抄録
CJ-008
サービス利用規約の読解促進を目指した表示手法の比較検討
竹ノ内朝陽・矢谷浩司(東大)
オンラインサービスを利用するときユーザは利用規約を読み同意しなければならないが,多くのユーザが利用規約をほとんど読まずに同意を選択している.この現状は,ユーザ・企業双方にとって極めてリスクが高い.そこでユーザに利用規約を読んでもらうために,独自の工夫を加えた表示手法で利用規約を提示する企業も存在する.しかしその手法は様々であり,それぞれの実際の効果は不明である.本研究では,様々な利用規約の表示手法をユーザ実験を通じて比較し,ユーザがどれだけ正しく利用規約を理解したかという観点から評価した.結果,表示手法とユーザの利用規約の理解度には有意な相関が見られなかった.一方で,利用規約をユーザーが時間をかけて読むほど理解度は高いということがわかった.