抄録
E-022
ベイズの定理を利用した日本語意味役割付与モデルの構築
岸本 廉・竹内孔一(岡山大)
本論文では日本語の入力文に対して意味役割付与を行うシステムをベイズの定理を利用しモデル化する研究を行う.意味役割付与とは1文内の各係り受け関係に対して意味的な分類を与え,述語に対して概念フレームを付与する解析である.モデルの構築に意味役割付与データを利用するが低頻度の事例が多い.よって本研究では事前分布を仮定したベイズの定理に基づく意味役割付与モデルを提案する.事前分布としてディリクレ分布を利用して意味役割の同定に必要な特徴量を組合わせた関数を定義し,ベイズ推定により学習データからパラメータの値を得るための定式化を行う.模擬的な学習データに対して得られた確率分布が妥当であったことを報告する.