抄録
G-018
複数の聴診箇所の聴診音から選択した学習データを用いての異常肺音検出
梅野直幹・松永昭一・高田寛之(長崎大)
肺疾患の検査は聴診によって診断されるが,聴診は医療従事者にしかできず,病院へ行くことが困難な人は疾患の発見が遅れる場合がある.このような背景から,本研究では手軽にどこでも肺疾患の検査が行えるシステムを開発することで肺疾患の早期発見を促すことを目指しており,異常肺音の検出精度の向上を目的とする.従来研究では学習に用いるデータ数の不足による検出精度の低下が課題の一つであり,複数の聴診箇所から収録した聴診音データのうち特定の聴診箇所のみのデータを用いて学習を行なっていた.この課題を解決するため,複数の聴診箇所のデータを用いた2種類の学習データ拡張法を提案し,結果として最大で2.5ポイントの精度向上を図ることができた.本研究により複数の聴診箇所を用いての学習データの拡張は有効であることが判明した.