抄録
H-039
高精細印字画像データセットを用いた機械学習によるレーザープリンタの識別
古川 猛(茨城県警)
犯罪捜査のために、ストーカーらが印刷した誹謗、中傷文書中の印字からプリンタのメーカー、機種を識別する手法を検討した。まず、8機種のレーザープリンタを新規に購入し、各プリンタごとに同じ文面の文書を1000枚印刷した。次に、顕微鏡に装着した画素ずらし方式のCCDカメラにより高精細印字画像を撮影し、データセットを構築した。このデータセットを用いて、識別実験を行った。特徴量は、印字の輪郭線に対して8段階のウェーブレット分解を施して得た信号を用いた。識別には、カーネル直交相互部分空間法(KOMSM)などの部分空間法ベースの手法、及びResNetなどのCNNベースの手法を用いた。その結果、90%以上の正答率を得た。