2024年度受賞者

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2024年度情報環境領域功績賞受賞者

情報環境(IE)領域功績賞は,本領域の研究会分野において,優秀な研究・技術開発,人材育成,および研究会・研究会運営に貢献したなど,顕著な功績のあったものに贈呈されます.本賞の選考は,IE領域功績賞表彰規程およびIE領域功績賞受賞者選定手続に基づき,本領域委員会が選定委員会となって行います.本年度は2研究会の主査から推薦された下記2件の功績に対し,本領域委員会(2025年2月21日)で慎重な審議を行い決定しました.表彰状が授与されます.

坂本大介 君 (ヒューマンコンピュータインタラクション研究会)
[推薦理由]
坂本大介氏は,情報処理学会において,ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会およびエンタテインメントコンピューティング(EC)研究会を中心に,長年にわたり研究会運営と学術研究の両面で顕著な貢献を続けてこられました.研究会運営面では,HCI研究会において2012年から現在まで10年以上にわたり運営委員を務め,また2022年からは幹事として研究会の発展に寄与しています.さらにEC研究会においても2009年から運営委員を,2011年から2015年までは幹事を務めるなど,複数の研究会で要職を歴任し,研究分野の発展に大きく貢献してきました.特筆すべき功績として,インタラクション2018のプログラム委員長,エンタテインメントコンピューティング2016のプログラム委員長を務め,両シンポジウムの成功に導いた点が挙げられます.また,インタラクションシンポジウムのプログラム委員を2009年から15年以上継続して務めており,本分野の発展に多大な貢献を果たしています.論文誌運営においても,2013年から2017年まで論文誌ジャーナル/JIP編集委員を務めたほか,インタラクションおよびエンタテインメントコンピューティング関連の特集号において,編集委員長や幹事を複数回務めるなど,学術論文の質的向上に大きく寄与してきました.研究面での功績も極めて顕著です.2009年と2024年の情報処理学会論文賞をはじめ,インタラクションシンポジウムでの複数回の論文賞,インタラクティブ発表賞,論文誌での特選論文など数多くの受賞歴があります.特に,2021年にはIPSJ/IEEE-CS Young Computer Researcher Awardを受賞するなど,国際的にも高い評価を受けています.さらに,2014年から2016年まで新世代企画委員会の委員を務め,コロナ禍前に学会のオンライン化の試行を行った功績で2015年に学会活動貢献賞を受賞するなど,学会全体の発展にも貢献してきました.以上のように,坂本大介氏は研究会運営,シンポジウム運営,論文誌編集,そして研究成果の面で,継続的かつ顕著な功績を残してこられました.その貢献は情報環境領域の発展に大きく寄与するものであり,情報環境領域功績賞受賞候補者としてふさわしいと考え,ここに推薦いたします.
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吉野孝 君 (コラボレーションとネットワークサービス研究会)
[推薦理由]
吉野孝氏は,コラボレーションとネットワークサービス(CN)研究会の前身であるグループウェアとネットワークサービス(GN)研究会の運営委員および幹事を2001年から務め,研究会の運営と発展に大いに貢献されました.また,CN研究会が共催するシンポジウム「インタラクション」ではプログラム委員に就き,特にインタラクション2016ではプログラム委員長を務めました.さらに,CN研究会が主催する国際会議「CollabTech」では,2017年にプログラム委員長,2018年には実行委員長を務められました.また,吉野氏は,本会論文誌編集委員会において,委員,副査,主査を歴任し,多数の論文誌特集でも編集委員長や委員を務めるなど,多岐にわたる役割を担ってこられました.全国大会の実行委員としても活躍され,IE領域のみならず本会全体の発展に大きく貢献されています.研究面では,グループウェアとネットワークサービスに関する研究を中心に,本会論文誌を中心に多くの研究論文を発表され,論文誌特選論文も受賞するなど,優れた業績を挙げられています.CN研究会においても,長年にわたり継続的に多くの研究を発表されています.以上の点から,吉野孝氏をIE領域功績賞受賞候補者としてふさわしいと認め,ここに推薦いたします.
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金岡晃 君 (セキュリティ心理学とトラスト研究会)
[推薦理由]
金岡氏はSPT研究会に関連する研究分野の中でも特にユーザブルセキュリティ分野の振興やコミュニティ拡大などさまざまな活動で継続的に貢献をされてきた.ユーザブルセキュリティ分野のトップカンファレンスであるSOUPSの論文読破会(シンポジウム)の立上げ(2011年)を経て,CSEC研究会主催SPT研究会共催のコンピュータセキュリティシンポジウム(CSS)においてユーザブルセキュリティワークショップ(UWS)を立ち上げ(2017年),論文誌ジャーナル特集号「ユーザブルセキュリティ」ゲストエディタ(2020年) も務めた.人間を研究対象とするセキュリティ研究の新たな国際的潮流をいち早く国内に取り込んだだけでなく,読破会やワークショップを通じて同分野の研究手法の分析や知見の共有等により研究者層の底上げを行うとともに,心理学やヒューマンコンピュータインタラクションなど他分野との連携も活発化させるなど,この分野への貢献は極めて多大である.よって,IE領域功績賞にふさわしい方として金岡氏を推薦する.
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