抄録
G-008
人工小脳モデルを用いた前庭動眼反射運動学習における周波数特性の評価
髙木隆ノ介・稲垣圭一郎(中部大)
前庭動眼反射(VOR)は, 小脳が深く関与している運動学習の研究によく用いられてきた. 近年, 霊長類を用いた実験により, VORは学習刺激周波数が低周波数の場合と高周波数の場合で小脳内細胞の応答が異なることが示された.また, 従来のモデル研究により, 学習に用いる頭部と視覚刺激が低周波数域におけるVOR運動学習メカニズムの理解はすすんでいるが, これらが高周波数域になる場合のメカニズムは不明な点が多い. 本研究では, VOR運動学習に関わる神経系が詳細に記述された人工小脳両半球モデルで高周波数学習刺激を用いたVOR運動学習再現シミュレーションを実施し, 小脳内部信号処理メカニズムを評価した.