第2回:ウェアラブルが切り開くIT新潮流

日時:2014年7月15日(火)
会場:化学会館7F(本会場) 受付開始時間:9:30~
   大阪大学中之島センター5F 講義室507(遠隔会場) 受付開始時間:9:30~

近年、次世代のコンピューティングスタイルとして、グラス型ディスプレイや装着型センサを活用するウェアラブルコンピューティング技術に関する注目が高まっています。本セミナーでは、グラス型デバイスのハードウェア、有力なアプリケーションである健康管理デバイスやサービス、ウェアラブルコンピューティング実現のためのOS技術、ウェアラブルコンピューティング実世界応用など、ウェアラブルコンピューティングを実現するための幅広い技術に関して解説していただける講師陣を招きます。ウェアラブルコンピューティングが生み出す新たな可能性について、さまざまな側面から実例を交えて紹介します。

寺田 努様コーディネータ:寺田 努(神戸大学 大学院工学研究科 准教授)
【略歴】2000年大阪大学院工学研究科博士後期課程退学。同年より大阪大学サイバーメディアセンター助手。2005年より同講師。2007年神戸大学大学院工学研究科准教授。現在に至る。2004年より特定非営利活動法人ウェアラブルコンピュータ研究開発機構理事、2004年には英国ランカスター大学客員研究員、2006年IPA未踏クリエータ、2007年ATR客員研究員、2010年よりJSTさきがけ研究員を兼務。博士(工学)。ウェアラブルコンピューティング、ユビキタスコンピューティングの研究に従事。

OPENING 10:00~10:10

コーディネータ:寺田 努(神戸大学 大学院工学研究科 准教授)

セッション1:ウェアラブルセンシング技術のヘルスケア応用

[10:10-11:10]
2000年前後のウェアラブルコンピュータブームは、人々に広く受け入れられるまでには至らず一過性のものであった。しかしながら、その後のデバイスの小型軽量化、ユーザインタフェース、クラウドコンピューティングなどの技術の進展に伴い、再びウェアラブルデバイスが注目されている。
一方、身体に装着(携帯)したセンサを用いて、ユーザの状況や行動を捉えようとするウェアラブルセンシング技術は、ウェアラブルコンピュータブームの後も、着実な進化を遂げてきた。世界的な人口増加・高齢化、生活習慣病罹患者増などの背景の下、ウェアラブルデバイス、ウェアラブルセンシング技術のヘルスケア応用が期待されている。
本講演では、ウェアラブルコンピュータブームから現在に至るまでのウェアラブルセンシング技術の進化を、具体的な研究開発事例を交えて解説すると共に、今後期待されるヘルスケア応用の方向性について議論する。

大内 一成講師:大内 一成(株式会社東芝 ヘルスケア社 ヘルスケア開発センター ウェアラブルセンシング担当グループ長)
【略歴】1998年早稲田大学大学院理工学研究科物理学及応用物理学専攻修了。同年株式会社東芝入社。現在、株式会社東芝 ヘルスケア社ヘルスケア開発センターウェアラブルセンシング担当グループ長(兼 ヘルスケア医療推進部 ライフサイエンス部参事)、兼 研究開発センターインタラクティブメディアラボラトリー主任研究員。ウェアラブルセンシングによる状況認識技術とヒューマンインタフェースの研究開発に従事。2012年度長尾真記念特別賞、2012年度山下記念研究賞等を受賞。本会ユビキタスコンピューティングシステム研究会幹事、若手研究者の会IE領域幹事。人間情報学会理事。

セッション2:日常生活下におけるヘルスケアデータの計測と活用について

[11:25-12:25]
本講演では、私たちの健康管理や医療において利用されるヘルスケアデータを中心に取り扱います。
日常生活下における計測と活用は次のような点で重要であると言えます。血圧や体温などの生体情報も、また運動・食事・睡眠といった生活習慣に関わる行動情報においても、それらの変動をとらえることが、健康管理や医療に大きく役立てることができると期待されるからです。このために開発した計測デバイスおよびICTを活用したシステムについて概要を紹介し、蓄積されたデータの活用についてその目的と現状について共有します。なお、ウェアラブルデバイスそのものより、日常生活下におけるヘルスケアデータの計測と活用に軸足を置いた内容となります。

