抄録
A-015
クラスタリング手法を用いた巡回セールスマン問題の近似解法
内田純平・穴田 一(東京都市大)
最も効率が良い組み合わせを求める組み合わせ最適化問題には, 与えられた全ての都市を巡る最短経路を求める巡回セールスマン問題(Traveling Salesman Problem, TSP)がある. TSPには多くの工学的応用分野が存在し, これらの応用分野が扱う問題は年々大規模化している. しかし, TSPの最適解を求めることはNP困難と呼ばれる問題クラスに属しており, 大規模TSPに対しては最適解を求める厳密解法よりも, 実用的な時間内にできるだけ良い解を求める近似解法の研究が盛んである.そこで本研究では, 新たな近似解法として階層型クラスタリングによって構成した最後のクラスタの重心で初期経路を生成し, その経路を更新しながら経路生成を行うアルゴリズムを構築した.