2021年 IPSJ/ACM Award for Early Career Contributions to Global Research

2021年 IPSJ/ACM Award for Early Career Contributions to Global Researchの表彰



加藤 淳 (正会員)

「Pioneering Work in Programming Experience Research for Creativity Support of Both Programmers and Non-Programmers」

国立研究開発法人 産業技術総合研究所(AIST) 主任研究員.アーチ株式会社 技術顧問を兼務し,Arch Researchをリード.ヒューマン・コンピュータ・インタラクション(HCI),とくに創作支援に関する研究に従事し,一般公開サービスの開発,運営も行う.2009年,2011年にそれぞれ東京大学で学士(理学),修士(情報理工学)の学位を取得.日本学術振興会 特別研究員,Microsoft,Adobeなど海外企業研究所での研究経験を経て2014年 東京大学で博士(情報理工学)の学位を取得.同年よりAIST研究員,2018年より現職.ACM CHI 2013,2015でHonorable Mention Awardなど国内外で15件受賞.プログラミング環境のユーザインタフェースを拡張して多様な技術的背景を持つクリエイターの利用・協力を可能にする研究を端緒として,プログラミング言語・ソフトウェア工学との学際領域に「プログラミング体験(PX)」に関する国内勉強会SIGPXを設立.HCI分野(ACM CHI,UIST),PX分野(IEEE VL/HCC,<Programming>,LIVE,PX)を中心に国際会議のプログラム委員・運営委員を40件以上務めてきた.ACM,情報処理学会 各会員.

[推薦理由]

世界はプログラムで満ちており,より効率的にプログラムを構築する方法が求められている.加藤氏は,自身が2016年に生み出した概念であるProgramming Experience (PX) を改善することを目指す新たな研究分野を確立した.そのためにCHI '13/15/18, UIST '12, DIS '12/17, PLDI '13, Multimedia '18をはじめとするACMの各種のトップ会議において研究発表を行ってきた.加藤氏は既にACMよりCHI '09/13/15, PLDI '13, SIGGRAPH '09 において各種の賞を受けており,関連する35の国際会議・ワークショップのプログラム委員を務めている.特にPXの創設時のプログラム委員やLIVEの運営委員を務めた.また,日本ACM SIGCHIチャプターと共催で国内ワークショップSIGPXを立ち上げた.
加藤氏は,プログラマだけでなく万人がプログラミングの効用を享受すべき,という唯一無二の研究ビジョンを設定した.そして,多様な背景を持つ人々に対して,インクルーシブかつ創造的かつ協調的なプラットフォームであるプログラミング環境を開発した.以上のビジョンは,MicrosoftとAdobeにおけるインターン,UC BoulderとMITにおける共同研究をはじめとする,世界の研究者たちとの学際的な共同研究を通して培われたものである.さらに加藤氏は,TextAlive, Griffith Sketch, Songle Sync, f3.jsという四つの公的ウェブサービスと,アニメーション制作会社であるArchにおける技術支援を通して,実社会にも影響を与えてきた.