抄録
F-001
L1正則化非負値行列因子分解のための新たな階層的交互最小二乗法
佐野雄大・右田剛史・高橋規一(岡山大)
非負値行列因子分解とは次元削減手法の1つであり,様々な分野に応用されている.与えられた非負値行列と非負値因子行列の積との誤差を最小化する制約付き最適化問題として定式化され,因子行列の疎性を制御するためにL1正則化項が用いられることもある.これまで,その最適化問題の解法として乗法型更新式や階層的交互最小二乗法といった反復計算法が提案されてきた.しかし,既存手法には因子行列がゼロの値をとることができないという問題がある.本研究では,その問題を解決するために新たな階層的交互最小二乗法を提案し,その大域収束性を証明する.さらに,数値実験によって提案手法の有効性も検証する.