、情報処理学会に組込みシステム研究グループを開始した。去る2005年7月27日に東京(慶應義塾大学)にて設立記念シンポジウム(第1 回研究会)を開催し、176名もの参加者を得た(参加者の内訳は、産131名、学31名、官14名)。また、同研究グループが共催した第7回組込みシステ ム設計技術に関するサマーワークショップ(8月25~26日、浜松)にも160名を超える参加者があった。本申請は、組込みシステム研究グループの活動を さらに発展させるため、研究グループから研究会への移行を申請するものである。

各種の機械・機器に組み込まれてそれを制御するコンピュータシステムである組込みシステムは、我が国が競争力を持つ産業の 多くを支える重要な技術となっており、活発な研究・開発が望まれている分野である。近年産業界においては、組込みシステム技術の重要性が認識され、企業に おける研究開発も活発化しつつあるが、大学等で組込みシステム技術に取り組んでいる研究者は期待される程には増えていない。
一方海外においては、情報処理系の学会において組込みシステム技術に対する取組みが急速に活発化している(注1)。組込みシステム技術は、我が国が比較的 競争力があると考えられている分野であるが、このまま大学等での取組みが活発化しない状況が続くと、国際競争力低下が避けられないと危惧される。
本研究会は、このような問題に対して、学会の立場から取り組むことを趣旨とする。具体的には、組込みシステム技術に関する研究発表の場や技術交流の場を設 けることで、大学等での研究の活性化を図る。それに加えて、産業界における要求事項や課題を大学等に知らせることや、大学等での研究成果を産業界に紹介す ることを通じて、産学連携の推進も図る。特に組込みシステム分野においては、産業界における開発の現状や課題が大学等の研究者からは見えにくい状況にあ り、研究活性化のために産学連携の推進が欠かせないと考えられる。さらに産業界においても企業間の壁が高いという課題があり、産産連携の場を提供すること も目的とする。
組込みシステムにおいては、それぞれの応用毎に要求に応じて、コンピュータシステム全体が最適に設計されるために、システムを構成する様々な要素技術が密 接に関係する傾向にある。そのために、異なる技術分野間の連携が強く望まれている。一例を挙げると、ハードウェア設計とソフトウェア設計が密接に関係して いるために、ハードウェア/ソフトウェア協調設計技術が必要とされている。このような技術の研究を推進するには、ハードウェア設計技術を扱う研究コミュニ ティとソフトウェア設計技術を扱う研究コミュニティの連携が必要である。
情報処理学会においては、いくつかの研究会において、組込みシステムに関する研究発表が行なわれ、それをテーマとしたシンポジウムも開催されているが、そ れらの間の連携が十分でなく、数少ないこの分野の研究者がそれらに分散しているのが現状である。本研究会は、それらの間の連携を図ることで、組込みシステ ム技術に関して幅広くかつ統合的に扱うことを目的とする。

(注1)海外の情報処理系の学会において組込みシステム技術に対する取組みが活発化している例として、ACMにおいては、Transactions on Embedded Computing Systemsが創刊されたことに加えて、Special Interest Group on Embedded Systems(SIGBED)が設立されている。また、組込みシステムを主に扱う国際シンポジウムも、ここ数年で急激に増えている。

組込みシステム研究会Webページhttp://www.ertl.jp/SIGEMB/
 

主な研究分野

本研究会では、組込みシステム技術に関して幅広く扱うが、特に、品質の高い組込みシステムを効率的に開発・設計するための基盤技術を中心とする。研究分野をキーワードで挙げると、以下の通り(順不同)。
  • 組込みシステム向け要求定義・分析手法
  • 組込みシステム開発プロセス
  • 組込みシステム設計手法
  • 組込みシステム記述言語
  • 組込みシステム開発環境/ツール/CASEツール
  • 組込みシステム向けEDA技術
  • 組込みシステム協調設計/検証技術
  • 組込みシステム向けプログラミング言語
  • 組込みシステム向けコンパイラ技術
  • 組込みシステム向け低消費エネルギー技術
  • 組込みシステム向け高信頼システム技術
  • 組込みシステム検証/テスト手法
  • 組込みシステムデバッグ手法/デバッグツール
  • 組込みシステムの性能評価技術
  • 組込みシステム向けアーキテクチャ
  • 組込みシステム向けプロセッサ、DSP
  • 組込みシステム向けリアルタイムOS、ミドルウェア
  • 組込みシステム向けネットワーク技術、通信技術
  • 組込みシステム向け分散システム技術
  • 組込みシステム向けセキュリティー技術
  • 組込みシステムのユーザインタフェース、ユーザビリティ
  • 組込みシステム向けメディア処理・認識技術
  • 組込みシステム向けグラフィックス技術
  • 組込みシステムの開発事例、新しい応用分野
  • 組込みシステムの教育、教材、カリキュラム
  • 組込みシステムの技術者養成
  • 組込みシステムのスキル標準
  • 組込みシステムに関する産学官連携

