2026年度詳細
2026年度(令和8年度)山下記念研究賞詳細
<コンピュータサイエンス領域>
DBS SE ARC OS SLDM HPC PRO AL MPS EMB QS
<情報環境領域>
DPS HCI IS IFAT CN MBL CSEC ITS UBI IOT SPT CDS DCC ASD
<メディア知能情報領域>
NL ICS CVIM CG CE CH MUS SLP EIP GI EC BIO CLE AAC SI
コンピュータサイエンス領域
| ●合意形成を目的とした代理情報探索における偏りを抑制するエージェント介入 [データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2026)(2026/3/1)](データベースとデータサイエンス研究会) |
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和田 泰幸 君 (学生会員) 2026年9月 静岡大学 情報学部行動情報学部 |
| [推薦理由] 本論文では,仮想的なグループメンバとして振る舞うエージェントを介入させることで,他者視点を想起させる支援手法を提案している.特に,「仮想的なグループメンバによる介入によって,グループメンバを考慮した情報探索を支援することは可能か」という明確なリサーチ・クエスチョンを設定し,介入あり・なし条件による被験者実験を通じて妥当な検証を行っている.さらに,探索行動・成果物,システムのユーザビリティ,使用価値・受容性という三つの観点から多面的に評価を実施しており,質的・量的分析を組み合わせて丁寧に考察している点も優れている.以上より,本研究は生成AI時代の情報探索支援研究に新たな方向性を示す研究であり,山下記念研究賞に値する研究として推薦する. | |
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| ●不規則多変量時系列予測に向けたハイパーグラフコアアテンションネットワーク [データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2026)(2026/3/2)](データベースとデータサイエンス研究会) |
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増田 盛 君 (学生会員) |
| [推薦理由] 本論文は,観測タイミングが不規則かつ非同期となる不規則多変量時系列の予測という,医療や気象などの実世界応用において重要かつ困難な課題に取り組んでいる.既存のハイパーグラフ手法が抱える,データ依存のハイパーエッジに起因する学習の不安定性や,断片化された多段階処理による計算非効率性という課題に対し,「集約と再分配」の枠組みにより,学習可能な共通クエリにより安定したコア表現を抽出するとともに,局所的な依存関係と大域的傾向を同時に捉えるデュアルパス構造を導入している.5つのベンチマークデータセットを用いた評価実験により,最高水準の予測精度・計算効率・安定性が実証されており,学術的・実用的意義の両面から山下記念研究賞に相応しいものとして推薦する. | |
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| ●拡張知識を持つLLMシステム向けテストケース生成基盤 TORAK [ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム(SES2025)(2025/9/18)](ソフトウェア工学研究会) |
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新原 敦介 君 (正会員) 2004年3月 東京工業大学 工学部 情報工学科 卒業 |
| [推薦理由] 本研究は,RAGやファインチューニングにより特定のドメイン知識を導入したLLMシステムの品質保証において,最大の障壁となる「拡張知識に基づいた網羅的なテストケース作成」の工数削減を目的とする.独自に開発された生成基盤「TORAK」は,Pipeline and FilterパターンとChain of Thoughtを組み合わせることで,複雑なテスト生成プロセスをシンプルなフィルタ群の連鎖として再構成し,多様なタスクや評価観点への高い柔軟性を実現した . 実在の事例検索システムを含む3つの異なるドメインでの試行評価では,フィルタの再利用によって評価観点の拡充を低コストで実現できることを実証した .また,生成されたテストケース自体の妥当性をLLMに評価させる「質問スコア」を導入し,ハルシネーションリスクを管理可能にした点も実用的価値が高い .拡張知識を持つLLMシステムの信頼性評価を加速させ,実用化を強力に後押しする革新的な成果として,本論文を推薦する. | |
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| ●独立性検定と特徴量重要度抽出を用いたプルリクエストとソフトウェア不具合混入との関係分析 [ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム(SES2025)(2025/9/18)](ソフトウェア工学研究会) |
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川野 稜介 君 (学生会員) 2025年 3月 京都工芸繊維大学 情報工学課程 卒業. |
| [推薦理由] 本研究は,現代のソフトウェア開発の中核であるプルベース開発モデルにおいて,プルリクエスト(PR)の存在やその特徴が不具合混入に与える影響を,98件ものApacheプロジェクトを対象に実証的に解明したものである.カイ二乗検定により,PRに含まれるコミットの方が不具合混入率が有意に低いことを示すとともに,プラットフォーム間の厳格さの差による効果量の違いを考察した点は,学術的・実践的示唆に富んでいる.また,機械学習を用いた分析により,コードの追加行数(#added)や不具合修正(fix)の有無が予測に大きく寄与することを特定した.大規模データに基づき,レビュープロセスの有用性と不具合混入リスクが高いPRの特性を定量的かつ精緻に導き出した功績は大きく,本論文を推薦する. | |
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| ●実機In-DRAM計算における高精度キャリブレーション [2025-ARC-261(2025/6/10)](システム・アーキテクチャ研究会) |
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久保 龍哉 君 (学生会員) 2022年3月 東京大学理学部情報科学科 卒業. |
| [推薦理由] 本論文は,市販DRAMを用いたProcessing-Using-DRAM(PUD)技術における実用化の主要障壁であるエラー列問題に対し,新たな高精度キャリブレーション手法を提案している.PUD固有のFrac操作により生成される多段階電荷状態を活用し,限られた行数でも細粒度かつ広範囲なオフセット補正を実現する着想が独創的である.SK Hynix DDR4 DRAMを用いた実験においてエラー列を46.6%から3.3%へ大幅に削減し,加算・乗算スループットをそれぞれ1.88倍・1.89倍改善した成果は顕著であり,温度・時間に対する高い安定性も実証されている.容量オーバーヘッドが0.6%に留まる点も実用性の高さを示している. | |
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| ●包括的なカーネル差分比較によるLinuxタスクスケジューラの不具合検出 [2025-OS-167(2025/5/22)](システムソフトウェアとオペレーティング・システム研究会) |
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若林 大起 君 (正会員) 2024年3月 慶應義塾大学理工学部情報工学科 卒業 |
| [推薦理由] 本論文は,Linuxオペレーティングシステムにおいて,スケジューリングアルゴリズム部分以外の変更によってもタスクスケジューリングにおいて性能低下が生じうることを明らかにした.異なるカーネルバージョン間でGitコミット単位での性能比較を行うことで,特定のワークロードに対してCPUの電力制御ドライバの変更が悪影響を及ぼすことを突き止めた.さらに性能劣化の原因を詳細に分析しその改善方法を示した.本研究は,計算機の性能に大きな影響を及ぼすものの,その不具合を見つけることが難しいタスクスケジューリングに対して,新たな知見を提示している.実システムに対する応用も期待できる.山下記念研究賞に相応しい論文として推薦する. | |
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| ●電源電圧変動検出器を用いたディジタルLDOにおける電源ノイズ低減手法 [DAS2025(2025/8/28)](システムとLSIの設計技術研究会) |
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鹿島 大覚 君 (学生会員) 2025年3月 京都大学工学部電気電子工学科 卒業. |
| [推薦理由] SoC(System on a Chip)の低消費電力化に向けてディジタルLDO(Low DropOut regulator)が注目される一方,PSRR(Power Supply Rejection Ratio)の低さや,高速動作時の消費電力増大が課題となっている.本研究では,基準点を更新しながら動作する電源電圧変動検出器を提案し,検出閾値を分解能として利用することで,ディジタル制御領域における正確な電源電圧変動補償を実現し,ディジタルLDOにおけるPSRR改善と定常状態での低消費電力動作の両立を実現している.実験では,1 MHz・100 mVppの電源電圧リップルに対して,出力電圧変動をRMS値で約3 mVに抑制しており,高いPSRR改善効果を示している.以上より,本研究は新規性・有用性ともに高く,山下記念研究賞にふさわしい研究成果として推薦する. | |
