2018年IPSJ/IEEE Computer Society Young Computer Researcher Award

2018年IPSJ/IEEE Computer Society Young Computer Researcher Awardの表彰

 
IEEE-CS Arakawa

荒川 豊 君(正会員)

「Outstanding Research on Human Behavior Change by Information Technology」

2001年慶應義塾大学理工学部情報工学科卒業. 2003年同大学大学院修士課程修了. 2006年同大学大学院博士課程修了. 博士 (工学). 同年より同大学大学院特別研究助手. 2009年3月より九州大学大学院システム情報科学研究院助教, フランスENSEEIHTおよびドイツDFKIでの客員研究員を経て,2013年3月より奈良先端科学技術大学院大学准教授. 現在に至る. 主として, ネットワークアプリケーション, ソーシャルデータマイニングに関する研究に従事. APCC 2008 Best Paper Award (2008), MBL研究会優秀論文賞 (2009, 2011, 2013), DICOMO優秀論文賞 (2010, 2013), DICOMO優秀プレゼンテーション賞 (2010), 山下記念研究賞 (2011), 安藤博記念学術奨励賞 (2011), DPSWS優秀論文賞 (2012), DPSWS優秀ポスター賞 (2011, 2013), DPSWSベストカンバサント賞 (2013), ICMU2014 Best Poster Award (2014), ACM MobiCom 2014 Mobile App Competition 2nd Place (2014), 長尾真記念特別賞 (2014), UbiComp/ISWC2016 Best Demo Award (2016)など各賞受賞. IEEE, ACM, 電子情報通信学会, 各会員.

[推薦理由]
機械学習を用いた研究は現在幅広い分野で行われており, その中でも人間の行動認識に関する研究は, 計算機が人間の生活の豊かさをサポートし, より豊かな社会を実現するために重要な役割を担う. 荒川氏は, 行動認識の研究を軸として, 新たなセンサの開発からアプリケーションの実装まで包含した総合的な研究を実施している. たとえば, センサで観測されたデータから「車に乗ってくれそうな」ユーザを検出し, スマートフォンへメッセージを送ることでユーザの行動を変化させる「行動変容」を活用したカーシェアリングシステムを提案した. この有効性を, 実環境での社会実験を実施することで検証している. 実社会で行われた実験により得られたユニークな研究成果は, 世界的にも高く評価された. 

Kawae¥i

川井 明(旧名:孫 為華)(正会員)

「Outstanding Research on Intelligent Car Navigation System for Multilevel Parking Facilities」

2003年大阪大学基礎工学部卒業,2008年同大学院情報科学研究科博士後期課程修了.2008年,奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科助教.2013年,大阪大学サイバーメディアセンター特任助教.2014年,滋賀大学経済学部准教授,2017年より滋賀大学データサイエンス学部准教授,現在に至る.博士(情報科学).車車間通信,ICT高齢者支援システムに関する研究に従事.2014年度および2015年度本会論文賞を受賞.

[推薦理由]
川井明氏は,本会の高度交通システムとスマートコミュニティ(ITS)研究会の運営委員であり,滋賀大学データサイエンス学部の創設時からのメンバとして,交通ビッグデータのデータ解析に取り組んでいる.川井氏は,Journal of Information Processing(JIP)に掲載された大型立体駐車場における渋滞を解消する手法に関する論文で,2015年度本会論文賞を受賞した.この研究で川井氏は,駐車場内の空きスペースを捜す時間を最小にするための推薦経路を運転手に提示するためのナビゲーションシステムを提案し,奈良市内の商業施設の入庫データを用いてシミュレーション実験に基づき,従来手法と比べて駐車待ち時間が平均で20~50%程度削減可能であることを示した.川井氏はまた,本会やIEEEの会議で多くの論文を発表しており,その研究は,新規性および有用性ともに高い評価を受けている.

IEEE-CS Shigesada  重定 如彦 君(正会員)

「Outstanding Achievements on International AI Programming Contest "SamurAI Coding"」

1994年東京大学理学部情報科学科卒.2002年同大学大学院情報科学博士課程修了.理学博士.同年法政大学第一教養部専任講師.その後,法政大学国際文化学部専任講師.同学部助教を経て2010年より法政大学国際文化学部教授,現在に至る.34th annual IEEE international computer software and applications conference Best Paper Award (2010年).オープンデータ流通促進コンソーシアムと総務省主催のアプリコンテストで公共交通実証賞(2014年)などを受賞. 

[推薦理由]
本会が主催,米国IEEE-CS,中国CCF,韓国KIISE他が協賛する国際AIプログラミングコンテスト SamurAI Codingにおいて効率的なゲーム木探索をSIMD命令とビット演算の駆使によって実現し,2016-17年実施第5回において応募135件中の優勝,2015-16年実施第4回において応募99件中の準優勝と卓越した成績を収めた.プログラミング実習に関する複数の著作があり,所属大学のゼミにおいてプログラミング教育とプログラミングによる作品制作を積極的に指導している.