抄録
I-005
形態変更が可能な漫画制作支援ツール
櫛田海斗・椿 郁子(東京工科大)
漫画の視線誘導技法とは、右綴じの書籍に合わせて右上から左下に向かって自然な展開になるようにページを構成することである。電子書籍の多様化に伴い、縦スクロールと呼ばれる、ページをめくりながら読むのではなく、下に向かって読み進める形態の漫画ビューアが登場した。従来の漫画は、縦スクロールで読まれると、意図された視線誘導を行うことができないが、縦スクロールに合わせて描き直すのは、漫画の作者の負担になると考えられる。これに対処するため、形態変更を行うことができる漫画制作支援ツールを提案する。漫画データからコマ、キャラクター、背景、吹き出しの要素を抽出し、縦スクロールに適したように再配置を行うものである。