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| ●光ニューラルネットワークに対する複数箇所にわたる熱故障注入攻撃の実行時検知 [DAS2025(2025/8/28)](システムとLSIの設計技術研究会) |
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西田 孔太 君 (学生会員) 2024年3月 大阪大学工学部電子情報工学科 卒業. |
| [推薦理由] 高効率なAI処理を実現する光ニューラルネットワーク(ONN)とその実行基盤であるシリコンフォトニクスAIアクセラレータ(SPAA)が注目される中,物理攻撃への対策が重要課題となっている.本研究では,ONNに対するレーザー故障注入攻撃の脅威を示すとともに,異常な位相シフトを監視することで推論時に攻撃を同時検出する手法を提案している.さらに,光行列乗算器の波長依存性を活用した波長分割摂動を提案し,低オーバーヘッドで攻撃検出性能を向上させている.本手法は,単一点および複数点の熱故障攻撃に対して96%以上の検出精度を達成しており,高精度な攻撃検出を実現している.以上より,本研究は新規性・有用性ともに高く,山下記念研究賞にふさわしい研究成果として推薦する. | |
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| ●より低精度なFFTを用いた高精度なFFTの計算手法の提案 [2025-HPC-200(2025/8/5)](ハイパフォーマンスコンピューティング研究会) |
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川上 昌汰 君 (学生会員) 2022年3月 岐阜工業高等専門学校 電気情報工学科 卒業. |
| [推薦理由] 近年のGPUなどの演算加速器は,AI分野からの需要の高まりにより,低精度演算の性能が単精度演算や倍精度演算に比べて非常に高く設計されている.本研究は,このような状況に着目し,より低精度な高速フーリエ変換(FFT)を用いて,高精度なFFTを計算する新たな手法を提案した.数値実験により,単精度FFTを用いた倍精度FFTの計算,倍精度FFTを用いたDouble-Double精度のFFTの計算が,実際に可能であることを示した.提案手法は,既存のFFTルーチンで活用可能であるため可搬性に優れる.以上から,提案手法はHPC分野において重要なFFTの有用な実装方式であると認められ,山下記念研究賞に相応しい研究成果であると評価できる. | |
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| ●VibeCodeHPC: HPCコード自動チューニングのためのマルチLLMエージェントシステム [2025-HPC-202(2025/12/15)](ハイパフォーマンスコンピューティング研究会) |
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林 俊一郎 君 (学生会員) 2025年3月 名古屋大学 情報学部 コンピュータ科学科 卒業 |
| [推薦理由] 本研究は,LLMマルチエージェントによりHPCコードを自動最適化する「VibeCodeHPC」を提案した.本提案はClaude Code等のCLI型AIエージェントを活用し,プロジェクトマネージャー,システムエンジニア,およびプログラマー等の役割を持つ複数エージェントの組織的な協調動作の仕組みを実現した.動的エージェント配備,コンテキスト監視による持続的動作,および相互監視の独自機構により自律的最適化を可能にした.行列積と姫野ベンチマークの実験から,単一エージェントに対して高性能かつ多様な最適化探索ができることを示した.以上から,本提案はHPC分野におけるAIエージェントの先駆的かつ有用な方式提案であると認められ,山下記念研究賞に相応しい成果であると評価できる. | |
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| ●ホスト処理系の変更を要しない衛生的マクロに基づく多段階プログラミングDSL [PRO-2025-3(2025/11/7)](プログラミング研究会) |
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馬谷 誠二 君 (正会員) 1999年 京都大学工学部情報学科 卒業. |
| [推薦理由] 多段階プログラミングでは,プログラムコードを生成・実行する機能を駆使する.強力な枠組みではあるが,変数名の対応関係が壊れたプログラムが生成されかねないという難しさがある.一方,マクロは,変数名の対応関係を保証する手法(「衛生的」と呼ばれる)は確立しているが,プログラムの生成能力は低い.本研究では,衛生的マクロを用いることで,多段階プログラミングに衛生性を導入する手法を提案した.提案手法は衛生的マクロ機構をもつ関数型言語Racketのライブラリとして実装され,その有用性はプログラミング言語評価器の試作を通じて確認されている.衛生的な多段階プログラミングという一見困難な課題をシンプルな着想で解決しており,さらに実用的なライブラリを実現・評価している.以上の理由により,本研究は山下記念研究賞に値する研究成果である. | |
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| ●極大閉部分文字列のオンライン計算アルゴリズム [2026-AL-206(2026/1/13)](アルゴリズム研究会) |
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柴田 紘希 君 (学生会員) 2022年3月 東京工業高等専門学校 情報工学科 卒業 |
| [推薦理由] 極大閉部分文字列は,文字列中に現れる繰り返し構造の一種として知られ,その組合せ的性質や効率的な計算法は近年活発に研究されている.当該論文では,入力文字列の末尾への文字追加に伴って極大閉部分文字列の集合を高速に更新・計算するオンラインアルゴリズムを提案しており,簡潔な枠組みにより既存のオフラインアルゴリズムと同等の計算量を達成している.本研究で導入された接尾辞木とLink-Cut Treeの組合せは,着想の簡潔さと高い拡張性を兼ね備えており,文字列アルゴリズム分野における他の問題への応用可能性の点で評価できる.以上の理由により,山下記念研究賞にふさわしいものとして本研究を推薦する. | |
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| ●自己教師あり学習に基づくレーザー超音波可視化検査のための欠陥検出 [2026-MPS-156(2026/3/18)](数理モデル化と問題解決研究会) |
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加藤 毅 君 (正会員) 2003年 東北大学大学院工学系研究科博士後期課程修了 博士(工学) |
| [推薦理由] 本論文は,レーザー超音波可視化検査(LUVT)における欠陥検出を,欠陥データに依存せず実現するための自己教師あり学習手法を提案している.正常データから,散乱波を模擬した疑似異常データSWS を合成し,正常/疑似異常の2クラス分類で特徴抽出器を学習し,得られた特徴を KDE,Isolation Forest,One-Class SVM に入力して異常検知を行っている.実験結果において「SWS+OCSVM」 が AUROC 0.988 と従来法に比べ非常に優れた結果を示すなど,顕著に優れた手法の提案であったため推薦する. | |
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| ●Accelerating Probabilistic Response-Time Analysis: Revised Critical Instant and Optimized Convolution [Asia Pacific Conference on Robot IoT System Development and Platform (APRIS2025)(2025/11/4)](組込みシステム研究会) |
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高橋 大翔 君 (学生会員) 2025年3月 埼玉大学工学部情報工学科 卒業 |
| [推薦理由] 本論文は,自動運転やロボティクス等の安全性が重視される実時間システムにおいて,最悪ケースのデッドラインミス確率(WCDFP)を高速かつ安全に推定する手法を提案している.確率的解析における最悪シナリオに基づき,ハフマン符号の原理を応用した畳み込み順序の最適化技術を導入した.評価実験では,従来の逐次手法と比較して精度を維持しつつ計算時間を最大で1桁削減できることを示し,理論的厳密さと実用的な計算効率の両立を実現した.この成果は,信頼性の高い実時間システムの設計・検証に大きく寄与するものであり,山下記念研究賞に推薦する. | |
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| ●Evaluation of gate numbers for ground state energy calculations using higher-order product formulae [2025-QS-16(2025/10/24)](量子ソフトウェア研究会) |
