抄録
M-024
最適な圧迫深度・姿勢の組み合わせを評価するCPR訓練システムの開発
石黒銀河・皆月昭則(釧路公大)
心停止状態の救命手法として知られている心肺蘇生(以下,Cardiopulmonary Resuscitation,CPR)は,AED(自動体外式除細動器)が,その場にない場合の救命の基本であり,胸骨圧迫の動作が中心である。胸骨圧迫時の深度が約5cm~6cm(胸が約 5cm沈むように圧迫するが,6cmを超えないようにする)と毎分100~120回の速度でCPRを行うようにとJRC蘇生ガイドラインに推奨されているが,これらの推奨閾値は個別的にもとめられたものである.最新の論文(Optimal Combination of Compression Rate and Depth During Cardiopulmonary Resuscitation for Functionally Favorable Survival, Sue Duval, et al, 2019)では,心停止患者での最適な胸骨圧迫は深さ4.7cmで毎分107回,心停止者の年齢・性別・心リズム・他介入によって変化しなかったという報告がある.本研究では,最新論文報告に依拠しながら,最適な深度と姿勢の検知においてRaspberry PiとAzure Kinect DKを用いてCPR訓練システムを開発した.