抄録
A-004
Hawkes過程による連鎖的なゲーム実施を導入した空間上の進化ゲーム
宮川大樹・一ノ瀬元喜(静岡大)
進化ゲームによる協力の進化メカニズムは多くの研究で調査されてきた.従来のモデルではエージェント間でのゲーム実施を同期的またはランダム順で行うことが多く,ゲームは一定頻度で起こるという仮定が根本にあった.しかし現実に人間の行動周期は一定でなく,過去の自身や他人の行動に励起される場合も考えられる.提案する正方格子上の進化ゲームモデルでは,自身や隣人が過去に実施したゲームが現在の自分自身のゲーム実施を励起し,連鎖していくようなHawkes過程で表される点過程モデルをゲーム実施に導入する.進化シミュレーションの結果,連鎖的なゲーム実施はたとえ協力者が大いに不利であっても協力を進化させることが分かった.