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阿部 大夢 君 (学生会員) 2025年3月 大阪大学基礎工学部電子物理科学科 卒業 |
| [推薦理由] 本研究は,量子位相推定による分子基底状態エネルギー推定において,高次積公式の次数,誤差係数,実装コストの関係を定量的に解析したものである.水素鎖を対象に,総Pauli回転数に加え,誤り耐性量子計算で重要となるRZ回転層深さを評価し,形式次数の増加が必ずしも総リソース削減に結びつかないことを示した.さらに,Moralesらの構成に基づく新しい4次積公式を提案し,実用的な精度領域で既存の高次公式より低コストとなることを明らかにした.量子化学計算における積公式選択に具体的指針を与える優れた研究であり,山下記念研究賞に強く推薦する. | |
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| ●Frasco-VS:フラグメントに基づく薬剤候補化合物選抜の量子アニーリングによる実現 [2026-QS-17(2026/3/16)](量子ソフトウェア研究会) |
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柳澤 渓甫 君 (正会員) 2019年3月 東京工業大学情報理工学院 博士後期課程修了 博士(工学) |
| [推薦理由] 本論文は,創薬初期段階の化合物選抜を加速させる量子・古典ハイブリッドなバーチャルスクリーニング手法「Frasco-VS」を提案しています.薬剤候補化合物が,部分構造(フラグメント)の組合せで表現できることを示した上で,フラグメント配置セットの列挙を組合せ最適化問題として定式化しました.また,疑似量子アニーラSQBM+を活用することで,従来手法のAutoDock Vinaと比較して精度を維持しつつ8.3倍もの高速化を達成しました.高速化率のさらなる向上も見込めます.実用的な創薬プロセスへの量子計算技術応用の道を拓く極めて価値の高い成果であり,山下記念研究賞に相応しいと考えます. | |
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情報環境領域
| ●車車間通信を用いた Hybrid DTN・STIA の実機実証 [2026-DPS-206(2026/3/18)](マルチメディア通信と分散処理研究会) |
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大岡 睦 君 (正会員) 2012年 大阪大学 基礎工学部 情報科学科 中退(飛び進学) |
| [推薦理由] 本論文では,従来のVDTNで問題となっていた,重複データ転送による帯域逼迫やバッファ枯渇が発生し,配送成功率が低下する課題への対策方式を提案している.提案手法では車車間通信によるVDTNをデータ転送に用い,モバイル網を制御用に活用する Hybrid DTN と,時空間識別子に基づいて重複データを抑制する STIA を導入した.その結果,配送データ量・配送完了率が大幅に改善することが示されている.新規性や有用性が高く,車車間通信・路車間通信の遅延耐性ネットワークに対する将来性が認められることから,本論文を山下記念研究賞に推薦する. | |
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| ●オブジェクト指向に基づくリアルタイムメディア配信の再定義 [2026-DPS-206(2026/3/18)](マルチメディア通信と分散処理研究会) |
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杉澤 洋祐 君 (正会員) 2004年 札幌学院大学 社会情報学部 社会情報学科 卒業 |
| [推薦理由] 本論文では,リアルタイムメディア配信を従来のセッション指向通信ではなく,連続的に更新されるオブジェクトの配信問題として再定義し,HTTP/3とCDNを活用した新しい配信アーキテクチャを提案している.評価実験にて従来方式に比べて低遅延化と大幅なコスト削減を示しており,新規性・有用性ともに高く評価でき,今後の大規模リアルタイム配信技術の発展に寄与することが期待できるため,本論文を山下記念研究賞に推薦する. | |
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| ●ペンさく:ペンギン描画型観察支援システムの実地検証とその行動分析 [2026-HCI-216(2026/1/15)](ヒューマンコンピュータインタラクション研究会) |
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中川 由貴 君 (学生会員) 2023年3月 明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科 卒業. |
| [推薦理由] 本研究では,動物園や水族館の研究保全教育を担う役割をより強化するため,著者らがこれまで研究開発してきたペンギンの腹部模様を描いて個体検索できる観察支援システム「ペンさく」を改良し,サンシャイン水族館で1週間実証している.実証実験のためにログ取得と多言語対応を追加し,340名の利用行動を分析した結果,描画・検索を通じた個体への注目,同行者との協調的観察,同日・複数日にわたる再利用が確認されるなど,ユーザの多面的な行動が明らかになっている.そのシステムの実現および実証での有用性の検証,また他の動物園および水族館への波及効果など,山下記念研究賞に相応しい研究である. | |
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| ●項目反応理論と MCMC 法に基づく複数評価者による順序尺度データの統合的分析 [インタラクション2026(2026/3/3)](ヒューマンコンピュータインタラクション研究会) |
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中野 倫靖 君 (正会員) 2008年3月 筑波大学大学院 図書館情報メディア研究科 博士後期課程 修了,博士(情報学)2008年4月 独立行政法人 産業技術総合研究所 特別研究員 2010年4月 同 研究員 2013年3月 同 主任研究員 2023年1月 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 研究グループ長, 現在に至る.
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| [推薦理由] 本研究は,アノテーションや主観評価における複数評価者による順序尺度データを集約する際に,平均値や中央値といった単純な統計量ではなく,項目反応理論に基づくGraded Response Model (GRM)を用いることで,評価者の特性も考慮できる分析の方法論を提案している.140の歌唱に10人の評価者が7段階で歌唱力を評価したデータを用い,比較のための簡略化モデルを提案して,GRMの有効性を情報量基準で定量的に評価した点に技術的な新規性がある.加えて特筆すべきは,GRMのモデルパラメータをMCMC法で推定することで,不確実性評価や対象間差を確率として議論できる利点を示した点であり,順序尺度データの分析を一段深める顕著な学術的価値が認められるため,山下記念研究賞に相応しい研究成果であると評価できる. | |
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| ●事業会社のデジタル人材育成のためのワークショップ [2025-IS-172(2025/6/7)](情報システムと社会環境研究会) |
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江川 琢雄 君 (正会員) 1999年 東京理科大学 経営学部経営学科 卒業 |
| [推薦理由] 本論文は,DXを担う事業会社の情報システム人材育成に関する課題に対し,現場の実務者へのインタビューを通じて必要なコンピテンシーを抽出し,それに基づくシナリオ教材型ワークショップを設計・開発,さらに実企業での実践と評価まで一貫して行ったものです.現場起点で学習目標を導出し教育プログラムへと具体化している点に新規性があり,加えて現実に近い課題を疑似体験させる設計により学習効果の向上を図っている点も評価できます.複数手法による評価を通じて有用性を示しており,実務への適用可能性も高く評価できます..また,ユーザ企業における人材育成の具体的手法を提示している点で,今後の展開や他組織への波及も期待されます.以上により,山下記念研究賞の受賞候補者として強く推薦いたします. | |
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| ●LoRAマルチタスク学習における更新空間の分離による学習偏りの抑制 [2026-IFAT-162(2026/3/30)](情報基礎とアクセス技術研究会) |
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平子 翔太 君 (正会員) 2026年3月 同志社大学文化情報学部文化情報学科 卒業. |
| [推薦理由] 本論文は,LoRAを用いたLLMのマルチタスク学習において,学習の効果が特定のタスクに偏ることを軽減する手法を提案している.MTL-LoRAにおけるタスク固有変換行列の部分空間の重なりに着目し,完全な直交化ではなく許容値を導入した選択的直交化として定式化している.「直交化の有効性」「完全直交との比較」「最適な許容値のタスク依存性」に問いが整理され,これらに対応した実験が行われている.提案・評価・考察の対応がよくとれており,研究発表としての完成度が高い.山下記念研究賞に相応しい論文として推薦する. | |
