湊 真一 君

湊 真一(みなと しんいち)

湊 真一

本会正会員湊真一君(フェロー)は,離散構造処理アルゴリズム分野を長年にわたり先導してこられた,我が国を代表する研究者です.京都大学大学院修了後,NTT 研究所,北海道大学を経て,現在は京都大学大学院情報学研究科教授として研究・教育に従事しておられます. 同君の最大の功績の 1 つは,組合せ集合を一意かつコンパクトに表現するゼロサプレス型二分決定グラフ(ZDD)を考案し,その理論と応用の両面で離散構造処理の新たな基盤を築かれたことです.ZDD は,疎な組合せ集合を効率よく扱える表現として,論理設計,形式検証,データマイニング,グラフ・ネットワーク解析,組合せ最適化など広範な情報学分野に波及し,離散データを対象とする大規模計算の可能性を大きく広げました. さらに同君は,JST ERATO 湊離散構造処理系プロジェクトの研究総括として,離散構造処理アルゴリズムの体系化と実問題への展開を推進され,関連研究コミュニティの形成と発展に大きく寄与されました.これらの功績により,文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)も受賞しておられます. また,同君は本会において,理事(論文誌担当 2018 年度〜 2019 年度,事業担当 2021 年度〜 2022 年度,教育担当 2023 年度〜2024 年度)および英文論文誌 JIP 編集長等を歴任され,論文誌編集,学術発信,事業運営を通じて本会の発展に顕著な貢献を果たされました.人材育成の面でも,大学および研究プロジェクトを通じて多くの若手研究者を育成され,我が国のアルゴリズム研究と情報学研究基盤の強化に大きく寄与してこられました. 以上のように,同君の学術的,教育的,ならびに学会運営上の功績はきわめて顕著であり,功績賞受賞者として誠にふさわしいものです.