ビッグデータ解析のビジネス実務利活用(PBD)研究グループ新設のお知らせ
ビッグデータ解析のビジネス実務利活用(PBD)研究グループ新設
目的
近年、情報技術の進歩によりインターネットにおける情報トラフィック量が増加しており、従来のデータベースやデータ解析技術では対応できないほどの大規模データすなわちビッグデータが日常的に扱われるようになっている。これらのデータを処理したり分析したりするデータサイエンス技術である機械学習、人工知能、インターネットオブシングス(IoT)も著しい進歩と認知が拡がっており、社会からの要請も高まっている。これらビッグデータ解析の利活用を推進し、産業への応用を促すことは、第4 次産業革命やSociety5.0 を推進し、我が国の繁栄と発展に寄与する重要な課題と考える。しかし、ビッグデータ利活用とその処理・分析技術は多数の分野にまたがった複合的技術であり、これらを駆使する人材の育成や利活用の推進は期待されているほどに効果的にはなされていない。また、この分野は国際的にも競争が激しく、Google, Yahoo, Amazon, Baidu などの有力なベンチャー企業も少なくないが、この中で我が国の技術者、ビジネスマンがどのようにして戦っていくかということも重要な課題と考える。
本研究グループは、若手IT 技術者によるIT 勉強会をベースに、ビッグデータ処理技術とデータサイエンスの修得を行い、確固たるビジネス実務への利活用を促進し、社会への還元を進めることを目的とした情報処理学会IT フォーラム「ビッグデータ活用実務フォーラム」を母体としている。本研究グループの目的は、ビッグデータ解析の利活用促進と社会への還元を推進しそのビジネス基盤を確立することである。本研究グループの活用分野としてヘルスケア(健康・医療)、アグリカルチャー(農業)、ファイナンシャル(経済)、ビジネス(経営・マーケティング)、マニュファクチャリング(製造業)、ガバメント(政府・公共団体)などへの応用促進を想定し、その基盤となるインターネット(ウェブやソーシャルネット)、センサーやモバイル端末などへの活用展開を想定している。また、その利活用促進のためこれらのデータ分析を処理するための数学基盤(解析学、確率論)、統計学や、プログラミング、データ分析ツールなどの活用促進、人材育成などへの寄与も想定している。本研究会の活動は、⑴従来の勉強会やチュートリアルセミナーを基盤に、⑵研究会やソフトウエアジャパン、全国大会でのセッション企画、⑶トランザクションを基盤とする各種出版物発行、⑷関連する本会内部の研究会、業界関連団体との連携によるイベントや事業展開、などを想定している。また同時に⑸国際的なイベントや企画への参画の可能性も探っていく。
主な研究分野
1. ヘルスケア(健康・医療(個別化医療、予測医療など)・創薬)
2. アグリカルチャー(スマート農業)
3. ファイナンシャル(経済、フィンテック)
4. ビジネス(経営・マーケティング)
5. マニュファクチャリング(製造業、品質管理・品質工学)
6. 言語学(翻訳)・心理学(行動生物学)
7. ケミカル・マテリアルサイエンス(化学および材料探索)
8. 保険・年金(アークチュアリー)
9. ガバメント(オープンガバメント・オープンデータ、各種公共サービス)
10. 気象・地震予知・天文学・天体物理学
11. 環境保全・環境アセスメント
12. オペレーションズ・リサーチ
13. 産業用ロボット・自動運転
14. スマートシティ
15. モバイル・センサー・IoT
16. ウェブ・ソーシャルネット
17. レコメンデーション
18. ビジネスインテリジェンス・ビジネスアナリティクス
19. ビッグデータ解析ツール・データ分析言語
20. ビッグデータ解析に関する数学基盤(解析学など)・確率論・統計学
21. 機械学習・深層学習・学習理論
22. 人材育成、キャリアパス構築支援
23. ビッグデータ解析のセキュリティ、プライバシー保護、コンプライアンス
提案者(五十音順)
阿久津 達也(京都大学)、足立 浩平(大阪大学)、飯尾 淳(中央大学)、石井 一夫(久留米
大学)、石田 基広(徳島大学)、上村 崇(ALBERT)、大滝 将隆(日立建機(株))、大山 哲司
(久留米大学)、太田 博三(放送大学)、小川 史恵(東京農工大学)、角間 辰之(久留米大学)、
掛下 哲郎(佐賀大学)、粕川 雄也(理化学研究所)、鎌倉 稔成(中央大学)、金 明哲(同志
社大学)、草野 隆史(ブレインパッド)、熊坂 治(産業革新研究所)、児玉 公信(情報システ
ム総研)、古徳 純一(帝京大学)、里 洋平(DATUM STUDIO)、澁澤 栄(東京農工大学)、神成
敦司(慶応大学)、高柳 慎一(LINE)、竹澤 邦夫(農業環境変動研究センター)、田澤 司(パ
ーキンエルマー)、田村 義保(統計数理研究所)、橋本 武彦(GA technologies)、樋口 知之
(統計数理研究所)、本田 主税(久留米大学)、中野 美由紀(産業技術大学院大学)、丸山 宏
(PFN)、水田 正弘(北海道大学)、三宅 淳(大阪大学)、宮原 徹(日本仮想化技術)、山本 義
郎(東海大学)、吉荒 祐一(ヴイエムウェア)、吉田 隆(エヌ・ティー・エス)、鷲尾 隆(大
阪大学)