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| ●変換聴覚フィードバックを利用したオンラインスピーチの発話および印象改善 [コラボレーションとネットワークサービスワークショップ2025(CNWS2025)(2025/11/20)](コラボレーションとネットワークサービス研究会) |
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大沼 怜生 君 (正会員) 2024年3月 筑波大学情報学群情報メディア創成学類 卒業. |
| [推薦理由] 本論文は,スピーチ中の話者に対し,発話音声へ音響変換を施した変換聴覚フィードバック(AAF)を用い,発話内容および聴衆の印象改善を図る手法を提案している.ピッチと声量を増加させて提示することで,話速の低下と聴衆評価の向上を実験的に示した.比較的単純な構成で高い効果を示しており,山下賞にふさわしい論文として推薦する. | |
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| ●広角カメラの画像歪みを考慮した物流倉庫内マルチカメラトラッキング手法 [2025-MBL-115(2025/5/23)](モバイルコンピューティングと新社会システム研究会) |
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森 裕輝 君 (正会員) 2024年3月 名古屋大学工学部電気電子情報工学科 卒業. |
| [推薦理由] 本論文は,物流倉庫内に設置された複数の広角カメラを用いて,作業員の高精度なマルチカメラトラッキングを実現する手法を提案している.本研究はデジタルツイン構築に不可欠な人や物の位置情報取得に着目し,実際の物流倉庫に設置された19台の広角カメラ映像を対象として,実環境に即した追跡手法を検討している点に高い実用的意義がある.評価実験では,足元座標の導入により外観特徴を用いない条件でHOTA,IDF1,MOTAが大幅に向上し,提案手法の有効性が定量的に示されている.また,実際の物流倉庫という遮蔽や画角歪みを含む複雑な環境で検証されている点から,学術的貢献に加えて,倉庫業務の可視化,作業分析,デジタルツインを用いた業務効率化への応用可能性も高い.これらの理由により,本論文を山下記念研究賞に推薦する. | |
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| ●拡散モデルを用いた個人特徴に基づく行動認識の個人適応 [マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2025)(2025/6/26)](モバイルコンピューティングと新社会システム研究会) |
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長谷川 達人 君 (正会員) 2009年3月 石川工業高等専門学校電子情報工学科 卒業. |
| [推薦理由] 本論文は,行動認識における個人依存問題を解決するため,拡散モデルを用いたデータ拡張による個人適応手法を提案している.個人特性と行動特性を拡散モデルにうまく条件付けることにより,有効なデータ生成を実現している点が革新的である.評価実験では様々な条件付けによる波形生成品質と,個人適応への応用時の影響が網羅的に調査されており,提案手法の有効性が示されている.実験結果も充実しており,信頼に足るものである.よって本論文を山下記念研究賞に推薦する. | |
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| ●スケールの盲点:LLMの心理的脆弱性 [コンピュータセキュリティシンポジウム(CSS2025)(2025/10/27)](コンピュータセキュリティ研究会) |
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山田 真徳 君 (正会員) 2015年3月 筑波大学大学院 数理物質科学研究科 博士課程修了,博士(理学) |
| [推薦理由] 心理的Jailbreakに対して適切な評価実験が行われており,大規模モデルほど心理的弱点に対して脆弱であるという意外な結果が報告されている.また,心理的Jailbreakへの対策についてもきちんと議論されており,心理的Jailbreakに反応するニューロンを同定し,これを操作するとうい対応策も非常に興味深いものである.全体的に極めて新規性・有用性の高い発表であり,山下記念研究賞にふさわしいものと考えるため,これを推薦する. | |
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| ●非同期ハイブリッド処理による基底簡約アルゴリズムAH-BKZの提案 [2026-CSEC-112(2026/3/17)](コンピュータセキュリティ研究会) |
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橋本 廉椰 君 (学生会員) 2026年3月 電気通信大学 情報理工学域Ⅱ類(融合系)卒業. |
| [推薦理由] 近年,耐量子計算機暗号の標準化が進展する中,その有力候補である格子暗号の安全性評価は,国際的にも重要な研究課題として注目されている.本論文で提案された解読アルゴリズムは,格子暗号の安全性評価に関わる基盤的問題に対して高い有効性を示し,格子暗号解読チャレンジにおいて複数の記録更新を達成した.特に,Ideal Lattice Challengeの164次元解読記録では全体第5位,解読チームとして第3位に位置しており,国際的ベンチマークにおける高い競争力と実証性を示している.以上より,本論文は本賞に十分値する優れた研究成果であると考え,ここに推薦する. | |
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| ●地域別の自動車の運転傾向に関する調査分析 [マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2025)(2025/6/25)](高度交通システムとスマートコミュニティ研究会) |
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秋山 真鈴 君 (学生会員) 2023年3月 東京大学大学院学際情報学府 修士課程 修了 |
| [推薦理由] 本発表では,全国規模のオンライン調査に基づいて,「名古屋走り」や「茨木ダッシュ」と呼称される地域特有の慣習的運転,いわゆる「ローカルルール」に帯する認識と実施状況に関して定量的に分析している.その結果,ローカルルールの認知度および内容,実施頻度には地域差が見られ,全国的に認知されているローカルルールと当該地域の運転者の実際の行動との間に乖離が存在することを明らかとしている.この研究成果は,自動運転車の社会受容性評価や地域特性を踏まえた交通安全施策の検討に資する基礎データを提供しており,交通システムに関する研究において意義深く,高く評価できる. | |
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| ●ウェアラブルカメラによる単一画像深度推定に向けた符号化開口設計手法の検討 [マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2025)(2025/6/25)](ユビキタスコンピューティングシステム研究会) |
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張 雨珂 君 (正会員) 2023年3月 東京大学工学部電気電子工学科 卒業 |
| [推薦理由] 本論文は,ウェアラブル単眼カメラでの深度推定を目的とし,レンズ内に挿入する特殊な絞り機構である符号化開口の設計手法を提案している.従来手法では,専用センサへの依存や機械学習に伴う計算コストが課題であった.提案手法では,撮像素子の大きさやレンズのF値等を考慮し,距離に応じた光の点拡がり関数(PSF)の変化を活用する設計方針を考案した.評価実験において,適切に選定した距離のPSFを用いて判定を行うことで高精度な深度推定が可能であることを示している.この手法は,プライバシーに配慮したライフログカメラ等への応用に重要な貢献を果たすと考えられ,ユビキタスコンピューティング分野にも大きく寄与する.以上の理由により,本論文を山下記念研究賞に推薦する. | |
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| ●UWBでのFingerPrint測位における環境変化への対応手法 [マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2025)(2025/6/27)](ユビキタスコンピューティングシステム研究会) |
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生西 虎太郎 君 (学生会員) 2026年3月 立命館大学情報理工学部 卒業. |
| [推薦理由] 本論文は,高精度な屋内測位において,環境変化に伴うフィンガープリント(FP)の効率的な更新手法を提案している.従来手法は主にWi-Fi環境を対象としており,高精度なUWB測位への適用や追加機器への依存が課題であった.提案手法では,追加機器を用いず,通常の測位で得られる信号強度や波形等のラベルなしデータにオートエンコーダを適用し,更新すべきFPを選定する.評価実験において,大幅に更新負担を抑えつつ高精度な測位を維持できることを示している.この手法は,屋内位置情報サービスの発展に重要な貢献を果たすと考えられ,ユビキタスコンピューティング分野にも大きく寄与する.以上の理由により,本論文を山下記念研究賞に推薦する. | |
