抄録
H-030
中間制約損失を用いた歪み付き画像認識
鈴木聡志(NTT/電通大)・谷田隆一・木全英明(NTT)・庄野 逸(電通大)
Deep Neural Network (DNN) は画像認識において高い性能を示すが,ノイズやブラー等の歪みに対して脆弱である.この脆弱性に対して,歪み画像で DNN を Fine-tuning する事で性能が改善する事が知られている.しかし,歪みの大きい画像は認識に対して重要な特徴が損なわれるため,Fine-tuning 対象の DNN において,学習/推論時に信号が適切に伝播されない可能性がある.本研究では,DNN のパラメータを Fine-tuning の枠組みで学習するだけでなく,中間層のニューロンの反応を制御する事で,歪みによって適切な伝播が阻害されている信号伝播を適切に制御する.ニューロンの反応を制限するために,シグモイド関数とステップ関数を組み合わせた中間制約損失を新たに提案し,歪み画像の認識においてその効果を検証した.ImageNet2012を用いた実験において,提案手法が Fine-tuning よりもブラー付き画像の認識において高い性能を示す事が明らかになった.