抄録
I-039
低ガウス雑音推定法のウィナーフィルタへの適用
鈴木貴士・辻 裕之・木村誠聡(神奈川工科大)
ガウス雑音が重畳した画像を復元する際に,その標準偏差を推定することは高精度な雑音除去に必要である.劣化画像から重畳しているガウス雑音の標準偏差を推定する方法としてロバスト性が高いMAD(Median Absolute Deviation)を用いた方法がある.筆者らは,MADを用いた推定方法はσ=10未満のガウス雑音(低ガウス雑音)において雑音の推定精度が画像の種類や性質に依存する問題を解消したものの,雑音除去においてどの程度有効であるかが明らかでない.本稿では,低ガウス雑音の推定値をウィナーフィルタに適用し,客観的な画質評価であるPSNRによって比較したところ約1.4dB向上することを確認した.