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| ●不確実性下における目的と手段の統合的探索に向けた連続腕バンディットの応用 [2025-IOT-70(2025/7/28)](インターネットと運用技術研究会) |
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三宅 悠介 君 (正会員) |
| [推薦理由] 本発表は不確実性の高い課題において,従来は固定されがちであった目的そのものも手段とともに探索対象として捉え,共通の特徴量空間上で連続腕バンディットとして統合的に扱うきわめて野心的な枠組みを提案している.さらにガウス過程による不確実性推定とリスク制御,RFFを用いた高速化を組み合わせることで高次元空間においても探索精度と計算効率の両立を示した.発想の大胆さと技術的な堅実さを兼ね備えた,山下記念研究賞にふさわしい発表である. | |
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| ●Wi-Fi Preferred Network Listの偽装によるプライバシー保護の提案と評価 [2026-IOT-72(2026/3/5)](インターネットと運用技術研究会) |
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木田 伍 君 (学生会員) 2024年3月 立命館大学情報理工学部情報理工学科 卒業. |
| [推薦理由] 本発表はWi-Fi端末に蓄積されるPreferred Network Listが利用者の属性や行動履歴,さらには端末識別に利用され得るというプライバシー上の課題に対し,情報を隠すのではなく,偽の応答を混ぜることで攻撃者の観測を攪乱するという発想を提示している.さらに実環境に基づくPNLサイズ調査とAgent-Based Modelingによる評価を通じ,提案手法の有効性のみならず限界も率直に示した研究姿勢は,IOT研究会がこれまでも大切にしてきた研究に向き合う誠実さを体現するものである.攻撃の性質を逆手に取り,欺瞞そのものを防御へ転化した着想とその効果を冷静に見極める姿勢の双方を高く評価し,山下記念研究賞にふさわしい発表として推薦する. | |
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| ●予防と訂正:人はどうすれば事実を正しく捉えられるのか [コンピュータセキュリティシンポジウム(CSS2025)(2025/10/28)](セキュリティ心理学とトラスト研究会) |
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松田 美慧 君 (正会員) 2026年 横浜国立大学大学院 環境情報学府情報環境専攻 博士課程後期 修了,博士(情報学). |
| [推薦理由] 本論文は,SNS上での偽誤情報対策として,拡散前のプレバンキング,拡散後のデバンキングそれぞれの効果を調査したもの.Xを模した画面で日本人723人を対象に実験を行い,投稿内容やコメントが認識や感情に与える影響を分析し,特にデバンキングが有効であること,事実情報が偽誤情報を明確に否定する場合に効果が高いことを明らかにした.研究成果はもちろん,実験は参加者に与える刺激を丁寧に考慮して精緻に設計されており,それぞれの要因の影響を適切に評価できるよう構成されている点も含めてヒューマンファクターを扱うセキュリティ研究として高く評価されるものである.よって本論文を山下記念研究賞に推薦する. | |
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| ●Precipitation Radar Synthetic Data Generator for Disaster IT Testbed [2025-CDS-43(2025/5/29)](コンシューマ・デバイス&システム研究会) |
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廣井 慧 君 (正会員) 2004年3月 東北大学工学部電子工学科 卒業. |
| [推薦理由] 発表論文は,豪雨経験の乏しい地域でも災害対応ITを事前検証可能にするため,合成レーダ雨量データ生成手法RadarSynthを提案している.地形・気象条件に基づくLog-Gaussian Cox Processと,LoRAを用いた拡散モデルを組み合わせ,降雨コアの発生位置と形状・強度を分離して生成する点に技術的新規性がある.10件の実豪雨事例による評価でも高い位置再現性と方向再現性を示しており,ARIAテストベッドと連携した避難・通信障害評価への展開可能性も高い.発表論文における内容の完成度・有用性・社会的意義の観点から,山下記念研究賞にふさわしい論文であると考えられ推薦する. | |
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| ●部屋を撮影するだけ!理想の部屋を生成するための片付け行動変容機能開発の試み [マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2025)(2025/6/25)](コンシューマ・デバイス&システム研究会) |
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津山 慶之 君 (正会員) 2016年3月 東京大学工学部応用化学科 卒業. |
| [推薦理由] 発表論文は,散らかった部屋を撮影するだけで,片付け後の理想状態を生成し,片付け行動の動機づけに活用する新しい支援手法を提案している.SegGPTによる対象領域抽出とStable DiffusionのImage Inpaintingを組み合わせ,部屋構造を保ちながら不要物を除去・再構成する点に技術的新規性がある.19名の被験者実験を計画的行動理論に基づき分析し,態度・主観的規範の向上,対象部屋と類似した生成画像の重要性,ホーディング傾向等の個人特性との関係を明らかにしている.コンシューマー向けの新規技術として,生成AI技術を生活行動変容へ繋げられる実用性・発展性の高い研究であり,山下記念研究賞に相応しいと考えるため推薦したい. | |
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| ●回転機構を用いた奥行移動空中像表示システムにおける光学系の変数設計とその評価 [2026-DCC-42(2026/1/23)](デジタルコンテンツクリエーション研究会) |
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星 彩水 君 (正会員) 2021年3月 電気通信大学情報理工学域Ⅰ類 卒業. |
| [推薦理由] 本研究は,現実空間に実在感高くバーチャルキャラクタを表示できる空中像に着目し,ユーザの動きや実物体の移動などの環境変化に対してバーチャルキャラクタを自然かつ適応的に表示するため,空中像の3次元的な空間移動を実現する新たな手法を提案している.提案手法では,光学素子と光源の回転移動を利用して空中像の奥行移動を再現しており,空中像の奥行移動量の拡大,空中像の輝度,画質の向上効果が得られている.発表では,実際のデモンストレーションも行われ,新たなコンテンツ提示を実現する研究として高く評価された. | |
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| ●サンコロビンゴの地域実践:高齢者の意欲向上・認知的関与・社会参加への効果 [2026-DCC-42(2026/1/23)](デジタルコンテンツクリエーション研究会) |
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溝渕 彩久良 君 (正会員) 2024年3月 神奈川工科大学情報学部 情報メディア学科 卒業 |
| [推薦理由] 本研究は,計算・身体操作・対戦要素を組み合わせたインタラクティブゲーム「サンコロビンゴ」を地域実践の場へ導入し,高齢者の継続的な認知的活動への参加を促進する要素について調査している.体験会を継続的に実施し,出席率・リピート率・アンケート・プレイログを用いて評価を行った結果,「楽しさ」「集中」「自己効力感」の向上を確認し,ゲーム成績の向上過程から,直感的な操作性と明快なルール設計が短期間での習熟を支えていることを明らかにした.本発表は,ゲームと単なる認知トレーニングのためのツールに留めず,地域コミュニティにおける社会的つながりや主体的参加を促進する場を提供するツールに昇華させた価値ある研究として高く評価された. | |
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| ●不均衡データのためのコントラスト損失を用いた介護記録による高齢者の体調不良予測 [2025-ASD-34(2025/12/19)](高齢社会デザイン研究会) |
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金子 晴 君 (正会員) 2026年3月 九州工業大学大学院生命体工学研究科 生命体工学専攻 単位取得退学. |
| [推薦理由] 本論文は,介護記録と天候等周辺環境の情報をもとに高齢者の体調不良を予測するものであり,少子高齢化による要介護者の増加に伴う介護職員の負担と介護品質の低下が懸念される中,これらの課題を解決する介護記録の高度な活用方法を提示している.特に約250名の2年間にも及ぶバイタル,食事,行動等の詳細な介護記録と実際の天候データを用いた手法の提案により一定の効果が確認されている.また,提案手法に対する精緻な検証と考察がなされており,体調不良の予測という介護施設において有用性の高い研究分野の発展に繋がる優れた研究である. | |
