清木 康 君

2021年度功績賞受賞者の紹介

清木 康 君 (きよき やすし)

清木 康

 本会正会員清木康君(フェロー)は,永年に渡り高機能データベースシステムの研究,意味的連想検索の研究,関数型計算モデルによる並列データベースシステムの研究で多大の業績を上げ,国内外の研究を牽引されました.特に,異種データベース間の連動を可能とするメタレベル・データベースシステムを実現し,さらに,異種データベース間におけるデータの持つ表現形式および意味の相違を解消するための意味的連想検索方式として“意味の数学モデル”を示したことが主要な成果として認められており,国内外の多くの論文によって広く参照されています.この発展的システムは,5 次元世界地図システム(5D World Map)として,現在,国際連合ESCAP(United Nations: Economic and Social Commission for Asia and the Pacific)において,海洋環境課題(SDGs 14)の国際環境情報共有・検索・分析のためのグローバル・データベースシステムとして活用されています.これらの研究成果により,本会論文賞(2003年)および2016,2018年にはIEEE International Electronics Symposium Best paper Award など,数多くの賞を受賞されました.
 同君は,本会データベースシステム研究会主査(1999年~2003年),本会論文誌データベース(TOD)の共同編集委員長(1999年~2003年),FIT2005 実行委員長,調査研究担当理事(コンピュータサイエンス領域委員長,2014年度~ 2015年度)を歴任されています.さらに,Information Modelling and Knowledge Bases チーフエディタ(2002年~現在),日本データベース学会会長(2016年~2018年)を務められ,当該学術分野の発展に大きく貢献されました.
 以上のように,同君が,情報処理分野ならびに本会の活動の発展に尽くされた功績は誠に顕著であります.