抄録
A-010
実現確率的ボラティリティ変動モデルにおけるバイアスの測定:ハミルトニアンモンテカルロ法によるパラメータ推定
高石哲弥(広島経済大)
ボラティリティは金融時系列データの変動の大きさを表す量で分散に相当するものであり、リスク管理に重要な量である。実現確率的ボラティリティ変動モデルは日次収益率データに加え、実現ボラティリティを観測値として用いるので、より精度よいボラティリティの推定が期待されるモデルである。また、実現ボラティリティは高頻度データ特有のマイクロストラクチャーノイズの影響を受けるが、このノイズの影響もモデルのパラメータに取り込むことができる。本研究では、サンプリング周波数を様々に変えた実現ボラティリティを用いてモデルの推定を行い、推定値にノイズの影響によるバイアスが残るかどうかを調べる。モデル推定にはマルコフ連鎖モンテカルロ法を用いるが、実行にはハミルトニアンモンテカルロ法を用いる。このハミルトニアンモンテカルロの有効性についても議論する。