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メディア知能情報領域
| ●大規模言語モデルを用いた漢字詳細読みの生成 [2026-NL-267(2026/3/7)](自然言語処理研究会) |
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藏内 統梧 君 (学生会員) 2026年3月 名古屋大学情報学部コンピュータ科学科 卒業 |
| [推薦理由] 本研究は,電話など音声のみの通信媒体で自分の名前の漢字を説明するというニッチではあるが,日本語話者が日常的に直面する実用的なタスクに注目し,大規模言語モデル(LLM)による自動解決を試みたものである.漢字詳細読みという概念自体は広く知られているものの,その体系的な収集・分類・自動生成を一貫して取り組んだ研究はこれまで少なく,本研究の実用的な貢献は大きい.そのため,山下記念研究賞に推薦する. | |
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| ●大規模言語モデルにおけるプロンプト知識カットオフ性能の検証 [2026-NL-267(2026/3/8)](自然言語処理研究会) |
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浅井 慶朗 君 (正会員) 2023年3月 筑波大学情報学群情報科学類 卒業. |
| [推薦理由] 本研究では,LLMに対して「特定のカットオフ年以降の知識を持たない」ように振る舞わせる知識カットオフのためのプロンプトについて検討しており,シンプルな手法でありながら良好な性能を示している.クローズドなLLMに対しても適用可能な手法であり,高い有用性が認められる.まだ十分に知見の得られていない発展途上タスクであることから,今後の発展への期待と併せて,山下記念研究賞に推薦する. | |
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| ●大規模言語モデルを用いた俳句生成における批評に基づく推敲過程の分析 [2026-ICS-220(2026/3/12)](知能システム研究会) |
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横山 想一郎 君 (正会員) 2012年3月 北海道大学工学部情報エレクトロニクス学科 卒業. |
| [推薦理由] 本研究では,俳句が作者の感じた景色や情緒が読み手に伝達されるよう推敲を繰り返すことで作成されるという作成過程に着目し,大規模言語モデルによる俳句生成において,人間の詩作に特徴的である解釈的な過程を十分に取り込めるようにするためのアイデアの実装と評価実験による分析結果が述べられている.具体的な知能システムとしての実装可能性とその分析を述べている点で本研究会における発表にふさわしい内容であり,主観性と解釈依存性のために評価が難しいとされる領域へのアプローチを独自に開拓している点も高く評価できる.以上の理由から,山下記念研究賞に強く推薦する. | |
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| ●アフィン変換混合ガウスモデルによる流れ場表現 [2025-CVIM-243(2025/11/6)](コンピュータビジョンとイメージメディア研究会) |
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衣川 昌孝 君 (正会員) 2024年3月 和歌山大学システム工学部 電気電子工学メジャー 卒業 |
| [推薦理由] 本論文は,混合ガウスモデル(GMM)とアフィン変換を組み合わせた幾何変換場により,流れ場の局所構造を解釈可能な形で表現・解析する新しい枠組みを提案している.GMM や幾何変換自体は古典的な技術であるが,本研究ではそれらをアフィン変換群の Lie 群・Lie 代数構造に整合した形で統合し,剪断や異方スケールを含む複雑な流れ構造の表現を可能にした点に新規性がある.また,時系列全体を対象とした大域的最適化や,渦構造の時間的一貫性を考慮した推定法を導入することで,流れ場解析における高い解釈性を実現している.理論的基盤が明確であり,今後の流体解析や時空間変形モデリングへの発展可能性も高い研究として,高く評価できる. | |
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| ●Matching Non-Identical Objects (研究会プログラムでは”似て非なる物体間の特徴点マッチング”) [2026-CVIM-244(2026/1/30)](コンピュータビジョンとイメージメディア研究会) |
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丸茂 優介 君 (正会員) 2022年3月 小山工業高等専門学校電気電子創造工学科 卒業 |
| [推薦理由] 本論文は,従来の特徴点マッチングが前提としてきた「同一物体」の制約を超え,類似しているが同一ではない物体間の細粒度対応を扱う新しい課題を提示している.提案手法は,物体検出と視覚説明に基づく意味情報を既存の疎な特徴点マッチャに組み込むプラグアンドプレイ型の手法であり,汎用性が高い.さらに,クラス差,デザイン差,ドメインシフト,画像劣化を含む多様な条件で有効性を示し,Triangular Matching Consistencyというアノテーション不要の評価指標も導入している.課題設定,手法,評価のいずれにも独創性と実用性があり,山下記念研究賞に相応しいものとして推薦する. | |
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| ●幾何学的フローに基づく表面充填曲線生成における初期曲線の最適化 [2025-CG-201(2026/3/9)](コンピュータグラフィックスとビジュアル情報学研究会) |
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日髙 楓雅 君 (正会員) 2024年3月 東京大学 工学部 電子情報工学科 卒業 |
| [推薦理由] 三次元メッシュの表面充填曲線生成において,Steiner木を応用した初期曲線生成手法「Steiner Traversal Initialization」を提案している.本手法はplug-and-play適用が可能なシンプルかつ実用的な方法であり,従来法と比べて最大20倍の高速化を実現している.本成果はSIGGRAPH Asia 2025 Technical Communicationsに採択されたのち,sliverメッシュへの対応強化や大規模ストレステストを加えた拡張版がIEEE Computer Graphics & Applicationsに採択された.異分野の知見を融合した独創性と国際的な発表実績を高く評価し,推薦する. | |
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| ●機械学習の基礎を迅速かつ直感的に理解するためのWebベース学習ツール [2025-CE-181(2025/10/12)](コンピュータと教育研究会) |
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小田 紘久 君 (正会員) 2018年12月 名古屋大学大学院情報科学研究科 博士後期課程 単位取得退学
2019年1月 名古屋大学大学院情報学研究科 研究員 2020年1月 名古屋大学大学院医学系研究科 特任助教 2022年4月 静岡県立大学経営情報学部 助教 2026年4月 静岡県立大学経営情報学部 講師 |
| [推薦理由] 本研究は,AIの普及に伴い重要性を増す非専門家への機械学習教育において,「計算ベース」「学習データ依存」という基本原則を短時間で直感的に理解・実感させるWeb教材を開発したものです .プログラミング不要の環境下で,N-gram言語モデルを用いたテキスト生成の確率計算や,アヤメの品種分類における手動での決定境界設定など,本来機械が自動で行う処理を学習者に手動で段階的に体験させる設計が大きな特徴です.評価実験では,約20分という短時間の体験ながら,受講者の実感を伴う理解の向上や現代のAI技術との連続性の認識に対して高い教育効果があることを実証しました.学校教育から社会人講座まで多様な現場での活用が期待できる極めて実用的かつ有意義な成果であり,山下記念研究賞に値するものとして推薦いたします. | |
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| ●漢字を正しく書くための学習を支援する生成AIを用いたツールの開発と評価 [2025-CE-181(2025/10/11)](コンピュータと教育研究会) |
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鎌田 真央 君 (学生会員) 2025年3月 東京学芸大学 教育学部 初等教育教員養成課程 情報教育選修 卒業 |
