2021年度情報処理技術研究開発賞

2021年度情報処理技術研究開発賞の表彰


前澤 陽

前澤 陽 君(正会員)

「人間の演奏者に同期する合奏システムの開発とその水平展開」

博士(情報学). 2011年,京都大学大学院情報学研究科の修士課程終了後,ヤマハ(株)に入社. 2013年,同大学院博士後期課程に社会人で入学. 2015年修了(情報学). 入社後,ビート・コード・楽曲構造等の解析技術の研究開発に従事. 多くの製品へと発展した.その後,自動伴奏に関する研究に従事.他,多言語自動翻訳,東京藝大と共同で楽器演奏のバリアフリーを実現する音楽技術に関するプロジェクト等にも従事.研究会推薦博士論文. 研究開発成果はSTI for SDGsアワード文部科学大臣賞, Cannes Lions SILVER, 山下記念研究賞等を受賞.

[推薦理由]
前澤 陽君は,楽器演奏者の演奏音と映像を入力したときに, 演奏者に自然に合わせることができ, 自然に伴奏できるよう計算機システム(合奏システム)の研究開発を行っている. 初中級者からトッププロまで,幅広いユーザに対して実用的に動作することを目標に, マルチモーダルな演奏の認識及び生成, 人間らしい演奏や動作を生成する技術,失敗が許されないステージ用途での人間と計算機の協調メカニズムなどを確立してきた. 前澤君の独創的で幅広いアイデア着想力,高度な技術に基づく実装能力, わかりやすい発表能力は高く評価されている. 学術的に優れた業績を挙げた上で,研究成果を活用した大規模なイベントにも企画および出演して, 社会的な貢献に取り組んでいることは特筆できる.