抄録
A-003
保全履歴データのみを用いた設備故障予知手法の提案
棚橋直哉・小山 光(日立)
近年、機械学習を用いたデータ分析技術の発展により設備のダウンタイム削減を目的とした故障予知技術が注目されている。しかし、実際の製造現場では保全履歴データとセンシングデータ(設備温度などの設備稼働状態データ)が結びついていないことが多く、機械学習に適したデータを用意することが困難な状況である。そこで本研究では、保全履歴データのみから設備及びその設備部位ごとにワイブル分布を構築し、設備と各部位の故障確率を段階的に算出するという設備故障予知手法を提案した。本手法を用いてある加工設備23台の保全履歴データを分析した結果、約1年間に発生する155回の故障のうち93回を予測可能であることを確認した。