第3回:モバイル・クラウド時代のソフトウェア開発技術

日時:2014年9月25日(木)
会場:化学会館7F(本会場) 受付開始時間:9:30~
   大阪大学中之島センター5F 講義室507(遠隔会場) 受付開始時間:9:30~

モバイル・クラウド時代は、ソフトウェアの開発から運用に至る新たな基盤と開発技術が求められています。しかし、従来の開発形態・技術から新たな開発形態・技術への移行は容易ではありません。技術の本質を捉え、その活用のシナリオを開発する必要があります。ここでは、モバイルを前提とするモバイルファーストの開発技術、アジャイル/リーン開発の技術と開発と運用の円滑な連携によるビジネスの素早い展開を図るDevOps、クラウド上での情報システム開発とシステム統合、など今後の情報システム開発の鍵となる技術について実践事例を交えて解説して頂き、その活用と今後の展望を議論します。

青山幹雄コーディネータ:青山 幹雄(南山大学 情報理工学部 ソフトウェア工学科 教授)
【略歴】1980年岡山大学大学院修了。同年富士通(株)入社。通信ソフトウェアの開発、管理に従事。2001年より南山大学数理情報学部情報通信学科教授、2009年より情報理工学部ソフトウェア工学科教授。博士(工学)。要求工学、ソフトウェアアーキテクチャについてクラウドコンピューティング、自動車組込みソフトウェアなどを対象に研究。

OPENING 10:00~10:10

コーディネータ:青山 幹雄(南山大学 情報理工学部 ソフトウェア工学科 教授)

セッション1:インターネットクラウドの動向と開発業務の高速化

[10:10-11:10]
2007年情報科学の復興と軌を一にして発展してきたインターネットクラウドの技術は、インターネットの主要な構造と技術を大きく変革してきました。企業はインターネット上で新しい個客とのチャネルを構築し、素早く変化するビジネスの展開が求められています。このセッションではインターネットにおけるコンシューマーチャネルの動向とクラウド技術による開発速度の高速化、DevOpsを実現するリリース・エンジニアリング、またリーンサイクルにおけるサービス品質の価値と計測について解説します。

山下克司講師:山下 克司(日本アイ・ビー・エム株式会社 グローバル・テクノロジー・サービス事業本部 Distinguished Engineer(技術理事))
【略歴】1987年、日本IBMに入社。適用業務パッケージの開発を経てネットワーク分野のテクニカル・リーダーを務める。2007年にはネットワーク仮想化技術などの貢献を評価され米IBM本社からディスティングイッシュト・エンジニアの称号を認定され技術理事に就任。2010年から2012年まで日本IBMのクラウド・コンピューティング事業の技術統括をするチーフ・テクノロジー・オフィサー(CTO)に就任。現在はグローバル・テクノロジー・サービスのデリバリー部門の技術理事として、IBMのSDE (Software Defined Environment)、Enterprise DevOpsなどの最新技術を推進し、講演や寄稿を行っている。

セッション2:アマゾン ウェブ サービスを用いたソフトウェア開発とテスト

[11:25-12:25]
ソフトウェアを開発する理由には様々なものがあります。ソフトウェア・ベンダーにとっては、コアなビジネスです。あるお客様では、単にカスタマイズしたり、ポーティングするだけかもしれません。開発するソフトウェアの種類も多様です。ウェブアプリケーション、クライアント/サーバー・アプリケーション、スタンドアローン・アプリケーション、自動エージェント、ドライバー等々。ただ何の場合においても開発チームは、本番化までの時間を短縮するために、少しでも早く高品質のソフトを開発し納品するというプレッシャーの下にあります。アマゾン ウェブ サービスは、ソフトウェアの開発・テストに最適なサービスを提供しています。本講演では、様々なプロジェクトの特性や局面に合わせたサービスの利用方法とベストプラクティスをご紹介いたします。

