抄録
G-011
オートエンコーダを用いた視覚と聴覚の統合学習によるマガーク効果の再現
中村 健・野口 渉・飯塚博幸・山本雅人(北大)
近年,深層学習は様々な分野で高い成果をあげており,人間と同じレベルの感覚入力の認識・生成が可能になりつつある.また人間は情報を知覚する際に複数の感覚情報を統合していることが知られている.その一例として挙げられるのがマガーク効果であり,これは視覚と聴覚の相互作用を示す現象のひとつである.もし深層学習が人間の知覚のプロセスを再現しているのであれば,人間の感覚統合を再現出来ると考えられる.そこで本研究では,深層学習を用いて人間が受け取るのと質的に同等と考えられる高次元の情報を認識し,視覚と聴覚の統合を行うモデルを構築した.学習の結果,人間の感覚統合によって起きるマガーク効果を再現した.