中嶋 宏講師:中嶋 宏(オムロン株式会社 技術・知財本部 技術専門職)
【略歴】1985年神戸大学工学部システム工学科卒業。2004年熊本大学自然科学研究科博士後期過程システム情報科学専攻修了。博士(工学)。1985年立石電機株式会社(現オムロン株式会社)入社。現在、同社の技術専門職。九州工業大学客員教授、京都嵯峨芸術大学非常勤講師等も務める。人類、人工物(機械、情報)、環境へのヘルスマネジメント技術展開に尽力している。ソフトコンピューティング、データ解析などが専門。

お昼休憩 12:25~13:40

セッション3:EPSONウェアラブル戦略とウェアラブル商品

[13:40-14:40]
EPSONのDNAが、諏訪精工舎時代の1969年に世界初のクオーツウォッチ商品化ということで、今考えればEPSONのルーツはウェアラブル商品からスタートしているということになります。今まさにウェアラブル時代の幕開けということで、EPSONは健康・医療、スポーツ、映像・情報の各カテゴリーにおいて、様々なEPSONならではの商品展開をスタートしております。
本講演では、冒頭EPSONのウェアラブル戦略概要について説明させて頂き、商品としてはEPSONのSmart GlassであるMOVERIOの新商品BT200について紹介させて頂きます。Smart Glassについては、2011年にEPSON初の両眼シースルーSmart GlassであるMOVERIO BT100を発売しました。発売後、民生、業務市場からの様々なフィードバックを頂き、MOVERIO BT200については、ウェアラブル商品で最も重要な装着性という観点での小型・軽量化を実現するだけでなく、様々な機器との接続性、MOVERIO向けアプリの提供を実現することで、従来モデルから大幅な進化を遂げています。

馬塲 宏行講師:馬塲 宏行(セイコーエプソン株式会社 ビジュアルプロダクツ事業部 HMD事業推進部 基幹社員)
【略歴】1979年神戸大学工学部計測工学科卒業。1984年諏訪精工舎(現セイコーエプソン)入社。ポケット液晶TV、液晶プロジェクター、アミューズメント表示ユニット等のシステム開発・設計業務推進後、プロジェクター商品企画、マイクロディスプレイデバイス商品化推進、有機ELデバイス開発推進業務を経て、現在Smart Glass事業の商品企画、マーケティング、プロモーション業務推進 。

セッション4:Google GlassとジェスチャースマートグラスMIRAMAの未来

[14:55-15:55]
日本発のジェスチャー入力ができるスマートグラス「MIRAMA」。 その概要の説明と将来の展望を語る。
ブリリアントサービスで取り組んでいるGoogle Glassとの比較、Google Glassとどういった点が異なるのか? Googleが考えるGoogle Glassを使った野望を見据えた上でMIRAMAが狙う市場と優位性を語る。

杉本 礼彦様講師:杉本 礼彦(株式会社ブリリアントサービス 代表取締役)
【略歴】株式会社ブリリアントサービス代表取締役。海外、日本国内の企業と共に携帯電話の黎明期から携帯電話の開発に携わっている。技術者である父親の影響もあり技術者に対し一方的に搾取しない会社を目指してブリリアントサービスを設立。日本発の産業を立ち上げたいと考え行動する。

セッション5:ウェアラブルセンシングの研究とその活用事例

[16:10-17:10]
コンピュータが常時利用され、ユーザの動きや生体情報がリアルタイムで取得できるようになった場合にいったいどういう応用が考えられるだろうか。
本講演では我々の研究グループがこれまでに行ってきたウェアラブルコンピューティングの応用に関して概説する。
特に、ライフロギングの可能性やエンタテインメント応用に関して、ウェアラブルセンシング技術を中心に実践的な例を多数挙げながら今後のウェアラブルコンピューティングの可能性について述べる。

寺田 努様講師:寺田 努(神戸大学 大学院工学研究科 准教授)
【略歴】2000年大阪大学院工学研究科博士後期課程退学。同年より大阪大学サイバーメディアセンター助手。2005年より同講師。2007年神戸大学大学院工学研究科准教授。現在に至る。2004年より特定非営利活動法人ウェアラブルコンピュータ研究開発機構理事、2004年には英国ランカスター大学客員研究員、2006年IPA未踏クリエータ、2007年ATR客員研究員、2010年よりJSTさきがけ研究員を兼務。博士(工学)。ウェアラブルコンピューティング、ユビキタスコンピューティングの研究に従事。

情報処理学会では、産業界(実務家)の視点から、関心度の高いテーマ、注目のテーマ、技術の先進性に富んだテーマを取り上げて、その最前線で活躍されている方を講師に招き、年数回にわたってセミナーを開催しています。

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