抄録
I-035
3D表現を用いた遠近画像の奥行き評価に関する研究
瀧澤海斗・梶原康平・鉄谷信二(電機大)
近年では,3D映画やVRなど両目視差を用いた様々な3Dコンテンツが制作されている.3D表現を用いたそれらのコンテンツは,立体視により奥行感を得ることで,まるで自身が作品の空間の中にいるような臨場感を感じられる.3D画像を鑑賞する場合,経験上から記憶している3次元表現での奥行き情報と3D表現で用いる両目視差が混在して認識されている.より見やすい3D画像を製作するには,この2つの整合性を取る必要がある.本研究では,この整合性の問題点を明らかにすることを目的とし,初動としての基礎検討として,奥行きを知覚する場合の情報量と記憶の強さの関係を明らかにする.また,先行研究では,奥行感のある立体画像に対して「違和感」を用いた主観評価の有効性を確認している.「違和感」と「奥行感」の評価から定量化を図るため,点列から構成される遠近画像の3D正視画像と3D逆視画像を用いて実験を行った.