2015年度喜安記念業績賞の表彰

◆消費電力性能に優れた独自メニーコアプロセッサPEZY-SCとスーパーコンピュータの開発

 [推薦理由] 

PEZY Computing/ExaScaler社は、1チップに1,024コアを搭載した世界最大規模のメニーコアプロセッサPEZY-SCと、これを利用したスーパーコンピュータとを開発し、世界のスーパーコンピュータのエネルギー効率を競うGreen500において1-3位を独占する(2015年6月時点)という日本勢初の快挙を成し遂げた。日本の半導体産業が斜陽化した現在においてこの快挙は特筆すべきものであり、専門紙だけでなく一般紙でも取り上げられるなど日本の半導体産業とコンピュータ業界に大きなインパクトを与えた。これらの開発は本賞に相応しいと考え、ここに推薦する。

 

齊藤 齊藤 元章 君(正会員)

1992年新潟大学医学卒業、1994年東京大学医学系大学院に進学と同時に医療系研究開発法人を設立して医療診断装置・システムの開発を開始。1997年に米国シリコンバレーに医療系画像診断システム法人を設立し、2003年には米国Computer World Honorsを医療部門で受賞。2010年、日本にメニーコアプロセッサ開発の株式会社PEZY Computingを、2013年にUltraMemory株式会社を、2014年には株式会社ExaScalerを設立し、独自技術によるスーパーコンピュータ開発に着手。2015年7月にはGreen500ランキングで、消費電力性能世界1-3位を独占するスパコンを開発して理化学研究所と高エネルギー加速器研究機構に設置。
木村 木村 耕行 君

1996年 日本大学大学院理工学研究科 電子工学専攻修士課程修了。2014年株式会社ExaScaler代表取締役社長。PEZY-SCのソフトウェア開発、システム開発に
従事。
石井 石井 敬 君

1998年早稲田大学理工学部電子・情報通信学科卒業。2010年 株式会社PEZY Computing入社以来、メニーコアプロセッサ開発に従事

角田 角田俊太郎 君

2001年東京理科大学理学部物理学科卒。2010年 株式会社PEZY Computing入社以来、メニーコアプロセッサ開発に従事。
佐藤 佐藤 篤 君

1997年 長野工業高等専門学校卒業。以来、デバイスドライバ開発、BIOS開発などシステムソフトウエアの開発に従事。2011年 PEZY Computing に 入社。
SDK開発、デバイスドライバ開発を担当。

 

◆高スケーラブルデータベース統合基盤の開発と事業化

[推薦理由]

データベースシステム適用分野の拡大に対し、高いスケーラビリティを発揮する並列問合せ処理機構、メディアコンテンツへの操作など拡張性を有するプラグイン機構から成る高スケーラブルデータベース統合基盤を開発した。この開発と並行して、標準仕様の追従を続ける日本で唯一のベンダとして継続的な開発貢献を行い、金融業、物流業、通信業など幅広い分野に最新SQL機能を製品として提供し普及に努めた。また、研究・教育活動支援の目的でアカデミアに無償提供し、幅広く利活用できる施策を継続している。

土田 土田 正士 君(正会員)

1983年筑波大学大学院理工学研究科修了。同年株式会社日立製作所システム開発研究所入社。データベース管理システムの研究開発、ビジネスインテリジェンスシステムの研究開発、事業開発に従事。2011年静岡大学大学院自然科学系教育部情報科学専攻修了。博士(情報学)。2012年よりビッグデータソリューション開発に従事。現在、同社サービスプラットフォーム事業本部DB部所属。日本データベース学会副会長、ISO/IEC JTC 1/SC 32 WG3日本代表、当会情報規格調査会SC32専門委員会委員長及びSC32/WG3(SQL)小委員会委員。2005年当会標準化貢献賞。日本データベース学会、ACM各会員。

小寺
小寺 孝 君(正会員)

1987年埼玉大学大学院理学研究科物理学専攻修士課程修了。同年株式会社日立製作所ソフトウェア工場入社。データベース管理システムの商用開発に従事。1989年より3年間、MIA共同研究(NTT殿主催)にてデータベース言語仕様開発、1998年よりISO/IEC JTC1 SC32/WG3及びWG4にてSQL及びSQL/MMの規格開発に参画。2009年度当会標準化貢献賞。現在、同社サービスプラットフォーム事業本部DB部所属。東京外国語大学非常勤講師。情報処理推進機構情報処理技術者試験委員。日本データベース学会会員。当会認定情報技術者。当会情報規格調査会SC32/WG3幹事及びWG4委員。