| [推薦理由] 本研究は,児童生徒が自発的に正しい字形を身に付ける上で重要な,漢字書字における誤り検出・フィードバックに生成AI(大言語モデル)を適用した先進的な漢字学習支援ツールを開発・評価したものです.従来のパターンマッチングや機械学習による手法とは異なり,手書き漢字と正解漢字の少量のデータのみをプロンプトとして生成AIに与えることで,字形を大きく損なう誤りを柔軟かつ効果的に判定・指摘できるアプローチを提示した点に高い新規性があります.評価実験では,特定の課題における精度向上などの改善点を明確にしつつも,誤り箇所の特定やフィードバック内容が漢字学習の支援に極めて有用であることを実証しました.GIGAスクール構想の進展に伴う1人1台端末環境において,個別最適な学習支援を可能にする極めて時宜にかなった有意義な成果であり,山下記念研究賞に値するものとして推薦いたします. | |
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| ●印刷資料における漢文OCR精度向上に向けた返点付き漢文OCRデータセットの構築 [2026-CH-140(2026/2/1)](人文科学とコンピュータ研究会) |
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久保 旭 君 (正会員) 2020年3月 放送大学大学院文化科学研究科文化科学専攻修士課程 修了 |
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| [推薦理由] 本研究は,印刷資料における漢文OCR精度向上を目指し,返点付き漢文の認識モデル構築手法を提案した.既存データセットが古典籍中心である課題に対し,古事類苑の全文テキストから擬似紙面画像を生成して初期学習を行い,少量の実画像を用いて段階的にファインチューニングするアプローチを試みている.この方法により,アノテーションコストを抑えつつ印刷資料特有の返点や組版に対応したモデル構築が可能であることが示された.実験結果では,擬似画像と実画像の併用が認識精度(CER)の改善に寄与していることを確認しており,歴史資料デジタル化におけるデータセット構築の有効性を示す有用な手法として認められるため推薦する. | |
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| ●ヲコト点図の計量的比較に向けた類似度アルゴリズムの提案 [2026-CH-140(2026/2/1)](人文科学とコンピュータ研究会) |
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兪 翕侖 君 (正会員) 上海理工大学 外国語学部 日本語学科 卒業 2019.9-2023.6 |
| [推薦理由] 対象論文は,従来研究者の目視と定性的検討に依存していた「ヲコト点図」の比較・分類に対し,客観的な計量指標を与える類似度アルゴリズムを提案している.具体的には,点の「読み」「形状」「位置」の3要素に基づき8種類の差異イベントを定義し,実データを用いたランダムサーチにより重みを最適化した.本手法は既存の人文学的分類体系を計量的に検証したのみならず,未分類の「特殊点」の系統的位置付けを示唆する道を開いた.人文学の知見と情報学の手法を高水準で融合させ,今後のデジタル・ヒューマニティーズ研究を強力に牽引する極めて優れた成果であり,本研究会から山下記念研究賞に強く推薦する. | |
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| ●音楽基盤モデルは音高情報を螺旋構造に埋め込むか? [2025-MUS-144(2025/8/31)](音楽情報科学研究会) |
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八木 颯斗 君 (学生会員) 2025年3月 慶應義塾大学理工学部情報工学科 卒業. |
| [推薦理由] 本研究は,音楽基盤モデルの中間表現において,音高情報がどのような幾何学的構造として表現されているかを解析したものである.単音入力から抽出した中間表現に対して主成分分析および螺旋構造へのフィッティングを行い,音高のオクターブ周期性を反映した構造がモデル内部に形成される可能性を定量的に示している点に高い新規性がある.音楽基盤モデルのブラックボックス性を,人間の音楽知覚や音楽理論に基づく概念構造との対応から解釈しようとする試みは,音楽情報処理分野における基盤モデル理解の重要な一歩である.今後,音高以外の音楽的特徴への拡張も期待でき,発展性の高い研究として推薦に値する. | |
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| ●歌詞とダンスモーションの関係性を定量化するデータ駆動型手法 [2025-MUS-144(2025/9/1)](音楽情報科学研究会) |
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渡邉 研斗 君 (正会員) 2013年3月 東北大学 工学部 情報知能システム総合学部 卒業 |
| [推薦理由] 本研究は,歌詞とダンスモーションの意味的対応関係をデータ駆動的に定量化する手法を提案したものである.複数楽曲にわたり同じ歌詞表現と同じダンスモーションが繰り返し共起する場合に両者が対応するとみなす「横断共起仮定」に基づき,歌詞とモーションを離散シンボル化した上でPMIにより関連度を算出する点に独創性がある.さらに,得られた関連度を編集距離に組み込んだXMIEDを提案し,入力歌詞に適したダンスモーション検索において従来手法を上回る性能を示している.音楽情報処理の対象を歌詞,身体動作,振付創作へと広げる学際性と,実用的応用可能性の双方を備えた優れた研究であり,推薦に値する. | |
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| ●離散トークンを入力とする音声認識のためのフロントエンド音声強調 [2025-SLP-158(2025/12/17)](音声言語情報処理研究会) |
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芦原 孝典 君 (正会員) 2012年3月 東京工業大学大学院 物理情報システム専攻 修士課程 修了. |
| [推薦理由] 本研究では,雑音環境下においても高精度な音声認識を実現するため,音声強調フロントエンドに関する体系的な検討を行っている.具体的には,近年注目されている音声離散トークンを入力とする音声認識方式を対象として,従来の音声波形レベルでの音声強調に加え,離散トークンレベルで音声強調を行う複数の手法を提案し,その有効性を比較・分析した.実験の結果,提案手法は,連続ベクトル表現を入力とする従来の音声認識モデルと比較して,入力特徴量の系列長を大幅に削減しながら,より高い音声認識精度を達成できることを示した.これは,認識性能の向上だけでなく,計算効率の観点からも重要な成果である.本研究は,音声離散トークンを活用した新たな音声認識フロントエンドの可能性を示すものであり,街中や車内などの高雑音環境における実用的な音声認識システムへの応用が期待される.学術的な新規性に加え,将来的な社会実装への波及効果も大きいことから,SLP研究会は本論文を山下記念研究賞にふさわしいものとして推薦する. | |
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| ●LogPolarBM:対数振幅を考慮した複素スペクトル構造表現 [2026-SLP-159(2026/3/2)](音声言語情報処理研究会) |
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中鹿 亘 君 (正会員) 2011年3月 神戸大学大学院システム情報学研究科 情報科学専攻 修士課程 修了. |
| [推薦理由] 本研究では,従来の二値変数ボルツマンマシンを,人間の知覚特性と相関の高い対数振幅を考慮しつつ,複素数領域へ自然に拡張した新たなモデルを提案し,音声の複素スペクトル表現を実現している.特に,本モデルから導出される各変数の条件付き確率密度関数は,ガンマ分布をはじめとする既存の多様な振幅分布を包含可能な極めて統一的な表現となっており,理論的にも高い新規性と汎用性を有している点が特徴的である.さらに,提案手法は,わずか2層から成るシンプルな構造でありながら,複雑な深層学習手法を上回る精度で音声表現を実現しており,モデル設計の観点からも高く評価できる.音声信号処理および確率モデルに関する学術的貢献は大きく,今後の関連研究への波及効果も期待される.以上の理由から,SLP研究会は本論文を山下記念研究賞にふさわしいものとして推薦する. | |
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| ●第三者に移転する仮名化データのGDPR下での位置づけ [2025-EIP-110(2025/12/2)](電子化知的財産・社会基盤研究会) |
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猪谷 誠一 君 (正会員) 2005年 東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻修士課程修了。修士(科学) |
| [推薦理由] 本論文の特徴は,個人情報保護法制の中でも「仮名化データ」と「GDPR」の2つについて考察している点にある.匿名化や仮名化といった言葉は日常では非常に曖昧に使われているが,法制上はきちんとした定義が存在し,意味合いも明確に異なるものである.特に仮名化データは概念としては比較的新しいもので,その正しい意味合いを踏まえて執筆された論文自体が少ない.「GDPR」はEUの個人情報保護制度であるが,日本は内国待遇である「十分性認定」を受けた国であることから我が国も決して無対応ではいられないことは周知の通りである.本論文ではEUの様々な判例を分析した上で,特に法律の下部構造について日本法への示唆を述べている点で非常に有意義である. | |