提案者(五十音順)

青木利晃(北陸先端大)、阿部司(苫小牧工高専)、天野英晴(慶大)、飯塚悦功(東大)、井沢澄雄(NEC)、石浦菜岐佐(関西学院大)、石川裕(東 大)、石原亨(九大)、井上雅裕(芝浦工大)、井上弘士(九大)、井上健(横河電機)、上田賀一(茨城大)、植野治(矢崎総業)、鵜林尚靖(九工大)、枝 廣正人(NECシステムデバイス研)、追川修一(筑波大)、大久保友幸(ケンウッド)、大西建児(豆蔵)、大原茂之(東海大)、大山恵弘(東大)、大山博 司(オークマ)、小川清(名古屋市工業研)、落合真一(三菱電機)、落水浩一郎(北陸先端大)、海谷治彦(信州大)、笠原博徳(早大)、片山卓也(北陸先 端大)、片山徹郎(宮崎大)、川井奈央(IPAソフトウェアエンジニアリングセンター/キャッツ)、川口晃(ガイアシステムソリューション)、河口信夫 (名大)、神原弘之(京都高度技術研)、神戸尚志(近畿大)、岸知二(北陸先端大)、岸田昌巳(フルノシステムズ)、北嶋暁(大阪電通大)、北須賀輝明 (九大)、木村晋二(早大)、清原良三(三菱電機)、久保田稔(千葉工大)、小泉忍(日立)、河野健二(慶大)、越塚登(東大)、坂井良治(東京エレクト ロン ソフトウェア・テクノロジーズ)、佐藤一郎(NII)、佐藤寿倫(九工大)、澤田直(九産大)、沢田篤史(京大)、品川高廣(東京農工大)、島袋潤(日 立)、清水尚彦(東海大)、宿口雅弘(三菱電機マイコン機器ソフトウエア)、末吉敏則(熊本大)、鈴木郁子(シャープ)、高木直史(名大)、高汐一紀(慶 大)、高田広章(名大)、高野良昭(コニカミノルタビジネステクノロジーズ)、高野裕之(東芝セミコンダクター社)、高橋孝一(産総研)、田丸喜一郎(東 芝/IPAソフトウェアエンジニアリングセンター)、丹康雄(北陸先端大)、千葉滋(東工大)、戸田賢二(産総研)、戸辺義人(電機大)、冨山宏之(名 大)、豊島真澄(北九州市立大)、中島震(NII)、中島達夫(早大)、中田恒夫(富士通研)、中辻等(日本ユニシス・ソリューション)、中村宏(東 大)、中本幸一(兵庫県立大)、並木美太郎(東京農工大)、成沢文雄(日立)、南角茂樹(三菱電機)、西康晴(電通大)、西川幸延(NECソフトウェア北 陸)、野中誠(東洋大)、服部俊洋(ルネサステクノロジ)、服部博行(ヴィッツ)、浜口清治(阪大)、平山雅之(東芝/IPAソフトウェアエンジニアリン グセンター)、福井正博(立命館大)、福井信二(オムロン)、福田晃(九大)、二上貴夫(東陽テクニカ)、古瀬勉(日本テキサス・インスツルメンツ)、松 田英克(東京エレクトロン)、邑中雅樹(もなみソフトウェア)、森川博之(東大)、門田浩(NEC/IPAソフトウェアエンジニアリングセンター)、安浦 寛人(九大)、柳澤政生(早大)、山内寛紀(立命館大)、山崎辰雄(SESSAME)、山崎進(福岡知的クラスター研)、山本雅基(名大)、湯淺太一(京 大)、横手靖彦(ソニー・コンピュータエンタテインメント)、吉田紀彦(埼玉大)、吉村健太郎(日立)、渡辺博之(オージス総研)、才棟(沖電気)