河村 河村 信男 君(正会員)

1981年愛媛県立松山工業高等学校情報技術科卒業。同年株式会社日立製作所システム開発研究所入社。データベース管理システムの研究開発、商用開発を経て、2014年よりビッグデータソリューション開発に従事。現在、同社サービスプラットフォーム事業本部ビッグデータソリューション部所属。

中野 中野 幸生 君(正会員) 

1982年香川県立多度津工業高等学校電子科卒業。同年株式会社日立製作所システム開発研究所入社。データベース管理システムの研究開発、ビッグデータソリューション開発に従事。現在、同社サービスプラットフォーム事業本部DB部所属。日本データベース学会会員。

原 原 憲宏 君

1992年東京工業大学理学部情報科学科卒業。同年株式会社日立製作所システム開発研究所入社。データベース管理システムの研究開発、商用開発を経て、自製DBMSの開発・普及と共に金融、公共、信等の数々のミッションクリティカルシステムにおけるDBの安定稼働に尽力。現在、同社サービスプラットフォーム事業本部DB部所属。日本データベース学会会員。

 

◆テキスト含意認識技術の研究開発と事業化

[推薦理由]

受賞者らは、文意を捉えて大量のテキストを判定・識別し、得られた知見を活用できる高度テキスト分析の実現を目標に、テキスト含意認識技術を研究開発し、米国国立標準技術研究所(NIST)が2011年に開催した国際評価タスクで世界一の評価を獲得した。実用化に向けて、顧客とともに、課題や目標の設定から実証を経て、「情報ガバナンス強化ソリューション」と「お客さまの声分析ソリューション」の提供を成し遂げ、企業活動の効率化や経営課題把握、サービス品質向上に貢献した。一連の成果は、高度テキスト分析の可能性を切り開き、活用に大きく貢献している。
  
土田
土田 正明 (正会員)

2005年3月東京理科大学理工学研究科経営工学専攻修士課程修了。同年4月、NEC入社。以来、自然言語処理に関する研究開発に従事。2009年4月から2011年3月、情報通信研究機構MASTARプロジェクト専門研究員。現在、NECビッグデータ戦略本部にてデータ分析事業を推進しつつ、データサイエンス研究所で自然言語処理に関する研究開発を継続中。情報処理学会、人工知能学会、言語処理学会、日本データベース学会各会員。博士(工学)。

石川 石川 開 君

1996年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修士課程修了。同年NEC入社。1997年12月から2000年2月、ATR音声翻訳通信研究所に出向。2000年3月からNECに復帰し、自然言語処理技術の研究開発と共に、機械翻訳やテキスト含意認識を応用したデータ分析ソリューションの事業化に従事。現在、データサイエンス研究所にて、人間の論理的思考を拡張する人工知能の研究開発に従事。

 中尾
中尾 敏康 君
(正会員)

1993年大阪大学大学院基礎工学研究科数理系情報工学専攻前期課程修了。同年NEC入社、画像処理、人と環境のセンシング、ユビキタスサービス、自然言語処理/データマイニングの研究開発を経て、2014年よりNEC ビッグデータ戦略本部・シニアエキスパート。NEC独自の人工知能技術を活用したビッグデータ事業の戦略立案・企画・開発に従事。情報処理学会、電子情報通信学会会員。

岩田 岩田 太地 君

2003年ミズーリ州立大学コロンビア校ジャーナリズム学部卒業。翌年NECに入社。金融機関向けICTを活用したソリューション事業企画を経て、グローバルマーケット向けFinTech事業企画に従事。
ダニエル アンドラーデ ダニエル 君

2011年東京大学大学院情報処理工学コンピュータ科学専攻博士課程修了。同年NEC入社。自然言語処理において、対訳ペア獲得、含意認識技術、文書分類技術の研究開発に従事。現在NECのデータサイエンス研究所兼統計数理研究所(博士課程)に所属し、多変量解析に注力。2008年IEEE SMCia優秀論文賞(Dempster-Shaferの確率理論に関する分析)、2011年CiCling優秀論文賞3位(係り受け情報を利用した対訳獲得手法)。

 

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