「インタラクティブな歌詞駆動型視覚表現「リリックアプリ」開発用フレームワークの提案と実証研究」
2025年度論文賞受賞者の紹介
インタラクティブな歌詞駆動型視覚表現「リリックアプリ」開発用フレームワークの提案と実証研究
[情報処理学会論文誌 Vol.66 No.2, pp.273-285]
[論文概要]
音楽に合わせて歌詞が動くリリックビデオは,誰がいつ見ても同じ内容である.我々は,そうした静的メディアの制約を超え,再生のたび新鮮な歌詞体験を楽しめるインタラクティブな視覚表現「リリックアプリ」を提唱し,開発・配信可能なWebフレームワーク「Lyric App Framework」を提案する.我々は,2020年のフレームワーク一般公開以来,創作文化の年次イベント「マジカルミライ」でのプログラミング・コンテスト4回を通してリリックアプリの可能性を探究してきた.本論文では,応募作品159件の分析結果と,音楽とプログラミングの未来に関する示唆についても報告する.
[受賞理由]
本論文は,音楽に合わせてタイミングよく可視が動くリリックビデオに対し,音楽と歌詞に対するインタラクションを可能にする「リリックアプリ」,およびその開発・配信のためのフレームワークを提案するものである.さらに複数年に及ぶ運用と,アプリを用いたコンテスト,コンテストで制作されたコンテンツに対する分析結果についてもまとめられている.本論文は,音楽とプログラミングの融合による新たな表現文化の可能性を示すものであり,独創性も高く,社会に対して大きな影響を与える可能性もある.このように論文としての新規性,有用性,論文としての完成度のいずれもが高く,情報処理学会論文賞にふさわしい論文である.

加藤 淳 君
2014年東京大学大学院コンピュータ科学専攻博士課程修了.同年産業技術総合研究所研究員,2018年主任研究員,2026年上級主任研究員.2018年よりアーチ株式会社技術顧問兼務.2024年度パリ=サクレ大学Visiting Scientistとして滞在.創造性支援ツール研究に従事し,ナイスステップな研究者選定 (2024) 等31件受賞.

後藤 真孝 君
1998年早稲田大学大学院理工学研究科博士後期課程修了.博士(工学).2024年より産業技術総合研究所で初の上級首席研究員.2009~2017年にIPA未踏PM,2016~2022年にJST ACT-I研究総括,現在は創発POを兼任.日本学士院学術奨励賞,日本学術振興会賞,ドコモ・モバイル・サイエンス賞,市村学術賞,星雲賞等,81件受賞.