吉荒祐一講師:吉荒 祐一(アマゾン データ サービス ジャパン株式会社 技術本部 公共担当ソリューションアーキテクト)
【略歴】1961年11月兵庫県神戸市生まれ。1985年3月東京大学法学部卒業。1985年4月日本アイ・ビー・エム株式会社入社。SEとして金融、製造業等のお客様を担当。1994年1月同社退職。1994年2月ソフトウェア開発、SEサービス事業を創業。製造業、公共機関等をお客様とし、グループウェア、Webから防災システムまで幅広いシステムを構築。2013年2月アマゾン データ サービス ジャパン株式会社入社。公共担当ソリューションアーキテクトとして入社。

お昼休憩:12:25~13:40

セッション3:Webサービスの開発プロセス

[13:40-14:40]
昨今のWebサービス開発プロセスの実際を、スタートアップ企業で実際に利用しているソフトウェアやクラウドサービス、あるいはアジャイル開発プロセスの具体例を挙げて紹介する。

伊藤直也講師:伊藤 直也(KAIZEN platform Inc. 技術顧問) 
【略歴】ニフティ、はてな取締役CTO、グリー統括部長を経て2013年9月よりKAIZEN platform Inc. 技術顧問。ブログやソーシャルブックマークなど10年間、ソーシャルメディアの開発と運営に携わる。著書に『入門Chef Solo』(達人出版会)、『サーバ/インフラを支える技術』『大規模サービス技術入門』『Chef実践入門』(技術評論社)など多数。

セッション4:企業におけるアジャイル開発とクラウド技術活用最前線

[14:55-15:55]
昨今、流通・小売り・EC等の企業を中心に、IT投資が業務効率化から、新規ビジネスの開拓といった“攻めのIT投資”にシフトしつつあります。そのトレンドを受けて、ビジネス環境の変化に柔軟かつ迅速にシステムやソフトウエアを提供する必要性・重要性が高まっており、短期間でシステムの開発・提供が可能なアジャイル開発と、低コストで柔軟性の高いITインフラであるクラウド技術が注目されています。本講演では、NTTデータが進めるアジャイル開発とクラウド技術の活用について、いくつかの事例を交えつつ紹介します。

戸村元久講師:戸村 元久(株式会社NTTデータ 技術開発本部 副本部長)
【略歴】1989年NTTデータ通信(株)入社。2010年(株)NTTデータ 技術開発本部プロジェクトマネジメント・イノベーションセンタ長。2010年~2011年IPA非ウォーターフォール型開発WG委員。2014年同社技術開発本部 副本部長 兼 プロジェクトマネジメント・イノベーションセンタ長 兼 ALMソリューションセンタ長。同社におけるシステム開発プロセスの標準化、ALMソリューションの開発を所掌。

セッション5:車載ソフトウェア開発の変革に向けて

[16:10-17:10]
自動車に対し、環境への影響を低減するためのCO2排出削減や、交通事故を減少させるための安全に関する機能への要求が大きくなってきています。また、常時接続によるインターネットへの利用が可能となり、情報機器の接続が増加しています。さらに、自動運転の実現に向けての取り組みが急速に進んでいます。2015年には車両に搭載されるソフトウェアサイズは1億行を超える規模になると予想されており、車両内外のネットワーク化の進展に伴い、分散制御、協調制御が導入され、システムの複雑さは増す一方です。このような大規模、複雑なソフトウェア開発に対応するための、デンソーの取り組みを紹介します。

講師:松本 直樹(株式会社デンソー 電子基盤システム開発部 先行技術開発室 室長) 
【略歴】1985年、株式会社デンソー(当時:日本電装株式会社)に入社。以来、車両運動制御、ロボティクスなどのシステム制御工学分野の研究開発に従事。2004年以降は、一貫して車載電子システムにおける共通基盤技術・技法の開発に携わる。2008年から4年間のドイツ駐在を経て帰国、現在に至る。

情報処理学会では、産業界(実務家)の視点から、関心度の高いテーマ、注目のテーマ、技術の先進性に富んだテーマを取り上げて、その最前線で活躍されている方を講師に招き、年数回にわたってセミナーを開催しています。

よくある質問

お問い合わせの前にこちらをご覧ください。