黒橋 禎夫 君

2025年度功績賞受賞者の紹介

黒橋 禎夫 君(くろはし さだお)

黒橋 禎夫

 本会正会員黒橋禎夫君は,コンピュータによる言語の理解に取り組み,言語の理解と知識獲得が相互に強化し合う研究体系を切り拓き,時代に応じた刷新を重ねてきました.初期には,京都大学においてテキストコーパスの開発,形態素解析システム JUMAN,構文解析システム KNP の開発を通じて,言語の理解とその基盤の構築を行いました.その後,大規模コーパスに基づく知識獲得へと研究を展開し,格フレームの自動構築や類義表現の統合機構の開発を通じて,データの側面から大規模な知識獲得を推進しました.さらに,その成果は深い言語解析に基づく検索基盤 TSUBAKI や,情報信頼性評価のための WISDOM へと展開し,社会的応用へと広がりました.近年では,国立情報学研究所の所長に就任し,オープンかつ日本語に強い大規模言語モデル LLM-jp の開発を推進し,言語の理解を中核とする新たな知識基盤を提示し,AI の社会基盤化を見据えた研究の展開へとつなげています.
また,本会においては,理事(2011 年度〜 2012 年度),監事(2013 年度〜 2014 年度),第77 回全国大会プログラム委員長(2015 年)を歴任されています.
以上のように,同君が情報処理分野ならびに本会の発展に尽くされた功績はきわめて顕著であります