抄録
J-004
疑似痛覚を用いた身体機能拡張に関する研究
岸 大貴・ピトヨ ハルトノ(中京大)
人間の皮膚感覚は,機械的変形を伝える触覚,温度感覚,その一種ともいえる痛覚で構成されている.その中で触覚に関しての研究は盛んに行われているが,温度感覚に関しては比較的研究事例が少ない.そこで本研究では,温度感覚と痛覚に着目し,サーマルグリル錯覚を利用した疑似的な痛覚を生起し,それを用いて遠隔の危機を痛みとして人間に伝える.それにより,本来人間には備わってない遠隔での危機感知機能を生成し,人間の物理的知覚機能の拡張を目指す.この機能拡張により,遠隔操作ロボット,医療シミュレーションなどのマンマシンインターフェースの新しい提案と,痛みと行動における生物学,認知科学に対し新しい知見の創発を目指す.