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| ●オセロの実現可能局面数の推計 [ゲームプログラミングワークショップ(GPW2025)(2025/11/16)](ゲーム情報学研究会) |
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石井 颯太郎 君 (正会員) 2024年3月 上智大学経済学部経済学科 卒業. |
| [推薦理由] ゲームの状態数はそのゲームの性質を示す重要な値の一つである.オセロの状態数については約10^28 という上限値が発表されているが,この推定は比較的粗いものである.本研究では,統計的な推定による手法で状態数を推定し,オセロの状態数の下界が約 7.91×10^25,上界が4.93×10^26であることを明らかにした.この結果は,既存のオセロの状態数の評価を大きく改善するものである.この成果を得るために非常に緻密な実装・実験を行っており,信頼度の高い結果を導いていることが評価できる. | |
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| ●独自の評価関数に基づいた煙詰の自動生成 [2026-GI-57(2026/3/2)](ゲーム情報学研究会) |
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広瀬 稔 君 (正会員) 2009年3月 京都大学理学部卒業. |
| [推薦理由] 煙詰とは,初形で39枚全ての駒を配置し,詰上がりでは玉を含む3枚のみとなる詰将棋である.長手数,かつ,駒数が減っていくような詰将棋であるため,従来コンピュータによる煙詰は未達成であった.本研究では,詰上がり局面から逆向きに展開し,評価関数により探索順序を制御する手法を提案している.著者らの経験に基づく人手により綿密に設計された評価関数を用いることにより,煙詰を2作生成することに成功している.将棋という比較的研究の多いゲームにおいて未達成であった煙詰の自動生成という課題に対して初めて成功したことは大きな成果である. | |
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| ●かわいいさがしてくれますか?-Picture-word matching gameを通したゆるキャラの魅力データセットの構築と分析- [2025-EC-77(2025/11/14)](エンタテインメントコンピューティング研究会) |
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佐々木 誠ニコラス 君 (学生会員) 2025年3月 関西大学総合情報学部総合情報学科 卒業 |
| [推薦理由] 本論文は,キャラクタの視覚的魅力を表す言語表現のアノテーション作業を,2人協力型オンラインゲームCCCGとして設計し,データセット構築を娯楽体験へと昇華させた点が高く評価できる.GWAPやゲームフルデザインの先行研究を踏まえ,対人伝達によって魅力表現が具体化されるという知見を理論的根拠として丁寧にゲーム設計へ落とし込んでいる.読み手と取り手の相互役割を通じ,本来は心理的負荷を伴う主観的評価の言語化を,プレイヤの自発的な動機づけのもとで自然に引き出している点が独創的である.ゆるキャラを対象とした分析からも有用な知見が得られており,感性評価研究の発展に寄与する優れた成果として本賞に推薦する. | |
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| ●体験の知覚-認知過程に着目したEntertainment DesignCatalogの提案とEC学術領域に関する一考察 [エンタテインメントコンピューティングシンポジウム(EC2025)(2025/8/25)](エンタテインメントコンピューティング研究会) |
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川口 竜斉 君 (学生会員) 2025年3月 関西学院大学 工学部 情報工学課程 卒業. |
| [推薦理由] 本論文は,エンタテインメント性を記述する枠組みEntertainment Design Assetsを発展させ,体験を「知覚-認知-情動-動機づけ」の四段階で捉えるEntertainment Design Catalogを提案するものである.従来曖昧になりがちだった「心の動き」の記述に明確な指針を与え,記述粒度の不均一という課題に正面から取り組んだ点が高く評価できる.さらに,LLM活用による機械的分析により,全988編のEC分野の論文を,デザイン視点から分野横断的に俯瞰する可視化を実現・公開した.本研究は,EC学術領域の体系化に資する基盤的貢献であり,今後の議論を喚起する波及力を備えた研究として,本賞に推薦する. | |
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| ●BWTを用いた巨大ゲノムのための散在反復配列検出手法の開発 [2026-BIO-84(2026/3/12)](バイオ情報学研究会) |
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武田 淳志 君 (正会員) 2021年 早稲田大学先進理工学部電気・情報生命工学科卒業 |
| [推薦理由] 転移因子はゲノム中で自己増殖するDNA配列であり,ゲノムサイズ拡大の主要因と考えられている.しかしながら,10 Gbを超える巨大ゲノムにおける転移因子検出,すなわち繰り返し配列検出は膨大な計算コストを要するため,既存ソフトウェアの適用は事実上困難であった.本研究は,可逆な文字列変換であるBurrows-Wheeler Transform (BWT) に着目し,索引構造や元配列をメモリ上に保持することなく,BWT上の操作のみによって繰り返し配列検出を実現する新規アルゴリズムを考案したものである.さらに,実データを用いた評価により,計算リソースの大幅な削減を定量的に実証している.本成果は,転移因子研究のみならず巨大ゲノムのアノテーション全般に広範な波及効果をもたらすものと期待され,山下記念研究賞に相応しい業績として,バイオ情報学研究会より推薦する. | |
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| ●PAnoramic Learning Map: 学習の時系列俯瞰と計画を支援する可視化システムの提案 [2025-CLE-46 (2025/6/21)](教育学習支援情報システム研究会) |
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尾崎 真大 君 (正会員) 2024年3月 九州大学工学部電気情報工学科 卒業 |
| [推薦理由] ・学生の学習をカリキュラムレベルで支援可能なLAダッシュボードが開発されており,筆者も指摘しているように今後の学生の自己調整学習の促進支援が期待できる. ・カリキュラムレベルで支援できるラーニングアナリティクスダッシュボードが開発されており,学生の内省にも期待できる. ・理論に裏付けられたシステム設計・実装と,緻密な評価実験が行われている. 以上のことから,山下記念研究賞に相応しいものとしてCLE研究会より推薦する. |
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| ●DCCRN を用いた雑音環境下における日常生活音の認識 [2025-AAC-28(2025/7/28)](アクセシビリティ研究会) |
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刀根 治輝 君 (正会員) 2026年3月 静岡大学情報学部情報科学科 卒業 |
| [推薦理由] 本研究は,聴覚障がい者の日常生活を支援するため,スマートグラスを用いた日常生活音の可視化に取り組んだものである.従来の日常生活音認識に関する研究では,雑音環境下での利用が十分に想定されておらず,実環境での実用性に課題があった.それに対し,本研究では DCCRN を用いた音声強調技術を導入することで,多様な雑音環境下においても高精度に日常生活音を認識可能な手法を提案した.評価実験では,従来手法より認識精度が向上することを示し,特に高雑音環境下における有効性を確認した.本研究は,聴覚障がい者支援の実用化に大きく貢献する点に加え,環境音認識における音声強調技術の有効性を示した点で学術的価値も高い. | |
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| ●スポーツ成績における概数効果の成立条件-野球の打者・投手成績を用いた網羅的検討 [2025-SI-4(2026/3/4)](スポーツ情報学研究会) |
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今泉 拓 君 (正会員) 2018年 東京大学 教養学部 卒業 |
| [推薦理由] 概数効果とは,人が連続的な数値を認識する際に,切りの良い数値を基準として特別視し,それに応じて判断や行動を変化させる認知バイアスである.スポーツ分野では,野球の打率3 割やマラソンのサブ4 など,成績分布が概数の近傍で不連続となる現象が報告されており,目標を意識して行動を調整している可能性が示唆されている.本研究では,野球を対象とし打者成績および投手成績の計10 指標について概数効果の有無を網羅的に検討した結果,打率に加えて打点および盗塁数においても概数効果と考えられるバンチングが観測された.この研究は多くのスポーツ関係者が関心を持つ現象を分析してとても興味深い成果を得ており,発表も説得力のあるわかりやすいものであった.よって受賞対象として推薦する. | |
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